とある魔術の禁書目録 Index SSまとめ

SS 3-945

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匿名ユーザー

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「へっ?み、みみみ美琴??」
え?だって御坂は今俺の目の前に…
「……ったく、空気の読めないお姉様(オリジナル)の登場にミサカは舌打ちします」
腰まである茶色いロングヘアーに、上条よりも十センチほど低い背丈。ベージュ色のブレザーに紺色のプリーツスカートを穿いている。上条の目の前にいる彼女はそう呟いた。
「ええええええっ!?御坂妹!?」
「うふ、気づかなかったのですか当麻さん?とミサカは隠し笑いを禁じえずお姉様(オリジナル)の代わりに罰を与えようと思います」
「は?」


ちゅっ


「…アンタって奴はわああああああああァ!そんなに『妹』が好きなのかああああ!!」
ズドオオオン!
清々しい青空の下で、10億ボルトを超える雷が落ちた。
周囲の通行人から悲鳴が聞こえる。
「ちょ、おま、おまっ、お前殺す気か――?!死ぬぞ普通!!」
御坂妹にキスされたことに呆ける暇もなく、体制を崩した。
「殺す気よ!てか当麻の何処がフツウなのよっ!…って何時までくっついてんのよアンタは!」
ビシッ!と御坂妹を指さした。
指された当人は転がった上条の肩を担いで立ち上がるのを手伝っていた。
「大丈夫ですか。当麻さん」
「ああ、ありがとな。……本当に妹、なのか?」
と、その手助けに礼を言いながら立ち上がる上条。
「はいっ、貴方の大好きなミサカです、とミサカは頬を染めながら答えます」
機械のようなポーカーフェイスのイメージしかない上条。しかし、そんな彼女の不意打ちともいえる微笑みに胸が高鳴ってしまった彼を誰が責められようか。

「っ!!こンのっ!私を無視してんじゃないわよ――――――――――――――――――!!」

ズドン!ズドン!ズドドドン!!
立て続けに上条に落雷した。一発でもまともに当たれば死に至る雷だ。
「無駄なことです、とミサカはお姉様(オリジナル)が勝敗の分かりきった勝負に挑戦していることに首を傾げます」
「…そんな勝負を吹っかけさせたのはアンタだって分かってんの?」
人が殺せそうなほど殺気をこめた低い声で御坂美琴は話しかけてきた。頭上では青白い電流が舞っている。しかし、御坂妹はそんな彼女に臆することもなく平然とした態度だった。
それどころか、
「ミサカに少しくらい当麻さんの愛を分けてくれたって良いではないですか、とミサカはお姉様(オリジナル)の心の狭さに落胆します」
などと御坂美琴の神経を逆撫でするような言葉を言い放った。
「っ!!私は寛大よ!こいつがそこらへんで女を引っ掛けたって全然目くじらなんてたてないんだから!そんなことでイチイチ怒ってたらこいつと付き合えないわよ!」
「…私は当麻さんが他の女性と関係を持っても気にしません、とミサカは貴女よりも寛大な心の広さをアピールしつつお姉様(オリジナル)よりも2センチ大きい胸を当麻さんに押し当てます」
ムニュ、と柔らかい感触が左腕を通して伝わってくる。
悲しいことに、上条当麻は健全な高校生だ。
「わ・た・し・が気にすんのよおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおッ!」
「ちょ、ちょっと美琴さーん!?もうビリビリはやめてー!!」

五分ほど当麻に電撃を浴びせ続け、ようやく気分が収まったらしく膝に手を置いて肩で息をしていた。
快晴な空なのに何故か周辺の上空には暗雲が立ち込めている。また雷の衝撃波で砂埃が舞っている。周囲にいた人だかりも直径100メートル以内には誰もいないが、その端から野次馬が出来つつあった。
「はぁ、はぁ…、当麻ーぁ。その耐久力は、くぅ、は、反則よっ!!」
「…耳が、いたい」
「…流石の私も耳がいたいです、とミサカは苦言をお姉様(オリジナル)に不満を露にして告げます」
雷は音速を超える衝撃波、すなわち雷鳴を引き起こす。間近で数回の落雷を浴びていれば鼓膜もただでは済まない。
「…ですが、お姉様の攻撃から助けて下さってありがとうございます。と、ミサカは感謝の意を行動で示します」
「え?何?ちょっと聞こえな…」

