とある魔術の禁書目録 Index SSまとめ

SS 9-974

最終更新:

ryuichi

- view
だれでも歓迎! 編集
第三章 とある春木の平和な時間

次の日。
暗部での活動を見られた春木は気を落としていた。
「はぁ。大丈夫かなぁ。はぁぁぁ。」
すごい深いため息をだし、より一層どんよりムードになる春木。
「あっ。おーい。はーるーきー。」
ふいにかけられた言葉に、春木は一瞬心臓が止まった。
「昨日大丈夫だったか?警備員連れて戻ったらいなくて、倒れてた奴らもいなくて、
とどめに何も無かったみたいになってたから、めちゃくちゃ心配したんだぞ。」
「あーごめん。大丈夫。なんか怖くて逃げ出しちゃって。」
「あっそうか。ごめん。置いてきぼりにして。怖かったよな・・・・・。」
暗い表情になった当麻を見て、春木は表情を笑顔にした。
「大丈夫。私、怖くないよ。むしろ誰もこなかった時の方が怖かった。」
「そうか。良かった。」
「でーもぉそこまで言うならー。」
「えっ?」
春木は表情を変える。小悪魔風に。
「今日一日。付き合って。」
「は?」
「だーかーら。付き合ってくれって言ってんの。」
「えっちょっそれって・・・・。」
「れっつごー。あっ全部おごりね。」
「お金使う気満々!?不幸だー!」
ズルズルと引っ張られ連れて行かれる当麻だった。


連れて行かれた先は地下街のゲームセンターだった。
「ゲームセンターかー。まぁ無難だな。」
「かみじょー。こっちこっちー。」
「はいはい。てか、お前こんなの欲しいの?」
春木が指差したのは、UFOキャッチャーに積み上げられた、ふわふわモコモコのクマのぬいぐるみだ。
「お前高校生だろ。まだこんなの好きなのかよ。」
「えっ?あたしまだ中三だよ。中学生だよ。てか、お前ってやめて欲しい。風波って呼んで。」
「はいはい。もうすぐ高校生だろ。変わんないよ風波。」
「いーじゃんかー。早くとってー。」
「えっ?俺がやるの?無理だよ、上条さんは不幸ですもん。」
「やってみないと分かんないでしょ。ほーら。」
「勝手にお金入れるなー!しかも千円!一回百円だぜ!」
「えー・・・やんないの?お金もったいなー。」
「くぅ・・・。」
しかたなく始める当麻。
だが、不幸の象徴である当麻が取れる訳が無く、十回やっても取れなかった
「たくぅ、ほらほらどいて。こんなのはねぇ」
お金を入れずに機械に触れる春木。
「まさかビリビリ!?おい警報機がなるぞ。」
「まさか。そんな分かりやすい事するわけ無いじゃん。」
ふわぁと、クマのぬいぐるみが浮いたと思ったらあっさり取れた。
「風よ。これなら警報は鳴らないわ。」
呆れる当麻を置いてゲームセンターを出て行く春木。
「今度こっちー。」
振り回されっぱなしの当麻だった。


「はい。」
クレープを差し出す当麻。
「ありがとう」
満面の笑顔になった春木を見て、当麻は安心した顔になった。
「どうしたの?」
「いや、笑った顔は可愛いなって思って。」
「えっ?ずっと笑ってたけど。何で今?」
「だってさ、なんかずっと作った笑顔みたいだったから。
なんかずっとつらくて悲しくて、でも心配されたくないからみたいな感じがしたんだよ。
もう知らない仲じゃないんだからさ、なんでも言ってくれて良いんだぜ?」
しばらくうつむいていた春木だったが、顔を上げた。
「ありがとう。うん。あたし自分の事に素直になってみる。」
「あぁそれが良いよ。それが一番。」
「ってことで、もっと遊ぼう。レッツゴー。」
「結局それになる訳!?不幸だー。」
ズルズル引っ張りながらうつむいてボソッと言った。
「(ありがと・・・・。嬉しかった。)」
「ん?何か言った?」
「何でもなーい。ほらーいくよー。」
春木は笑っていた。
偽りじゃない。最高の笑顔で。

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:
記事メニュー
ウィキ募集バナー