とある魔術の禁書目録 Index SSまとめ

TS 1-922

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匿名ユーザー

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「も、もう、わたくしは走れませんよ……」
 隣りで肩を揺らしながら、コイツが言う。おどけてられるならまだまだ大丈夫かと思うが、こっちも息があがってるので言わない。
「で、ここはどこなのかはわかるのかな、御坂君は」
「……ん?」
 路地裏、なのはわかる。まあ、逃げるので手一杯だったからな。
 つまり、簡単に言うと、
「もしかして、君もどこかわからなかったりする……?」
「…………」
 首を縦に振る。
 そう、道に迷った。子供だったら迷子とも言う。
 まあ、通りに出れば、子供でもないんだから寮に帰れるだろ。
「ふぅ……。不幸、不幸。わたし歩けば不幸に当たる……」
 帰る術を考えてると、隣りからネガティブオーラが発せられた。
「あー。その、わるかったって」
「いやいやいや。御坂君は悪くないのですよ。すべては気紛れに散歩なんかしたわたしが悪いんだから」
 この、空が青いのも海が青いのもテレビが地上デジタルに変わるのもすべて自分のせいみたいな言い方はどうにかならないのか。
 俺が守ってやれるなら、いいんだけど。ただ、告白してもな、振られたらどうしようもないから。
「俺だって悪かったんだから、痛み分けだっての。それより、早く行こうぜ。バス停でも見つければ、暗くなる前に帰れるだろ」
「あ、うん……」
 いつまでも落ち込んでるのを見て、少しずつむかついてくる。
 俺と馬鹿騒ぎしてるときみたいに、笑ってればいいのに。
「チッ……。行くぞ、ほら!」
 手を握る。恥ずかしいが、そんなことは無視だ。
「ちょ、ちょちょちょ、み御坂君ッ!?」
 どもるコイツの手を引っ張って、俺はバス停を探し始めた。

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