□前回までのあらすじ 上条当麻の鞄に入っていたチョコレートは美琴の鞄から消えてしまったチョコレートだった。 不可思議な現象におもわず上条は首を捻るが事態は好転しない。 そんな時、上条を追跡する土御門の前に必要悪の教会(ネセサリウス)の魔術師ステイルが姿を現し 事件の発端となったある大魔術の存在を告げる。
第三話 『さらばチョコレート』
「ともかくキミにも説明をして置く必要はあるだろう?」
言って赤い魔術師が自分の体を退けると、後ろに居た人影が土御門に見えるようになった。
ステイルの影から現れたのは純白に金の縁取りがついた豪華な修道服に身を包んだ小さなシスター。
小さな人影は両手を前であわせて組み、その瞳を閉じて土御門に向かって言葉を紡ぐ、
「自己紹介、そっちは私の事知ってるみたいだから省いてもいいよね、『必要悪の教会』(ネセサリウス)の『背中刺す刃』 それでも一応『はじめまして』って挨拶しとくね」
白い少女は閉じた目を開いて土御門を見て二コリと笑顔を作ると、土御門に対して軽く頭を下げる。
土御門は少女へ鋭い眼光を送りニヤリと笑い、壁にもたれかかり体の前で腕を組むとこう言った。
「ああ、『はじめまして』だな、詳しく話を聞こうじゃないか
―Index-Librorum-Prohibitorum、『10万3000冊』の『禁書目録』(インデックス)」
言って赤い魔術師が自分の体を退けると、後ろに居た人影が土御門に見えるようになった。
ステイルの影から現れたのは純白に金の縁取りがついた豪華な修道服に身を包んだ小さなシスター。
小さな人影は両手を前であわせて組み、その瞳を閉じて土御門に向かって言葉を紡ぐ、
「自己紹介、そっちは私の事知ってるみたいだから省いてもいいよね、『必要悪の教会』(ネセサリウス)の『背中刺す刃』 それでも一応『はじめまして』って挨拶しとくね」
白い少女は閉じた目を開いて土御門を見て二コリと笑顔を作ると、土御門に対して軽く頭を下げる。
土御門は少女へ鋭い眼光を送りニヤリと笑い、壁にもたれかかり体の前で腕を組むとこう言った。
「ああ、『はじめまして』だな、詳しく話を聞こうじゃないか
―Index-Librorum-Prohibitorum、『10万3000冊』の『禁書目録』(インデックス)」
チョコレートケーキ、いわゆるホールサイズのでっかいのではなく三角形に切り分けられビニールでラッピングされた最終兵器。
その威力(甘さ)たるや年頃の男性に致命傷を負わせ、もはやその味無しでは生きてはいけないとまで言わしめる。
可愛い女の子の手作りだと更に破壊力は増す(上条比15倍)、本来なら幸運な事なのだがこの場合はひたすら不幸な事にそんな物体が何故か上条当麻の鞄にはあった。
ついでに言うと鞄のほうは肩から青白い火花をバチバチさせている美琴の手にあった。
何故か。 理由はわからないけど何故か。
確かに美琴に鞄を渡すまでは美琴製カエルチョコ以外に姫神チョコと吹寄チョコの2つのみだったはずの鞄の中身が増えていた。
「え~と食うか?美琴―げぶぅ」
「あほかぁぁ!!」
場を和まそうとした上条のさりげない一言は怒り狂うお嬢様の鉄拳で粉砕された。
「タンマ!タンマ!上条さんには身の覚えがないんですよ!?
こんな素敵イベント起こるはずないんです!!」
「アンタはコレを私に見せ付けて一体どうしたいのよー!!
今なら怒らないから言ってみなさいよー!!」
「怒らないだなんてそんなこと・・・!? 裁判長!その発言は明らかに矛盾しています!!」
「誰よ!?裁判長って!!とにかく嘘じゃないわよ!!」
「嘘だ!!!(0,01秒即答)」
「即答するなぁ!!コラァァ!(怒)」
「ぎゃああああ、目が私のめがぁぁぁ!!めがぁぁああああ!!」
ズビシ!! そんな愉快な効果音の美琴の常盤台中学式目潰しチョキが目に刺さって上条は悶絶して辺りかまわず転げまわる。
怒りでちょっと愉快な思考回路になってるこのお嬢様がどこぞの武術家のような突きを繰り出す理由はこうだ。
その威力(甘さ)たるや年頃の男性に致命傷を負わせ、もはやその味無しでは生きてはいけないとまで言わしめる。
可愛い女の子の手作りだと更に破壊力は増す(上条比15倍)、本来なら幸運な事なのだがこの場合はひたすら不幸な事にそんな物体が何故か上条当麻の鞄にはあった。
ついでに言うと鞄のほうは肩から青白い火花をバチバチさせている美琴の手にあった。
何故か。 理由はわからないけど何故か。
確かに美琴に鞄を渡すまでは美琴製カエルチョコ以外に姫神チョコと吹寄チョコの2つのみだったはずの鞄の中身が増えていた。
「え~と食うか?美琴―げぶぅ」
「あほかぁぁ!!」
場を和まそうとした上条のさりげない一言は怒り狂うお嬢様の鉄拳で粉砕された。
「タンマ!タンマ!上条さんには身の覚えがないんですよ!?
