力の間の上空にて、黒竜が雄たけびを上げる。
それを睨みつけるは、噴煙の鱗を纏い、朱と金の角を持つ炎竜だ。
「さあ炎竜よ。その黒トカゲを焼き尽くせ!!」
デマオンが叫ぶと、炎の魔獣はブンババを飲み込もうとする。
しかし、その身の丈はブンババの方が大きい。それでは怪物の身体を焼くことが出来ても、吞むことは出来ないだろう。
だが、この場にいるのは竜とその飼い主のみではない。
覚が怪物に呪力を当てると、炎の怪物は、ごうごうと音をたてて、さらに勢いづいて行く。
「ひょっひょっひょ…そんな大きさでオレさまに向かって来るとはな……。」
大きく口を開け、ブンババは緑色の息を炎竜に浴びせる。
風圧で軽く吹き飛ばしてしまいそうな勢いだ。
だが、デマオンの魔法で作られた竜はそんなものを恐れず、ガスの中を突っ切って行く。
その瞬間、激しい音を立てて爆発が起こった。
簡単な話、炎の塊にガスを浴びせれば、大爆発が起こるのは当然だろう。
ブンババも爆発に巻き込まれ、顔にやけどを負うが、その程度で死ぬことは無い。
「ポイゾナ!!」
吐息の色からして、毒ガスだと判断したローザは、全員に解毒魔法をかける。
覚も呪力で風を起こし、散らばった毒ガスを吹き飛ばす。
バケネズミの襲来の際に覚えたやり方だ。
「そ奴を倒したところで何も変わらぬ。」
余裕のある発言をしながらも、デマオンの額には汗が浮かんでいた。
ここまで手の内が読めない相手なのだから、むしろ平静を見せているだけでも称賛されるべきであろう。
「わしを殺さぬ限り、何度でも蘇るからな!!」
再びデマオンが両手を掲げ、炎を生成する。
業火がとぐろを巻き、次第に大口を開けた竜へと姿を変える。
先ほどと同じように、炎の燃え盛る音が雄たけびとなり、ブンババへ向かっていく。
「ホ~ッホッホッホ。わらわのことは気にしないで良いのかえ?」
だが、敵はブンババのみにはあらず。
黒竜の召喚士にして、真の敵が魔法の詠唱を始める。
「そうはさせぬ!!」
メルビンの疾風突きが、女王の首筋を捉える。
またもその一撃は、彼女が右の掌を前に出すと、皮膚に届く寸前で止められる。
剣がまるで貼り付けられたかのように、押しても引いてもその場から動かない。
「甘いわ、シャドウフレア。」
「…これは!?」
女王の左手が黒く輝くと、黒い炎がメルビンの近くに現れる。
それは憑依主が使うことが出来ず、また女王も使えなかった魔法。
リディアの世界の黒魔法と、カゲの女王の力が合わさった、魔法を越えた何かだ。
黒い炎はすぐにメルビンの近くに収束していき、爆発を起こす。
「ぐはあっ!!」
魔法の盾でのガードも意味がなく、爆風で吹き飛ばされる。
ただの炎魔法ならば、魔法の盾でその威力を抑えられたはずだ。
だが、シャドウフレアの恐ろしい所は、属性を持たぬこと。
全く持って予想外の攻撃により、シェルとマジックバリアの加護があっても、ダメージは低くない。
「メルビンさん!!」
彼が壁にぶつけられる前に、覚が呪力のクッションを作り、追加のダメージを軽減させる。
だが、メルビンが吹き飛ばされたことのダメージは、彼だけが受けるものではない。
現在の戦いは、守りに長けたメルビンと、生命力に長けたデマオンが前線を担っている。
だが、デマオンは女王の召喚したブンババにかかりきりだ。
従って、メルビンが崩れたことは前線の崩壊を意味する。
「ドカン!!」
のび太の空気砲が、拳銃が女王を狙い撃ちにする。
そんなもので倒せる相手ではないことは、5回に1回は0点を取っているのび太でさえ分かっている。
だが、メルビンが復帰するまで、デマオンがブンババを倒すまで、少しでも時間稼ぎになればいいと考えた攻撃だった。
ローザも防御魔法ではなく、弓を弾き搾り、女王の心臓目掛けて撃つ。
だが、2人の期待は露と消えた。
女王がカゲに包まれ消えたと思いきや、不意に二人の後ろに現れた。
前線が崩れた今、まずは弱い者から殺して行く。
「ローザ殿!!」
「のび太!!」
メルビンと覚が叫ぶが、どちらも攻撃に間に合わない。
のび太たちは女王がどこに現れたかすぐ気づくも、時すでに遅し。
彼女の両手には、魔力が装填されている。
「落ちよ雷!!」
しかし、デマオンの雷の魔法が女王の頭上から落とされる。
ブンババ程度の怪物を相手にしているからと言って、他の4人のことが目に入らないというわけではない。
魔王たる者、兵士と兵士の戦い1つではなく、戦場を幅広く観察し、適宜援助することが求められる。
「デマオン殿!」
「心配しておる場合か!こんな怪物一匹程度、わしが片手間で倒すことが出来るわ!!」
「耳障りな雷じゃ…じゃが、どのみち変わらん。」
彼女への決定的なダメージは与えられない。だが、のび太たちが逃げるまでの時間稼ぎに放った。
勿論稼げたと言えど、その時間はほんの一瞬。
だが、戦いというのはその一瞬で盤面が変わることなどざらにある。
「遅いわ!シャドウフレア!!」
「リフレク!!」
のび太に魔法が来ることを読んで、ローザは反射魔法を使った。
敵がリディアの力を使って来るなら、魔法を跳ね返すことは可能だと踏んでいた。
