以前上条「聖魔杯…?」を投稿した者ですが、内容を大幅に改稿してきました
「そんなん知らねーよ」って人はスルーしてください
「そんなん知らねーよ」って人はスルーしてください
上条「聖魔杯開催のお知らせ……?」
上条「何じゃそりゃ。どれどれ……」
聖魔杯開催のお知らせ
大会名
聖魔杯
大会期間
優勝者が決定するまで
参加資格
人間と、人間以外の自律した意思を持つ者のペア
優勝資格
勝ち続けること
優勝商品
世界を律する権利と「聖魔王」の称号
副賞
神器・聖魔杯
歴戦の猛者達が激戦を繰り広げるこの大会に、皆さん是非振るって御参加を!!!
大会名
聖魔杯
大会期間
優勝者が決定するまで
参加資格
人間と、人間以外の自律した意思を持つ者のペア
優勝資格
勝ち続けること
優勝商品
世界を律する権利と「聖魔王」の称号
副賞
神器・聖魔杯
歴戦の猛者達が激戦を繰り広げるこの大会に、皆さん是非振るって御参加を!!!
上条「よし、とりあえずもう一回言っておこう。何だそりゃ」
上条「世界を律する権利がどうとか、聖魔王がどうとかは置いておいても、人ならぬ者とのペアでなければ、参加は不可能って、おいおいそりゃねーよ」
上条「こんなん、誰が参加するんだか」
上条「インデックスもいねーし、今夜は鍋にでもするかな」ポイ
某路上
一方「だ・か・らなァ!俺はもォ疲れたからさっさと家でダラダラしてェンだよォ!」
打ち止め「ああ情けない! それが学園都市第一位の言う言葉なの? そんなだからいつまでたってもモヤシのままなんだよってミサカはミサカはあなたの腕を引っ張って引き止めてみたり!」
一方「あァそォですとも! 第一位だって人間なんだからクソもするし眠くもなるンですよォ!買い物なら散々付き合ってやっただろうがァ! てか誰がモヤシだクソガキ!」
打ち止め「まだ買いたいものがあるのー! ってミサカはミサカはクレープ屋のクレープに目を奪われてみたり!」
一方「チッ……あーだりィ。うぜェからとっとと帰るぞ」
打ち止め「あ、ちょっと待っ……」
打ち止め「……分かったよってミサカはションボリしながらあなたの後を追ってみる……」
一方「……」
一方「……あと一個だけなンか買ってやっからもう泣くな。鬱陶しいからよ」
打ち止め「わーいありがとう! ってミサカはミサカは嘘泣きをやめてみたり!」
一方「なっ……いつの間にそンなババァがやるもン覚えやがったンだ!」
打ち止め「テレビで観たんだよ! ってミサカはミサカは種明かし! さ、第七学区のクレープ屋さんに行こうってあなたの手を引っ張ってみたり!」
一方「芳川ァアアアアアア! さっさとハロワ行ってこいやクソババァアアアア!」
ビューバサバサ
打ち止め「うわっ!? びっくりした! ってミサカはミサカは顔に張り付いてきたこの紙に書かれていることを熟読してみたり」
一方「オイ、エロビデオの販促チラシとかじゃねェだろォな。それ注文しても一生届かねェんだぞ」
「むーっ! 私はそんないかがわしいものに興味を持つほど汚れていないかも! ってミサカはミサカはぷんぷんしてみる! あとこれ、面白そうだよ! 一緒に出てみようよ!」
一方「うぜェから押しつけてくンな。――聖魔杯開催のお知らせだァ……?」
とある学区にある、中高生で連日にぎわうファミレス
佐天「さあ~って、今回の都市伝説はぁ~?」
佐天「じゃんっ! 『世界の派遣を握ることができる杯』です!」
初春「へえ~面白そうですけど、聞いたことないですね~」
佐天「そりゃあ結構アングラなサイトでしか公開してない情報だからね。こないだなんかデータをぜーんぶ食べちゃう変なウィルスに感染しちゃってさー。デスクトップに可愛い女の子が出てきたと思ったらあっという間に……」
