【名前】
※本名は不明。『一方通行』という名称は当初の能力名ではなく、本人の申請により後から付け直されたものである。
【スペック】
- レベル5の第一位
- 学園都市の二代目統括理事長
- 華奢な体格の高校生(性別不明)
- 素の格闘能力は低い
- 耐久力は低い
- 精神攻撃への耐性はやや高い
- 素の移動速度は低い
- 反応速度は常人並
- 超能力「一方通行」により、上記スペックを補うことができる
【能力・所持品】
一方通行(アクセラレータ)
運動量・熱量・電気量、音、風、光、液体、念動力など、あらゆる種類の力の向き(ベクトル)を観測し、自身に触れたベクトルを自由に変換する超能力。勘違いされやすいが、『力の大きさや量そのもの』を操作することはできない。ただし、力の向きを集中させたり他所から力を集めたりできるため、結果的に大きな力を生み出すことはできる。
※厳密には直接触れているわけではなく、『展開できる能力の効果範囲が自身の周囲を覆う程度』しかないため、外見上は触れているように見えるだけである。「相手の攻撃を反射した際に服が汚れない」「地面を破壊したり、小石にベクトル操作を加えて蹴り飛ばす際に、靴を履いたまま行使できる」のはそのため。
※『一方通行』という能力の本質は、『自身が観測した現象から逆算して、限りなく本物に近い推論を導き出す』ことである。つまり、単にこの能力を持っているだけではなく、一方通行の持つ高い頭脳と合わせて初めて真価を発揮する能力でもある。
五感で認識できない低周波や放射線、三次元空間で表現できないベクトルをも観測し操作できる。
極めて汎用性の高い能力であり、一例として以下のようなことを行える。
力の大小や種類を問わず、自身に行われた攻撃を全て、自動的かつ正確に、180度跳ね返す。本人が認可していないベクトルは全て反転し、「反射できる限界や反射できない範囲」は基本的に存在しない。
この「反射」はデフォルトで、必要最低限の酸素、重力等の「生活に必要不可欠なもののベクトル」をホワイトリスト方式でフィルタに登録し、それ以外の全てを「反射」するという設定をしている。そのため、未知の攻撃であっても「それ以外のベクトル」として無条件に反射できる。
「反射」はデフォルト設定というだけなので、自分の意思で反射する角度を変えたり反射をオフにするといったことも可能である。
また、『反射』の演算は極簡単で無意識下でも発動できるため、基本的に能力を行使している間は常に展開される。
自身に発射した拳銃の弾丸を反射して精度を上げることもできる。
自身の運動能力にベクトルを集中させ、以下のようなことが行える。
反作用を束ね、ただのパンチ・キックが無反動で倍の威力に
音速を超える高速移動
コンテナやレール、瓦礫等の物体を、軽く小突く、あるいは拳で叩いたり蹴ることで、弾丸のように射出する
小石をマッハ3を越える速度で蹴り飛ばし戦闘機を墜落させる
乗用車を投げて学園都市製核シェルターを破壊する
人間をデコピンで数十メートル以上ふっ飛ばす
高層ビルを殴ってはじき飛ばす、人や大型の機械を数キロ先まで蹴り飛ばす
足踏みで周辺のコンクリートやビルの窓ガラスを粉々する
衝撃を地面や壁に伝わせ、離れた位置のへの攻撃や120トンある大型の機械を吹き飛ばす
周囲の重さやベクトルを集めて、真空刃のような斬撃で公衆電話ボックスを切断(ピンヒール効果)
触れた相手の血液、生体電気などを操作し、以下のようなことが行える。
血液を逆流させ、体を破裂させて即死させる
自身や他人の破れた血管を補強し延命させる
細胞分裂の促進による負傷の治癒
自身の体内の電気信号を操作して髪の成長を促進
血中の異物を体外へ絞り出す
生体電流を操作し電撃を浴びせ、気絶させる
妊婦の生体電流を確認して、胎児と母体の生体情報を掌握し、適切な治療法を導き出す
自身の体内の健康状態をチェックできる
神経に繋がった金属糸を取り除く為に、血流を正常にし体内活動からくる微弱な振動もおさえる
脳の電気信号や水分の操作による洗脳や読心、ウイルスの除去、精神操作系の干渉を防ぐ
遠く離れた場所から磁気共鳴で脳神経に干渉して、生かしたまま人間を操る
空気中の風を操作し、以下のようなことが行える。
突風を巻き起こし、自動車や家屋の屋根、瓦礫などを飛ばす
繊細なコントロールで対象物を自由自在に動かしたり人間を拘束する
