D-5…大魔王の城。それは、見るものを畏怖するおどろおどろしい城。

その城の大広間にて剣を片手に持ちながら踊る女性……
女性の名はアイラ。
旅の民族であるユバールの10代目踊り手。
生来、踊りよりも剣を握る方が好きなアイラは伝説のトゥーラの弾き手を探すべくアルスたちに同行し、最後には神を騙り世界をわが物にする魔王オルゴ・デミーラを討ち取った。

「……」
アイラの舞を静かに見つける女性……
女性の名はゼルダ。黄昏の姫。
神の力が眠るとされたハイラル王国の姫。
影の王ザントに攻め込まれ、民を守るために降伏の道を選んだ。
民を守れなかった弔意を込めて黒いローブを身にまとい塔に幽閉されていた。

(なんて、情熱でいて美しい足のステップ……見惚れてしまうわ)
アイラの艶がある長髪の黒髪がその踊りをいっそう同性が見ても艶やかに感じさせる。

☆彡 ☆彡 ☆彡

「ふぅ……元気がでましたか?」
踊りを終えるとゼルダに話しかけるアイラ。

「…ええ。ありがとう。アイラ」
「よかった。それに礼はおよびません。私も踊らないと気がすまなかったので」
ゼルダの顔に元気が見えてきたので、アイラは顔をほころばせる。

☆彡 ☆彡 ☆彡

アイラとゼルダが互いに邂逅する前……

「やっぱり…!!」
大魔王の城に降り立ったアイラはまず、殺し合いに参加させられた人の顔を覚えるため、顔つきのトランプを確認する。
トランプに描かれた参加者には予想通りアルスたちオルゴ・デミーラを討ったパーティ全員がいた。

「私たちへの復讐を兼ねているわけね……」
「でもね…」
「人の命を弄ぶあなた達に私達は負けないわ!」
命を握られていようとアイラはオルゴ・デミーラとザントに宣戦布告をする。

「ん?あれは……」
視線の先に座り込んでいる女性がいた。

(きれいな人…)
女性である自身も見惚れてしまう気品漂う女性であった。


「あの……あなたも参加者ですよね?私の名前はアイラといいます」

「……私の名前はゼルダ」

☆彡 ☆彡 ☆彡

~アイラと会話を交わす前のゼルダ~

(ザント……一体、何を企んでいるの?)
憂鬱な表情で座り込むゼルダ。

おそらく、自分を苦しめる目的でこのような殺し合いを開いたのだろうが、わざわざ、王国の民とは関係ない者たちまで巻き込むとは。

(それに、あのオルゴ・デミーラと名乗る者の魔力はザントとは異なる力を感じたわ……)
(ザントだけでなく、あのような禍々しい魔力を持つ化け物……死を待つしかないのかしら)
ザントと共にいたオルゴ・デミーラの魔力にゼルダは諦めの境地に達していた……

しかし、ある叫び声がゼルダを光の道に導く!!

「人の命を弄ぶあなた達に私達は負けないわ!」
突如、叫ぶ声。
私はその声の主を見つめる。
その女性は凛とした意思の目を持つ美しい女性であった。

「……どうして、悲しい顔をしているのですか?」

「いえ……無力な自分に恥を感じているのです……」
女性の尋ねにゼルダは弱弱しく返答する。
「……」
アイラはゼルダの言葉を聞くと……

「あの、今から少し踊りたいと思うので、よければご覧になってください」
「え?」
アイラの申し出にゼルダは間の抜けた声を発してしまう。

「では、舞います!」
アイラの情熱でいて艶美な舞がはじまる……

☆彡 ☆彡 ☆彡

~冒頭の舞が終わり~

「つまり、ゼルダ姫とワタシの住む世界は別々の可能性がありますね」
「そうね。オルゴ・デミーラと名乗る魔王の所業はハイラルの歴史にも載っていないわ」

アイラの舞を見て元気を取り戻したゼルダは互いに情報交換を行う。
そして、互いの世界に君臨する王を知ると、別の世界の可能性に言及することとなった。


「どちらにせよまずは、アルス達と合流したいと思います。姫にも同行願いたいと思いますが…」
「ええ。私からも共に行動することを願いたいわ。それと…貴方はハイラル王国の民ではありません。ですので、ゼルダで構わないわ……アイラ」
ゼルダの申し出にアイラはーーーーー