初春「ほほう……この街で電子犯罪を働こうとは、中々いい度胸じゃないですか、そのウィルス。ちょっと詰め所に行って始末してくるんで、私はこれで失礼します」ズゴゴゴゴゴゴゴ
佐天「おお……初春が燃えてる……」
黒子「ああなった初春は誰にも止められませんの。ほっておきましょう」
御坂「それで、この杯って一体何なの?」
佐天「あ、はい。えー、このサイトによると『手にした者に古の神々と比肩するほどの力を与えるらしい』あれ? 意外と少ないな? ほかはもっとたくさん書いてあるのに」
黒子「胡散臭いですわねー。どうせアレな病気を発病したどこかの中学生が血迷って書いたのではありませんの?」
佐天「うーん、結構信用できるサイトだと思ったんだけどなー」
御坂「ねえ、この下にリンクみたいなのがあるけど? クリックしてみてよ」
佐天「あ、ホントだ。何ですかねこれ?」
「「「聖魔杯……?」」」
上条「今日っはスーゥパーの特売日~っと。……なんか嫌な予感」
御坂「ね、ねえちょっといいかしら?」
上条「やっぱり出たなビリビリ中学生!」
御坂「ビリビリ言うなっ!」
上条「うおあ!!」バッ
上条「……あれ? ビリビリ撃ってこねえの?」
御坂「……アンタは私を何だと思ってるわけ? 人に物を頼もうってときに電撃かますほど非常識じゃないっつうの」
上条「出会い頭に致死レベルの電撃ブチかますのはお前の中では非常識じゃないってか」
御坂「う、うるさいわね! そんなことどうでもいいからこれ見てよ!」バサッ
上条「……あん? 何だこのコピー用紙『聖魔杯開催のお知らせ?』これなら前にも見たぞ」
御坂「そ、そう。なら話は早いわね。……えっと、これに一緒に出てみない?」
上条「ハァ?」
御坂「な、何よその顔。そんなに私と一緒に聖魔杯に出るのがイヤってわけ……?」モジモジ
上条「違う違う。これ、ここよく見てみろ」
御坂「あ、印刷が粗かったからよく見えなかったけど。……『参加条件:人間と、人間以外の自律した意思を持つ者のペア』」
上条「そ、俺は人間だし、お前も人間だ。だから、これにはどう足掻いても出れません」
御坂「……」チーン
上条「まあそういうわけだ。学園都市でもさすがに人外の自立した意思をもつ生命体なんかつくれないだろうから、諦めろよ。じゃあ俺はスーパーの安売りに」
御坂「ちょい待ち!」ズドオオン!
上条「アブねえ! 何すんだビリビリ!」パキイイン
御坂「よ、要するに見た目が人間じゃなければいいのよね?」
上条「違ぇだろ! 中身もだよ!」
御坂「学園都市の科学力をナメてもらっちゃ困るわ。会場は……奥多摩? またエラい辺鄙なとこね。まあいいわ。明日の始発に間に合うように、○○駅に来て」
上条「ダメだこいつ……早くなんとかしないと……。はあ、分かったよ。明日早いからさっさと帰って寝るかな。じゃ」
御坂「ま、まあその、何だったら私が起こしにいっても構わないけど……べ、別にアンタのためじゃなくて遅刻すると困るってだけでその……って! ちょっとは聞きなさいよゴルァ!」ビリビリ!
上条「ふ、不幸だぁああああ!!!」
AM5:00
上条「ふああああ……ねっむ。てか御坂のやつ遅いな」
御坂(withゲコ太の着ぐるみ)「ご、ごめーん待ったー?」ダボダボ
上条「」
御坂「ど、どう? こないだたまたま買ったんだけど、使い道がなかったからしまってたんだけど……ま、まあ仕方なくというか、恥を忍んでというか」
上条「なあ、御坂」
御坂「へ、何?」
上条「それ、会場で着ても遅くないんじゃないのか?」
御坂「あ……」プシューボン!