風の壁や斬撃、空気の弾丸、空気の流れを球状に閉じ込めて一気に解き放つ
120mクラスの暴風・竜巻を発生させる
空気中の気体の含有率を操作する
砂を巻き上げて摩擦を起こし、瓦礫に着火させて火災旋風を起こす
空気を膨張させ周囲の温度を自由自在にコントロールし、敵を凍結させる
風を1ヶ所に集めて空気を圧縮し、その際の圧縮熱で原子を陽イオンと電子に分解し、高電離気体(プラズマ)を生成する
風を1ヶ所に集めて竜巻を生成し、それを背にして時速数百キロで飛行する
指を鳴らすだけで、空間が軋むほどの異音を発生させる
音を束ねて衝撃波を放つ
音の反響による空間把握
空気の振動から認識できない敵の位置を逆算
テレビのリモコンを蛍光灯の灯りから赤外線へ波長を切り替えて、ボタンを押さずに操作する
底が見えない程の大規模な地割れを起こす
巨大な槍のように地面を隆起させる
地球の自転5分分のエネルギーを使ってコンクリートを撃ち出す。(アニメ版では数万tのビルを片手で持ち上げ、窓のないビルに猛スピードでぶつけた)
自転・公転の力を望む形に変換して、風のないところで強力な上昇気流を発生させる
地中の人工物を介して大気を操り気圧差を生んで、10億ボルトの落雷をピンポイントで発生させる
降雨を発生させ、雨粒の落ちる音に振動を重ねることで遠く離れた位置にいる相手と会話する
ビルの壁に垂直立ちをする
指を軽く動かしただけで、遠くにいる少女を吊り下げていた鎖を切断する(恐らく音波に指向性を与えた現象)
ビリヤードのように物体の衝突の連鎖反応を起こして場を支配する
ベクトルを増量して吸収に変化させ、事象の地平(ブラックホール)のような力場を発生させ豪華客船を破壊する
舞い落ちる枯葉を指で弾き剃刀のような殺傷能力をもたせる
魔術にもベクトルは存在し、干渉することは可能である。ただし通常通りの反射は行えず、基本的には『斜め後方に逸れる』。このため、防御は可能だが相手に直接反射することはできない。また『弾かれる角度が浅く』、強力な魔術で強く切り込まれた場合は、逸らしきれずに直撃する。
のちに、
クリファパズル545の補助により高位の魔術の解析・反射もある程度行えるようになった。具体的には、
コロンゾンの『FLAMING-SWORD』やエリザードの『カーテナ』といった強力な魔術攻撃を反射している。
ただし、現時点で強力な魔術の反射はクリファパズル545が傍らにいる時のみ行っており、一方通行単独でも行えるかは不明。
黒い翼
背中から墨のような黒い翼を噴出する。この翼は、『既存の法則とは異なる非科学的法則に基づくベクトル制御でAIM拡散力場を操作する力を得た』際に発生したものであり、恋査がコピーできることも合わせて『一方通行』という能力の一部であると思われる。
また、その際にはバッテリー切れで失っていたはずの言語能力や歩行能力が一時的に回復している。ただし、発した言葉にはノイズが混じる。
基本的には、一方通行が追い詰められ、かつ強い怒りや憎しみを感じた際に噴出する。その発生条件の都合上翼が噴出した時は正気を保っていないことが多いものの例外もあり、ロシアでは冷静なまま発動しており言葉も普段通り発していた。
黒い翼状態では、以下のようなことが行える。
- 超至近距離での手榴弾の爆発を防ぐ(多少の汚れは付くため、反射ではない)
- 不可視の力で、音速の数十倍の速度で相手を吹き飛ばす
- 謎のベクトルを操り、遠くの相手を地面に叩き伏せる
- 黒翼そのものによる打撃
- 黒翼を100本以上の細かく鋭い羽に分裂させ、連続して浴びせる
- 学園都市を吹き飛ばす程のエネルギーを宇宙空間にまで打ち上げる
白い翼
ベツレヘムの星から放たれるテレズマから打ち止め達を守ることを決意した際に、上記の黒い翼が変化した状態。この状態になると、同色の天使のような光の輪が頭上に出現する。
そのスペックは黒い翼より遥かに高く、一瞬で3000m〜5000m上空へ急上昇し、ユーラシア大陸全土を消滅させるほどのテレズマを真正面から相殺した。
この一連の流れや、恋査を含むその後に白い翼が発生した際の描写から、「何かを守りたい」と強く思うことで生じるものと思われる。
この他、フロイラインによって打ち止めが殺害、捕食されたと勘違いした際には「グロテスクな何かに染め上げられた翼」を現出させかけた。
