◆
─────────重大な事実めいて言うまでもない話だが、どだい私には荷が勝ちすぎているのだ。
定位置は1番じゃなくて2番目か3番目。
リーダーとして矢面に立たされる面倒さは避けて。提示された話題を、時に歯の浮くぐらいのいい形にまとめるのは任せて。
かといって全部を全部投げなんてせず、足りないところ、支えるところを俯瞰して見れる、丁度いい立ち位置。
引っ込みがちな子に出番を振ったり、まとめ役がまとめに入れるように話をスムーズに回してあげる調整役。
影の参謀。ダークヒーロー。そういう風に星色になった瞳で名付けられたりしたこともある。
そういうのが、あの中で築いた、私に最も性の合ったポジションだった。
なので───そういうのじゃない、率先してみんなを引っ張っていかなくちゃいけない立場に置かれるのは、やっぱりストレスになるものなので。
話をするのに矢面に立つのも、渡されたプレゼンをよく噛んで味わって、上手く立ち回れるよう交渉するのも。
疲れる。苦労する。ぜんぜん、向いてない。
……メンバーをシャッフルした時は、好き勝手にあちこち行くのを止めて誘導したり、それを眺めて微笑まれたりと、なんかそういう扱いにされたけど。
少なくとも好きじゃないし、いつもやりたいわけじゃないからねってのは、強く断っておきたい。
だいたいここでやってきたのだって、近くでやってた人のまねっこだ。
一ヶ月間、私室の机で黙々と作業しているのを横目で眺めて、気になった事を気まぐれに質問したのを皮切りに始まる『講義』。
文書偽造の手順は教えられないけど、これをするとこういう効果を得られるのですとか。
今見せたのはこういうテクで、こうしたい目的がある時に有効ですとか。
思考の急激な変革や高度な技術取得を必要としない、即興でもできる手段については、細やかに、分かりやすく、丹念に教えられたから。
始めから講義のつもりで聞くのは必要と思っても億劫に感じてしまう質だけど、あえてこっちが興味を持って車で待って、質問に答えながら範囲を広げて講義に展開していくやり口。さすが教授。
今にして思えばそれは、『自分がいなくなった後も上手くやっていけるように育成する気だった』のだろうと。
そんな気はしていたし、そうなってると気づいてからは、意識してあの人の影を追うようにまねっこをしてきた。
でもやっぱり、案の定。
適正があろうが能力があろうが、向いてないものは向いてない。
積もりに積もって弱ってたところに注目度MAXでかかった負傷(ダメージ)が、精神(メンタル)の残量を一撃でゼロにした。
メランコリーが状態化するぐらいさんざん打ちのめされてきて、過去のライブに例のない大敗北をかましても。
痛くてもまだやるぞって。もう無理ーにはしないって頑張ろうとして、真っ先にアイドルらしく歌った仲間が。
崩れて。
潰されて。
捨てられて。
色を失った私の過去が、ガラガラと崩れる音を聞いて。
塔の上から背中を押し出される衝撃を食らって、私は落ちている。
落ちている。
落ちている。
真っ逆さまに墜ちている。
上も下も真っ暗闇で。
景色は何も見えない。
上が見えないのは夜だからか。下が黒いのは海だからか。
いま目を閉じているのか、瞑っているのかも区別がつかない。
大火の手も星光も届かない、真夜中の都会。
落ち続けている中で思うのは、墜落による恐慌とは違う。
身を切る風の冷たさと寒さ。
傍に誰もいないまま堕ちていく事への、寂しさだ。
これは私の情景ではなく、『彼』の中にある■のイメージビデオ。
私が会った彼の終着。国中で嫌われて憎まれて、それだけの事をやってのけたある犯罪者。
『その後』を知らない彼の最期は、最愛の友と対決し、真意を見抜かれてなお歩み寄る友を見上げての訣別だった。
私は彼を知っている。
一番の友達を差し置いて何でも知ってるなんて不躾は侵さないけれど。一ヶ月、奇妙な距離感ながら一緒に暮らした長がこっちにはあるんで、ちょっとだけ出過ぎたことを言ってしまう。
何でも上手くできるのに、何でも頑張っちゃうから、誰かがいないとすぐボロボロになってしまう頑張りすぎ屋さんだって、知っている。
───救いのない結末を見せられるのは、こんなにも辛いものなのさ。
着水までの一秒が耐えがたい永遠に感じられる。
墜落までの一秒が目を背けたい刹那に感じられる。
そして。
時間の感覚もなく、見ながらにして体感する果てのない落下で、私の手は掴まれていた。
指先に力を込めると握り返される。寒さを和らげてくれる暖かさと一緒に。
ああ、そっか。
そういえば、そうだった。
これがあの人の記憶なら、最期に待ち受けるのは孤独なんかじゃない。
だって星は、みんなよりもその人を照らしてあげたくて、一緒に空から堕ちてくれたんだから。
■
夢は覚めた。
水底へ沈む数秒を飴みたいに引き伸ばした長い時間、浅い昏睡から起こされる。
瞼は重い。頭は痛い。指先だけが、はっきりとしている。
寝ているのも起きているのもどっちも億劫になる怠さを振り払って目を開けると。
「摩美々ちゃん……」
私を見て震えている、青い世界と重なった。
「きり、こ」
早速、しくじる。