先程までのび太に集まろうとしていた黒い炎が、光の壁を境に方向転換して、術者の方に集まる。
メルビンが受けた時と同じ爆発が、女王を中心として起こった。
「やった!」
「ホホ……影の力の使い手が、カゲの炎に飲まれると思ったか?」
だが、のび太の歓喜は、すぐに消されることになる。
最も、それは追加の攻撃が無ければの話だが。
「ローザ殿、でかしたでござる!グランドクロス!!」
「ドカン!!」
すぐに戦線復帰したメルビンが、走りながら十字を斬る。
女王のカゲの魔法に、メルビンの聖なる力が合わさる。そこにのび太の空気弾も追加される。
これならいかなる力を以てしても吸収し切ることは出来ず、しかも威力はさらに増している。
白銀と黒金、二つの光を纏った大爆発が、女王を飲み込む。
鼓膜をつんざくような爆音が、空気を揺らす。
だが、それでも倒せる相手ではない。
女王はローブの両腕の袖が破れ、そこから火傷を負った皮膚を覗かせているも、まだ五体満足という状態だ。
「まだだ!畳みかけろ!!」
デマオンがブンババの相手をしながらも、他のメンバーに檄を飛ばす。
多くの世界に言えることだが、召喚士が死ねば召喚獣は消えてなくなる。
しかし、当のブンババはなおも健在。緑色のガスをまき散らしてデマオンの炎竜と対峙している。
「心得ているでござる!」
「言われなくても分かってるわ!!」
「ああ……。」
勢いよく声を出すメルビンとローザに対し、覚の掛け声は物憂げだった。
彼のみがそのような反応をするのも、当然である。
シャドウフレアとグランドクロスが交わった瞬間、一瞬見えたのは、虹色の蜃気楼だった。
朝比奈覚はよく覚えている。14年前、搬球トーナメントで呪力がぶつかり合った瞬間、虹色の霧のようなものが生まれたことを。
今起こったのは、呪力の干渉だ。
先ほど彼は呪力を使ってはいない。
だが、それでも何か良からぬことが起こったのだと、はっきり分かった。
「メルビンさ……あちっ!!」
覚が呪力の干渉のことを話そうとしたが、不意に飛んで来た火の粉に邪魔をされる。
それはブンババのブレスによって、爆散した炎の竜の破片だ。
「はやぶさ斬り!!」
高速の二連撃が、女王を襲う。
袈裟斬りは止められ、逆袈裟斬りは影の結界に阻まれる。
メルビンはかつてゴルベーザと戦った際に、似たような状況を目の当たりにした。
だが、それと早季が業魔化した原因の因果関係は知らないし、そんなものを気にしながら戦う余裕のある相手ではない。
「目障りな小蠅じゃ…もう一度吹き飛ばされねば分からぬか!!」
「リフレク!」
女王の魔法も、反射魔法が通じると分かった今、ローザの行動は速かった。
いち早く、メルビンにも魔法をかける。
「ホホホホ…一度はしてやられたが、同じ手を使うとは甘いヤツらじゃ……。」
女王がフウと息を吐いた。
ブンババのものとは違う、黒い色を纏った吐息だ。
慌てて覚が、呪力で風を起こそうとするが、もう遅い。
「ぬおっ!」
突然の向かい風に、メルビンは吹き飛ばされそうになる。
だが、女王の吐息は、彼らを吹き飛ばすことが目的ではない。
「ローザ殿の魔法が……!まさかこれは、怪しい霧のようなものでござったか?」
まき散らされた黒い息は、全員にかけられていた魔法の力を打ち消す効果があった。
メルビンのマジックバリアも、ローザのシェルやリフレクも、一様に消されていく。
「ならば!」
しかし、今の攻撃に殺傷力が無いと分かると、すぐにメルビンは攻撃に転じた。
女王の吐息は、かつての冒険で魔王から受けた、凍てつく波動のようなものだと認識した。
ダメージをさほど受けない攻撃だとすると、防御をする必要が無いため、その間に攻撃するのが吉だ。
だが、決定打を与えるまでに、影の力を得た女王はまたも消える。
「皆!目で見るのではない!心で奴がどこから出るか感じ取るでござる!」
メルビンは敵が何をしてくるかいち早く察し、一層の警戒を促す。
特に警戒すべきと4人が考えたのは、先程と同様、のび太かローザの付近だ。
今度はリフレクを使う暇など与えてくれる相手ではないし、リフレクの詠唱中に後ろから攻撃される可能性もある。
だが、大方の予想を反して、女王が現れた場所は。
5人の中で、一番強い者の背後だった。
「デマオンさん!」
一番最初に、女王がどこに現れたか気付いたのはローザだった。
だが彼女をしても、気づくべきタイミングと比べて、2手後れを取った。
いくら警戒をしろと言われても、出来る範囲には限りがある。自ずと、勝手な判断で注意せねばならぬ箇所に目星をつけてしまうものだ。
「ホ~ッホッホッホ。わらわの目前で王を名乗ったその無礼、今償ってもらおう!!」
既に女王は真っ黒な力を纏った杖を取り出し、デマオンの心臓目掛けて刺そうとする。
デマオンも気づくも、目の前には黒竜。背後には女王。
いかなる手練れの人間と言えど、強者2人に挟まれてしまえば、その結末は想像に難くない。
☆☆
またも、景色は変わる。
今度は図書館のような屋内ではなく、青空の下にある戦場。
だが、これまでとは大きく異なることが1つあった
(いない……奴は何処に!?)
