第一話『愛猫家達』
ペタン・・・ぺタ・・・ペタン・・・ぺタ――――
薄暗い通路に、足音が響く。
通路の先には、光が溢れている。
その場所へと、あるものを手にして通路を抜ける。
そこには緑が広がっていた。
薄暗い通路に、足音が響く。
通路の先には、光が溢れている。
その場所へと、あるものを手にして通路を抜ける。
そこには緑が広がっていた。
「ほら~おまえら~メシだぞメシ~~」
その言葉に誘われて数匹の猫がやってきた。この病院の中庭で飼われている野良猫だ。ここの中庭は結構立派に造られていて、すぐ隣にある公園とほとんど同化している。その住民である猫たちは暇な入院患者たちへとえさをねだりに来るのが習慣となっているらしい。
「今日は豪勢に猫缶だぞ~ウェットだぞ~カツオエキスだぞ~味わって喰えよ~」
まあ持ちつ持たれつって事だよな~。こいつらのおかげで灰色の入院生活も薔薇色だし。
缶の中身を皿にだし、早く食わせろーといっている猫たちの元へと置く。我先にと食いつく猫たちの微笑ましい姿を眺めながら、すぐそばにあるベンチに腰掛けた。
それにしてもこいつ等もずいぶん懐いたもんだ、と首をさすりながら思う。そこには今回の入院の原因となった怪我がギプスで覆われている。もう何度目になるのだろう。すっかり慣れてしまった。入院生活もなかなか悪くは無いものだ。心を和ませてくれる猫はいるし、夏休みの宿題をサボる理由は出来るし、堂々と休息に身を浸すことが出来る。
「これでかわいい入院患者でもいれば完璧なんだけどな~。」
降り注ぐ太陽の光に目を細めつつ、そんなことをつぶやいてみた。
その言葉に誘われて数匹の猫がやってきた。この病院の中庭で飼われている野良猫だ。ここの中庭は結構立派に造られていて、すぐ隣にある公園とほとんど同化している。その住民である猫たちは暇な入院患者たちへとえさをねだりに来るのが習慣となっているらしい。
「今日は豪勢に猫缶だぞ~ウェットだぞ~カツオエキスだぞ~味わって喰えよ~」
まあ持ちつ持たれつって事だよな~。こいつらのおかげで灰色の入院生活も薔薇色だし。
缶の中身を皿にだし、早く食わせろーといっている猫たちの元へと置く。我先にと食いつく猫たちの微笑ましい姿を眺めながら、すぐそばにあるベンチに腰掛けた。
それにしてもこいつ等もずいぶん懐いたもんだ、と首をさすりながら思う。そこには今回の入院の原因となった怪我がギプスで覆われている。もう何度目になるのだろう。すっかり慣れてしまった。入院生活もなかなか悪くは無いものだ。心を和ませてくれる猫はいるし、夏休みの宿題をサボる理由は出来るし、堂々と休息に身を浸すことが出来る。
「これでかわいい入院患者でもいれば完璧なんだけどな~。」
降り注ぐ太陽の光に目を細めつつ、そんなことをつぶやいてみた。
―――三日前。八月二十一日。
学園都市は信じられない情報によって騒然となった。
一方通行、あの学園都市最強が倒された。
しかもあの能力不明のレベル0、旗男の手によって。
これによって警備員と風紀委員は大忙しとなった。最強の称号を得んとした無能力武装集団がサバイバルゲームを開始したのだ。おかげで俺は町中を走り回る羽目になった。集会開いてる愉快な野郎どもを解散させたり、ぶっ飛ばしたり、説得したり、ぶっ飛ばしたり、ぶっ飛ばされたり、ぶっ飛ばしたりした。
そう、俺は風紀委員を務めている。ごく普通の高校に通うそこそこ普通の高校生、黒山大助16歳。そこにちょっとした華を持たせる風紀委員という肩書き。その仕事内容は主に各学校内で起こるトラブルを解決するというものだが、俺は更に別の肩書きも持ち合わせている。
第7学区風紀機動員。簡単に言ってしまうと、喧嘩に強い風紀委員というとこだ。
