パターン

Try to resist . . .

試しに 〜 に抵抗してください/抵抗してみてください



説明

Try to resist implies that you will try, but you won't be able to do it.
「試しに 〜 に抵抗しなさい」は次のことを含意する:「あなたは試みるだろう、しかしそれをすることはできないだろう」。
You can use your voice inflection to strengthen this implication.
声の抑揚を使って、この含意を強めることができる。

例文

Try to resist the sensation that your hands are becomimg so relexed that they just won't move.
あなたの手はどんどんリラックスしてきて、もう動かすこともできないように感じがするでしょう.試しにその感覚を感じないよう抵抗してみてください。

Try to resist, a deepening sensation of relaxaion as you breath.
呼吸する度に、リラックスした感じが深まっていきます。試しにリラックスを感じないよう抵抗してみてください。


コメント

 古典催眠は、(1)観念運動や身体的現象+そうなることを述べる暗示(=予言としての暗示と「暗示の実現」)につづいて、(2)催眠現象への抵抗の指示+抵抗する努力の失敗=催眠現象へのますますの確信、という段階を経る。
 たとえば(1)「この光を見つめていると,自然に目が閉じていきますよ」(身体的現象:光を凝視することは目を疲れさせ、瞬きの数を増やし、目を閉じやすくさせる。+「光を見つめる→目が閉じる」と、身体的現象をなぞってあらかじめ暗示することで、その暗示は「実現した予言」となる=「暗示が効いたんだ」と被験者に思わせる。
 (2)「試しに目を開けようと努力してください。(2、3回の挑戦のあと)。はい、もういいですよ。どうやっても目は空きませんね。あなたはしっかりと催眠に入っています」

 どんな指示や命令に対しても、命じられた者は「命令通りしない」という抵抗を示すことができる。ところがResist . . .(〜に抵抗しろ)という命令は、従わざるを得ない命令である。抵抗を示せば、それは「命令通りにする」ことになるし、抵抗しなければ、やはり命令者の最初の狙いどおりに行動することになる。こうした逃れられない命令のヴァリエーションは無数にある。

 また「Try 試しに〜する」という表現が、抵抗の不成功を暗示している。テストは明暗をはっきりさせる。ここで催眠者の意図は明確である。ほんの少しの試行(チャレンジ)で、催眠者は「抵抗の時間」を早々に切り上げる。「催眠者の言う通り」であることを、被験者自身の行動・努力によって確認させることが、催眠者の意図であるからだ。
最終更新:2009年07月13日 08:16