とある魔術の禁書目録 Index SSまとめ

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匿名ユーザー

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当麻が目を覚ました場所は、見慣れた病室だった。
「今度はお腹に銃弾かね?君は本当にこの病室が好きみたいだね?」
当麻の視界には、カエル顔の医者がいた。
病室内に、カエル顔の医者の言葉だけが響く。当麻は、ぼーと天井を見つめていた。
「そうそう。彼女に感謝するんだよ。えーと、春木っていったけね?」
がたっと、当麻は起き上がった。
「風波ですか?あいつ今どこにいるんですか?」
「所々に傷があったからね?まだ病院内に居るんじゃないかな?」
捜しにいこうとして、靴を履こうとした。その時ガラッと、病室のドアが開いた。
そこに居たのは、銀髪に紅茶のカップのような修道服を着たインデックスだった。
「・・・・・・で?今度はどんな女の子を助けたの?」
顔は笑っていた。怒りを隠したある意味怖い顔だ。当麻は一瞬で身の危険を察知した。
「いっインデックスさん?なぜ笑いながらも、歯をカチカチ鳴らしているのでせうか?」
「それはね、とうま」
言葉がいったん途切れ、インデックスは当麻の後頭部に飛びついた。
「とうまがとうまだからだよ!!」
ガブリと何かを噛む音と、男子高校生の悲鳴が病院内に響き渡った。
たいへんご立腹のインデックスは、思い出したように袖口から封筒を取り出した。
「とうまとうま、これ、外に居た女の子から貰ったんだよ」
「女の子?知ってる子か?つーかどんな子だった?」
当麻はゆっくりとした動作で封筒を受け取る。
「んーとね、茶髪ロングで、青っぽい制服着てた」
「風波!!」
封筒の中にはお金と、手紙が入っていた。
『上条へ
私のせいで怪我を負わせちゃって、ごめんなさい。
負担させちゃった分のお金、入れといたから。今までありがとう。じゃあね。』
短い文章だった。必要な事だけ書いているようだ。
当麻は再び靴を履き始めた。
「とうま!どこ行くのとうまー」
当麻は走り出した。

「これで・・・いいんだよ・・・・」
春木は人のこない病院内で人があまり来ない場所に居た
周りに人が居る訳ではない。自分に言い聞かせてるのだ。
会いに行きたいという気持ちを抑えるために。
「なんでかな・・・・なんでなのかな・・・・もしも私が暗部にいなかったら、上条と一緒にいれたのかな・・・・」
春木は泣いていた。すごく小さな声で。誰も聞こえないくらいに押し殺した声で。
「こんな世界もぉヤダよぉ。逃げたい。抜け出したい。平和な生活に戻りたい」
もちろん、出来るはずがない。それは春木も理解している。春木が言ってるのは、ただの幻想(ゆめ)だ。春木は闇に浸りすぎている。今さら抜け出せる訳が無い。
その時。春木の耳に自分を呼ぶ声が聞こえた。
「風波!!」
春木は顔を上げた。そこに居たのは――――
「ふぇ?上条?」
当麻は拳を握り締めながら、口を開いた。
「なんでだよ・・・。なんで、一人で抱え込むんだよ。どうして、誰も頼らないんだよ!!
お前がどんな事を抱え込んでいて、どんな世界に浸ってるのか、俺には分からねぇ。
でも抜け出したいんだろ!だったら、相談しろよ!お前がどんな所に立ってようが、俺が救い出してやる!!」
春木は幸せだった。たぶん、上条は助けるだろう。どんな傷を負ってでも、救うのだろう。
でも、たとえそれが、自分のためでも。
「上条には無理だよ」
助けてくれるって、信じていても。
「上条には、絶対に無理だよ」
春木には、跳ね除けることしか出来なかった。
「上条はこの街の、闇を浅いものしか知らない。絶対能力進化実験だったっけ?あんなもの、まだまだ浅い」
当麻の身体が固まった、やがて当麻はゆっくりと質問した。
「お前は、あの悲劇以上のものを、見たことあるのか?」
春木は軽く笑った。まるで「イエス」と言ってるように。
春木は当麻の両手を満面の笑みで、ギュッと握った。しかし当麻は分かった。それが偽物の笑顔であると。
「上条と出会えてホントに良かった。さよなら。」
当麻の両手を離すと、春木は消えた。当麻はしばらく、誰もいない通路を見ていた。
助けられなかったという、あまりにも残酷な現実を突きつけられ、しばらく動けなかった。

「私にあんなもの、見せないでくれる?気分悪いわ」
春木が消えた理由は簡単だ。空間移動して貰ったのだ。
「ごめんね、淡希。ご苦労様」
「まったく。休日にまで働く事になるなんて」
結標は片目で春木を見た。
「で?良かったの?あんな結果で」
「あれで良いの。だって」
春木は断言する。
「私にはまだ、やるべき事があるから」

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