会えたら、久しぶりー、100年ぐらいーっ?て、重さを見せず、いつもの薄笑みで振る舞おうと決めていたのに。
繕えないぐらい弱ったところを、よりによって霧子に見せてしまった。
ぎゅっと手を握ってか細く震えた仕草は、回転しきってない寝ぼけ頭でも心労の程を想像できてしまう。きっと良くない再会の仕方をしちゃったのだろう。
「私……どれぐらい寝て───」
「あ……まだ寝てていいよ……もう危なくない……から……」
額に手を置かれてやんわりと起き上がるのを制止される。ひんやりとした、ぬめっとした感触からして、頭に冷えピタを貼られているらしい。
部屋も冷房が利いていて、向こう一日晒されてきた夏の灼熱から久しく解放された温度を保たれて───待って。
「……ここ……どこ……?」
頭を寝かせたまま周囲を見渡す。壁が淡い桃色で統一されて、色んな場所に小物で飾り付けられた女の子らしい装いの部屋だ。
公園で気を失ったらしい自分がどうしてこんな見知らぬファンシー室に案内され霧子に看護されてるのか。
いや、違う。
私、この部屋、知ってる。
間取りも家具の配置も箪笥に何が入ってるか、何もかも記憶にある。
だってここには、何度も遊びに足を踏み入れて──────
「あ~~~~! 摩美々起きとる~~~~~~~~~~!!??」
疲弊した頭蓋を揺るがす、甲高い声。
それ以上に脳を震わせる、懐かしい音色が、私を襲う。
「こ、恋鐘ちゃん……! あんまりおっきな声出したら……だめ……!」
「ん……っ! いかんいかん、そやったね……。摩美々~~~~~、起きとる~~~~~~…………?」
氷の入ったグラスやら湯気の立つお皿を乗せたお盆をテーブルに置いてから、両手で口を押さえてゆっくりと様子を窺いに来る。
大仰で横着な動作。見ていて危なっかしくも、見ているだけで照らしてくれる暑い太陽。誰もが認める、L'Anticaの絶対的センター。
柔らかい、安心させる微笑みで見下ろす姿は、偽者らしさなんて微塵もない、どこからどう見ても記憶の世界にある彼女そのもので。
「恋鐘」
「ん。そうよ」
さらさら。さらさら。
労って、慈しんで、宝石を取り扱うように髪を撫でる。
メンバー内じゃもっぱらイタズラ対象の筆頭なので、困らせて怒らせる表情の方がよく見られるけど。
誰かが本当に困った時。独りになりそうな時。足に嵌められた重い鎖をなにくそと千切って外に連れ出してくれるのは、いつだって。
「え、なに。これ、なんなの、どうして」
説明。
───誰か、説明を求む。状況把握がキャパオーバーです。
ていうか何で霧子以外に誰もいないの。他の人どした? なんで恋鐘の部屋で寝かされてる? まさかの夢オチ?
「……摩美々? どしたの? 頭痛い? もう少し寝とる?」
「恋鐘ちゃん……摩美々ちゃん、起きたばっかりで、たくさん聞いたら大変だよ……」
本当に。
悪夢だったことにしてしまえたら、どんなに幸福なことだっただろうか。
自分の知性と現実的思考が恨めしい。
「ここ、283の寮だよ……。え、とね……摩美々ちゃんのアーチャーさんとライダーさん……達と会って、摩美々ちゃんを休ませようってなって……。
そしたら……恋鐘ちゃんともそこで会って……じゃあ恋鐘ちゃんの部屋、使っていいって……」
「うちも驚いたんよ~~~! そこら中でなんかどったんばったん大騒ぎしてて、うちも避難所寄らんばってしてたら、空からお兄さんが降ってきて、何しとるとって思ったらそこに摩美々もおって気を失っとるけん。なんか大変そうやったし、そいばうちの部屋使ってよかよ~~~って薦めたけん!」
「いや、そこはもう少し警戒心持っててよ……」
炎散らして飛んできた人を見て、近づいて部屋に上げようって。バズ目当ての野次馬じゃないんだから。
「摩美々は寝てたけど霧子もおったし大丈夫やろ? それにみんな摩美々のこと心配しとったけん、悪い人じゃなさそうやし……」
んんん~~~、と今更になって悩みだす。
限界突破した、無警戒と紙一重の図太い包容さ。どこまでいっても恋鐘らしく、恋鐘のままであり、そんな他愛なさだけで目が滲みかけてくる。こんなに涙もろかったっけ。
ふと、あまりに状況を把握して内容な呑気さに、よもやという疑念が湧いて出た。
「恋鐘……ひょっとして、まだ知らない?」
「ふぇ?」
「その……この世界のこととか、サーヴァント……とか……」
「さーゔぁん……?」
うん、これは知らないや。
霧子に視線で問いかけてみるも、ふるふると首を振って返す。まだ教えるどころじゃなかったといったところか。
「そいで……摩美々達、何しとったの?」
「……………………っ」
「……………………」
……どうしよう。
知らないなら、知らないでもいいんじゃないかと思ってる。
ここは聖杯戦争のための偽の世界で、あなた達はそこで何もできず最後には消えてしまう生贄ですなんて真実、教えてどうなるというのだろう。
変えることも抗うこともできない運命、そんなものを恋鐘に突きつけて、私はどうしたいというのだろう。
そんなの教えたら、恋鐘、泣いちゃうじゃん。
「……気になるー?」
「当たり前やろ! あんなへとへとになって、知らんお兄さんと一緒にどっか行ってて! うちらここんとこ全然会えとらんやん!