物陰に隠れているというわけではない。
周囲は茂み一つない草原。リンクの視界を遮るものは存在しない。
前後上左右、何処を見渡しても、ザントの姿は無かった。
勿論、地中に隠れて、自分が油断した瞬間を狙っていることも念頭に置いている。
かつて戦った時は、敵は地中から現れたタケノコ型決戦兵器ザント1号(嘘みたいだろ?正式名称だぜ!?)を使って不意を突いてきた。
「流石は神の力に選ばれた勇者と言った所か……我が女王から、更なる力を承った私でさえ、ここまで手を焼くとはな……。」
声が聞こえる。だというのに、どこにいるか分からない。
本来なら敵の声が聞こえれば、その方向から居場所を探れるはずだ。
そのはずだが、声があちらこちらから聞こえてくるため、それが出来ない。
スッ、と静かな音がリンクの耳を過った。
すぐにその音の方向に斬りかかる。
だが、現れたのはザントではなく、その仮面の部分のみ。
かつてザントの居城で何度か倒した、ザントアイという怪物だ。
特に強化されているという訳でもなく、マスターソードの一刀のもとに切り伏せられる。
(やはりか……!!)
ザントアイが消えたと思いきや、今度は12時と4時と8時の方向から、新手のザントアイが現れる。
仮面を模した不気味な怪物たちは、口に当たる部分から魔法弾を吐き出す。
その動きはゆっくりで、複数の方向から撃たれても、見てからでも余裕を持って躱せる。
回転アタックで3体のうち1体の下に近づき、すぐさま回転斬りを当てる。
1体は倒せるが、当然残り2体には背を向けることになる。
だが、リンクは慌てることなく、トルナードの盾を前に構える。
――弐の奥義 盾アタック
敵の守りを崩すだけではなく、真っすぐに飛んでくる攻撃ならば跳ね返すことも可能だ。
一発で、二つの魔法弾を同時に打ち返す。
自らの魔法弾を受けた2体のザントアイは、瞬間移動も魔法弾も使えなくなる。
「てえやああ!!」
回転斬りを放って、2体のザントアイを纏めて吹き飛ばす。
何ら手ごわい相手ではない。ただ、気になるのはこれからのこと。
(コイツらを全滅させれば、あの時みたいに何かが起こるのか?)
影の宮殿でザントアイに襲われた時も、全滅させれば部屋のカギが手に入った。
この辺りには、鍵のかかった扉らしきものは見当たらないが、ザントアイを倒すことが何らかのカギになっていると考えるのが妥当だ。
その後も何体かザントアイを倒すと、急に新手が現れなくなった。
(!!)
代わって現れたのは、ザントの幻影。スフィアの部屋を守っていた怪物だ。
1体ずつ倒したあの時とは異なり、今度はリンクの前に1体。後ろに1体。
全体に薄緑がかかり、ぼやけた姿の怪物は、出現するとすぐに両手を掲げ、魔力を溜め始める。
(コイツは恐らく……!!)
魔力を解き放つ前に、急いで片方に突進する。
――伍の奥義 居合い
聖なる光を込めた剣の一撃は、ファントムザント程度難なく切り裂く。
だが、それが出来たのは一体だけ。
2体がそれぞれ離れた場所にいる以上、同時に倒すことは難しい。
討ち漏らしたファントムザントは、リンクの予想にたがわず、影の魔物を呼び出す。
キイキイと耳障りな鳴き声と共に、影の蝙蝠の大群が塊となって襲い掛かって来た。
ザックから爆弾を取り出し、黒の塊目掛けて投げつける。
派手な破裂音と共に、魚の頭を模した爆弾は爆発。
飛び散った破片と迸る爆風によって、真っ黒な翼がボトボトと落ちていく。
だが、目の前の敵は黒幕の幻影の、そのまた走狗だ。
いくら倒しても、有利になることは無いし、体力や道具を無駄に使うことになる。
(くそ……あと何処までやればいい?どこまで倒せばザントが出てくる?)
爆弾で倒しきれなかった影の蝙蝠を斬り払いながら、ファントムザントへと疾走する。
だが、リンクが斬りつける寸前で姿が消え、別の場所に現れる。
魔物を召喚するかと思いきや、また姿を消し、離れた場所に現れる。
しかもいつの間にか、3体目のファントムザントが現れていた。
これでは、いくら倒してもキリがない。
(くそ……このままこっちがへばるのを待つつもりか……)
牧童として体を鍛え、森や山を駆けまわって来たリンクとて、体力が無限にあるわけではない。
ずっと戦い抜けば、いずれ体力は底を尽きる。
先の見えない不安、ミドナも、この殺し合いで共に戦った仲間もいない戦況。
消耗しきるのは、彼の精神か、肉体か。
だが、この場にいるのは1人だけではない。
この場で初めて、ザントとは関係ない者が現れた。
「フッ。どうやら正解だったようだな。」
手始めに、銀色に輝く竜星が流れた。
それは一瞬の間に空気を奪っていくハレー彗星さながらに、幻影を瞬く間に切り裂く。
その一撃は、リンクが殺し合いが始まってすぐの頃に目の当たりにしたものだった。
「カイン!」
「無事で何よりだ。」
クリスチーヌにキョウヤにミキタカ。それに一人だけ、リンクの見知らぬ者もいる。
だが、それが逆にリンクを安心させた。
ザントがもしリンクをぬか喜びさせようと思って、偽物の仲間を呼んだのなら、わざわざ見知らぬ相手を用意する必要が無いからだ。
「間一髪だったみたいだ。良かったぜ。」
「あんたはメルビンが言ってた、キーファって人か?」
「ああ。間違いないぜ。」
予想通り、メルビンが言った支援者で間違いはないと分かると、ザックから正宗を渡す。
奇妙な楽器を持っているが、これで戦えと言うのは酷な話だ。
「ん?ここは、あの殺し合いの会場じゃないのか?」
「大方、あいつの幻影じゃないの?まあどっちにせよ、あいつを倒すことには限りないけど。」
