とある魔術の禁書目録 Index SSまとめ

とある○○な吹寄制理

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大覇星祭三日目―――。上条当麻、土御門元春、ステイル=マグヌス、インデックス、青髪ピアスの5人は学園都市第七学区の表通りを歩いていた。
「うだー、疲れたー!」
「もう昼だし、今日は種目もたくさんあったしにゃー」
「しかもそのすべての競技にボクらは出なあかんかったしなー」
「僕としては君たちの慌てる姿が見れて楽しかったけどね」
「それよりとうまー、おなかへった」
ちなみにステイルは事後処理ついでに上条たちの競技を見ているらしい。まあ、上条としてもインデックスのお守りが必要だったので助かっている。
「ちょっと待て、昼飯はさっき食ったばかりだし、俺らの競技を観ながらステイルのおごりでポップコーンとかバクバク食ってたってのに何でまだ減る腹がある?」
「さ、さっきのはお菓子だから別腹だもん!」
「そういう問題じゃないと思うぜい・・・・・・」
「まあ、お腹が空いたというのなら、どこかに食べにいこうか?」
それじゃまるで人攫いだぞ・・・・・・。 と、上条はステイルをあきれた目で見つめる。
「まあ、連れて行ってくれるなら頼むよ、俺らは次の競技の時間がヤバイから・・・・・・」
「いや、ついていこうぜカミやん。次の競技は『クラス対抗サバイバルマラソン』だ、へたすりゃ死ぬぜい。それにたくさんの人数が入り乱れるから二、三人ぐらいなくて大丈夫だろうし」
「そうやそうや。いまなら女の子と食事できるってサブイベントまでついてるし」
そっちが本命か、つーかお前はインデックスと一回会ってるはずだが。 と上条は心の中でつぶやく。ちなみにクラス対抗サバイバルマラソンとは、つまり名前のとおりである。
能力者がお互いを妨害しながらマラソンをするだけである。マラソンとついてはいるものの、どちらかといえば妨害がメインになるため戦争に近い。
「んー、まあいっか。『へたすりゃ死ぬ』なら俺は確実に死にそうだし・・・・・・」
「それはないやろ」
「それはないぜい」
「それはないな」
「それはないよ」
「何で全否定!?」
3人から突っ込みを入れられ、上条は「不幸だー!」と叫ぶ。
しかし、その声に負けないぐらいに響いた声があった。
「見つけたわよ上条当麻!」
5人はいっせいに声のしたほうを振り向く。
「ヤバイ・・・・・・吹寄だぜい」
そこには鬼の形相をした大覇星祭実行委員の吹寄制理がいた。だが、いつもの吹寄とは少し違う気がした。
「吹・・・・・・寄?」
しかしそれに答えず、吹寄は大股でこっちに向かって来ながらまくしたてる。
「次の協議まで時間がないというのに!貴様ら、こんなところで長々と何をしている?」
吹寄の違いは一歩を踏み出すごとに大きくなっていく。体が大きく、肌の色は黒く、髪の毛が青く長くなり縮れていく、まるでわかめのように。そしてその声は・・・・・・
「鼠のように逃げおおせるか、この場で死ぬか、どちらか選べぃ!」
女の子とは思えないような渋い声になりました(体も)。そのうえいつの間にか手にはゴツイ斧が握られていた。
近くにいた人が悲鳴を上げて逃げ出す。それほどまでに今の吹寄?の姿は恐ろしかった。
『ふ、吹寄ぇ!?』
すっかり変わってしまったクラスメイトに驚く一同。
「あれはもしかして穴子堕とし(バルバトスフォール)!?」
「なんやねん!その語呂の悪さは!」
「そんなこと言ってる場合じゃない、なんか危なそうだからとりあえずあれを止めるよ!」
ステイルはそう言うと、ルーンのカード(マジックアイテム)を取り出して炎剣を生み出す。その瞬間、
「アイテムなぞ・・・・・・、使ってんじゃねええええええええええええええ!!!!!」
吹寄?の怒号とともに、ステイルの足元から黒い刃が飛び出す。
ドズッ! と鈍い音が響く。そしてさらに、
「微塵に砕けろぉ!」
ステイルに突き刺さった刃が十字型になり、さらにステイルの体を切り刻んで後ろに吹き飛ばす。
「ステイル!」
上条はステイルのほうへ行こうとするが、
「大丈夫!あの人もまだ意識があるから、私が知ってる回復魔術を教えれば・・・・・・!」
インデックスがどこから取り出したのか救急箱を抱えてステイルの元へ行こうとするが、
「回復魔術だと?貧弱すぎるわ!」
吹寄?がそう言い放った後、口の中で小さく何かを唱え、
「断罪のエクスキューション!」
インデックスの足元と、頭上から不可視の圧力のようなものがかかる
「きゃあああっ!」
インデックスが倒れて動かなくなる。
「インデックス!てめぇ、吹よ「イノケンティウス!」」
上条は驚いてステイルのほうを見る。倒れたステイルの隣に、3000度を越す炎でできた人の化身が現れていた。