「わかったわ……ゼルダ」

アイラとゼルダは互いに握手をするとーーーーー

「地球人にしては、見後な舞であった。褒めてつかわそう」
「…何者!?」

謎の声と同時にアイラとゼルダのすぐ側の左右に火柱が燃え盛るッ!!

「くっ……!?」
(これは…メラゾーマ?いや、違う…威力が桁違いだわッ!?)
燃え盛る業火に額から汗を流すアイラ。

アイラとゼルダの眼前に姿を現す禍々しき魔力の持ち主。
「…ワシの名はデマオン。魔界を統べる大魔王なり」

大魔王デマオン。
魔界を統一し、国家元首として君臨し完全独裁国家を築き上げた。
その後、魔界族の悲願である地球を征服しようと侵略を始めたが、その悲願は果たせず7人の魔法使いにより敗れ、死を迎えた。

「大魔王ですって!」

デマオンの名乗りにアイラはディフェンダーを構え、ゼルダもアルテミスの弓に自身のエネルギーで作成した光の矢で構える。

「やめんか!愚か者ども!!」
デマオンは一喝する。

「ここで、争えばあの不遜なるデク人形共が顔をほころばせて喜ぶだけだということがわからんのかッ!!」
「「……」」

デマオンの言葉にアイラとゼルダはそれぞれ武器を下す……

「それでよい。貴様らをワシの部下とする。誉れあるデマオン軍の一員となったこと喜ぶがいい。……では、図書館へ向かうぞ。ワシについてこい」
デマオンはアイラとゼルダの返答を待たずに歩きだす……

「…どうする?」
「……ついていきましょう。いざという時は私たちが食い止めるために」

大魔王と名乗るデマオンを野放しにするわけにはいかず、アイラとゼルダはデマオンの後をついていく。

図らずも2人はデマオン軍に入団してしまった……

【D-5/大魔王の城/一日目深夜】

【アイラ@ドラゴンクエストVII エデンの戦士たち】
[状態]:健康 職業 調星者 (スーパースター)
[装備]:ディフェンダー@ FINAL FANTASY IV
[道具]:基本支給品、ランダム支給品×1~2
[思考・状況]
基本行動方針:オルゴ・デミーラを再度討つ デマオンへの警戒
1.デマオンには警戒しながら同行する
2:アルス達を探して合流する
※職業は少なくとも踊り子、戦士、武闘家・吟遊詩人・笑わせ師は極めています。
参戦時期はED後。
【ディフェンダー@FINAL FANTASY IV 】
アイラに支給された剣。
装備すると防御力が上がる他、体力上昇の効果も持ち、更に使用効果でプロテスが発動する。
…ちなみに投げることも可能である。


【ゼルダ@ゼルダの伝説 トワイライトプリンセス 】
[状態]:健康
[装備]:アルテミスの弓@ FINAL FANTASY IV
[道具]:基本支給品、ランダム支給品×1~2
[思考・状況]
基本行動方針:ザントの企みを阻止する デマオンへの警戒
1.デマオンには警戒しながら同行する
2.アイラの仲間(アルス達)を探して合流する
3.ミドナ…あなたもいるのかしら?