上条「……あ、やっぱ考えてなかったな。まあいいや、なんかそれ着脱めんどくさそうだしそのままでいいだろ。始発ならそんなに人もいないだろうし」
上条「ほらいくぞ」
御坂「う、うん……(このカッコで奥多摩まで電車に乗んなきゃいけないの!?)」
AM5:20
一方「オラクソガキ。電車来たぞ。さっさと起きろ」スパーン
一方「オラクソガキ。電車来たぞ。さっさと起きろ」スパーン
打ち止め「痛い! 何でもっと優しく起こしてくれないの!? ってミサカはミサカはぷんぷんしながら目元をこすってみたり!」
一方「じゃァ何かァ? 俺が目覚めのキッスでもしてやったほうがよかったか?」
打ち止め「目覚めのキッス……何だか大人っぽくてかっこいいかも!」
一方「寝言は寝て言え。……電車行っちまったじゃねーか。しょうがねェ。ベクトル変換でもっかい駅に引きずり戻して」
打ち止め「人に迷惑かけるようなことしちゃだめだよ! ってミサカはミサカはむぎゅ」
一方「元はといえばテメェのせいだろうがァ! 仕方ねェ、三分したら次のが来るから、それまで待つぞ」ドッカリ
打ち止め「はーい!」ポスッ
一方「何で俺の上の座ンだよ」
打ち止め「ふふふ、本当は照れてるくせに~」ツンツン
一方「降りろ」ガシッ
上条「あーっ! ほら見ろお前が恥ずかしがってるから、始発行っちゃったじゃねーか!」
御坂「わ、私にこのカッコで電車に乗れっていうの!?」
上条「じゃあいいよ、俺だけで乗るから」
御坂「それじゃ意味ないじゃない」
上条「まあいいさ。どうせ三分もすりゃあ次のが来るだろ。それに乗るぞ」ドサリ
御坂「う、うん……と、隣座ってもいい?」モジモジ
上条「ん? 別にいいけど、このベンチ結構広いから向こう座ったほうがいいんじゃないのか?」
御坂「いいのよ! もう! 座るわよ!」ポスッ
デンシャガマイリマース
―――
電車の中
―――
電車の中
一方「何だァ? あのでけェカエルのぬいぐるみは」
打ち止め「あ! ゲコ太だ! ってミサカはミサカはそっちに駆け出してみたり」
一方「ほかの人の迷惑だろォが。座っとけ」ガシッ
打ち止め「はーい」
御坂「(皆私のこと見てる……)ね、ねえあとどのくらいで着くの?」
上条「あと大体数分だと思うけど。それがどうかしたか?」
御坂「こうしてると、アンタがいい年して巨大なゲコ太のぬいぐるみと座ってるみたいね」
上条「うるさいな」
上条「まさか会場がこんな山奥とはな……民家ひとつありゃしねえじゃねーか」
御坂(withゲコ太)「こ、このカッコで登山するのはもうこれっきりにしたいわ……」ゼエゼエ
上条「そういやお前駅で会った外人にめっちゃ写真撮られてたな」
御坂「『オー! エキゾチックジャパーン!』とか言ってたけど、こんなモン着て外を歩く文化は日本にはないわ」
上条「あってたまるか。……あの小屋じゃね? 『聖魔杯受付』って書いてあるし」
御坂「確かにそれっぽいわね。行きましょ」
遥か上空
打ち止め「わーい早い早い! ってミサカはミサカはあなたの腕の中ではしゃいでみたり!」
一方「暴れんなクソガキ! 落とすぞ!」ヒュゴオオオオオオオオオ
打ち止め「え、そんな急に『落とす』って……もっと普通のときに言ってくれればいいのに、あなたってたまにやたら大胆になるよねむぐぐ」