「彼のクラスメイトだか何だか知らないが、あの子を傷つけるなら「いつまで術に頼るか!」」
ステイルの声をさえぎって吹寄?が叫ぶと、ステイルの体が重力に押しつぶされるように地面へとめり込んでいく。
「がああああ!」
「くそっ!やめろ、吹寄ぇ!」
上条は叫びながら吹寄?のほうを向く。しかし吹寄?はそれを無視するように高速で後ろに走り出す。その先には『ここは第七学区三番通り』とカラフルな文字で書かれた大きな看板がある。
「俺の背後に・・・・・・」
吹寄?は手に持った斧を看板に突き刺すと、
「立つんじゃねえ!」
吹寄?が斧を力任せに振り上げると看板は木っ端微塵に砕かれ、看板の後ろに隠れていた土御門が宙に舞う。
「くっ!?」
斧に突かれたダメージは浅いようで、土御門は空中で体勢を立て直そうとする。しかしその前に吹寄?がひび割れた斧をこちらに向ける。飛んでくる土御門と上条は一直線に並んでいる。
まずっ・・・・・・!? 上条は移動しようと横に動くが、
「皆殺しだ!ジェノサイドブレイバー!」
吹寄?の斧から避けきれないほどの大きさの衝撃波が飛んでくる。
「くそっ!」
とっさに上条は右手を前に出す。衝撃波は空中でガード姿勢をとっていた土御門を、簡単に弾き飛ばし上条へとせまるが、上条の右手に当たった時点で消えてゆく。
「よし、これなら防げる・・・・・・!」
しかし上条は衝撃波が荒れ狂う前で、変わり果てた吹寄の声を聞いた。
「縮こまってんじゃねえ!灼熱のバーンストライク!」
上条の頭上から、複数の火の玉が振ってきた。
「どうしろってんだぁー!」
上条は火の玉の直撃を受けて右手がずれ、それによって襲い掛かってくる衝撃波で吹っ飛んでいく。
「あかん、カミやんまでやられてしまうとは・・・・・・、ここは一時撤退やーっ!」
青髪ピアスが、カール・ルイスも真っ青の速さで逃げていく。しかし、それを見逃す吹寄?ではなかったようだ。走り去っていく青髪ピアスの方を向き、言い放つ。
「男に後退の二文字はねえ!絶望のシリングフォール!」
青髪ピアスに一抱えもある岩が雨あられと降り注ぐ。
「死んでまうわーっ!!」
岩の直撃を受けて青髪ピアスが倒れ付す。
「ぶるああああぁぁぁ!!!」
しかし吹寄?はそれだけでは飽き足らずに謎の奇声を上げながら、倒れた青髪ピアスに走りより、
「死ぬかぁ!消えるかぁ!土下座してでも生き延びるのかぁ!」
炎を纏った斧を叩きつけ、返す斧で斬り上げ、浮かんだ青髪ピアスをつかんで膝蹴りをかましてまた地面に叩きつける。そして青髪ピアスも動かなくなる。
「これぞ三連殺!」
吹寄?はなにやら技名のようなものを言う。
「ぐ、吹寄・・・・・・どうしたっていうんだ」
上条は体を起こして呟く。
「どうして、だと?」
吹寄?が聞き返してくる。吹寄?はこちらに歩み寄りながら、
「おまえは自分に原因があるとは考えないのか?おまえを恨んでる人間はいないか? おまえを馬鹿にしてる人間はいないか?
おまえは本当に誰かに必要とされているのか? おまえを殺してやりたいと思っている人間は本当に誰もいないのかぁ!?」
吹寄?は上条が混乱している間に、早口でまくし立てて戦闘モードに入ると、
「それがわからないなら、今死ね!すぐ死ね!骨まで砕けろぉ!」
上条を斧で滅多打ちにする。
「貴様の死に場所は!ここだ!ここだ!ここだぁぁぁ!!」
斧と拳の乱れ打ちをした後、おもいっきりおでこで頭突きされて上条は近くのビルの壁にめりこむ。
「今日の俺は紳士的だ、運が良かったな」
どこが紳士的だ、途中変なの混ざってたし。 と思いつつ上条の意識は遠のいてゆく。



上条の意識が無くなると同時に吹寄も元に戻っていく。髪の毛は元の黒髪に、体も発育の良いいつもの体に戻っていく。そして周りを見渡して驚く。
「これは・・・・・・、何があったの?」
地面には大量の破壊跡、そして倒れ伏す3バカ+2人。
とにかく何があったのかと、吹寄は腕を組んで今までのことを思い出してみる。
(確か次の競技場に行く途中で3バカが居ないのに気付いて、前の競技場付近を捜していたら女の子と歩いてる上条当麻を見つけて、そうしたらなぜか知らないけど怒りがこみ上げて―――)
「それで・・・・・・」
吹寄は首をかしげる。
「それで・・・・・・、どうしたんだっけ?」
吹寄は、頭の上にたくさんのはてなマークを浮かべて首をかしげている。


遠巻きに見ている人の畏怖の顔にも気付かずに―――




「貴様らはぁ、俺の最高の玩具だったぜぇ!」
その後、上条ちゃんたちの行方を知るものは誰もいなかったのですー
吹寄ちゃん!暴力はだめですよー!


とある穴子な吹寄制理  GAME OVER


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