とある魔術の禁書目録 Index SSまとめ

SS 7-652

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匿名ユーザー

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ビギンズナイト

夜でも賑やかな街と違い、今、当麻が歩いているのは、暗く街の光があまり届かない廃ビルが立ち並ぶ、
今にも強盗が出てきそうな道を歩いていた。
当麻は、普通の服で街を歩いているわけじゃない、彼は、鎧を身に纏っている。
胸や腕、足には、オレンジ色の金属が着いていて、それ以外は黒い布のような繊維で覆われている。
顔の部分は、鋼の様に銀色の金属に覆われて、そこ以外は、胸についているのと同じオレンジ色の金属が後頭部まで包み込んでいた。
そんな格好で出歩けば普通アンチスキルにでも職務質問されそうだが、当麻が歩くその道には、本当に人気がなかった。
ゆっくりと進んでいると、突如、ズラリと並ぶ廃ビルの2階の窓から黒い服を着て、黒いサングラスを着けた、いかにも悪人らしき男が
当麻に銃を向けてきた、が即座に当麻は、その男目掛け銃を構えて引き金を引いた。
ダンッダンッ!!と銃声が鳴り響き、男に命中し、男は倒れ姿が見えなくなった。すると、銃声が合図となったのか、
一気に何人もの黒服の男達が廃ビルの窓や一階にある扉、ビルで見えなかった曲がり角などから現れて当麻に銃を乱射してきた。
それら攻撃をかわす為に近くの人一人が入れる位の狭い通路に飛び込んだ。しばらく、男達は当麻が入り込んだ通路目掛け銃を撃ってきたが、
暫くすると、銃声が止み、弾のリロードをし始めたので、当麻は通路から飛び出し、男達に的確に鉛玉をお見舞いしていき、
数名の男達を次々と亡き者に変えていった。その後も突然現れる黒服の男達を冷静に対処しながら進んで行き。

とある廃ビルの前に立ち止まり、慎重に中に入り、上へ行く為に階段を探した。階段は入り口からそれほど離れていなかったので、
すぐに見つかりゆっくりと階段を上って行った。そしてある扉の前に立ち止まり、開けようと手を伸ばしたが、その手を一旦止めて、
暫く考えた後、ドアから少し離れて勢いよくドアを蹴破った。すると、ガシャンと何か落ちるような音がした、当麻は即座に落ちた物を拾い
近くの窓目掛け全力投球した。投げられた物は、窓から飛び出してから1秒か2秒ほど経つと、ドゴォォン!と音を立て爆発した。
仕掛けられた罠を対処した当麻は、入った部屋を見渡すと部屋の片隅に一人の15、16歳ほどの少女が怯えて縮こまっていた。

「目標確認…保護する」

そう言って少女に近づき、少女の手を取って立ち上がらせ、部屋から出た。
出た後は、先ほど上った階段を下りて行き、出口に行くと出口には数名の黒服の男が待ち構えており、当麻を確認すると、即座に発砲してきた。

「ちっ!!こっちだ!!」

少女の手を取り、元来た廊下に戻り裏口に向かった。男達も追ってきたが、何発か威嚇射撃をしながら逃げて
裏口を見つけたところで、男達が又しても撃ってきたので当麻は、立ち止まり、少女の手を放してしっかりと銃を構えて反撃した。
すると、少女が急に裏口に向かって走り出した。

「まっ!待て!!」

しかし少女は、裏口を開けて外に飛び出した。そして、先ほどと同じようなカシャンという音がし、数秒後に、
ドゴォォンと響く爆発と共に少女の体が炎にのみ込まれた。


『GAME OVER』
どこからかそのような台詞が出てきて、周りの風景が急に止まった。そこに

「ハッハッハ…残念だったな…」

突然、先ほどまで居なかった、作業着を着た50代ほどの作業着を着た男が現れた。

「きたねぇよ!勝手に逃げちまうなんて!!」

当麻は、男に不満をぶつけた。当麻の台詞を聞いた男は、

「バカヤロー!何があっても目標を放すんじゃねぇよっ!手を放したお前が悪い…」

そう言って、男は、ポケットからリモコンを取り出して、何やら操作をすると辺りの暗い廊下の風景が消えて、真っ白い部屋になった。

「ずりーよ…」

小言をもらしながら腰に巻いてあるベルトを外すと、先ほどまで身に纏っていた鎧が消えた。

「どうだ…ライオトルーパーの調子は?」
「あぁ…いい感じだけど…でも雷電みたいにはいかないなぁー」
「あたりめぇだ…あいつのは特別だ…普通の人間じゃあ、まずキバの力は耐えられねぇ…」