参戦時期はミドナとリンク(狼)が出会い1回目の頃。
※参加者のトランプは確認していない。

【アルテミスの弓@FINAL FANTASY IV 】
ゼルダに支給された弓。
装備すると攻撃力、命中率ともに上昇するかなり優秀な効果を持ち、さらに力・素早さ・体力が向上する装備補正もある。
反面、精神と知性が少し減少してしまう…


(……)
デマオンは己の胸に手を当てる。

(ワシの体内に心臓がある……)
ドクンドクンと鼓動するのが証拠だ。

(おのれぇぇぇ!!これもあの不遜なるデク人形共の仕業かッ!!)
怒りに燃えるデマオン。

(ワシが魔界を統べることができたのは強大な魔力だけでなく、心臓を隠すことによる不死身の体質があってのこと!!)
普段、デマオンは自分の心臓をデモン座のアルファ星に偽装して隠している。
そのため、心の位置に銀のダーツが刺さっても痛くも痒くもない。
しかし、現在はオルゴ・デミーラ及びザントにより、心臓は体内に戻され、デマオンの強みである不死の能力は失われているのだ。

(おのれ!その草はお詫びのつもりか?大魔王デマオンをあなどるとは……なッ!)
デマオンは支給品とされた世界樹の葉を眺める。

(たとえ、心臓が体内にあろうともワシを滅することができるのは銀のダーツのみ……いや、しかし、ワシを蘇らせこのような催しに参加させるデク人形共のことだ……あるいは、銀のダーツでなくても可能であることを考慮しておかなければならぬな……)
デマオンを唯一滅することができる銀のダーツのみであるが、デマオンは不遜なるデク人形共が細工を施している可能性を考慮する。

(あの、2人の女どもから不遜なデク人形共に似た魔力を感じた…つまり、関係者の可能性が大きい)
デマオンがアイラとゼルダの眼前に姿を現したのは、両者からオルゴ・デミーラとザントの魔力を感じたからに他ならない。

(ここには、ワシを滅した地球人(ジャイアン)はいないが、その仲間の青だぬき共はいる。復讐といきたいが、あやつらの不思議な道具は有益だ…始末するとなるとあの女どもが騒ぐであろうから、ここでは不問としようではないか)
トランプには7人の魔法使いの何人かがいた。
しかし、デマオンが魔力を振るうべき相手はオルゴ・デミーラとザントのデク人形である。
ここでの殺し合いはデク人形を喜ばせるだけ…デマオンは私情を殺す。

(まずは、情報収集…そして首輪の解除が優先)
情報収集・首輪解除に繋がりそうな可能性が高い図書館に目標を定めた。

(見ておれ!このワシを【デク人形】と称したこと貴様らの命で償ってもらうぞ!!)
本来、アイラとゼルダとは相いれない立場のデマオンだが、オルゴ・デミーラのデク人形発言が大魔王を対主催へと舵をきったのだ。

(そして、その後は……今度こそ地球を…いや、あの女どもの世界もワシが支配してくれる…ワハハハハ!)

アイラとゼルダ姫の会話から、自身とは異なる世界の存在を知ったデマオン。
ここでは対主催とはいえど、大魔王の野望は既にこのバトルロワイアルの【その後】を想定している。

【デマオン@のび太の魔界大冒険 】
[状態]:健康 魔力消費(極小)
[装備]:世界樹の葉@ ドラゴンクエストVII エデンの戦士たち
[道具]:基本支給品、ランダム支給品×1~2
[思考・状況]
基本行動方針:不遜なるデク人形(オルゴ・デミーラ、ザント)をこの手で滅し、参加者どもの世界を征服する
1.図書館に向かい、情報収集する
2.部下であるアイラとゼルダを引き連れる
3.刃向かうものには容赦しない
4.青だぬき共の処遇はこの場では不問とする

【世界樹の葉@ ドラゴンクエストVII エデンの戦士たち 】
デマオンに支給された葉。
使うと【死亡】している1人を生き返らせ、体力を完全回復させる葉っぱ。
ただし、ここでは 使える対象は自信と死亡して1分以内のキャラだけ
もったいない精神が原因で結局使わないこともある。
だがそれでは宝の持ち腐れなので、使うべき時は迷わず使おう。



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最終更新:2024年06月23日 14:28