風紀委員になるためには適性試験などいろいろと面倒くさいテストをクリアしなければならない。しかし試されるのはあくまで適性だ。それに合格すればあとは訓練を受けることで緑に白いラインの入ったワッペン、風紀委員の証を得ることが出来る。そういうわけで風紀委員は皆が皆不良どもを蹴散らすことが出来るわけではない。そこで警備員と共に現場へと赴くのが風紀機動員である。
まあ、実際には警備員のパシリなんだけど。
現に三日前起こった騒動では同僚のテレポーテーターと共に女警備員にこき使われた。じゃんじゃん言いながら命令するその顔へ拳を向けなかった自分を褒めてやりたいぐらいだ。そうやって徹夜で走りまわったおかげで、事態は一応落ち付いた。
学園都市は信じられない情報によって騒然となった。
一方通行、あの学園都市最強が倒された。
しかもあの能力不明のレベル0、旗男の手によって。
これによって警備員と風紀委員は大忙しとなった。最強の称号を得んとした無能力武装集団がサバイバルゲームを開始したのだ。おかげで俺は町中を走り回る羽目になった。集会開いてる愉快な野郎どもを解散させたり、ぶっ飛ばしたり、説得したり、ぶっ飛ばしたり、ぶっ飛ばされたり、ぶっ飛ばしたりした。
そう、俺は風紀委員を務めている。ごく普通の高校に通うそこそこ普通の高校生、黒山大助16歳。そこにちょっとした華を持たせる風紀委員という肩書き。その仕事内容は主に各学校内で起こるトラブルを解決するというものだが、俺は更に別の肩書きも持ち合わせている。
第7学区風紀機動員。簡単に言ってしまうと、喧嘩に強い風紀委員というとこだ。
風紀委員になるためには適性試験などいろいろと面倒くさいテストをクリアしなければならない。しかし試されるのはあくまで適性だ。それに合格すればあとは訓練を受けることで緑に白いラインの入ったワッペン、風紀委員の証を得ることが出来る。そういうわけで風紀委員は皆が皆不良どもを蹴散らすことが出来るわけではない。そこで警備員と共に現場へと赴くのが風紀機動員である。
まあ、実際には警備員のパシリなんだけど。
現に三日前起こった騒動では同僚のテレポーテーターと共に女警備員にこき使われた。じゃんじゃん言いながら命令するその顔へ拳を向けなかった自分を褒めてやりたいぐらいだ。そうやって徹夜で走りまわったおかげで、事態は一応落ち付いた。
人の気配に、目を覚ました。どうやら少し寝ていたらしい。見ると、誰かが自分の持ってきた皿に新たな猫缶を盛っている。
その背中は、どうやら14,5歳の少女のようだった。
彼女は猫缶を盛り付け終えると、少しはなれて猫たちの様子を伺った。
入院服を着ている。そのせいか、やけに儚い印象を受ける。
その姿に、声をかけていた。
何故だったのだろう。
自分でも意識しないうちに、
しかし、声はするりと出てきた。
その背中は、どうやら14,5歳の少女のようだった。
彼女は猫缶を盛り付け終えると、少しはなれて猫たちの様子を伺った。
入院服を着ている。そのせいか、やけに儚い印象を受ける。
その姿に、声をかけていた。
何故だったのだろう。
自分でも意識しないうちに、
しかし、声はするりと出てきた。
「猫、好きなのか?」
少女がピクリと反応し、こちらを振り返る。
栗色の髪が揺れる。
整った顔がこちらに向く。
そして、形の良い目がこちらを捉えた。
少女がピクリと反応し、こちらを振り返る。
栗色の髪が揺れる。
整った顔がこちらに向く。
そして、形の良い目がこちらを捉えた。
「はい、好きですとミサカは簡潔に答えます」
それがすべての始まりだった。ミサカ10039号とかいうフシギ少女と初めて出会った俺は、この先に待っているものなど考えてもいなかった。