咲耶もいないーってニュースになって、もううちずっと心配してたんよ……!」
何も知らず。何も教えず。
大丈夫、自分がなんとかするって目隠しをして、最後を迎えるまで置いていく。
ああ、そんな風にしたくなる気持ち、わかりますよ。
とっても大事で、危ない目に遭ってほしくなくて。
だから、そうやって置いてけぼりにされるのがどんな気持ちなのかってのも、わかるんです。
「恋鐘……落ち着いて聞ける?」
「うん!」
「あんなりいい話じゃないけど、後悔しない?」
「うん!!!」
冷静さなど欠片もない返答を受けて、こっちも覚悟を決めることにする。
横目に見やれば霧子も、不安は隠せないでも話すこと自体に異論はなさそうに軽く頷く。
これから数分の後、月岡恋鐘は界聖杯の真実を知る。
そこで直面することになるであろう、283プロでもひときわ泣き顔の似合わないアイドルの涙を見ることになってしまうのを予め腹に収めつつ。
あるいは。
古びて錆びた教会の片隅で、懺悔を語る信徒のように。
◆
「今、彼女が目を覚ましたようだ」
「そうか。ひとまずは越したか……」
華やかなりし女の園ではなく、その外周で、男二人は身を潜めていた。
律儀に用意した過去の累積を見ると年々気温の上限を更新してるらしい、いよいよ頂点に昇り詰める容赦ない夏の天球にも、サーヴァントの健康状態は損なわれはしない。
「襲撃、侵入者の気配は依然なし……
古手梨花のセイバーから聞いた長距離砲撃を可能とするアーチャーか、あの時の刺客に追われていたら最悪だったが、現在のところここが割れてる可能性は低い」
「索敵、有り難いよ。人事不省のマスターを抱えてる間に襲われるのはもう御免被りたい」
「ここを離れたとして、月岡恋鐘に危害が及ぶ可能性は考慮に入れたか?」
「聖杯戦争ももう佳境だ。全員が全員、回りくどい包囲や削りより直接的に駒を奪い合う場面まで来ている。
この期に及んで
NPCを人質に取る回りくどい真似をする奴は、戦略の意図を度外視した感情任せで周回遅れになってるさ」
とはいえ、その理にそぐわない削りこそが、彼女達にとっては一番の痛手を被るわけだが……。
283寮を使わせてもらってるのも、偶発的接触からの緊急時による要請だ。
サーヴァントがマスターのいる部屋から席を外してるのもその対策の一環、少しでも注意を逸らせるためだ。
同じユニットメンバー同士で囲みたい話もあるだろう。安全管理の観点から、会話は携帯越しに通してもらっているが。
「だから、君は残っていてよかったんだぞ、マスター。生身でこの暑さは結構きついだろ?」
「…………」
入室を勧める月岡恋鐘から保冷剤と飲水だけもらって男所帯(サーヴァント)の側に残ると決めたにちかは、膝を折って項垂れてる。
木陰を確保し、タオルを巻いた保冷剤を首と両脇に置いてあるので体感ではだいぶ涼しくなってるだろうが。
体力の消耗は抑えるに越したことはない。アンティーカ組の同じ部屋は気まずくとも、寮には客室も他の個室もあるのだからそこにお邪魔すればよかったのでは。
そう、何度か打診してるのだけれど、頑なににちかは動こうとはしなかった。
いつもの意固地や自虐ゆえの安穏を拒絶してるのではない、熱も気にならない難問を前にしたように。
「……んで、ですか」
摩美々を寝かせてから「いいえ」「はい」の簡素な返答しかしてこなかったにちかの口が、それ以外の形を作る。
「櫻木、さん。死んじゃいました。
あんな、歌ってる最中に突然、タンッって、音がしただけで、倒れて動かなくなっ、て」
否応なく、少なくない経験をした死。
過去にしてイフの自分の眠る様を胸の中で見送りすらした。
慣れるわけも耐性があるわけもないがそれまで見てきた死の中で、
櫻木真乃は違っていた。
あまりにも、あっけない。
遺す言葉はない。劇的な演出も起こらない。手向けられるのは乾いた銃声一発。
落ち葉の掃き掃除でもしてるみたいな簡素さで、どうでもいいように詰まれていった。
命の価値を説けるほどの人生観なんて、にちかは持ってない。
峰津院大和のように、人の価値を能力の有無で選別することもしない。
ガラスの靴を脱いだ七草にちかとアイドルの前線を走り続けていた櫻木真乃の価値に差をつけることなんて絶対にしない。
けれどそれなら───どうして2人の最期は、こんなに差があるんだろう?