一方「俺ァそンな意味で言ったんじゃねェ。そろそろ着くぞ」バサー
ラティ「聖魔杯へようこそ! 私は受付のラティと申します。大会開催期間中は本部の役員としてセンタービルにいますので、よろしくお願いしますね」
上条「あ、こちらこそ。俺は上条当麻っていいます。見てのとおり人間ですよ」
ラティ「はいはい上条さんですね……えっと、そちらの方は」カタカタカタカタ
御坂(withゲコ太)「種族はカエル。名前はミコトちゃん……ゲ、ゲコ」
上条「(うわぁ……マジで言いやがったコイツ。しかも何とってつけたみたいに語尾がカエルっぽいんだよ)」
ラティ「いや、どう考えても声が」
御坂(withゲコ太)「ミコトちゃんは女の子なんだから、可愛い声なのは当たり前です……ゲコ」
ラティ「てかそもそもその格好あのマスコットの」
御坂(withゲコ太)「生息地は世界各地の湿地の可愛い女の子向けの店には大概いますゲコ」
上条「(ついに開き直りだしたよ)」
ラティ「えっと、名前はミコトで種族はカエルでよろしいですか?」
上条「あーはい、本人がそういってるんで」
ラティ「いやパートナーでしょあなた。……えへん、武器の提示はされますか?」
上条「武器の提示……とは」
ラティ「参加者の方が提示された武器は、データベースに登録されて、以降、使用者の名前と一緒に全参加者が確認できるようになります」
ラティ「と言っても、これは強制ではありません。隠すことで有利になる武器でしたら、提示は不利になりますからね。持ち込み自体は全くの自由ですから、それは一向に差し支えません。ただ、提示していただいたら、特典もあるんですよ」
上条「特典、とは」
ラティ「申請されなかった場合より、チケット……大会期間中に大会内でのみ使える通貨のことです。大体、一チケットが日本円で一円と考えてください。ちなみに、大会内ではこのチケットでしか買い物はできません。両替などはできませんので、ご了承ください。中に入ったら基本、何でも買えます。日常雑貨に食料品はもちろん、武器防具に車だって買えます」
御坂「つまり、ここで武器を提示し、中に入ってからチケットで違う武器に切り替える……という作戦もあるってことゲコね」
上条「(だんだん自然になってきたな)なるほど、ここは頭の使いどころだな。あえて提示してチケットを多くもらうか、隠して有利になるか、か……まあ言うまでもないか」
御坂「ええ、そうゲコ。私の武器は……これかしらね」バチバチッ
ラティ「ははぁ……学園都市とかいうところでは魔法に代わって超能力の開発が行われていると聞いたことがありますが……もしかして、そこの方でしたか?」
上条「ああ、そいつは学園都市の最高位のレベル5の、第三位のカエルだ。で、俺は……」
御坂「(ちょい待ち! アンタの能力はバラしちゃまずいでしょうが!)」
上条「(は? 何で?)」
御坂「(何でって……肉弾戦挑まれたらおしまいですよって言ってるみたいなもんじゃない!)」
上条「俺はこそこそした真似は好きじゃねえからな。俺の武器は、この右手です。おい御坂、ビリビリ頼む」
御坂「まったくもう! どうなっても知らないからね! ゲコ!」ビリビリ!
上条「ふん!」パキイイン!