こんな素敵イベント起こるはずないんです!!」
「アンタはコレを私に見せ付けて一体どうしたいのよー!!
今なら怒らないから言ってみなさいよー!!」
「怒らないだなんてそんなこと・・・!? 裁判長!その発言は明らかに矛盾しています!!」
「誰よ!?裁判長って!!とにかく嘘じゃないわよ!!」
「嘘だ!!!(0,01秒即答)」
「即答するなぁ!!コラァァ!(怒)」
「ぎゃああああ、目が私のめがぁぁぁ!!めがぁぁああああ!!」
ズビシ!! そんな愉快な効果音の美琴の常盤台中学式目潰しチョキが目に刺さって上条は悶絶して辺りかまわず転げまわる。
怒りでちょっと愉快な思考回路になってるこのお嬢様がどこぞの武術家のような突きを繰り出す理由はこうだ。
ひとつ、上条が投げてきた鞄の口が開いていた
ひとつ、鞄には彼が貰ったチョコの包みが2個入ってるはずだった。
ひとつ、自分以外の女性が贈ったチョコとはどんなものなのか気になった。
ひとつ、美琴が中を覗いてみたら2個の包み以外にも明らかに自分の物より手の込んだチョコらしきものがあった。
ひとつ、あまつさえソレを自分に食えと要求してきたボンクラがいた。
ひとつ、鞄には彼が貰ったチョコの包みが2個入ってるはずだった。
ひとつ、自分以外の女性が贈ったチョコとはどんなものなのか気になった。
ひとつ、美琴が中を覗いてみたら2個の包み以外にも明らかに自分の物より手の込んだチョコらしきものがあった。
ひとつ、あまつさえソレを自分に食えと要求してきたボンクラがいた。
上条当麻曰く・・・
なんでお嬢様が怒ってるのかさっぱり訳わからんし、自分に何が起こってるのはもっと訳わからん。
判ることは只一つ、この世界に神様とか言う存在が居るのならきっとその存在は、上条当麻が嫌いに違いない。
「うう、さっきから何がなんだか上条さんにはさっぱりですよ、放課後に鞄を空けたらなんだかチョコが入ってるわ、姫神と吹寄からは普通にチョコもらえたんだけどクラス総出で追いかけられるし、御坂が鞄を空けたらさっきまで無かったチョコケーキとか入ってるし・・・・・・」
上条はそう言って膝を抱えてバス停のベンチにうずくまってしまうと
右手に持ったカエルさん達(チョコ)をリスかハムスターのような仕草でカリカリとかじりだす。
それを見た美琴が大慌てで上条の前まで飛んできて
「わ!、わわ!、アンタいきなり食べるんじゃないわよ!?
っていうかもうちょっと味わって食べなさいよ!! 昨日3時間もかかったのに『ソレ』!!せめてメッセージカードとか読みなさいよ!」
「なんと!?これは『手作り』でしたか? どうりで・・・」
どうりでなに?と聞きたそうな美琴のもじもじした視線と差し出された青いメッセージカードなんて露知らず上条は呟く。
「硬いと思っ――へぶぅ」
JET!!、そんな大文字の効果音を背負った美琴の突き上げるような一撃で上条は顎を打ち抜かれ宙を舞うと銀河(っぽいもの)を背負いながら
頭からキリキリ回転し地面に激突し、そのままドサッと崩れ落ちた。
でも頭から落ちたくせに美琴の攻撃以外の要因による外傷はまるで見当たらないところがお約束っぽい。
その後でひらひらと美琴の青いメッセージカードが倒れた上条の顔の上に舞い降りる。
「はっ!? やりすぎ?て完全に伸びてる!? と、とりあえずじ、じんこうこきゅう!?えっとでもでも」
ふと我に返って地面に倒れたままピクリとも動かない上条を抱えておろおろとする美琴の視界の端で上条の学生鞄がなにやら
さっきより膨らんでいたが彼女にはそんな事には気づかなかった。
なんでお嬢様が怒ってるのかさっぱり訳わからんし、自分に何が起こってるのはもっと訳わからん。
判ることは只一つ、この世界に神様とか言う存在が居るのならきっとその存在は、上条当麻が嫌いに違いない。
「うう、さっきから何がなんだか上条さんにはさっぱりですよ、放課後に鞄を空けたらなんだかチョコが入ってるわ、姫神と吹寄からは普通にチョコもらえたんだけどクラス総出で追いかけられるし、御坂が鞄を空けたらさっきまで無かったチョコケーキとか入ってるし・・・・・・」
上条はそう言って膝を抱えてバス停のベンチにうずくまってしまうと
右手に持ったカエルさん達(チョコ)をリスかハムスターのような仕草でカリカリとかじりだす。
それを見た美琴が大慌てで上条の前まで飛んできて
「わ!、わわ!、アンタいきなり食べるんじゃないわよ!?