「なんにもできないで、なんにも言い残せないで。やったこと、ぜんぶ、無駄だったみたいに。」
死んで欲しくなかったのは当然第一として、それでもにちかは自分(にちか)は受け取った。託された。
負けんな。諦めんな。またアイドルやりたいっていうんなら、どんなにみっともなくてもビッグになるって声を張り続けろ。
自分だった他人。鏡合わせみたいに近くて遠かったファンが、今の自分の一部になってるんだと実感できている。
身近な人の死が常に心震わす劇的であればなんて、幻想だ。
姉が冷たくなったのはただの事実で、淡々と処理してしまうものだって聞いている。
あんな風に死んでいい人じゃなかった、そんなのその人の近しい人は誰だって思ってる。
ぜんぶ、ぜんぶぜんぶ理解していて、けど理屈じゃない部分で納得できないのも、同じなんだろう。
「なのに、なんで私、あの時──────」
だから、疑問は別のこと。
にちかが今、本当に納得のいかない心の揺れ動き。
「すごい、『アイドル』だったなんて──────思っちゃったの」
表情が固まって倒れる前の笑顔が、閃光のように蘇る。
衣装も着飾らない、ステージも音響もないアカペラのゲリラライブ。
マイクを介さない女の子一人の声量では雑踏に飲まれてしまうか細い音でしかなかった歌は、辺り一帯に届いていた。
離れた場所の視点では、観衆の空気は冷え切ってたと言ってもいい。
住居を追われ、死ぬような目に遭って、からがら逃げ延びても待ち受けるのは世界ごとの投棄(パージ)。
絶望の虜にされていた人々に聞こえる明日を願う歌声は、慰問ライブに扱うにも効果の程は見込めていない。
けど見ていた。
誰も彼もが注目していた。
そこには魅了とは異なる、自分たちを巻きに焚べて殺し合う『マスター』に対する悪感情が大多数を占めていたとしても。
ブーイングに暴徒乱入、刀傷沙汰に発展してもおかしくない場面で、櫻木真乃は誰もが目を奪われる一番星を宿していた。
音源とは違うだろう、耳目を集めるためゆっくりとしたパフォーマンスはブレがなく。
完璧とも究極とも程遠い、ひとりぼっちのステージで輝きを、イルミネーションスターズの櫻木真乃を一分も崩さなかった。
人が、仲間が、アイドルが死んで、なのに死の衝撃は直前のパフォーマンスへの魅了で麻痺したみたいに薄れていって。
まるで自分がとても冷血な生き物に変わってしまったかのような錯覚が、真夏の太陽の下のにちかを震わせる。
「その答えはもう、マスターが見つけてるんじゃないのか」
自虐もできない自己嫌悪に中毒になりかける頭に、傍らのサーヴァントは落ち着き払って呪文を投げた。
「え……?」
「最期までアイドルでしたって、そう言ってたろ?。だったら、それが真実だ」
聞こえた意味に呆気に取られて、震えが止まる。
「残酷な光景が覆い尽くされるぐらいに、あの瞬間君は櫻木さんにアイドルを見た。
櫻木さんも……自分を見てくれる全員に、全力でアイドルを見せた。そこでもう受け取りは済んでいる」
英雄でない外交官の
アシュレイ・ホライゾンの目線からしても。櫻木真乃の歌は見事なものだった。
技術や歌唱力は飛び抜けてるわけでもない。アイドルといってもまだ新米、より優れた表現者なら星の数ほど見てきた。
だが人間には、自分のパフォーマンスを最大限に発揮することができる特定の環境がある。
それが展開される限り、全てが自分に都合よく働く、そう確信できる領域。撃たれるまでのほんの数分、彼女はそれを自力で作り出した。
初見で彼女の輝きを見出し、花開かせようと決意したであろう彼の慧眼に、深い敬意を抱かざるを得ない。
他者との交流に積極的ではない、多分に人見知りの傾向が強いだろう性格であるなら、それを外に発露する瞬間はごく限られたものだったろうに。
公園でふいに目を向けただけの偶然に、運命を定義してしまうような、一等星の輝きを見出したのだから。
「マスターが彼女のパフォーマンスを本気でそう受け取っていたなら……それはちゃんと受け取っていいものだよ。恥じたり、まして自分を責めるようなものじゃない」
「私も……ああいう風にやれってことですか……?」
「託されたものをなぞるだけじゃただの模造(コピー)だ。何も櫻木さんは死を容認してたわけがない。危ない目に遭うかもしれないってぐらいには、考えていただろうけど。
得たものを自分なりに咀嚼して吸収して、全部ものにできずとも、自分が磨いてきたものに乗せて叩きつける。
アイドルの世界でも、そんなに変わらないと思うが、どうだ?」
目の当たりにした誰かの鮮烈さを、揺らめく情動を、場にそぐわないからと否定するべきではない。
