「なんと、ヤン殿は国王でありますか!?」
「いや、ここではそのような肩書きは意味を為さない。ヤンで結構だ満月殿」
会話をしている2人を照らすランタンの光は輝きを増す…主に頭が。
輝く頭の2人……満月博士とヤン・ファン・ライデン。
オルゴ・デミーラ並びにザントによるバトルロワイアルに参加させられた2人は出会い頭に情報交換を行っていた。
満月博士。
TVに多数出演をしている魔学博士。彼は魔法の世界で度重なる大地震の正体について「魔界接近説」を警鐘していた。
それを聞いた多くの人々は信じることはなく逆に博士のことを「ホラ吹き」だの「おかしい」と蔑んだ。しかし、実際はその通りで地球侵略を企む大魔王デマオンを7人の魔法使いと共に倒して世界を救った。
ヤン・ファン・ライデン。
ファブールのモンク僧長だったヤンはホブス山で修行をしている最中、セシル達と邂逅した。
バロン軍との攻防を経て、ヤンはセシルの仲間となった。
途中、戦線離脱をしてしまうが、肉体が滅んだがゼロムスとして蘇ったゼムスとの最終決戦には力をかして現在はファブールの王として国を治めている。
「ヤン殿。どうやら、ここに呼び寄せられたのは多種にわたる世界の人物のようだ」
「ああ。満月殿の言うことは一理ある」
満月はヤンとの情報交換から「並行宇宙論」を打ち出した。
「影の王と名乗ったザントにオルゴ・デミーラなる怪物が纏う妖力は悪魔族の者とも違った」
「それに、この支給品とやらは私の世界にもないものばかりだ…」
ヤンも満月博士からの情報と支給品から「並行宇宙論」を支持する。
「まずは、この首輪をどうにかしないといけませんな」
「建物を見る限り、図書館が最適だと思うが、距離があるな…」
2人は目的地B-5図書館に定めるが、2人がいるのはE-1で距離がある。
「それについては、ワシに考えがあります」
「ほう?それはどのような方法で?」
満月の言葉にヤンは首を傾げながら尋ねる。
「それはですな…ん!?」
答えようとした満月だが、来訪者の存在に気づき、空を見上げる。
「な~んだ!光が見えたから来てみたら、アンタ達の頭かよ…」
2人の前に姿を現した小さな黒い体の生き物……
名はミドナ。
黄昏の姫君(トワイライトプリンセス)
「その姿……魔物か?」
ヤンは迎撃の構えをする。
「ククッ、そんなコワイ顔でにらみつけてもい~いのかな?」
ヤンの構えにもミドナは動じない。
「ヤン殿、待ってください。……君からザントと名乗った人物と似た妖力を感じたが?」
「へぇ…影の力を感じ取るなんてやるね。人間さん」
自身が纏う影の力を感知した満月博士に興味が生まれたのかジロジロと顔を眺める。
「…君の名は?」
「アタシかい?アタシの名前はミドナ。よろしくね、光頭の人間さん達」
☆彡 ☆彡 ☆彡
~ヤンと満月博士の元へ向かう前~
「……」
(ザント…一体、何を企んでいる…?)
ミドナはこのバトルロワイアルに疑問を抱いている。
(手っ取り早くこの首輪で始末する方が速いのに手間がかかる蠱毒のような儀式めいた殺し合いもそうだし、自尊心が高いアイツが他の魔物(オルゴ・デミーラ)と手を組むなんてらしくないね…?)
自ら影の王を狙っていた野心ある男がいくら絶大な影の力に劣らない禍々しき力をもつとはいえ、オルゴ・デミーラと手を組んだことにミドナは釈然としない……
(ま、ここでいくら考えてもしかたがないか…)
ここで考えていても仕方がないとミドナは考えを切り替える。
(…アイツへの協力を拒んだワタシは瀕死になって……)
リンクと影の結晶石を集めている途中、ミドナはザントの手により瀕死の重傷を負ってしまった。息も絶え絶えの中、ゼルダ姫にリンクを元に戻す方法を教えることと陰りの鏡の場所を教えるよう懇願した。
ゼルダ姫はミドナに自らの力を全て授けたことにより、ミドナの体は回復するだけでなく光の世界でも実体化が可能となった。
(姫の力でワタシは光の世界でも実体化が可能になったとたん、ここに呼ばれた)
(残されたのは唯一の鍵は陰りの鏡。だけど…ここにあるのか?)