リンクの表情に、明るさが戻る。
こんな所で、こんな目に遭ったが、それでも彼らと会えて、彼らと食事を囲ったのは良かったと思っている。
緑の勇者の手の甲に、勇気の証が輝き始めた。
☆☆
魔王の背後に現れるは女王。彼女の黒いシルクの手袋に包まれた右手には、先端の尖った杖がある。
まさに、王手と言った所だ。
他の者の叫び声も空しく、杖は心臓に吸い込まれる。
デマオンの不死の術も、この場では意味を成さない。
「な!?」
しかし、驚愕の表情を浮かべたのは、女王の方だった。
何しろ、突き出した杖が押しても引いても動かなくなったのだから。
デマオンは巨大な手で、女王の手をがっちりと掴んだ。
「待っておったわ。わしがこれほど餌を撒けば、いずれかかってくると。」
「女王さま!!おのれ……!!」
だが、女王に面を向けることとは、即ちブンババに背を向けるということ。
女王の不意打ちを読んだのはさすが魔王と言った所だが、それには代償を伴う。
主人が危ないと感じたブンババは、巨大な鼻から息を強く吸い込む。
「メガブレ……ぐぬおおおお!!」
デマオンが左手をかざした瞬間、ブンババの顔面が爆ぜた。
先程よりもはるかに大きい爆発だ。しかもメガブレスの分も加わる。
「地球人共!奴を倒せ!!」
「心得たでござる。ドラゴン斬り!!」
「ホーリー!!」
メルビンの斬撃が、竜の咢を切り裂き、ローザの白魔法が、竜の心臓を貫く。
魔王の命令に従うのは不服だが、厄介な敵を倒せるこの上ないチャンスだ。
ブンババは顔を歪ませ、ズズンと轟音を響かせて倒れた。
「あの程度の黒トカゲを、わしが倒せぬと思ったか?女王と言えども見誤ったな。」
「ま、まさか、力を加減しておったのか?」
「その通りだ。わしが苦戦しているふりをすれば、愚かにも近づいてくれると思ったのでな。」
味方も、敵も、そして自身も。全ては勝利という巨大魚を釣る餌。
魔王が魔王たらしめる度胸と、味方を味方とも思わぬ冷酷さ、そして多くの配下を動かす故の頭脳が無ければ不可能な作戦だ。
女王は先程とは異なり、必死の形相で杖を動かそうとする。
だが、その間にもデマオンは魔力を溜める。
「地球人の力を借りておるわりに、中々の力だ。褒めて遣わそう。」
「おのれ、シャドウフレ……」
だが、今度は女王の方が遅れた。
「焼け落ちるが良い!!」
デマオンが満を持して、ありったけの魔力を炎の塊にして、女王に浴びせる。
それは隕石のように、炎を纏って床に墜落していく。
女王は影の力で結界を張ったため、即死には至らなかったが、無傷という訳にもいかなかった。
「今だ!全員、必殺技を叩き込め!!」
デマオンの指示に従って、全員攻撃の体勢に入る。
今度は一転して、追い詰められるのは女王の方だ。
「聖なる力を受けてみよ、グランドクロス!!」
初手を刻んだのはメルビンだ。
女王が炎に包まれている中、再び手にした剣で十字を斬ろうとする。
パラディンの最強技は、既にカゲの女王にも通じることが分かっている。
だが、女王はそれをこれまで2度見ている。
3度も同じ技で傷付けられるわけにはいかない。
「図に乗るなあ!」
女王は、てっきり目の前の薄汚い老いぼれが、この技だけなら通用とするという希望に縋ったのだと考えた。
一度効いた技ならば、二発も三発も撃ってしまいたくなるのが人間の性というもの。
「そなたが美しい姿をしておるからと言って、油断などしておらぬでござるよ。」
「なに!?」
メルビンが使おうとしたのは、グランドクロスではない。
敵の動きを読んだのは女王だけに非ず。
女王に近づく直前で、空高く跳び上がる。
予想外の動きに一瞬惑わされる女王。
しかし、空中にいる時は、地上にいる時より回避に難を要するのが自明の理。
女王はメルビンを、雷魔法で打ち落とそうとする。
「ドカン!!」
だが、彼女の詠唱を遮るのが、後ろの弓兵達だ。
メルビンの横を通り抜けるように、銃弾と空気弾が、女王を狙い撃ちする。
本来ならばメルビンに当てかねない位置だが、のび太の卓越したコントロールは、女王の目さえも欺く。
「これでも食らいな!!」
女王に向かって飛んで行くのは、その2つだけではない。
覚が翳した雷の杖が、女王の頭上から黄金の矢を降らせる。さらに呪力を纏った銀のダーツが、女王の心臓へと走る。
雷は凡庸な威力しか持たないが、本命はダーツの方。当たれば魔王の心臓すら打ち砕く代物だ。
影の世界でも銀色に輝き続ける矢を見て、嫌なものを覚えた女王は、魔法で打ち払う。
だが、その一瞬こそ、メルビンの待っていた時間。
女王が魔法を放ったその一瞬だけは、決壊が薄れてダメージを与えられる。
「さあ行け!老兵士よ。偽の女王を打ち砕け!!」
「メルビンさん、お願い。ホーリー!!」
デマオンがエネルギーを纏った魔法を、メルビンの剣に宿す。
さらに、魔王が放った魔法に、聖女の白魔法が合わさる。
「アルス殿…技を借りるでござるよ!!」
彼が手にした剣が業物と言え度、2つの強大な魔法を受けるのは苦労する。
ゴッドハンドの職に就く彼と言え度、反動は馬鹿にはならない。
だが、彼は遥か昔から戦い抜いて来た伝説の英雄だ。
この程度受けきれずして、死んでいった仲間達に胸を張ることなど出来はしない。
「ギガ……」
女王を滅することが出来る、千載一遇のチャンスを逃さないのが、メルビンという名の英雄だ。
これまでの全てを剣に乗せていく。
「スラアアアアアッシュッ!!」
自分に英雄としての生きる道を与えてくれた少年の剣で。