英雄の幻像を空虚だと屑籠に捨てず抱きしめたアシュレイに、にちかは首にかけていた保冷剤を除いて顔を向ける。
巡る鼓動によりほのかに血色を取り戻しつつある頬を、むにむにと動かして、ぽつり、ぽつりと吐露した。
「……なみちゃんのことが、ずっと好きで、憧れでした。あんな風にキラキラに、楽しそうになれたらって思ったのが、最初の私の理想でした」
「ああ」
「それで、次は美琴さん……あれ、美琴さんの話してましたっけ……」
「聞いてるよ。283の時の相方だろ」
「はい。私なんかが釣り合うはずもないぐらい凄くて、上手くて、カッコいい人です。
本来ならユニットで隣になんかいていい人じゃないから、私が足引っ張って台無しにするわけにはいかなくて、遅れないよう必死に練習してるけど、やっぱ追いつけるわけなくて……」
夢に描いた理想。
息を切らして追いかけた憧憬。
これまでにちかは、ふたつの偶像を到達点に定めて、傷つきながらも走っていた。
「また……増やしちゃっても、いいんでしょうか? 私にとっての憧れ(ヒカリ)を」
そしてまたここに、新しい像を結ぶ。
「こう在りたい。ああ成りたい。雛形にするのがひとつだけじゃなきゃいけないなんて理屈はない。
美しいと思えるものを見られること自体は、悪ではないんだから。
それに後輩の成長に一役買えるのは、先達冥利に尽きるものさ」
そういうのを素直に喜べるアイドルだったよ、彼女はと。そう付け加えられて。
「……そっか。私がまた、アイドルになるなら……あの人たちの後輩に、なるんですよね」
曇りない空を見上げる。
うだるような暑さも、背中を垂れる汗も、今は少しだけ気にならなかった。
周回遅れはここまでだ。
全員で巻き返すぞ。
◆
夏の熱気も届かない、淡いピンクのパステル調の中で。
摩美々と霧子は恋鐘に言葉を告げた。
「ん~~………………………」
界聖杯。聖杯戦争。マスター。サーヴァント。NPC。消える世界。泡沫の生命。
秘されるべき真実。食せば二度と無知の頃には戻れない禁忌の果実。
「んん~~~~………………………」
情報の開示は、方舟にメリットをもたらしはしない。
聖杯に近づいたNPCは構成する情報量が増しサーヴァントが捕食する際の魔力効率が上昇する仕掛けがあるが、考慮にすら値していない。
幽谷霧子はマスターのみならず、生存を願うNPCにすらも方舟に乗せる希望がある。
故に残酷な通知を送ることになるとしても、教えずにいられなかった。
───自分もよく知る、けれど元いた世界のない恋鐘が帰るべき場所はどこだろうと思いを巡らしながら。
「んんんん~~~~~~………………………!」
そして界聖杯の真実に触れた月岡恋鐘は。
「2人の言ってること、ぜんぜん分からん~~~~~~~~~!!!」
ものの見事にパンクしていた。
「聖杯とか、さーゔぁんととか、急に難しい話されても、ちんぷんかんぷんとよ……!」
「恋鐘ちゃん……」
「うん、そういう反応だよね」
許容量を超えてわんわん唸る。
今の恋鐘は決して彼女の認識力の問題ではない。
生きている現状に疑問を持たず日常を過ごす者に、お前たちは偽者でここは偽の世界だと言ってもそう信じることはない。
渋谷から伝播して街の住人が信じざるを得なくなったのは、実演を以て教えられたからこそだ。
知識は俄に信じ難くとも、これからあの怪物に殺されることだけは事実であり、その事実が他の付随する語りも同じ列に続く現実なのだと。
恋鐘はそれを知らない。
皮下の放送は耳に入らず、渋谷の惨事には居合わせずにいたままという、ある種の奇跡的な道程を辿った彼女に、自他が空想であるという実感は薄かった。
「ばってん……摩美々も霧子も、えらい大変な目にあってきたってことは、分かったばい」
あるのはただ、目の前のユニットメンバーに対する、純粋な心配だけだ。
「ず~~~っと頑張ってたとね、2人とも。偉い偉い。それに咲耶も。みんな頑張り屋さんたい……」
真偽は分からない。けどこの2人がこんなに真剣に話してるんだから、じゃあそれは本当なんだろう。
誰とも分からぬ告知ではなく、誰よりも信頼を寄せる最高の仲間の言葉が、確証の担保になっていた。
「……っ」
両目を閉じて涙ぐむ霧子に対して、摩美々は顔を伏せてこみ上げるものを堪えた。泣き虫属性は自分のキャラじゃないのだ。
「そいでまた、2人とも続けるん? そのせーはいせんそう?」
「……うん………」
「……そうなるかなぁ」
「
プロデューサーも、そこに行くん?」
「───────ん」
ゲームを強いられてるのは、アンティーカだけではない。
恋鐘も会ってるにちかと……界聖杯が作られてからは恐らくどのアイドルも会っていないだろう人のことも、伝えてある。