陰りの鏡……それは、神により陰の世界へ追放された一族の末裔が光と影を繋ぐ唯一の鍵。
「…アイツにあったら、真実を明かさなきゃな」
(そして、全てを明かしたら改めて伝えたい……「一緒に…行ってくれないか?」…と)
ミドナがいうアイツとはリンクのこと。
(アイツのことだ…あんなことがあって、今頃は死人のような顔だろーが、立ち直るとワタシは信じているぞ?)
この島のどこかにいるであろう相棒に語りかけるミドナ。
「ん?光が…?行ってみるとするか」
ミドナに見えた輝く光……ミドナはそれを希望の光と信じて……
☆彡 ☆彡 ☆彡
「クク…威勢は良いけどこの首輪をどうにかしないとザントには勝てないよ?」
「これがホントのお手上げ」
そういうとミドナは両手をバンザイと上げる。
「その態度…愚弄しておるのか?」
ミドナ態度に物言いはヤンに好印象を与えない……
「ククク…そんなに熱くなると、ゆで上がるよ?…ん?」
「?……なんだね?」
視線を向けてきたミドナに満月は怪訝な顔をする。
「ふーん。まぁまずまずの乗り心地だね」
なんと!ミドナは満月博士の頭に腰を下ろす!!
「…なぜ、私の頭に乗る?」
「ククク…なに、ちょうど座り心地がよさそうな頭なんでね?人間共は心地よい場所でくつろぐのが好きなんだろ?どうだい、乗り物にされる気分は?楽しいねクククっ!」
「無礼だぞ!この魔物がッ!」
ミドナの態度に憤慨するヤン。
「ははは!ヤン殿。私は別に構いませんよ。私の頭が気に入ったのならくつろいでくれても結構だ」
本来、満月博士という男は興奮すると激情する性格の持ち主なのだが、相手が幼子の姿をしていることと、性格こそ違うが一人娘の美夜子をついつい想起させてしまうことが満月の怒りを削ぐ。
「へぇ~…こっちの光頭はそこの光頭と違って柔らかくていいじゃないか!頭だけに!ククク…」
ちなみにヤンの名誉の為に述べておくが、ヤンはけっして光頭ではない。
辮髪という頭髪を一部を残して剃りあげ、残りの毛髪を伸ばして三編みにし、後ろに垂らした 髪型をしているわけでけっして光頭ではない。
「それと、そこの光頭!ワタシは魔物なんかではないわッ!」
ミドナはビシィィィ!と指を指してヤンに言葉を放つッ!
「ならば聞くがお主は一体、魔物ではないというのならば何者なんだ?それにザントとの関係は?」
ヤンはミドナから色々と聞きだそうとするが……
「質問が多すぎるね光頭ちゃん。ワタシの言うことを聞くならおいおい教えてやるよ。返事は?」
ミドナの傍若無人な物言いにヤンは顔を顰め……
「満月殿…どう思う?」
「…いまは、この、ミドナの言う通りにしましょう。私たちよりもザントに関する情報はもっています」
(それに…あの目…一見傍若無人な物言いだが、協力者を求めている…一人で寂しさもあるのだろう……)
満月も娘を持つ一人の親。
ミドナの目を見て、ほおっておけなくなった。
「そうそう!そっちの不愛想な光頭!これをやるよ!」
ミドナは支給品の炎のツメをヤンに投げ渡す。
「この武器は、お前にピッタリ似合いそうだからな」
「…わかった。私はヤンだ。支給品感謝する。ミドナ」
ヤンはミドナから受け取った炎のツメを装備する。
「ふん!分かればいいのさ最初から。それじゃあ、宜しくね?」
ミドナはポニーテールの髪を手に変えると握手を求める。
「ワシは満月。よろしくたのむよ」
満月はその手を握り握手をする……
☆彡 ☆彡 ☆彡
「では、この絨毯にお乗りくだされ」
そういうと満月博士は支給品の絨毯の上に立つ。
「わかった」
ヤンは言う通りに絨毯の上に同じように立つ。
「何だい?何だか面白そうだねぇ」
満月の頭に座っているミドナはワクワクした表情で満月の行動を見ている。
「それでは、行きますぞ!…全速急行!!」
満月の言葉に反応した絨毯はなんと!空高く浮かび始めた!!