ラティ「ふむ、そういえば、先の魔術大戦で魔法を打ち消すチカラを持った少年が大活躍した、と聞いていましたが、あなたでしたか。『幻想殺し』さん」
上条「はあ、でも、何で俺の能力の名前を」
ラティ「まあ結構大規模な大会ですからね。必然的にいろいろなことが耳に入ってくるんですよ。おっと無駄話でしたね。はい、上条さんは『幻想殺し』。ミコトさんは『超電磁砲』でよかったですね? 告知どおり、聖魔杯は優勝者が決定するまでは無期限の大会ですから、会場内の暮らし方が記載されたパンフレットも入ってます。では、チケットと会場内の地図です。大会期間中はどこの家を使ってもかまいません。家賃はタダです」
上条「(御坂の能力まで知ってる……? この人、いや、聖魔杯って一体……)相当長く続くかもしれないってことか」
ラティ「そうなりますね。いま、ちょうど午後十一時ですね。そこの洞窟を通り抜けると、会場である隔離空間都市のセンター前広場に出ます。前夜祭が行われているはずですから、そのままお待ちください。午後十一時三十分から開会セレモニー、そして午前零時に聖魔杯の開幕です」
上条「わかりました、ご親切に、どうも」
ラティ「どう致しまして。ご健闘をお祈りしています」
上条「……御坂、行くぞ」
御坂「ふふふっ。もちろんよ。とっても楽しみだわ」
上条「勝ち続けるしかねえよなあ?」
打ち止め「うーん、セレモニーだけでもすっごく楽しかった! あのすごい目つきの人、かっこよかったね! ってミサカはミサカは興奮を隠し切れなかったり!」
一方「あァ、あの大佐もかなり強そうだったが、アイツは別格だったな。俺なンざ屁でもねェよ、アイツに比べたら。相当深いところまで潜ってた眼光だったなありゃ」
打ち止め「え? 一方通行はあのおじさんのこと知ってるの?」
一方「イヤ、見た目大佐っぽかったから、何となくだ。それにしても、初っ端に勝負吹っかけられて、コイントスなんかで勝負して、本当に勝っちまうとはな。もしかして『予知能力』かなンかだったか?」
打ち止め「う~んどうだろう、ってミサカはミサカは記憶を手繰ってみたり」
一方「まァなんでもイイわな。さっさとコーヒー買って寝るぞ。……チッ、やっぱりきやがったか」
打ち止め「?」
一方「オイ、さっさと来るならこいよ」
奇襲者(魔法使い)「気づいてやがったか」カツン
奇襲者(獣人)「常人とは思えない鋭さ、もしかしてあの学園都市の第一位だったりしちゃうのかな?」シュタッ
一方「(ドイツもコイツも、何で俺らのこと知ってやがんだ? あの受付の女まで)だったら何だっていうんですかァ? 手の内知ってるから勝てる! とか可愛らしい三下じみたこと思って勝負挑んできたンなら、喜ンで受けてたつぜ? テメェらの浅い底なんざ、見なくたって分かるってンだ。どうせ汚ェ腐ったヘドロしかねェンだろ」
奇襲者(魔法使い)「……おい審判。さっさと始めてくれ」
審判「あ、はい。では、一方通行・打ち止めペア対奇襲者ペア、勝負開始!」
奇襲者(魔法使い)「この私にそんな口を利いたことを後悔させてやる! ファイア! ブラスト!」バグァ!
一方「ハッ! ンなもン効かねェンだっつの」キイイイン!
一方「(消滅しただァ? 反射できねェのか)」
奇襲者(魔法使い)「予想通り、といったところかな」
一方「オイオイ、あンなに自信マンマンだったくせに、負け惜しみでも言おうってのかァ? ダセェぞ、脇役」
奇襲者(魔法使い)「……ほう、君のパートナーをみても、まだ私にそんな口を利こうというのかね?」
打ち止め「…………」
奇襲者(獣人)「あなたの可愛いお連れさんの顔に、傷つけたりしちゃうよ? 一生モンのね。それがイヤなら」
一方「降参しろ、ってか」
奇襲者(魔法使い)「その通りだ。ちなみに私も彼女も本気だぞ。言ったじゃないか、私にそんな口を利くな、と。これは君の行いの報いだよ。さあどうするんだ?」
一方「……アレだなテメェら。ホントアレだ。分かってねェよ、何にもな。本格的にダセェ脳細胞と顔しかねェみてェだな」
奇襲者(魔法使い)「何だと?」
一方「まァちょいと落ち着いて考えてみてくださィよ脇役さンたち」
一方「学園都市最強のレベル5の、そのまた頂点に立つこの俺が、
戦闘に夢中でパートナーをさらわれたのにもテメェらに教えられるまで気づかねェなんてことがさァ」
戦闘に夢中でパートナーをさらわれたのにもテメェらに教えられるまで気づかねェなんてことがさァ」
一方「――マジであるとでも思ってンのかァ! あァ!?」
奇襲者(魔法使い)「……やれ」
奇襲者(獣人)「うん……あれ? え? 何で? どうして?」ザクッザクッザク!