「じゃあうちも───」
「それはだめ」「それは……だめ……」
「なして~~~~~~~~~~!?」
即刻で一瞬で時を移さずに出した却下だった。
出鼻を挫かれた恋鐘は前のめりになってずり落ちる、模範的なツッコミで床のカーペットにへたり込む。
「なしてうちは行っちゃ駄目と~~~!? 」
「いや……だから参加できるのはマスターだけって……あーもー……」
もう一度説明するべきか。しかし理解するまでどれだけ時間をかけるだろう。
普段なら滾々と話し続け時間を浪費するのも吝かでもないが、一時休止してるだけで緊急時の真っ只中だ。
何よりも、全てを把握したとして、その後彼女に何が待ち受けるというのか。
「恋鐘……何も言わないのー?」
「ん? 何がー?」
「世界のこととか、街の人のこととか。私、けっこうヤバいこと話したつもりなんだけど……」
「んと……ここもうちも、みーんな造り物ってところ? むむむ~~~そい言われても……うちは今まで元気に生きとったし……摩美々も霧子もうちの知っとるままやし……」
首を捻って愛嬌よく悩む仕草に、自己の存在の否定、これから居場所ごと消える結末への恐怖は見られない。
概要ぐらいは飲み込めているだろうに、『それ、そこまで気にする必要ある?』と疑問を返すように。
「それに、2人の知っとるうちも今のうちのまんまなんやろ?」
「それは……まあ……」
「うん……恋鐘ちゃんは……恋鐘ちゃんのまま……」
「だったら、なんも問題なか! うちは月岡恋鐘で、283プロのアイドル!
咲耶と摩美々と結華と霧子と一緒の、L'Anticaのリーダーたい! それがほんとのままなら、どこにいたってうちはうちばい!」
「─────────────」
天地が返るような、とんでもない発言を聞いた気がする。
自分の記憶と相手の記憶とが、食い違いがなく重なっていれば、偽物かどうかなんて関係ないと。
世界の構造がどうとかではなく、アンティーカとの絆の有無こそが、今の自分を本物足らしめるのだと。
仮初なはずの誰かの似姿は、自分の真理を本気で信じているのだ。
「それよかむしろ2人の方が心配ばい……いきなりひとりで知らんとこにお引越ししちゃったようなもんやろ……?
元の家に帰れないのは、寂しかよ……」
辛抱が決壊するのに、さほど時間はかからなかった。
天上天下唯一無二、あまりにも恋鐘な恋鐘ぶりに、不安定だった摩美々の情緒はここで防波堤を乗り越えた。
「や……それは都合、よすぎるでしょ……」
酷いことを言ったのだと、自責していた。
泣かせちゃうんだろう。怒らせちゃうんだろう。裏切られた顔で突き放されたって仕方がない。怯えながらいつ責められてもいいように予行練習していた。
そういう風にしてここで叱られたいって、最低に駄目な甘え方をしてしまった。
「ばか。恋鐘がそんなこと、言うわけないじゃん───……」
摩美々は悪い子で、特に被害を受ける恋鐘はよく叱っていたけど。
欲しい「怒られたい」は、親が子に、姉が妹に、そんな意地悪をしちゃだめでしょって嗜める、あいの還元であって。
本気の感情を交わしあった仲でも、相手を『嫌い』や『憎い』からで怒ったことなんて、一度だってありはしなかった。
愛と憎しみは表裏一体なんて誰かは言うけど。
好きなんだから、嫌いになれるはずがない感情だって、間違いなくある。
「ど、どしたね摩美々!? まだどこか痛む!?」
「ううん……違うよ…………」
狼狽える恋鐘を、背を丸めた摩美々を擦る霧子はかぶりを振った。
「私も摩美々ちゃんも……恋鐘ちゃんがいつもの恋鐘ちゃんで、嬉しいんだ……っ」
本物のリーダー……今となっては疑う余地のない「月岡恋鐘」に、霧子も笑う。
どんな時も寄り添い、暖めてくれる、太陽のような存在感。
ここにいること。生きてくれていること。その全てに感謝したくて、恋鐘に祝福をあらん限りの祝福を送る。
「??? なんかよく分からんが、うち褒められとるん……?」
「うん……恋鐘ちゃんも、偉い子……!」
「んふふ~~~ありがと~~~!」
優しい笑い声に包まれて、摩美々は嗚咽を止めないでいた。
キャラじゃないなんて突っ張りは何処へやら。落ち着いたら途轍もなく恥ずかしくなるに違いない。見ているのは霧子と恋鐘だけでよかった。
だからもう、泣くのはこれで最後にしよう。
詰まる喉が使えないまま、胸の内でそう誓う。
嫌なものは、この際ここでぜんぶ流してしまおう。どうせ昨夜から直してないメイクでドロドロだ。後でメイク落としを借りていちからやり直せばいい。
いつものメイクをして、パンキッシュに決めて、不敵な笑みを装備すれば、悪い子アイドルの摩美々の完成だ。