外したベルトを男に渡して、2人は、歩いて白い部屋の唯一の出口であるエレベーターへと向かった
2人がいる部屋は、かなり広く、当麻自信が思うところでは、学校の運動場の半分近くの面積をほこっていた。
普通ならその程度かと思われるかもしれないが、部屋には特に置いているものもなく、ただ白いだけの部屋で
さらにその部屋があるのが地下だということを考慮すると広い感じるのは、当然であろう。
エレベーターに乗って、表通りから外れた店へと向かう途中も2人の会話は、続いた。

「やっぱすげぇんだな…アレは」
「あぁ…珠理ちゃん設計の元に俺が作り出したものだからな……おめぇライダーシステムについてはどこまで知ってる?」
「んっ?そーだな、確か、軍隊とかで使われている駆動鎧が大きすぎて自由に持ち運びが出来ないから、
 必要に応じて身に付けられるようにするために開発された…だっけな?雷電はそんな感じに言ってたけど…」
「まぁ正解だな」


2人の会話が途切れたところでエレベーターが地上へと到着して、扉が開いた。
エレベーターから降りると当麻は、男に追求した。

「まぁって…正解じゃないのか?」
「いや…初めに設計された理由はそれだ…だが、時間と共にいろいろと変わっていった……
 そもそも駆動鎧も最初は軍隊のためでなく、病気や怪我で動けない人の為の補助装置として開発されたものだが…
 いつの間にか軍事利用が主な目的となっていった」
「そうなのか…」
「あぁ…最初は、ただ人の為にと作られても…悪用する奴は出てくる…」
「…………ライダーシステムもか?」
「まぁな…設計していく内に、様々なものに利用されていくようになった…軍事利用はもちろん、無能力者を簡単に新戦力にすることができ
 普通の能力者の強化にも繋がり、使い方しだいでは、レベル5の更に上へといける…そんな事まで言う奴らも現れ始めた」
「『絶対能力者』か…」
「あぁ…あいつに頼まれたからお前専用に作ってやったが…それは半端な覚悟で使っていいもんじゃねぇからな」
「…わかってるよ…でも、もうちょっと性能良くしてくれてもいいじゃねぇか?」
「あほ!これ以上の強化はお前の体もたん…それでも最初作られた量産型よりは、数倍マシだ」
「はいはい…感謝してますよ」

当麻は、いろいろと機械の部品が散乱してるなか、何とか座れるイスを探し座った。
男はと言うと、先ほど渡されたベルトを台の上に置いていじり始めた。何をしているか当麻は分からなかったが
おそらく、何か調整などをしているのだろう。邪魔しないように黙っていたが、男の方から話しかけてきた。

「そういや…雷電の奴は来ないのか?」
「あぁ…そろそろ来るだろ…そうだ…シャワー借りていいか?」
「一回500円」
「金取んのか!?しかも、高い!」
「いやなら使うな…」
「…………雷電につけといて」

しぶしぶ承諾した当麻は、シャワールームへと行った。


当麻がシャワーを浴びに行ってからほんの3,4分後にバイクが止まる音がして雷電が店に入ってきた。

「よぉ旦那!」
「おぉ…来たか」
「…当麻は?」

辺りを見渡し当麻が居ないので、尋ねてきた。

「シャワーだ」
「そうか…またバーチャルルームでのトレーニングか?」
「あぁ…」
「難易度は?」
「7だ」
「なっ!?いきなり上から3番目かよ」
「いいセンスがあるな…あいつは、最初の扉の爆弾トラップに引っ掛からなかった」
「はっはっアレか…よく引っ掛かったなアレには…」
「あぁ…ちょっと気になって調べてみたんだがな」

