【種別】
魔術概念
【初出】
新約十八巻
※それらしき概念の解説が四巻にあり(
土御門による天界の説明中)
新約十三巻でアレイスターが僧正に残した伝言でも言及されている
【解説】
「
位相」同士の衝突から発生する、人々の「運命」を形作るもの。
飛沫とも。
基本的に魔術は「等価交換の原則を騙し、一の出費で十の成果を得る」という、ある意味では都合のいい技術である。
しかし、実は決して全ての出費を踏み倒せるわけではなく、それどころかしっぺ返しが世界中の不特定多数の人々にランダムに押し付けられる性質がある。
この「しっぺ返し」が『火花』である。
具体的には、魔術師が魔術を行使すると幾重にも重なった位相への干渉が発生し、これが位相同士の接触・軋轢を誘発してしまう。
こうした軋轢によって「火花」と呼ばれるものが生じ、これが人々の運命に干渉する。
人の出会いや別れ、そして人の生死からコイントスの表裏まで、
幸・不幸関係なくあらゆる「運命」が、薄く広がった「火花」と位相の影響を受けている。
どのような魔術にもこのリスクは付き纏うが、特にヘルメス学・
近代西洋魔術等といった、
多数の神話伝承を統合した魔術は、多数の位相に干渉するため、「火花」の量やもたらされる影響が大きい。
アレイスターの娘、
リリスを死に至らしめた病の元もこれであった。
アレイスターは娘の命を奪った「火花」、そしてその原因たる位相と魔術の存在を憎み、
「真なる科学の世界」における天使である
エイワスの力を使って、あらゆる位相を破壊しようと目論んでいた。
『黄金』の魔術師である
メイザースなどは「火花」とその影響を知りながらも黙認しており、
ブライスロードの秘宝は、「火花」を回避するためにも使用されていた。
その庇護下にあったのはメイザースを始めとする「黄金」の魔術師達であり、アレイスターも同様だった。
現代の魔術師達は位相の火花に関する知識を持っておらず、
あらゆる魔術に関する知識を持つ
インデックスや、
世界最大の『黄金』系魔術結社の首領である
バードウェイですら、この事を知らなかった。
【余談】
シリーズの幾つもの出来事も位相の運命論によるもので、
本編における多くの死は、まさしく火花が悪い方向に作用した結果と思われる。
上条が
ヒーローとして極めて多くの人間を救えたのも、
『火花』を知らず知らずのうちに幻想殺しで打ち消していったためなのかもしれない。
最終更新:2025年10月06日 15:30