綺麗だと褒めてくれた色を、もう二度と、くすませたりしない。
◆
「摩美々ちゃん……」
「んー?」
「摩美々ちゃんのアーチャーさんや……にちかちゃんのライダーさんから……たくさんのお話、聞いたの……」
「……うん」
「あの……恋鐘ちゃんがいたからずっと言えなかったけど……真乃ちゃんのこと……あと、もう一人のにちかちゃん……」
「……ん」
「わたし……何も知らなくて……知らないまま、ずっと来れなくて……。
みんなが危ないのに、わたしだけ……ひとりで……」
「霧子。しー。恋鐘に聞こえちゃう」
「あ、ご、ごめんね……。でもやっぱり……わたし……」
「だから、言わないでってー。わざわざ背負うことじゃないよ、これ。何でも相談するからって、傷つけたいわけじゃないんだし。霧子があそこにいなくてよかったって、思ってるし。
それに、霧子も向こうでめっちゃ頑張ってたんでしょ?」
「……うん…………。摩美々ちゃんに教えたいお話……いっぱいあるから……!」
「ふふー。それは楽しみー」
玄関前。
身支度を整えて後は扉を開けるだけの2人は暫しの雑談を交わしていた。
半日ぶりのお喋りは久しく合わなかったぐらいの長い間隔がある。283に入ってからもない、怒涛に濃密な一日だった。
「ていうか……うわ、でっか…」
「ふふっ……おにぎりで、いっぱい……」
視線を落とした所には、恋鐘から渡された手提げ袋。
スーパーの買い物用のエコバッグには一個一個が掌大の握り飯が所狭しとごろごろ詰められている。
「てか多すぎだしー」
「お弁当ばい! もうすぐお昼やし、たくさん食べて力つけんとすぐバテてしまうばい! あっちのお兄さんやにちかにもあげたってね!」
どうやら摩美々がメイクを直してる間に冷蔵庫にあった冷やご飯、昨日のおかずの残り物を総動員して作っていたらしい。
作り置きの麦茶も水筒に分けて配ったりと、夏対策の行き届いた配慮には溜め息が出る。
「うち、まだよく分かっとらんけど……摩美々も咲耶も霧子も、にちかもプロデューサーも……みんな揃って家に戻れるよう、ここで応援しとるよ!」
胸の前で、ぐっと握りこぶしを作って鼓舞する。
そんな仕草で、脳裏に過去の記憶が蘇る。幻影は胸に靄をむだけで、さざ波を立てることはない。
「───うん。いってきまーす」
「恋鐘ちゃん……またね……!」
「いってらっしゃ~~~~~い!
……あ、そや! 摩美々!! 霧子!!」
ドアノブに手をかけ、扉を開こうとする直前、咄嗟に思いついたように弾ませた声で恋鐘が呼び止めた。
何事かと振り返る2人に、空の手を前に出して。
「───うちらが宇宙一ばーい!」
「……!」
鳴り響く5人の出陣の号令に全身が痺れる。
舞台裏でも感じる観客の熱気。躍り出る昂りがリピートされる。
隣と目を見合わせる。
息を合わせ、頷いた。
『アンティーカー───!!』
叩いた手の音の数は、3つだけじゃなかった。
きっと───錯覚では、ない。
錆びついた運命の鍵はここに廻る。
胸に燻る焔をウタに、孤独な泪をネガイに。
彼女たちは今も希望を謳い続ける。
◆
【杉並区・283寮前/二日目・午前】
【
七草にちか(騎)@アイドルマスターシャイニーカラーズ】
[状態]:精神的負担(大/ちょっとずつ持ち直してる)、決意、全身に軽度の打撲と擦過傷、『ありったけの輝きで』
[令呪]:残り二画
[装備]:
[道具]:
[所持金]:高校生程度
[思考・状況]基本方針:283プロに帰ってアイドルの夢の続きを追う。
0:
1:アイドルに、なります。……だから、まずはあの人に会って、それを伝えて、止めます。
2:殺したり戦ったりは、したくないなぁ……
3:ライダーの案は良いと思う。
4:梨花ちゃん達、無事……って思っていいのかな。
[備考]聖杯戦争におけるロールは七草はづきの妹であり、彼女とは同居している設定となります。
【ライダー(アシュレイ・ホライゾン)@シルヴァリオトリニティ】
[状態]:全身にダメージ(大)、疲労(大)
[装備]:アダマンタイト製の刀@シルヴァリオトリニティ
[道具]:七草にちかのスマートフォン(プロデューサーの誘拐現場および自宅を撮影したデータを保存)、ウィリアムの予備端末(Mとの連絡先、風野灯織&八宮めぐるの連絡先)、WとMとの通話録音記録、『閻魔』、『天羽々斬』
[所持金]:
[思考・状況]基本方針:にちかを元の居場所に戻す。
0:また重い責務を背負ってしまったな。
1:今度こそ、P、梨花の元へ向かう。梨花ちゃんのセイバーを治療できるか試みたい
