【種別】
概念

【初出】
一般的な意味では一巻。
下記の意味では新約七巻。

【概要】

とあるシリーズ内では、ヒーローという存在が科学的に定義・実証されている。

『人的資源』計画によると、
突発的・偶発的に現れ、圧倒的不利な状況さえもたった一手でひっくり返す特異性を持った者達の総称。
メタ的に言えば、創作作品でよくある『主人公属性』のことである。

その特性故に出現は予測不能で、通常戦力や手段の積み重ねで殺害する事は難しいとされる。
また、ヒーローの出現には対応するように庇護対象である弱者が存在する。
該当者は一般的な価値観から見て賛同できる主義思想信条を有し、「悲劇」に対して強い憤りを見せる性格の持ち主。
全員が何かしらの「悲劇」の対抗手段を有し、戦闘能力で「悲劇」を解決するヒーローが多数だが、外交や企業取引等で解決するものも存在している。

【具体例】

一般的な意味に広げれば作中のほとんどの登場人物が当てはまる。
特に本作の主人公・上条当麻は善悪ではなく「わがまま」で事件に介入し、
敵味方含め自身の手の届く範囲のほとんどの人物を救っていることにより、様々な人物からヒーローと評されている。

上条のようなヒーローの性質が強い者の場合、庇護対象や敵対者にヒーローの性質を与えられることも確認できる。
過程としてはヒーローの信念や価値観に影響を受け、自分の主義思想信条等を昇華させ、
その人物独自の性質を作ることでヒーローになる。
このような過程から、関係者とヒーローとの関係においては、同姓なら友情、異性なら恋愛感情が発生する事が多い。

ただし、敵対者の場合はバックボーン次第ではヒーローの性質を得られない場合もあり、
例として木原の中でも真性の悪性を持つ木原数多は確実に得られないと予想できる。
一方で同じ木原である木原加群はヒーローであることから、「木原」でもヒーローの性質を得られることは確認されている。
(ただしバゲージシティの一件から、結局は木原の影響の方が大きかったと見られる。)

ヒーローが庇護対象になる場合も見られ、この場合はヒーローとして更なる高みへと至ることが見られる。
これには主に御坂美琴が該当する。

自発的にヒーローになる人物も存在し、例としては加納神華が挙げられる。

アレイスター=クロウリー曰く、学園都市幻想殺しを持つ平凡な高校生が義憤し活躍できるように悲劇の溢れる現在の形になった。
つまり学園都市は上条当麻というヒーローが活躍するのに相応しい舞台として設計されており、必然的に上条以外にもヒーローが発生しやすくなる。
学園都市には潜在的に約7500人ものヒーローが存在する。

かくいうアレイスター自身も、エイワスによって「ヒーロー」と称されている。
作中では全知に近いエイワスの発言であり、文脈的にも『人的資源』の意味でのヒーローとも読めるのだが、
エイワス自身が「人的資源」に関わっていたわけではないのでこれは一般的な意味の方かもしれない。
『全てに抗って滝を昇る、アレイスターのような反発因子はむしろ珍しいくらいだ。
ヒーローなのに叶わない。だからこそ、観察し甲斐があるというものだがね』

【『人的資源』計画において】

新約7巻では、学園都市に存在する7500人の潜在的なヒーロー達に干渉し、互いに潰し合わせる『人的資源』計画が行われた。

この人造ヒーロー達は「粗製乱造」と地の文で評価され、非常に独善的かつ攻撃的であり、相手を敵とみなせば見境無しに攻撃を仕掛ける。
だが超能力者の面々が事態に介入し始めると同時に、
強大な力を振るう彼らに惹かれるように人造ヒーロー同士が協力して対抗し始めるなど、結果を得るためには過程の手段を選ばない。
彼らはフレメアを守ろうとする意識は共通していたが、同時に「自分だけがフレメアを救える」と全員が思っているため、
協力することはあっても、最終的にフレメアを目にしたときには奪い合うことになった。

「粗製乱造」ではあるが曲がりなりにもヒーローであるため、彼らも上条や浜面のようなジャイアントキリングの可能性を有している。
事態に介入していた食蜂操祈は、戦闘の最中に思いもよらない方法で打開策を繰り出すヒーローたちに少なからず危機感を抱いていた。

また「ヒーロー」である以上、本来の彼らは善人であり、それぞれ強力な戦闘力や頭脳を持つ。
そのため地の文では、本来ならば組織等のシステムを壊し、個人はもちろん街や国家をも救える人材であったとされている。


最終更新:2025年08月13日 10:45