【名前】反枕(まくらがえし)
【性別】不明
【所属】魔術/科学
【能力】『流転境界』
【能力説明】
『夢現(ゆめうつつ)』の境界を弄ぶ結界魔術。現在は『創作魔法陣』の効果範囲と同期している。定義は『夢』=『あやふや』、『現』=『形あるもの。または精神的実体である魂』。
結界内に存在する物質をあやふやにさせ、遂には消失させてしまう恐ろしい魔術。これは精神的実体である魂も例外では無く、反枕に枕(=魂)を返された(=あやふやにした)生物はじきに死ぬ。
とはいえ、即死亡・即消滅では無く『流転境界』では反枕に返された魂や物質は大概『夢』として一旦反枕が持つ『火車枕(かしゃまくら)』へストックされるという過程を踏む。
常に黒霧を醸し出す『火車枕』にストックされている間は消失も死亡も発生せず、この状態であれば再び現世へ物質や魂を帰還させる事ができる。帰還方法は「『火車枕』をもう一度ひっくり返す」。但し、返し方を逆にしてしまえばそれは即死亡・即消失を意味する。
もう1つの特質としては結界内の秩序を逆転させる力がある。秩序とはすなわち『常識』。現在
唱和園高校とその周辺を覆う『創作魔法陣』を魔術師達に察知されないように、魔力や魔術の痕跡など魔術師として当然の『常識』を魔術師当人が容易に認識できないよう細工している。
もちろん他の秩序も逆転させる事ができるが、余計な魔力消費も抱えたくないので必要な場合を除いて普段は上記の秩序逆転のみを発動している。
また、『流転境界』は森羅万象に神(=霊魂)が宿るという神道魔術や依り代を扱う陰陽道魔術にとって特に天敵となる。
他の特性としては霊体で行動可能、『夢現』を弄っている境界内であれば『火車枕』を縦向きに前回転させる事で何処にでも瞬時にワープする事が可能、様々な猫に変身する事ができる等がある。
【概要】
唱和園高校に巣食う四体の魔獣『
四霊装獣』の存在を隠し通す魔術の持ち主。とある魔術結社に所属する四人の魔術師の内の1人が作り出した魔術生命体の一体。
反枕の主人は他の3人の間で意見の調整役を務めたりする穏健派、穿った見方をすれば中間管理職的な悲哀を常に醸し出す人間だった。この性格は反枕にも受け継がれており、他の魔獣達の意見調整や無理難題の解決役として狩り出され、魔獣達にいつも振り回され…頼りにされている。
『流転境界』の管理や結界内の監視も押し付けられ……任されている。実際全体的な管理・監視は反枕にしかできない為、貧乏くじを引いたような感覚を抱きながら反枕は日夜己の職務に励んでいる。
日本各地の民俗信仰を元に伝承として生み出された反枕の正体を製作主は「化け猫が死んで霊魂となった暁に『夢現』を操る能力を身に付け現世へ帰還した」と解釈した。
よって霊体でも行動可能なのだが、依り代となる霊装まであやふや状態にしてしまうとさすがに反枕と言えど死んでしまう。さらには
獏の『胡乱捕喰』の効果にまで影響を及ぼしてしまうので、数十年前の逃走劇では
風狸の『不死空想』が無ければあのようなハチャメチャな逃走方法を実行する事はできなかっただろう。
それ故か、『四霊装獣』唯一の例外に位置する風来坊風狸とは特に仲が良い。その為に結界外へ出掛け、学園都市のあちらこちらへ出没する風狸の分まで仕事をする羽目になっている。
特定の唱和園高校生に深く干渉した事は無いが、都市伝説に振り回されながらも唱和園の治安を守っている風紀委員唱和園支部にシンパシーを感じ何かと気に掛けている。
仲が良い風狸が最近唱和園とは別の学校に存在する都市伝説『
我門構園子の失踪秘話』の正体である我門構圓子と接触し、その関連で唱和園高校生
右河跡取や『唱和園の七不思議』の一つである『失心ドミノ』の首謀者
飛砂防備を風狸からの依頼で監視している。
特に『第二の我門構圓子の再現』を目指す右河の研究は『四霊装獣』という存在にどのような影響を及ぼすのか正確に見極めるのが難しい為、風紀委員唱和園支部の動向(『創作魔法陣』外に存在する情報を入手するには、霊体となって風紀委員唱和園支部に侵入するのが一番手っ取り早い)を利用した上で、風狸の助言もあって色々気を払っている。
【特徴】
落ち武者と子鬼が合わさったような顔から生える赤黒い手足が特徴。身長は50センチにも満たない。常に『火車枕』を脇に抱える。
猫に化ける時は黒猫が多い。近頃は黒猫の姿で唱和園支部の風紀委員に近付き、懐く姿を見せながら支部内へ侵入する事が多くなった。唱和園支部の女性風紀委員に膝枕して貰うのが病みつきになったか……猫に化ける方が霊体化するより魔力消費が少なくて済むからである。
しかしながら、化け猫状態の反枕を甲斐甲斐しく世話するのは野郎である
田ノ仲舎文。不審な態度を取らないよう田ノ仲にも懐いていたのが仇となった。「何故だ!!?(反枕の心からの叫び)」
【台詞】一人称「儂」。二人称「君」。見た目の割には現代風の口調。女性には名前の後に「~嬢」を付ける。つまり反枕は獏の事を女性とは思っていな………真の友だからこそ獏の事はちゃんと名前で呼ぶのである。
「何でこーなるの!!?
麒麟は偉そうに言う割には小心者だし、獏は気分屋だし、風狸は未だに帰って来ない!!結局儂が全部やらなきゃいけないじゃん!!ふざけんじゃねーつうの!!」
「ニャーニャーニャー(儂、こんな野郎の膝枕より君達の膝枕でゴロゴロする方が好きなんだよ。だから早く儂を迎えに…)。ニャッ!?ニャニャニャ!!(うおっ!?この小童め!儂はあっちの女性陣の方がいいんだよ!いい加減放せえええぇぇ!!)」
「カッカッ。儂も舐められたもんだ。まぁこんなナリでは侮られるのも当然と言えば当然か。カッカッカッ……魂引っこ抜くぞ陰陽師風情がぁ…!!!」
「『第二の我門構圓子の再現』…か。あの風狸が警戒するくらいだ。儂も気は抜けんな。それにしても、自業自得とはいえ可哀想な背中だな…飛砂防備嬢よ」
【SS使用条件】
特になし
最終更新:2015年11月29日 23:10