奇襲者(魔法使い)「な……血も出ていないだと!? まさか、攻撃された瞬間に回復している……?」
一方「はィこれでテメェらがバカでノータリンの間抜けであることの証明完了ォっと」
一方「こっちにゃAIM拡散力場っつゥもンからできてるヤツがいンのよ。ソイツは詳しいことは省くが、学園都市の能力から成ってるわけで、そしてそれを擬似的に再現することが、この俺、超一方通行にできねェわけなンざねェわけだ」
一方「まァ、いつも一緒にいるクソガキだったから、大体姿形も似せられたンだけどな。ほかじゃ無理だ」
打ち止め「もう! 投げるなら投げるでもっと先に言ってよね! ってミサカはミサカは頭上からフワリと着地してみたり」フワリ
一方「風に乗せてフワフワ葉っぱみてェに飛ばされた気分が味わえたンだぜェ? こンなアトラクション、学園都市にだってねえっつゥの」
奇襲者(魔法使い)「な、なぜだ! なぜさっき攻撃しなかった!? 何のための代わり身だったんだ!?」
一方「はァ? あンなもン余興兼実験みてェなもンだっつゥの。本当に強ェ奴はなァ、雑魚との勝負で本気なンざ出したりしなィンですよォ。第一、俺が本気出したりなンかしたら、その時点で失格になっちまわァ」
一方「でェ、俺が本気を出すのに値すンのは、あの腐れ三下だけだ。つゥか、何不愉快なこと思ィ出させてくれちゃってンですかァ?」
打ち止め「こら! 殺したら失格って知ってるでしょ! ってミサむぐぐぐ!」
一方「分かってらァ。じゃ、軽ゥく臨死体験する程度にしてやっから、手記書いて放送局に送ってみろよ。大うけするぜェ? バッカじゃねェのってなァ! ヒャハハハハハ!」ゴオオオオオオオ!
奇襲者(魔法使い)「く、くそ! ベクター! リフレ!」キュイイイイン!
一方「風を跳ね返しただとォ?」
奇襲者(獣人)「風を操れるのは、あなただけじゃないってこと! 本当に私たちが無能かどうか、試してごらんよ!」ヒュン!
一方「ったく……同じ証明を二回やれってのかァ? 下らねェ」
打ち止め「えいっ!」バチバチバチバチィ!
奇襲者(獣人)「ぐぅっ!」ビリビリ
一方「石蹴りの究極版の恐ろしさ、思い知りやがれ!」ガツン!
奇襲者(獣人)「がっ……」ゴン! ズザザザザザ!
奇襲者(魔法使い)「くそおおおおおおおお!」ダッ
一方「これで、テメェらが本当に無能かどうかの証明の条件見つけるのは半分終わったなァ。あともう一個あれば俺ァさっさと帰って寝れるわけだァ!」ダン!
奇襲者(魔法使い)「ひ、ひいいいいいいいあがァッ!」ドゴォッ!
一方「――はィ、二度目の証明終了ォっと。二度手間だったな、脇役ども」カチッ
審判「あーあ辺りめちゃくちゃだ……え、勝者、一方通行・打ち止めペア!」
打ち止め「わーい! かっこいい一方通行! うーん疲れたねってミサカはミサカは欠伸をしてみたり……」ピョーンダキッ
一方「オィ背中に張り付くな……チッ、寝てやがる」
一方「このままおぶって行かなきゃなンねェのかよ……クソッタレが」
上条「……おい、御坂」
御坂「……うん、分かってる。ごめん」
上条「ごめんじゃねえだろ! お前があのナンパ野郎追っ払うのに使った電撃のせいで! 修理費がエラいことになってんだぞ! 上条さんはこうみえても借金したことないのだけが取り柄だったんですよ!」
御坂「ほ、ホントにごめん。ただ、あんまりにもしつこいもんだからつい」
どがぁ!
