序章 罰ゲームは海外旅行①
「あんた、そんなに四等のノートPCが欲しいなら、私の四等と変えてあげようか。
つうか、早くどけ」
その声の主は酷く嬉しそうだった。
ネズミを見つけた猫とか、晩ご飯を前にしたインデックスとか、美少女と街角でぶつかってしまった青髪ピアスとか。
そういうなんかもう、捕食者独特の余裕である。
ギチギチギチと、嫌な音を立てながら振り向いた上条は既に逃げ腰だった。
「何の用でございませうか?」
体を走る静電気のためか、パチパチという音を絶えず響かせ、綺麗な茶色に染めた短髪をふわっと浮かせながら立つ少女は
どう見ても絡んでくる気が満々である。
「そうねぇ。色々と言いたいことはあるけど、とりあえず約束事からいきましょうか」
「約束?俺がお前と?何かあったっけ?」
「あったっけって、あんたねえ!そんな投げやりな」
しらばっくれた様子もなく、ごく普通に思い出せない様の上条に御坂はいらついた。
因みに、彼女が罰ゲームを考えるのにウンウン唸って黒子に(スキンシップを含む)心配をされたり、
実は負けた方が良かったかもとか真っ赤になりながら考えたりしたことは秘密である。
「罰ゲームよ!罰ゲーム!まさか忘れたとは言わせないわよ!」
「罰ゲーム?ああ、そういやあったな。そんなの」
上条の大覇星祭はそれどころではなかったから完璧に忘れていた。
「ふふふ。良い度胸じゃない」
パチパチという音があからさまにバチバチという危険な音に変わる。
つうか、早くどけ」
その声の主は酷く嬉しそうだった。
ネズミを見つけた猫とか、晩ご飯を前にしたインデックスとか、美少女と街角でぶつかってしまった青髪ピアスとか。
そういうなんかもう、捕食者独特の余裕である。
ギチギチギチと、嫌な音を立てながら振り向いた上条は既に逃げ腰だった。
「何の用でございませうか?」
体を走る静電気のためか、パチパチという音を絶えず響かせ、綺麗な茶色に染めた短髪をふわっと浮かせながら立つ少女は
どう見ても絡んでくる気が満々である。
「そうねぇ。色々と言いたいことはあるけど、とりあえず約束事からいきましょうか」
「約束?俺がお前と?何かあったっけ?」
「あったっけって、あんたねえ!そんな投げやりな」
しらばっくれた様子もなく、ごく普通に思い出せない様の上条に御坂はいらついた。
因みに、彼女が罰ゲームを考えるのにウンウン唸って黒子に(スキンシップを含む)心配をされたり、
実は負けた方が良かったかもとか真っ赤になりながら考えたりしたことは秘密である。
「罰ゲームよ!罰ゲーム!まさか忘れたとは言わせないわよ!」
「罰ゲーム?ああ、そういやあったな。そんなの」
上条の大覇星祭はそれどころではなかったから完璧に忘れていた。
「ふふふ。良い度胸じゃない」
パチパチという音があからさまにバチバチという危険な音に変わる。
「待った!タイム!別に忘れてだだけで従わない訳じゃないぞ!うん!今思い出した!
思い出しましたー!」
上条の必死の言い訳も空しく、御坂から学園都市随一の電撃が放たれた。
もっとも、突き出された上条の右手が避雷針の役割を果たしたため被害は一切無かったのだが。
一歩間違えれば黒こげである。
「ふー、ふー」
渾身の電撃を放った美琴は起こった猫のような声を上げて肩で息をしている。
「お、お前しゃれになってないから!」
「うるさい!黙って食らえ!」
「食らえるか!」
思い出しましたー!」
上条の必死の言い訳も空しく、御坂から学園都市随一の電撃が放たれた。
もっとも、突き出された上条の右手が避雷針の役割を果たしたため被害は一切無かったのだが。
一歩間違えれば黒こげである。
「ふー、ふー」
渾身の電撃を放った美琴は起こった猫のような声を上げて肩で息をしている。
「お、お前しゃれになってないから!」
「うるさい!黙って食らえ!」
「食らえるか!」
一頻り愉快な喧嘩が行われた後。
「ま、まあいいわ。それよりも罰ゲームよ、罰ゲーム」
「……今ので十分罰ゲームじゃねえか?」
「いいえ。まだまだ足りないわ。とりあえず、直ぐには思いつかないわね。そうね。
とりあえず明日一日中私に付き合いなさい。待ち合わせ場所は……」
それを聞いた上条は一度封筒を見やり、ニヤリと笑った。
「残念でしたー。上条さんは明日から『北イタリア五泊七日の旅』なのですよ。
という訳で、それはまた別の機会に……」
上条としては、美琴の思い通りにならないだけでもしてやったりというところだったのだが、
上条の行動はいつだってさらなる不幸を招くのだ。
「そう。それは困ったわね。七日もいなくなるなら今のうちに決めてしまわないと」
「あれ?なんか変な方向に行ってません?」
「決めたわ。その旅行、私も行く」
「…………………………………………………………………………………………………………………………………………
………………………………………………………………………………………………………………………………………はい?」
そっぽを向いた美琴の顔は見事なまでに真っ赤であった。
「ま、まあいいわ。それよりも罰ゲームよ、罰ゲーム」
「……今ので十分罰ゲームじゃねえか?」
「いいえ。まだまだ足りないわ。とりあえず、直ぐには思いつかないわね。そうね。
とりあえず明日一日中私に付き合いなさい。待ち合わせ場所は……」
それを聞いた上条は一度封筒を見やり、ニヤリと笑った。
「残念でしたー。上条さんは明日から『北イタリア五泊七日の旅』なのですよ。
という訳で、それはまた別の機会に……」
上条としては、美琴の思い通りにならないだけでもしてやったりというところだったのだが、
上条の行動はいつだってさらなる不幸を招くのだ。
「そう。それは困ったわね。七日もいなくなるなら今のうちに決めてしまわないと」
「あれ?なんか変な方向に行ってません?」
「決めたわ。その旅行、私も行く」
「…………………………………………………………………………………………………………………………………………
………………………………………………………………………………………………………………………………………はい?」
そっぽを向いた美琴の顔は見事なまでに真っ赤であった。