っていうかもうちょっと味わって食べなさいよ!! 昨日3時間もかかったのに『ソレ』!!せめてメッセージカードとか読みなさいよ!」
「なんと!?これは『手作り』でしたか? どうりで・・・」
どうりでなに?と聞きたそうな美琴のもじもじした視線と差し出された青いメッセージカードなんて露知らず上条は呟く。
「硬いと思っ――へぶぅ」
JET!!、そんな大文字の効果音を背負った美琴の突き上げるような一撃で上条は顎を打ち抜かれ宙を舞うと銀河(っぽいもの)を背負いながら
頭からキリキリ回転し地面に激突し、そのままドサッと崩れ落ちた。
でも頭から落ちたくせに美琴の攻撃以外の要因による外傷はまるで見当たらないところがお約束っぽい。
その後でひらひらと美琴の青いメッセージカードが倒れた上条の顔の上に舞い降りる。
「はっ!? やりすぎ?て完全に伸びてる!? と、とりあえずじ、じんこうこきゅう!?えっとでもでも」
ふと我に返って地面に倒れたままピクリとも動かない上条を抱えておろおろとする美琴の視界の端で上条の学生鞄がなにやら
さっきより膨らんでいたが彼女にはそんな事には気づかなかった。
時間は遡って2月13日午後21時 イギリスの必要悪の教会(ネセサリウス)の女子寮にての出来事
「シスター・アニェーゼ、私が航空便で送ろうとしていたこれくらいの包みを知りませんでしょうか?」
のんびりおっとりした口調でオルソラが手でこれぐらい、とサイズを示してくるのだがアニェーゼには全然覚えが無い。
「いえ、私は人の荷物をかまったりなんかしちまいませんよ、シスター・オルソラ。それより私がここに置いていた
菓子の入った小さな箱とか誰か知りませんかね?、なんていうんですかね、あれ、『ぽっきー』っていぅんですかね?」
同じく女子寮のロビーでくつろいでる全員に聞いてみるが彼女たちは一様に互いに目を合わせて横に首を振るだけだ。
(日本とイギリスの時差は約9時間・・・いまごろ日本は14日当日の午前6時、夜間便で日本まで配送してもらうつもり
だったんですがこのままでは間に合わない?って今気づいたんですがね、荷物を受け取りに来た業者が死ぬほど困っちまってますね。
こんなときどうすればいいんでしたか?確か日本のことわざでは『万事休す』?それとも「ボスケテ」・・・・)
「シスター・アニェーゼ、私が航空便で送ろうとしていたこれくらいの包みを知りませんでしょうか?」
のんびりおっとりした口調でオルソラが手でこれぐらい、とサイズを示してくるのだがアニェーゼには全然覚えが無い。
「いえ、私は人の荷物をかまったりなんかしちまいませんよ、シスター・オルソラ。それより私がここに置いていた
菓子の入った小さな箱とか誰か知りませんかね?、なんていうんですかね、あれ、『ぽっきー』っていぅんですかね?」
同じく女子寮のロビーでくつろいでる全員に聞いてみるが彼女たちは一様に互いに目を合わせて横に首を振るだけだ。
(日本とイギリスの時差は約9時間・・・いまごろ日本は14日当日の午前6時、夜間便で日本まで配送してもらうつもり
だったんですがこのままでは間に合わない?って今気づいたんですがね、荷物を受け取りに来た業者が死ぬほど困っちまってますね。
こんなときどうすればいいんでしたか?確か日本のことわざでは『万事休す』?それとも「ボスケテ」・・・・)
「シスター・アンジェレネ。 あなたは確か甘い物に目が無かったと思うのですが・・・あれほど甘い物への執着は断てと―」
「わ、私じゃないですよ、本気で、神様にだって誓います!でも甘いものは大好きです!