自分よりも早く黄泉へと行き、それでも仲間の意志として残っている少年の技で。
凄まじい力を纏った魔法剣が、女王の身体に刻み込まれた。
☆☆
仲間が増えるというのは、この状況でこの上なく良いことだ。
カインとリンクとキーファがザントアイを切り裂き、キョウヤのバズーカがファントムザントの召喚した魔物を吹き飛ばす。
クリスチーヌの頭突きと、ミキタカが持っている魔導士の杖が、倒し損ねた影の鼠や蝙蝠を倒していく。
だが、周りにいる敵を全滅させても、すぐに新手の幻影が現れる。
「ここはオレに任せときな!!」
キーファは剣を鞘に収め、代わってトゥーラを出す。
あろうことか、戦場の真っただ中で演奏を始めた。
おおよそ戦いの最中には似つかわしくない行為に、誰もが驚く。
だが、それ以上に驚くことがあった。
ザントの幻影が、瞬く間に消え去ったのだ。
「今のは!?」
楽器を使って敵を倒すなど、様々な道具を使ってきたリンクでさえも聞いたことが無い。
クリスチーヌやミキタカもまた、似たような反応をしていた。
「ああ、オレが教えてもらった演奏でな。幽霊や邪悪な魂に効くって話だから、やってみたんだ。」
彼の奏でた調べは、幽霊や人魂など、邪悪な霊魂を浄化したり、浮かばれる魂を成仏させたりできる。
キーファには知らぬことだが、海魔神グラコスによって海の底へ沈められ、幽霊となった人々が、この曲によって浄化させられた。
だが、肝心のザントはまだ出てこない。
そして、景色が変わることもない。
辺りは静かになり、敵が現れることも無いまま、1秒1秒と時間だけが流れていく。
「まさか、オレたちをずっとここに閉じ込めるってワケじゃないよな?」
ついさっきまで、得意げにトゥーラを奏で、幻影を追い払ったキーファでさえ不安気な様子だった。
それに対し、返答をする者はいない。
だが、そんな中でリンクは思考を怠らなかった。
何しろ、ザントのことを一番知っているのは、この場では自分だからだ。
(考えろ…今度は俺が皆を助ける番……。思い出せ。奴が一番隠れそうな場所を、奴の力を……。)
彼は一度この空間で、ザントの声は聞いたことがある。
少なくとも、それほど遠くには逃げていないはずだ。
こういう時、過去の冒険ではミドナに頼り切っていたことを痛感する。
(違う。俺はザントのことをそこまで知っている訳じゃない。だが、『影の世界の者』のことなら知っている。)
「そこだ!!」
リンクはそう言いながら、自分の影にマスターソードを突き刺した。
「イヒイアヤアアアアァァァァ!!」
甲高い悲鳴と共に、そこからザントが現れる。
影の王は、勇者の影に潜んでいたのだ。
かつてザントと戦った時は、自分の影にはミドナがいたから出来なかったが、今回はそれが出来た。
だが、それを看破された僭王は、尻を押さえてピョンピョンと飛びながら逃げ惑う。
「そこに居ていいのはミドナだけだ。」
それを逃がすこともなく、リンクはマスターソードを両手で握り締め、大きく跳び上がる。
「おっと、行き止まりだ!!」
カインとキーファが先回りして、ザントを囲い込む。
ザントはひゃっと声を上げて、元来た道を戻ろうとする。
「リンク、やっちゃって!!」
クリスチーヌはリンクに口づけをする。
こんな場所で恋のアプローチをするわけではない。
彼女の技の一つ、『おうえんキッス』は味方の行動回数を増やす。
本来なら力を溜めるのに時間を要する奥義を、すぐに使えるようにした。
――陸の奥義 大ジャンプ斬り
ジャンプ攻撃を得意とするカインにも劣らぬほど高く跳び上がり、マスターソードを地面に叩きつける。
大ジャンプ斬りは、斬撃と衝撃波、二重の攻撃を相手に打ち込むことが出来る奥義だ。
ザントは乾坤一擲の一撃に吹き飛ばされ、壁に叩きつけられる。
その瞬間、幻影が晴れ、辺りは最初に集められた殺し合いの会場が広がっていた。
致命的な一撃を受けてなお、ザントはふらふらしながら立ち上がった。
だが、幻影を維持することさえ出来ず、その姿はどう見ても満身創痍。
勝利は目と鼻の先と言っても、過言ではないだろう。
「お……おのれ……反逆者……ども……!!」
フエーゴの兜が外れ、見えやすくなった顔貌からは、憎悪と怨恨が伝わって来た。
だが、彼の胸の奥にある悦びを、見抜くことは出来なかった。
「教えて頂戴。あなたはカゲの女王を使って、何をするつもりなの。」
「「「!?」」」」
カゲの女王という、知らない言葉を聞かされ、他の4人は驚く。
「そうか……お前が女王様の世界から来た、『特異点』か………。」
ザントの言葉を聞いて、クリスチーヌが浮かべたのは。
今までにないほどの虚無と、絶望だった。
「教えてもらえないか?お前は、お前たちは女王様を倒せてないのではないか?」
「ウソよウソよウソよ!!私は覚えているわ!私はマリオと協力してカゲの女王を倒した!!あの時ゴロツキ港でマリオと別れ、その後戻って来たマリオの笑顔を………。」
そう主張する彼女の表情は、どこか覇気がなかった。
まるで最初から負けると分かっている勝負にベットするかのような、そんな心持ちだった。
「それは、お前が望んだ世界の幻だ。」
ザントは口から血を流しながらも、静かに言葉を紡ぐ。
「違う……違う……違う……。」
今度はクリスチーヌが両目を瞑り、痛みに悶えているような表情を浮かべた。
ザントが訥々と語る中。
リンクも、カインも、キーファも、キョウヤも。ミキタカだって同じことを考えていた。
そんな言葉を無視して、さっさと切り捨ててしまおうと。
だが、呪いにでもかかったのか。はたまたザントの言葉に興味を示したのか。だれもその一歩を踏み出せなかった。
