【初出】
四巻
存在そのものは一巻
【解説】
世界に20人といないと言われる、生まれた時から神の子に似た身体的特徴・魔術的記号を持つ人間。
しかし、上記に当てはまるものが聖人とされているものの実際には詳しい定義ができていない。
偶像の理論により、『
神の力の一端』をその身に宿すことができる。
具体的には、聖人の証『聖痕』(スティグマ)を開放した場合に限り、
一時的に人間を超えた力を使うことができる。
特に魔術を使用していない状態でも幸運など何らかの加護が存在するらしい。
その能力は一般的な
魔術師が太刀打ちできるような次元には無く、
精鋭集団である『
騎士団』の一部隊すら単機で容易に壊滅させることが可能。
聖人の一人である
神裂火織は、時間制限付きとはいえ、
単身で
天使と渡り合うほどの戦闘能力を見せた。
また、魔術を使わない状態の神裂と
御坂美琴は同じ実力との事。
圧倒的な能力を持つ故に単独行動を好む傾向があり、神裂やシルビアのように組織に属する聖人は稀。
組織の名の下に押さえつけるには多大な労力を要するため、
イギリス清教では「動向は把握しておくが、基本的に刺激しない」というスタンスを取っている。
その身に宿す圧倒的な量のテレズマにより腕力や脚力、五感などの身体機能が大幅に強化されており、
本編に登場した聖人達は総じて、その身体能力に頼った接近戦を得意とする傾向がある。
また、元々の出力が高いために使用できる魔術の規模も大きく、
広範囲を覆う結界魔術であっても瞬時に発動を可能とし、
戦闘用の術式ならば余波だけで並の魔術師を一瞬で消し炭にする程。
接近戦と魔術戦を同時に展開する事もできるため、
聖人同士の激突になると、そうではない者達が立ち入る隙はほとんどない。
聖人としての特徴を持つ者は「神の力の一端」という絶大な力を与えられることになるが、
強大すぎるその力の制御は極めて困難であり、一端と言えども完全に掌握することはほぼ不可能。
仮に100%完全に力を行使できたとしても、
肉体にかかる高負荷によって身体が粉々に吹き飛ぶ可能性があるなど、
単なる「都合のいい加護」ではなくリスキーな一面も持つ。
聖人の力を戦闘に用いる場合には、
「その力を暴走させず、かつ最大限に引き出す」といった繊細な取り扱いが必要なようで、
神裂火織の用いる『
唯閃』のように、洗練された身体制御術式を組む必要がある。
なお、聖人に生まれついた人間は自己防衛本能からか、
魔術の知識を知らない赤ん坊の頃からその力を安定させる手段を知っており、
無意識に実践しているようだ。
聖人を見極めることは難しいらしく、聖人判定なるものを行う必要がある。
神の子に連なる強力な力を受け継ぐ一方で、
神の子の弱点(処刑・刺殺)も受け継いでしまっている。
この特性を利用し、意図的に暴走を誘発するのが
聖人崩しである。
また、『神の子』と親子の関係にある『聖母』も似通った身体的特徴を持つらしく、
『聖母』に似た人間もまた、聖人と同質の力を得ることができる。
後方の
アックアは『神の子』と『聖母』の両方の特徴を兼ね備えた、
いわば「二重聖人」とでも言える特殊な存在である。
現在のところ判明している聖人は、神裂火織、
シルビア、「二重聖人」の
アックア、
ワルキューレでもある
ブリュンヒルド=エイクトベルがいる。
新約二巻の記述によると、聖人の中でも「第○位」という位階分けが存在するようであり、
その順位は戦闘能力がベースではなく、社会への貢献度になっている。
第10位の聖人は(
撃墜術式の存在にも関わらず)空を飛ぶことができるようである。
ゲーム群奏活劇および劇場版では
鳴護アリサに聖人の可能性があるとされ、暫定で第9位とされていた。
この件では聖人である神裂が鳴護アリサに対して聖人判定を行っていた。
他には
騎士団長や
キャーリサ、
エリザードなどが
カーテナによる膨大なテレズマによって聖人級の領域に至っている。
また
傾国の女なども
デュランダルを使い同じような理屈でこの事を実現していると思われる。
聖人と同等の力を持つのではなく、同質となった例では
パンタグルエル(未編集)がいる。
彼は神裂の身体的パラメータを自身の身体的パラメータに入力して聖人と同質の身体的比率を獲得し、実際に聖人級の速さで動いていた。
そういった意味では人工的な聖人化は可能であり、解析も不可能ではない。
それから詳細不明の
神裂キゴミなる聖人なのかもよく分かっていない何かも存在したりする。