これらのことより、『翼』は一方通行の心理状態によってその色を変化させる模様。
クリファパズル545の召喚、使役
自身の魔術に関する知識を補うために、人工悪魔クリファパズル545と契約を行い、召喚及び使役が可能となった。当初は自身を作ったコロンゾンの契約と両立した状態であったが、一方通行の手で解除され自由を得た。
召喚は、塵や埃空き缶や紙パック等といったゴミを集め、それが1ヶ所に固まり扉の役割を果たすことで出現する。なお、この行為は魔力の生成を必要としないため、超能力者が魔術を行使する際の反動は発生しない。
また、あえて召喚を完了させないことで、ゴミが1ヶ所に集まろうとする際の力を攻撃に転換することもできる。作中では、辺りが氷の足場になっていたことを利用して、直径数十メートルの氷の竜巻を発生させ、更にその竜巻が周囲を破壊してゴミを生み出し、それも巻き込んでより大きくなる永久機関のような攻撃を行った。
プラチナの翼
エイワスに匹敵する『透き通るような青ざめたプラチナの翼』。『魔神』
ネフテュスとの戦闘中、クリファパズル545が総体の助力を得て、自身のルーツが生命の樹(セフィロト)の11番目のダアトと同じ『深淵』に潜む悪魔コロンゾンであることを理解し、世界に対して自身が管理者となる新たな魔術的概念(位相に近いもの)、第三の樹(クロノオト)を定義し、その叡智を一方通行にそのまま授けた。その際に、超能力者が魔術を扱うことによる副作用が生じるが、一方通行の言葉もありそれを無視して戦闘を続行し、ネフテュスを退ける。その後改めて、更に魔術の反動を受けつつも第三の樹を読み解いた時に発現した。
なお魔術の反動を受けたのは、どこまでが安全なのか線引きを作れていない最初に発現した時のみであり、エリザード戦でプラチナの翼を噴出した際には発生していない。
作中ではその力によって、『世界全土に広がる目に見えない力』のベクトルを操作して巨大な槍を生成、通常では不死身の状態にある『魔神』ネフテュスに対して再生不可能な効果を持つ一撃を放った。
また、同じく通常の手段ではダメージを与えられない状態にあったコロンゾンの本体とローラ=スチュアートの肉体を強制的に分離し、大きく弱体化させた。
拳銃
常備している普通のハンドガン。他の攻撃方法と比べると非常に頼りないが、能力を無効化する相手や能力を使用できない状態での攻撃手段となる。
また、能力を使用できる状態なら、ベクトル操作で照準や威力を補強できる。
アレイスターのスマホ
自らの死期を悟ったアレイスターが、学園都市統括理事長の座とともに託したスマートフォン。
詳細は
アレイスターを参照。
【短所】
- 長い間自身の能力に頼り切っていたため、素の運動能力・格闘能力は(下記の脳の損傷を抜きにしても)一般人より低い。
- 作中の事件により前頭葉を損傷し、その後遺症で言語能力・歩行能力・計算能力を全て喪失している。そのため、常に演算補助デバイスとなる黒いチョーカーを首につけ、ミサカネットワークから演算能力を補助してもらわなければ日常生活を行えず、歩行には更に杖を必要とする。チョーカーのバッテリーは、日常生活のみなら約48時間、能力を全開で使うと約30分(当初は15分だったが改良された)のみ持続する。
- バッテリーが切れる、通信が遮断される等、何らかの方法で演算補助を失った場合、思考・歩行・言語を理解するといったことができなくなる。一応、自意識や単純な五感であれば働き、例えば「自分が不快感を感じているのは何となくわかるが、どうすれば解決できるのかはわからないし、考えることもできない」といった状態になる。
【戦法】
- チョーカーはonで、拳銃とアレイスターのスマホを所持して参戦。
- 白い翼を噴出しながら、真っ直ぐ突っ込んで相手に触れてベクトル操作するか、遠距離からの瓦礫や地面の破壊、白い翼、アレイスターのスマホの操作を並行して行う。または、クリファパズル545を召喚し、プラチナの翼を噴出して魔術を含む反射と巨大な槍で攻撃する。
【備考】
- 現時点で最も強いのはプラチナの翼を噴出している状態だが、作中でこれを行使する際には必ず他者の助力を必要としているため、「通常(プラチナの翼なし)」と「プラチナの翼」を別途記載する。
最終更新:2025年08月18日 20:37