上条「ああ! マイルームズドアーが!」
御坂「だ、誰よアンタ!」
貴瀬「ああ、俺か? 魔殺商会――悪の組織の社長だ。とっとと借金を返してもらおうか」ニヤ
リップルラップル「わざわざ、社長共々、直々に訪れてやったの。ミズノのバットを、振らせないで欲しいの」ブンブン
上条「おっ俺はあんたらから金を借りた覚えはないぞ! ニコニコなんちゃらってとこから……!」
貴瀬「『ニコニコ金融』か? あそこはうちの傘下だからな。あそこでした借金は、魔殺商会の借金だ」
リップルラップル「ごちゃごちゃとうるさいの。今日は話があって来たの」コクコク
上条「話……?」
貴瀬「そうだ。君のそこの、可愛らしいパートナー。中々将来有望じゃないかと思ってな。我が社に引き抜きにきたというわけだ。ああ、君は別に来ても来なくてもどっちでもいいぞ」
御坂「ちょっ何勝手に言ってるのよ!? わたしが一体何をしたって」
リップルラップル「商業区の電気系統を、一瞬にしてオシャカにしてくれたの。とても、常人業とは思えないの」コクコク
貴瀬「君の実力ならば、恐らくこの都市でもかなりいいところまでいけるだろう。どうだ、俺に雇われてみないか?」
御坂「……一応、聞いておこうかしら。あんたたちの仕事は?」
貴瀬「主な職務内容は金融業。たまに正義の味方の邪魔をしたりもする」
リップルラップル「ぶっちゃけ、世のため人のためならぬことしかやってないの。まさに、悪の組織なの」コクコク
御坂「却下ね」
貴瀬「……ほう?」
御坂「百歩譲って、借金のカタに働くことくらいはしてやらないでもない」
御坂「でもね」
御坂「困っている人の足元見て、その人の全てを搾れるだけ搾り取ってくような奴らの真似なんか、例えどんな貸しがあったとしても、する気なんて――」
御坂「――さらッさらないわ!」バチバチッ
貴瀬「くくっ。世俗の女子供だというのに、中々いい根性をしている」
リップルラップル「面の皮が厚いの。今宵、ミズノは血を欲しているの」ブンブン
上条「じゃあ俺が代わりに……っ!」
貴瀬「いらん。俺が欲しいのは彼女のほうだ。君じゃない」
リップルラップル「そんなに雇って欲しければ、成果を挙げればいいの。できなければ、それまでなの」コクコク
上条「成果……?」
貴瀬「……ふん、いいだろう。しばらくの間、我が社で試験的に雇用してやる。一定期間以内にノルマが達成できなければ」
リップルラップル「彼女は、もらっていくの。この世は、金と力なの」コクコク
上条「ありがとよ、そうさせてもらうぜ。御坂は、お前らなんかには絶対渡さねえからな!」
貴瀬「くくっ。では、三日後に商業区にある、俺の屋敷まで来い。制服と武器を支給してやる。では」
リップルラップル「貴方も、無能ではなさそうなの。頑張るの」コクコク
上条「……悪ぃな。勝手なこと言っちまって」
御坂「っそ! そうよ! 何勝手なこと言ってるの!? 確かにアンタは強い。でも!能力に頼らないような奴が相手だったら……! アンタは……っ!」
上条「大丈夫だ。この大会で人を殺したら即失格。それに、ここの病院は、即死以外は大概治せるらしいしな」
御坂「っ!!」パシン
上条「いっつ……。御坂?」
御坂「アンタは何も分かってない! アンタの命は、アンタの一存で殺していいものじゃない! 死ななきゃいいなんて、そんなこと二度と言わないで……」
上条「……悪い。御坂」
御坂「うう……ぐすっ。……決めたわ」
上条「?」
御坂「私も魔殺商会で働く! 私のやったことの尻拭いを、アンタだけにやらせられないわ!」
上条「な、そんなこと……!」
御坂「これは、私がアンタのためにやってること。だから、私一人の一存で、私の命を軽視してるわけじゃないわ」ビッ
上条「……んな勝手な」
