とある魔術の禁書目録 Index SSまとめ

プロローグ

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匿名ユーザー

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十一月二九日、午後四時

「今日は久々に肉料理でも作ってやっかな」
ゴミ一つ無い第七学区の歩道を、とある不幸な少年が学生鞄を持って歩を進めていた。
少年が持つ鞄には携帯から付け替えたカエルのストラップがぶら下がっている。
「昨日は野菜炒め、一昨日はもやし炒め……野菜ばっかだ。よし、今日肉決定」
インデックスには第三次世界大戦で大変な思いをさせてしまったので、たまには奮発しなければ、と早歩きでスーパーに踵を向ける。
(牛肉……は高い。豚肉で我慢してもらうか)
居候の少女は、食料を出せば何も言わずに口を動かすタイプなので、多少安い肉でも問題はないだろう。

「残金千五百円……ギリギリ二人分(+猫一匹分)ぐらい買えるな」
氷河期に突入しそうな財布を確認しながら、前方不注意で歩いていると、
ぼんッという音と共に、背を低くして歩いていた上条当麻の顔に何かに激突した。


なんだ?、と顔を上げると、
目の前に白くて柔らかいものがあった。一瞬の間を空けてそれがTシャツの白だと理解し、
ついでに女性の胸だという事も分かってしまった。
「なっ!!?」
慌てて顔を上げて、被害者女性に対して速攻土下座モードに切り替えようとする。
なんか、最近土下座してばっかだな、と思春期男子が若干泣き目で凹んでいると、

「……久しぶりに会った相手に、まず最初にする行為が土下座ですか?
その性格は相変わらずのようですね」

聞き覚えのある清楚で落ち着いた口調に顔を上げると、そこに居たのは、

「……神裂?」
「お久しぶりです、上条当麻。学園都市というのは無駄に広いので今日中には会えないかと
思っていましたが、幸運です。唐突ですが、ちょっとお話したいことがあるのですがよろしいですか?」

第3次世界大戦後、上条当麻の不幸な日々が再び幕を揚げる。



同時刻、第一〇学区廃ビル内

「あァ?仕事?今、終わらせたとこだよ」
『いえ、それではなく新しい『仕事』です』
元オフィスビルの三階の一室。学園都市七人のレベル5の一人、一方通行(アクセラレータ)は、いかにも面倒くさそうに携帯を握っている。
そして、その周りには二〇人強の屈強な男達が散らばっている。

「学園都市にクーデターを起そうとした少数派のクズ共の殲滅……『仕事』は終わらせた。
まだ、何かあンのか?」


『ええ。土御門も別途で行動します。まあ、『仕事場』までは、少々、遠出ですが』
電話の相手は一方通行の所属する『グループ』のメンバーの一人、海原光貴。一方通行と共に裏の世界に生きる人物の一人である。
「めンどくせェ。また、あの『電話の男』か」
『いえ、伝えてきたのは『その男』ですが、なんでも今回の仕事は学園都市統括理事長からの直々の指令だとか』

(統括理事長から直々に……どォゆう事だ?)
一方通行は統括理事長と聞くと、あまり記憶を掘り返したくないことが有るのだが、それから言われた『仕事』というのは少し興味がある。

「……で、その『仕事』ってのは一体どォゆう物なンだ?遠出ってのも気になるしな」
『はい。今回の『仕事』は『原石』への接触、及び調査です。』

(『原石』……という事は、「外」での仕事か。)
「『原石』への接触か……別に構わねェが、どォして『回収』じゃなく『接触』なンて
回りくどい事オーダーしやがるンだ?上層部のクソ共は」

学園都市なら『接触』などと面倒な手は使わずに、迷わず『回収』に走るはずだ。それを態々『接触及び調査』など控えめな注文を出すのだろうか。

『それに関しては僕も『電話の男』に尋ねたのですが、「お答えできません」と一蹴されて電話を切られてしまいました。黙って仕事しろ、という事なのでしょう。』
「ち、めンどくせぇ。で、その『仕事場』ってのはどこにある?」
『先ほども言ったように少々遠出ですが』

『イギリスです』



上条とは違う場所で白き最強が動き出す。

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