「なんと!博士は空を飛ぶ魔法が使えるのか!?」
「ククク…ますます気にいったよ!光頭!!」
満月の魔法にヤンは驚き、ミドナは満足そうな顔を見せる。
「ははは…娘の美夜子には敵いません…がッ!」
2人の反応に満月は若干自慢そうに絨毯をスピードアップさせて進む!!
「……」
(美夜子…今、どこにいる?お前が死んだら母さんが悲しむ…決して死ぬのではないぞ!)
満月は大事な一人娘を……
「……」
(セシル殿…今はどこに?あなたがいれば百人力だ!)
ヤンは頼もしい現バロン王の仲間を……
「……」
(リンク…もし、出会ったとき、府抜けていたら一発殴るよ!)
ミドナは共にザント打倒の相棒を……
夜風に当たりながらそれぞれ、会場のどこかにいるであろう求め人を想起する。
こうして光(頭)と影のパーティが結成された!!
【E-1/市街地/一日目 深夜】
【満月博士@のび太の魔界大冒険 】
[状態]:健康 魔力消費(極小)
[装備]:スカイラインFC@ のび太の魔界大冒険
[道具]:基本支給品、ランダム支給品×1~2
[思考・状況]
基本行動方針:美夜子の保護、首輪の解析及び解除
1. 美夜子を見つけ次第保護する
2.図書館へ向かい、情報収集する
3.ヤン・ミドナと行動を共にする
4.デマオンには警戒する
参戦時期はエンドロール後
ヤンとの情報交換でFF4 の世界の情報を得ました。
【スカイラインFC@のび太の魔界大冒険 】
満月博士に支給された魔法の絨毯。
ついに出た!目産ニューモデル「スカイラインFC」!!
高速性能に加えて安全性、居住性、低念費を極限まで追究。
お待ちかねの新登場!!
…つまり、新車ならぬ新絨毯。
【ミドナ@ゼルダの伝説 トワイライトプリンセス 】
[状態]:健康
[装備]:ツラヌキナグーリ@ ペーパーマリオRPG
[道具]:基本支給品、ランダム支給品×1
[思考・状況]
基本行動方針:ザントを討ち、光と影の両世界を救いたい
1:陰りの鏡に影の結晶石がここにあるのなら手に入れたい
2:満月博士、ヤンと行動を共にする
3:リンクに出会ったら、真実を明かして改めて協力を求める
4:満月の光頭は心地いい
参戦時期は瀕死の状態からゼルダにより復活した後
陰りの鏡や影の結晶石が会場にあるのではと考えています。
【ツラヌキナグーリ@ ペーパーマリオRPG 】
ミドナに支給されたバッジ。
敵の防御力を無視して殴る「ツラヌキナグーリ」が使えるようになる。
これは痛いぞ!
【ヤン・ファン・ライデン@FINAL FANTASY IV】
[状態]:健康
[装備]:ガツ―ンジャンプ@ ペーパーマリオRPG 炎のツメ@ドラゴンクエストVII エデンの戦士たち
[道具]:基本支給品、ランダム支給品(1~2)
[思考・状況]
基本行動方針:オルゴ・デミーラ並びにザントを討つ
1:満月博士、ミドナと同行する
2:できたらセシル達と合流したい
3:デマオンには注意する
参戦時期はED後
満月博士との情報交換で魔法世界についての情報を得ました。
【ガツ―ンジャンプ@ペーパーマリオRPG 】
ヤンに支給されたバッジ。
大きな力で敵を踏みつける「ガツーンジャンプ」が使えるようになる。
これを身に付ければあなたもミスター任天堂。
【炎のツメ@ドラゴンクエストVII エデンの戦士たち 】
ミドナに支給されたツメ。
ただのツメとしての武器ではなく炎の力を封じた秘石の効果か爪から高熱を発して切裂いた相手に大きな追加ダメージが発生する。
道具として使用した場合のメラミの効果を発動する。
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最終更新:2021年03月16日 22:02