「本来ならばそうなるかもしれなかった世界。だが、そうはならなかった。
お前の仲間のマリオが間違った答えを………」
「これ以上思い通りになってたまるか!!」
ザントの言葉を遮るかのように、カインが今までにないほど高く跳び上がった。
竜騎士の一番の得意技で、全力を以てとどめを刺す。
カゲの女王とやらが何なのか分からずじまいだが、ここでザントにとどめを刺してしまえば問題はないはずだ。
少なくとも、この男を生かしておくよりかはマシだろう。
「待て!!」
リンクが止めようとしたが、もう遅い。
ザントの両手が、凄まじい魔力の塊を作っていた。
「竜騎士よ。急いては事を仕損じると、お前の隊では言われないのか?」
静かにその言葉を呟く。
ザントがその両手を、カインの前に掲げた。
「カイン!!」
リンクが走るも、完全に手遅れだった。
カインの槍が、ザントの心臓を貫く。
だがそれと同時に、漆黒の魔力の塊が、カインを貫いた。
「これ……は……!」
「カインさん!!」
「な、何がどうなってんだよ?」
そして、魔力の塊はカインを焼いたのみでは飽き足らず、邪悪な光を発し続ける。
誰のもとにも向かうことは無く、天井を突き破って行った。
「お前たちの負けだ……世界は影と闇に包まれる………。そして私は、女王様の力で生き返るだろう……。」
ザントは血の混じった声とともに、息絶えた。
邪悪な笑みを張り詰めたまま、青い血だまりの中に倒れた。
「カインさん!」
ミキタカとキーファが、倒れたカインの下に駆けよる。
だが、彼からの反応は無かった。
犠牲者1人だけで、この殺し合いを開いた者の、片割れを倒した。
だというのに、全く晴れた雰囲気が漂わない。
むしろ、何かもっととんでもないものの蓋を開けてしまったような空気になっていた。
「ねえみんな。聞いて。」
カインにもザントにも反応のなかったクリスチーヌが、おもむろに口を開いた。
「私たちの世界にはね、カゲの女王っていう、封印された魔物がいたの。」
「それが何だって言うんだよ?」
「私はね、あの魔女に勝てなかったの。」
彼女がそれを告げると。
唐突に現れた黒い手が、クリスチーヌを包み込んだ。
☆☆☆
虹の混ざった爆発とともに、力の間の壁が壊される。
メルビンがとどめの一撃を放った背後にあったのは、黒だった。
黒い壁や、真っ黒な絵などではなく、ただ黒が広がっていた。
宇宙空間を連想すれば良いかもしれないが、星のようなものは一切ない。命が生まれる可能性が、限りなくゼロに近い宇宙だ。
「何でござるか……あれは。」
誰もが、見たことの無かった風景に驚いていた。
「………どうして………ここに……?」
その中で、朝比奈覚だけは違うものに驚いていた。
全員の中で、卓越した視力を持っていた彼が、闇の中に小さく浮かんでいた者に気付けた。
呪力の干渉と、異なる世界の技で、壊れた表と裏の境目に映っていたのは。
彼の幼馴染だった。
「瞬!!」
覚達1班の中で、誰よりも優秀だった少年。
されど、呪力が優秀過ぎた故に、その呪力を暴走させてしまった少年。
ずっと記憶を消され、廃墟と化した東京で、その存在を思い出した。
ふと思い出したことだが、覚は瞬の最期を見ていない。
そして、その死骸が発見された訳でもない。
もしもの話、呪力の影響で瞬が死んだのではなく。どこか異なる世界に飛ばされてしまえば?
そんなもしもの話を、嘘だと否定しきることは出来ない。
「ホホホホホ………異なる世界同士を併せた力か。確かに素晴らしいものじゃ。
だが、救済が出来る力は、裏を返せば崩壊にもつながるのが分からぬか?」
倒れていたはずのカゲの女王が、立ち上がった。
誰がどう見ても致命傷。
このまま戦い抜けば勝てると考えても、おかしくはない。
けれど、相手の底知れなさは、僅かな間で嫌というほど思い知らされている。
不意に地面から、凄まじい魔力がせり上がって来る。
誰もが嫌な予感を覚え、その場から離れようとする中、女王は片手を掲げ、その膨大な魔力を吸い込んでいく。
辺りに、女王を中心として黒い竜巻が巻き上がる。
「な、何が起こっておる?」
突然の新たな技に、抵抗する間もなく5人は吹き飛ばされる。
その威力は殺傷力はないが、そもそも殺すつもりで撃った技ではない。
黄金の冠を付けた黒い何かが、女王に乗っ取られたリディアに巻き付くかのように現れる。
まるでリディアを守る背後霊のようだったが、それこそが女王の本体だと、言われずとも分かった。
「グランドクロス!!」
「ホーリー!!」
「立てよ、火柱!!」
「ドカン!!」
4人が一斉に、女王目掛けて技を撃つ。
壁の先にあった、黒の世界のことも気になったが、目の前の敵を倒すことが一番重要だ。
だが、それらは全て弾かれた。
「ホ~ホッホッホッホッホ。それでも攻撃してるつもりかえ?」
ふいに、ぬっと何かが現れた。
それは、真っ黒で巨大な手だった。
人ぐらいなら容易に握りつぶせそうなその手には、瞬が握られている。
またも、片方の手が現れた。
そこにいたのは、5人の誰もが知っている仲間。
「クリスチーヌ殿?」
「この娘はわらわに敗れ、力に飲まれる前に、望んだのじゃ。わらわが倒され、恋人と共にいられる世界をな。
そして不愉快にも、わらわの力の源、スターストーンを使ったのじゃ。
わらわをまたしても封印し、幻想の世界に逃げ込んだ。じゃが、それも終わり。この場にはあの星の石もない。」
――うう……頭が痛い……。
――大丈夫でござるか!ビビアン殿?済まなかった……。
(もしや!?)