天にまします我らの父よ・・・・哀れな子羊を救い給え・・・」
「たかが菓子ぐらいでなにをごちゃごちゃとしてるんだい?そんなものまた作ればいいじゃないのさ」
(たかが菓子を作り直す時間が無いから困っちまってるんですが、この人にはそういうことに縁が無さそうですね)
「シェリー、団体生活と言うものはそう簡単に済ますわけにも行かないのですよ、それに荷受に来られている配送業者にも失礼ですから・・・・」
なんだかけだるそうに言うゴスロリファッションのシェリーを手で退けてその後ろから神裂火織が出てきたが、
彼女は何故か裾をお腹のところで絞って結んだTシャツに片方の裾を根元までぶった切ったジーパン、さらに腰のウエスタンベルトには
七天七刀という物騒な格好をしている。 神裂火織が好んで着る『戦闘着』だ、当然くつろぐためのロビーにあまり似つかわしくない。
彼女はロビーの中央に置かれたテーブルにダン!!と手を激しく打ち据えるとその瞳に激しい決意を秘め宣言した。
「わ、私じゃないですよ、本気で、神様にだって誓います!でも甘いものは大好きです!
天にまします我らの父よ・・・・哀れな子羊を救い給え・・・」
「たかが菓子ぐらいでなにをごちゃごちゃとしてるんだい?そんなものまた作ればいいじゃないのさ」
(たかが菓子を作り直す時間が無いから困っちまってるんですが、この人にはそういうことに縁が無さそうですね)
「シェリー、団体生活と言うものはそう簡単に済ますわけにも行かないのですよ、それに荷受に来られている配送業者にも失礼ですから・・・・」
なんだかけだるそうに言うゴスロリファッションのシェリーを手で退けてその後ろから神裂火織が出てきたが、
彼女は何故か裾をお腹のところで絞って結んだTシャツに片方の裾を根元までぶった切ったジーパン、さらに腰のウエスタンベルトには
七天七刀という物騒な格好をしている。 神裂火織が好んで着る『戦闘着』だ、当然くつろぐためのロビーにあまり似つかわしくない。
彼女はロビーの中央に置かれたテーブルにダン!!と手を激しく打ち据えるとその瞳に激しい決意を秘め宣言した。
『ですから・・・・・・犯人はこの中に居る!!
いますぐ私が航空便で日本に送るはずだった『ちょこれーと』をちょろまかした奴出てきなさい!!!』
いますぐ私が航空便で日本に送るはずだった『ちょこれーと』をちょろまかした奴出てきなさい!!!』
ドーン!!とカメラ目線で世界に20人しかいない聖人様が背景に雷しょって叫んだ。
聖人様ぐらいになると背景に雨だろうが雷だろうが自由自在である、実に便利だ。 きっと聖人様の半分は優しさでできているに違いない。
でも七天七刀を抜刀してまで言うことなのか?とロビーに居る全員の目がそう語っていた。
その後ろでオルソラは冷蔵庫から三角形型に切り分けられたチョコレートケーキを取り出してテキパキと新たにラッピングをして
ちゃっかり業者のお兄さんへと渡して手を振って送り出していたが彼女以外の人間は誰もその事には気づいていなかった。
聖人様ぐらいになると背景に雨だろうが雷だろうが自由自在である、実に便利だ。 きっと聖人様の半分は優しさでできているに違いない。
でも七天七刀を抜刀してまで言うことなのか?とロビーに居る全員の目がそう語っていた。
その後ろでオルソラは冷蔵庫から三角形型に切り分けられたチョコレートケーキを取り出してテキパキと新たにラッピングをして
ちゃっかり業者のお兄さんへと渡して手を振って送り出していたが彼女以外の人間は誰もその事には気づいていなかった。
拝啓、天にまします我らの父よ
この事態はどう収拾をつけるおつもりでしょうか、哀れな子羊たる私に教えちまって下さい。
かしこ
追伸
私が送るはずの『自作ぽっきー』もその深い御心で何とかしてやってください。 いやマジで
この事態はどう収拾をつけるおつもりでしょうか、哀れな子羊たる私に教えちまって下さい。
かしこ
追伸
私が送るはずの『自作ぽっきー』もその深い御心で何とかしてやってください。 いやマジで
アニェーゼ=サンクティスは無言で十字を切り神への祈りを捧げた。
次回に・・・つづくといいな、いやマジで