2:界奏での解決が見込めない場合、全員の合意の元優勝者を決め、生きている全てのマスターを生還させる。
願いを諦めきれない者には、その世界に移動し可能な限りの問題解決に尽力する。
3:界奏による界聖杯改変に必要な情報(場所及びそれを可能とする能力の情報)を得る。
4:情報収集のため他主従とは積極的に接触したい。が、危険と隣り合わせのため慎重に行動する。
5:大和とはどうにか再接触をはかりたい
[備考]
宝具『天地宇宙の航海記、描かれるは灰と光の境界線(Calling Sphere Bringer)』は、にちかがマスターの場合令呪三画を使用することでようやく短時間の行使が可能と推測しています。
アルターエゴ(
蘆屋道満)の式神と接触、その存在を知りました。
割れた子供達(グラス・チルドレン)の概要について聞きました。
七草にちか(騎)に対して、彼女の原型はNPCなのではないかという仮説を立てました。真実については後続にお任せします。
星辰光「月照恋歌、渚に雨の降る如く・銀奏之型(Mk-Rain Artemis)」を発現しました。
宝具『初歩的なことだ、友よ』について聞きました。他にもWから情報を得ているかどうかは後続に任せます。
ヘリオスの現界及び再度の表出化は不可能です。奇跡はもう二度と起こりません。
【
田中摩美々@アイドルマスター シャイニーカラーズ】
[状態]:疲労(中)、ところどころ服が焦げてる、過労、メンタル減少(回復傾向)、『バベルシティ・グレイス』
[令呪]:残り一画
[装備]:なし
[道具]:白瀬咲耶の遺言(コピー)
[所持金]:現代の東京を散財しても不自由しない程度(拠出金:田中家の財力)
[思考・状況]基本方針:叶わないのなら、せめて、共犯者に。
0:行ってきます、恋鐘。
1:悲しみを増やさないよう、気を付ける。
2:プロデューサーと改めて話がしたい。
3:アサシンさんの方針を支持する。
4:咲耶を殺した人達を許したくない。でも、本当に許せないのはこの世界。
[備考]プロデューサー@アイドルマスターシャイニーカラーズ と同じ世界から参戦しています
※アーチャー(
メロウリンク=アリティ)と再契約を結びました。
【アーチャー(メロウリンク・アリティ)@機甲猟兵メロウリンク】
[状態]:全身にダメージ(中・ただし致命傷は一切ない)、疲労(中)、アルターエゴ・リンボへの復讐心(了)
[装備]:対ATライフル(パイルバンカーカスタム)、照準スコープなど周辺装備
[道具]:圧力鍋爆弾(数個)、火炎瓶(数個)、ワイヤー、スモーク花火、工具、ウィリアムの懐中時計(破損)
[所持金]:なし
[思考・状況]基本方針:マスターの意志を尊重しつつ、生き残らせる。
0:復讐は果たした。が……
1:田中摩美々は任された。
2:武装が心もとない。手榴弾や対AT地雷が欲しい。ハイペリオン、使えそうだな……
[備考]※圧力鍋爆弾、火炎瓶などは現地のホームセンターなどで入手できる材料を使用したものですが、アーチャーのスキル『機甲猟兵』により、サーヴァントにも普通の人間と同様に通用します。また、アーチャーが持ち運ぶことができる分量に限り、霊体化で隠すことができます。アシュレイ・ホライゾンの宝具(ハイペリオン)を利用した罠や武装を勘案しています。
※田中摩美々と再契約を結びました。
【幽谷霧子@アイドルマスターシャイニーカラーズ】
[状態]:健康、お日さま、『バベルシティ・グレイス』
[令呪]:残り二画
[装備]:包帯
[道具]:咲耶の遺書、携帯(破損)、包帯・医薬品(おでん縁壱から分けて貰った)、手作りの笛、恋鐘印のおにぎりとお茶(方舟メンバー分)
[所持金]:アイドルとしての蓄えあり。TVにも出る機会の多い売れっ子なのでそこそこある。
[思考・状況]基本方針:もういない人と、まだ生きている人と、『生きたい人』の願いに向き合いながら、生き残る。
0:またね、恋鐘ちゃん。
1:プロデューサーさんの、お祈りを……聞きたい……
2:色んな世界のお話を、セイバーさんに聞かせたいな……。
3:梨花ちゃんを……見つけないと……。
4:界聖杯さんの……願いは……。
[備考]※皮下医院の病院寮で暮らしています。
※"SHHisがW.I.N.G.に優勝した世界"からの参戦です。いわゆる公式に近い。
はづきさんは健在ですし、プロデューサーも現役です。
※メロウリンクが把握している限りの本戦一日目から二日目朝までの話を聞きました。
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時系列順
投下順
最終更新:2023年08月17日 14:51