序章 罰ゲームは海外旅行①
上条当麻は不幸な少年である。それはこの七日間を振り返るだけでも明らかである。
誰でも分かる。
能力者同士がぶつかり合う大覇星祭に無能力で挑むだけでもキツイのに、いつの間にか学園都市を救うために奔走することになっていたり、
小萌先生の着替えを目撃してしまったり、デコクラッシャーを喰らったり、ドロップキックを喰らったり。
と、まあ不幸の総合商社なのである。
また、それを友人に話しても決して不幸とは認めて貰えないのも不幸な点であると言っておこう。
誰でも分かる。
能力者同士がぶつかり合う大覇星祭に無能力で挑むだけでもキツイのに、いつの間にか学園都市を救うために奔走することになっていたり、
小萌先生の着替えを目撃してしまったり、デコクラッシャーを喰らったり、ドロップキックを喰らったり。
と、まあ不幸の総合商社なのである。
また、それを友人に話しても決して不幸とは認めて貰えないのも不幸な点であると言っておこう。
閑話休題。
上条当麻は不幸であるからして、
「えー、来場者ナンバーズの結果。あなたの指定数字は一等賞、見事ドンピシャです!
賞品は北イタリア五泊七日のペア旅行、おめでとうございます!!」
めでたいことなど、あり得ないわけである。
「えー、来場者ナンバーズの結果。あなたの指定数字は一等賞、見事ドンピシャです!
賞品は北イタリア五泊七日のペア旅行、おめでとうございます!!」
めでたいことなど、あり得ないわけである。
そもそも、上条が来場者ナンバーズの屋台に立ち寄ったのにしろ当選の確認をしに来たのではなく
参加賞のボックスティッシュを受け取りに来たのだ。
もちろん、上条とて「八等の食事券とかが当たったら、第四学区でインデックスと美味い物でも食いに行こう」ぐらいの淡い期待を
抱いていなかったわけではない。
いつも不幸な上条だってそれぐらいの幸運は有ってもいいんじゃないかと思ったわけだ。
だが、現状はどうだ。
参加賞のボックスティッシュを受け取りに来たのだ。
もちろん、上条とて「八等の食事券とかが当たったら、第四学区でインデックスと美味い物でも食いに行こう」ぐらいの淡い期待を
抱いていなかったわけではない。
いつも不幸な上条だってそれぐらいの幸運は有ってもいいんじゃないかと思ったわけだ。
だが、現状はどうだ。
「あのー、一等賞ってあの一等賞ですよね?」
「ご質問の意味が分かりかねますが」
「一等賞って一番運のいい人が当たるあの一等賞なんですよねっ!?」
「えっと、もう行ってもいいですか」
「いやだってさ、一等賞だろ!?飛行機に乗ったら意味不明な宗教団体の巣窟だとか、飛行機が試作機で爆発とかじゃなく!?」
「……後がつかえてるので、この辺で」
「あ、いや、もう怖すぎるからこの際四等ぐらいにふりかてもらうとか……。!!わかった。わかっちまったぜ。
ハハハ。危うく騙されるところだった。危ない危ない。ふふ。霧ヶ丘女学院がお嬢様学校だからって油断していたぜ」
「……今度はなんですか?」
もう完全に受付の女の子は上条を可愛そうな目で見ていた。
「これ、全部ドッキリってことだろ!なんせ、これ投稿日がエープリールフールだし。ああ、危ない。騙されるところだった。
で、カメラはどこ?」
もう完全に電波の入ってしまった上条は意味不明なことを喚いている。
「あの、もう本当に後がつかえてますから……」
受付の女の子はビビってしまって最後まで言えなかった。
ただし、ビビった相手は上条ではなく、その後ろの学園都市第三位だったわけだが。
「ご質問の意味が分かりかねますが」
「一等賞って一番運のいい人が当たるあの一等賞なんですよねっ!?」
「えっと、もう行ってもいいですか」
「いやだってさ、一等賞だろ!?飛行機に乗ったら意味不明な宗教団体の巣窟だとか、飛行機が試作機で爆発とかじゃなく!?」
「……後がつかえてるので、この辺で」
「あ、いや、もう怖すぎるからこの際四等ぐらいにふりかてもらうとか……。!!わかった。わかっちまったぜ。
ハハハ。危うく騙されるところだった。危ない危ない。ふふ。霧ヶ丘女学院がお嬢様学校だからって油断していたぜ」
「……今度はなんですか?」
もう完全に受付の女の子は上条を可愛そうな目で見ていた。
「これ、全部ドッキリってことだろ!なんせ、これ投稿日がエープリールフールだし。ああ、危ない。騙されるところだった。
で、カメラはどこ?」
もう完全に電波の入ってしまった上条は意味不明なことを喚いている。
「あの、もう本当に後がつかえてますから……」
受付の女の子はビビってしまって最後まで言えなかった。
ただし、ビビった相手は上条ではなく、その後ろの学園都市第三位だったわけだが。
「あんた、そんなに四等のノートPCが欲しいなら、私の四等と変えてあげようか。
つうか、早くどけ」
上条の後ろに仁王立つのは両手に電撃を迸らせた御坂美琴であった。
「ああ。こういう不幸ね」
上条は納得したかのように呟いた。
つうか、早くどけ」
上条の後ろに仁王立つのは両手に電撃を迸らせた御坂美琴であった。
「ああ。こういう不幸ね」
上条は納得したかのように呟いた。
もっとも、それを彼の友人に話しても誰も納得してくれないわけだが。
かくして、物語が幕を開けるのでありました。