旦那と呼ばれていた男が何か紙の様な薄いものを見せてきた。

「なんだこれ?…脳の…レントゲン?」
「CTってやつだよ…ちょっと特別なやつでな…当麻がトレーニングしている時の脳を調べてみたんだが」
「…それで?」
「正直言って異常だな…あいつは物事に対する理解や判断、反応がずば抜けてる」
「………あぁ知ってる」
「だがあいつ…学校では、クラスで三本指に入るくらいバカなんだろ?」
「……あぁ…おそらく危機的状況の時だけ出来ることだろう、アドレナリンやドーパミンなどの影響で脳と言うよりは五感が優れるんだろう」
「だがすごいな…特に記憶力に対する発達が目立つな…」
「……忘れないようにしているのかもな…二度と」

雷電が呟くように言うと、男は、壁に寄りかかる雷電の顔を見てきた。

「例の記憶破壊の影響だと?…」
「関係あるかは知らんが…当麻にとって覚えるって言うことは、今、生きることより必死になってる事なんだよ」

普段のふざけている様な雷電の顔ではなく、なんとなく寂しそうな顔をしていると、旦那は思った。


ほんの数秒の間、沈黙が続いたが先に雷電が喋りだした。

「そういや…あれは出来たか?」
「んっ?あぁ!あれな!…いや、まだだ…だがもうすぐだ」
「そうか…だんだん当麻もアレに相応しい人間になってるからな…」
「お前は…」
「知ってるだろ?…俺には…もう時間がない」

バタンッ!と静かな2人の会話を当麻のドアを開ける音が入り込んだ。頭にタオルをのせ、頭を拭いて当麻が部屋に入ってきた。

「あっ!来てたのか?雷電…」
「あぁ…ついさっきな」

先ほどとは違い笑顔を向ける雷電に、複雑な心境の旦那であったがそれに気付かず、二人は会話を続けた。

「そうだ!当麻お前にプレゼントがある」
「プレゼント?」

あぁ、と答えて雷電は、外に出てバイクへと戻り、すぐにプレゼントとやらを持ってきた。

「コレだ!!」

雷電が渡してきたのは、緑色のサッカーボールくらいの球体の様な物で、受け取った当麻は、
何だろうと?と考えていると突然球体が喋りだした。

『ヨウ…ゲンキカ?ゲンキカ?』
「…………」
「どうだ!驚いたか!これは、珠理が作った人工知能を搭載した!最新式のロボットなのだ!!」
「…………」
「どうした!?驚きのあまり声もでないか!?」

暫く、黙っていた当麻だが確認したいことがあり、とりあえず、口を開いた。

「いや…まぁ…すごいんだろうけどさ……何このデザイン?どう見たってガンダムにでて来る」
「チェスト!!!」
「アベシッ!!!!」

突然、雷電の蹴りがはなたれ、当麻は機械の部品が積まれる山に突っ込んだ。
機械部品の山に埋もれる当麻に向かって雷電は叫んだ。

「ハロではない!!言っておくがそれはハロではないぞ!!!」

その弁解を聞いた当麻は、部品の山から勢いよく飛び出し

「てめぇ!!俺がハロって言うよりも前にハロって言ったってことは!!自分でもこれは、ハロだと思ってんだろ!!!」
「……えっなに?ハロって?そんなのいるんだ?へぇー知らなかった…全然知らなかった…」
「てめぇぇぇ…だいたい!!俺にいろいろ教えるって言っといて!!お前がする事って!ガンダムDVD全巻見せるとか!しかも全シリーズ!!
 他にも漫画、アニメ、特撮などなど!!ヲタク文化を俺に見せ付けてくるだけじゃねぇか!!!」
「ヲタクは日本の誇りだ!!バカにすんな!!」
「ウルセーな!!そんなもんバッカで!!なんか知識が偏ってんだよ!!もぉどこへ向かってんのか分かんねぇんだよ!!」

騒がしく喧嘩をする2人を見守る旦那は、昔と変わらない…と考えながら2人を笑って見ていた。

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