御坂「ええ、勝手よ。いつも私はそうじゃない。違う?」ニッ
上条「ははっ、そうだな」カラカラ
御坂「もう!」ピリ
上条「おっと」パキン
上条「全く……ぁああああああああ!!!」ガーン
御坂「え、何?」
上条「あの野郎。ドアぶち壊したまま帰りやがった……」
三日後
上条「ここか」
御坂「でっかい屋敷ね……」
???「あ、お客さん? ご主人様にアポ取ってますか?」
御坂「だ、誰よ」
リリー「私? う~んとね、メイドのリリーでいいよ。……ああ! あなたたち、そういえばこないだご主人様が言ってた……うん、どうぞどうぞ」ニコッ
上条「あ、どうも……」ポー
御坂「……ふんっ!」ガッ
上条「だっ!? 何すんだよ!」ピョンピョン
御坂「つーん」ツンツン
伊織家
貴瀬「くくっ。似合ってるぞ。美琴」
御坂「~~~~!」ギュッ
上条「おお……何か高そうなスーツだな。……殺し屋みたいだ」
リップルラップル「一着五十万円なの。ちょっとやそっとじゃ、クリーニングに出さなくたっていいの」コクコク
貴瀬「ちなみに、そのメイド服は一着百万円だ。大事にするんだな」
御坂「~~~~!!」キッ
上条「……あーその何だ。似合ってるぞ、御坂。うん」
御坂「――んで」ボソ
上条「え?」
御坂「アイツだけに名前で呼ばれるなんて嫌よ! アンタも『美琴』って呼んで!」
上条「いや、そんなのどっちだっていいだろ……ぉわっ! 分かった分かったやめろ美琴!」
御坂「////」カァァァ
リップルラップル「二人とも、アツアツなの。お似合いなの。甘々なの」コクコク
貴瀬「いや、『アツアツ』は死語ではないのか?」
ぱがぁっ!
リップルラップル「口答えは、よくないの」ブンブン
貴瀬「いや、口答えなんかしてな」
ぱがぁっ!
リップルラップル「いけないの」ブンブン
貴瀬「お、俺が悪かった……だからもう殴るのはやめろ……」ガク
上琴「「…………」」ガクガク
リップルラップル「そこの貴方は、武器は何がお好みなの。ナイフ、ボウガン、拳銃、短機関銃、バルカン砲、ロケットランチャー、エトセトラ。もちろん、金属バットもあるの。さあ、遠慮なく言うの」コクコク
上条「え、えーっと……」
御坂「今あなたが言ったもの全部で武装した軍隊が出てきても、私は余裕で相手できるわ。もっと別なのはないの?」
リップルラップル「頼もしい限りなの。確かに、秒速九十キロで雷撃を飛ばせるあなたのパートナーに、たかが音速の数倍程度でしか、攻撃できない武器を持たせるなんて、役不足なの」
貴瀬「ぐっ……役不足の使い方が違うぞリップルラップ」
ぱがぁっ!
貴瀬「ぎゃああああああ……!」ガクリ
リリー「ねえ、リップルラップル。この前ドクターがつくった、『アレ』なんかどう? 上条さんにはぴったりだと思うんだけど」
上条「『アレ』……?(うわぁ、嫌な予感しかしねえのはなんでだ)」
貴瀬「……なるほど、『アレ』はいいかもしれんな。鈴蘭、持ってくるんだ」ムク
御坂「鈴蘭、って。リリーさんの本名ですか?」
鈴蘭「うん、私の名前は名護屋河鈴蘭。改めてよろしくね」タッタッタ……
上条「鈴蘭さん、か……」ポー
御坂「……ふんぬっ!」ズドン!
上条「ぎゃあああああああ!」バキイイイン
鈴蘭「これでいいですかぁ? ご主人様」ドサ
上条「黒い、アタッシュケース……」
御坂「まさか、これが武器だなんて冗談は言わないわよね?」ピリリ
貴瀬「まさか。確かにこれ単体でも、十分武器にはなるが、もちろん中身のほうが役に立つぞ」
鈴蘭「まあ、多分最初は慣れないだろうから、別に使わなくても構わないよ」
リップルラップル「その代わり、上手く使えば『魔人』と渡り合うことも、不可能ではないの」コクコク
上条「な、なるほど……」
貴瀬「では、職務内容を手短に説明するぞ。一度しか言わないからな――」