ちゅぅ

とまたもや上条の唇は奪われた。
御坂美琴の目の前で。

「っっっッ!!アンタってやつはあああああああああああ!!!!」
「っ、ぷはぁ…。って、みさ、みさかっ、いやっ、美琴!!これはみさ、みさかがっ」
「一体どちらを指しているのですか?とミサカは呂律の回っていない貴方に無垢な顔で尋ねてみます」
御坂妹は上条の制服の袖を両手でつかんで離さない。すぐ近くでは美琴の電撃が今にも放たれようとしている。
何気ない登校時に起きた絶体絶命のdieピンチ♪
この窮地を打破する策を上条は閃いた。

美琴との距離は10メートル足らず。
上条は御坂妹を左手で抱えると、美琴に向かって一直線に走り出した。
「なっ!?」
上条の行動に美琴は体を振るわせた。左腕で担がれた御坂妹は目を丸くしている。
その一瞬をついて、美琴との距離を詰めた。

上条は美琴を右腕で抱きしめた。

「ひぁあっ!?」
思わぬ行動に美琴は声を上げる。
『右手』で美琴の肩を掴み、胸に抱き寄せた。
御坂美琴の体中に帯電していた電気が嘘のように消えた。
「ああああの、ちょっと、と、当麻?」
美琴が離れないように上条は強く抱き寄せた。
こうすれば美琴は電撃を使えない。
「ちょっと、離してよ!」
というが抵抗は弱い。

「いやだ。ずっとこうしてる」

「えっ?」
思わず声をもらした美琴は顔を上げて、みるみる顔を真っ赤にしていく。
数センチの差で、上条と美琴は目が合った。
美琴の瞳は少しばかり潤んでいた。逆立っていた髪もサラサラとした長髪に戻っている。
その心地よさが右腕を通して伝わってくる。美琴の綺麗な顔立ちを見ていると、上条はまたもやドキッとした。
「ったく、少しは落ち着けよ」
その事を悟られないために、上条は平常な声で言った。
「っ!落ち着いていられるワケないじゃない!アンタが他の女とっ!」
「分かってる分かってる!これは全面的に俺が悪い!だから……すまねぇ」
「そ、そうよ!アンタがいつも他の女と、いつも、いーっつも…」

美琴の頬に涙がつたった。

「えっ!み、美琴っ!?」
女を泣かせる男は最低だ、と両親から言われ続けていた。だから上条はとてつもなく焦っっていた。
「お、おおお落ち着け!み、美琴。ホンっトにごめん!ゴメンナサイ!」
至近距離で叫んでしまったために唾が美琴の顔に飛んでしまった。しかし美琴はそれを拭おうともせず、じっと上条を見つめた。
そんな彼女の涙で濡れて輝く瞳や、白く綺麗な素肌や整った顔立ちを一言で言うと、
めちゃくちゃ可愛い。

「じゃあ、安心させてよ」

そう言って、美琴はゆっくりと目を閉じた。
上条は思った。こんな可愛い子が自分の彼女なのか。自分のせいでいつも彼女に不安な思いをさせているのか。もし目の前に『未来の自分』がいたら思い切りぶん殴ってやりたい。
そんなことを思いながら、『未来の自分』に怒りを覚えながらも「すまない」と心の中で告げて、そっと彼女の唇を――――――


「姉妹セットで御購入ですかコノヤロウ、とミサカは予想外の展開に驚きを隠せません」


瞬間、上条は御坂から渾身のアッパーを喰らった。

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