メルビンはふと思い出した。
仗助やローザと合流した時、ビビアンが意味不明な理由で頭痛に苦しんだことを。
そして、一つの仮説に至る。
ビビアンやクリスチーヌは、女王を倒したのではなく、『女王を倒した』という幻影の中で生きていたのではないかと。
「何を分かったのか知らぬが……何をしようともはや無駄じゃ。」
カゲの女王の右手が、瞬を握りつぶす。
いや、掌に吸い込まれたと言った方が正しいが。
「覚……みんな………逃げて………。」
そんな声も空しく、覚の幼馴染は、女王の手に吸い込まれていく。
彼女の手は、物理的な攻撃をするだけではなく、相手の命を吸うことも出来る。
「何ともすばらしいチカラじゃ……わらわのキズが癒えていく……。」
「待てよ。そいつを吸い込んだりしたら、呪力の暴走でとんでもないことになるだろ?」
覚は瞬の最期を知らない。
だが、呪力の暴走がどのような害をもたらすかは知っている。
ましてや、そのような人物を取り込んだりすれば、想像に難くはない。
「構わぬ。世界の壁を壊し、世界の全てを影に落とすためにはこの上ない力じゃ。
そして、異なる世界の可能性を見たこのむすめも、必要になるであろう。」
仕上げとばかりに、女王の目が光る。
残った4人は、全員で攻撃を仕掛けた。
メルビンは剣を構える
ローザは白魔法の詠唱を始める。
覚は呪力を練り始める。
のび太は銃を構える。
デマオンが魔力を解き放とうとする。
全ては、最早手遅れだった。
ズン、と凄まじい雷が落ち、天井の光の珠に命中する。
そこにあったのは、8の世界から集められた力を凝縮した宝玉。
かつて別の世界で、魔王を強化するために使われていたからくり。
だが、女王の力が強化される必要はもう無い。
彼女が求めたのは、力の暴走による、自分の力の拡散。
特異点であるクリスチーヌと、呪力の暴走の果てに表裏の境目に迷い込んだ瞬がいれば、その不可能も可能になる。
女王が滅ぼした世界ではなく、他の7つの世界も、裏も表も関係なしに影に飲み込むために必要な力だ。
虹色の光を纏った爆発と共に、世界が歪む。
その爆発は人を殺すための物ではない。世界の秩序を壊すためのものだ。
「殺しはせぬぞ。わらわの力に飲み込まれ、ゆっくりと消えていくがよい。
それがわらわに逆らった者への、一番の罰になるであろう。」
一番最初に崩壊したのは、人体ではなく、力の間の壁と床。
壊れた先にあったものは、光を通さない、真の闇だ。
呪力が、魔力が、そしてカゲの力が、無限にあふれていく。
☆☆
「のびちゃん、ドラちゃん、遊んでばっかりじゃなくて、宿題はやったの?」
どこにでもありそうな家の庭。
恐らく専業主婦をしているであろう眼鏡をかけた女性が、洗濯物を干しながら呼びかける。
「のびちゃん、ド………あれ?」
不意に何かを忘れたかのような表情を浮かべる。
「変ねえ……私の家族って、パパとのびちゃんだけだったよね……。」
自分の言ったことのおかしさにキョトンとしながらも、子供の服を物干しざおに掛ける。
突然、空がカゲに包まれた。
「嫌あね…天気予報では1日中晴れるって言ってたのに、雨でも振るのかしら……きゃ?」
庭から突然、木の根のような何かが生えて来た。
思わず女性は、庭に膝を付ける。
崩壊が始まった。
表裏の境目は壊れ、終わりがやって来る。
【カイン・ハイウィンド@Final Fantasy IV 死亡】
【ザント@ゼルダの伝説 トワイライトプリンセス 死亡】
【残り 9名】
【最終章 影の深淵】
【デマオン@のび太の魔界大冒険 】
[状態]:ダメージ(大) 魔力消費(中) 首輪解除
[装備]:炎の爪@ドラゴンクエストVII エデンの戦士たち アイスナグーリ@ペーパーマリオRPG
[道具]:基本支給品
[思考・状況]
基本行動方針:主催者共に借りを返す。
1.影の女王を倒す。
【野比のび太@ドラえもん のび太の魔界大冒険】
[状態]:ダメージ(中) 決意 首輪解除
[装備]:ミスタの拳銃(残弾4)@ジョジョの奇妙な冒険 空気砲(残弾60)@ドラえもん のび太の魔界大冒険
[道具]:基本支給品
[思考・状況]
基本行動方針:戦う。
1.ドラえもんや美夜子、満月博士のためにも生きる。
【メルビン@ドラゴンクエストVII エデンの戦士たち】
[状態]:HP1/4 MP1/6 首輪解除
[装備]:オチェアーノの剣@DOVII エデンの戦士たち 魔法の盾@ドラゴンクエストVII ツラヌキナグーリ@ペーパーマリオRPG
[道具]:基本支給品、ランダム支給品×0~2(一部ノコタロウの物) 勇気と幸運の剣@ジョジョの奇妙な冒険 キングブルブリンの斧@ゼルダの伝説 クローショット@ゼルダの伝説トワイライトプリンセス ジシーンアタック@ペーパーマリオRPG ラーの鏡@DQ7
[思考・状況]
基本行動方針:主催者の打倒
1.キーファの安否が気になる
※職業はゴッドハンドの、少なくともランク4以上です。
※ジョジョ、無能なナナ、FF4、ペーパーマリオの参戦者に関する情報を得ました。
【朝比奈覚@新世界より】
[状態] 混乱 首輪解除
[装備]:サンダーロッド@ff4 銀のダーツ×2@ドラえもん のび太の魔界大冒険
[道具]:基本支給品、北風のテーブルかけ(使用回数残り0/20)@ドラえもん のび太の魔界大冒険 ランダム支給品0~2 ダンシングダガー@Final Fantasy IV ゾンビキラー@ドラゴンクエストVII、スパイ衛星@ドラえもん のび太の魔界大冒険 『早季』という名の一輪の花@現地調達
[思考・状況]
基本行動方針:それでも生きる
1.早季を連れて帰る。彼女の生きた証を離さない。
2.何が起こっているんだ?
※参戦時期は26歳編でスクィーラを捕獲し、神栖66町に帰る途中です。
【ローザ・ファレル@Final Fantasy IV】
[状態]:HP2/3 MP1/5 決意 首輪解除
[装備]:与一の弓@FFIV+矢7本 ふしぎなぼうし@ドラゴンクエストVII
[道具]:基本支給品、 カチカチこうら@ペーパーマリオRPG×2ランダム支給品0~1 偽クリスタル@現地調達、その他首輪の素材
[思考・状況]
基本行動方針:セシルのためにも戦う
※参戦時期は本編終了後です。
※この殺し合いにゼムスが関わっていると考えています。
※ジョジョ、無能なナナ、DQ7、ペーパーマリオの参戦者に関する情報を得ました。
1. リディア?どうして?
2.目の前の敵を倒す。
【リンク@ゼルダの伝説 トワイライトプリンセス】
[状態]: ハート1/4 首輪解除 服に裂け目
[装備]:マスターソード@ゼルダの伝説 トワイライトプリンセス トルナードの盾@DQ7 アイスナグーリ@ペーパーマリオRPG チェーンハンマー@ゼルダの伝説 トワイライトプリンセス 疾風のブーメラン@ゼルダの伝説 トワイライトプリンセス 勇者の弓+矢9@ゼルダの伝説トワイライトプリンセス クローショット@ゼルダの伝説 トワイライトプリンセス
[道具]:基本支給品 ランダム支給品0~2 アルスのランダム支給品1~2 (武器ではない) 正宗@Final Fantasy IV 柊ナナのスマホ@無能なナナ 火縄銃@新世界より 美夜子の剣@ドラえもん POWブロック@ペーパーマリオRPG
基本支給品×2(ユウカ、ピーチ)、遺体収納用のエニグマの紙×2@ジョジョの奇妙な冒険 陶器の馬笛@ゼルダの伝説トワイライトプリンセス、虹村家の写真@ジョジョの奇妙な冒険、ランダム支給品×1(佐々木ユウカでも使える類)、愛のフライパン@FF4 ディフェンダー@ FINAL FANTASY IV まだら蜘蛛糸×2@ドラゴンクエストVII 最後のカギ@DQVII エデンの戦士たち
[思考・状況]
基本行動方針:主催を倒す
【ヌ・ミキタカゾ・ンシ@ジョジョの奇妙な冒険】
[状態]:健康 首輪解除 ショック
[装備]:魔導士の杖@DQ7
[道具]:基本支給品 バッジ?@ペーパーマリオRPG 紫のクスリ(残り半分)@ゼルダの伝説トワイライトプリンセス グリンガムのムチ@ドラゴンクエストⅦㅤエデンの戦士たち
[思考・状況]
1.それでも生きる
※参戦時期は少なくとも鋼田一豊大を倒した後です。
【小野寺キョウヤ@無能なナナ】
[状態]:健康 首輪解除
[装備]:モイのバズーカ@ゼルダの伝説トワイライトプリンセス (残弾5)
[道具]:基本支給品(切符消費) ランダム支給品(×0~1 確認済) 鬼は外ビーンズ×8@ドラえもん のび太の魔界大冒険 セシルの首輪 首輪に関するメモを書いた本@現地調達
[思考・状況]
基本行動方針:主催者が何を考えてるのか。少なくとも乗る気はない。
1.他の仲間と共に、生還する。
※参戦時期は少なくとも犬飼ミチルの死亡を知った時期より後です。
※不老不死の再生速度が落ちています。少なくともすぐには治りません。
※死亡した場合一度死ぬと暫くは復活できません。
※別の世界の存在があると理解しました。
※この殺し合いが強力なスタンド使いを作るため、と言う仮説を立ててます。
※ジョジョ4部、DQ7、FF4、ペーパーマリオの情報を得ました。
【キーファ@ドラゴンクエストVII】】
[装備]:トゥーラ@DQ7 正宗@FF4
[道具]:メジューサからの手紙
[思考・状況]
基本行動方針:殺し合いをどうにかして止める。 アルスの父たちを元に戻す
1.ザントは最後に何をした?
※少なくともアルス達と別れ、一定の時間が経過しています。
※トゥーラを奏でることで、旅の扉(原作で海底都市から脱出するのに老楽師が使った技)を作れます
【クリスチーヌ@ペーパーマリオRPG】
[状態]:???
[装備]:フラワーセツヤク@ペーパーマリオRPG
[道具]:基本支給品@ジョジョの奇妙な冒険 マリオの帽子 ビビアンの帽子 ビビアンの基本支給品、ランダム支給品1~2(確認済み) クローショット@ゼルダの伝説トワイライトプリンセス ランダム支給品(×0~1 確認済)
[道具]:基本支給品×2(マリオ、セシル)
[思考・状況]
基本行動方針:??????
※ED後、ゴロツキ港でマリオと再会した時期からの参戦です
※マリオがカゲの女王との選択で「しもべになる」を選んだルートです。
【カゲの女王@ペーパーマリオRPG】
[状態]:完全体 愉悦 リディア@FINAL FANTASY IVに憑依
[装備]:星屑のロッド@FF4
[道具]:なし
[思考・状況]
基本行動方針:全てを影に飲む
※瞬の呪力、クリスチーヌを取り込みました。
最終更新:2023年06月03日 10:07