2SC1815による簡易マイクアンプ&ミキサーの製作

 2013年10月23日。店で、貸切パーティーがあり、ボーカルのマイクを2本使いたいということだったので、まったく間に合わせのマイクアンプ&ミキサーを手持ちの材料で作った。結果として全然悪くなかったので、設計手順や製作の様子を上げておくことにする。
 小信号のオーディオアンプはFCZ#094の2SC1815マイクヘッドアンプの回路に全幅の信頼を寄せている。自己バイアス自己帰還型の回路だ。しかし、1段ではmVオーダーのマイク出力をVオーダーのライン入力に増幅することはできない。さらに、マイクを2本使いたいということなのでミキシングの必要もあり、最低限2段の増幅回路が必要。2段直結も考えたがなじみがないのでやめた。単純に自己バイアス自己帰還型の回路を直列につなぐことを考えて作った。考えたというより、カット&トライで上手くいく経験則を書き留めたと言った方が良い。難しい理論は無い。結果オーライのノウハウだ。

1.自己バイアス自己帰還型の回路の設計(クリックでオリジナル表示)

imageプラグインエラー : 画像を取得できませんでした。しばらく時間を置いてから再度お試しください。
最初にバイアス電流Icを決める。
これは扱う信号の大きさによって適当に決める。
目安として、mVオーダーなら、0.5mA、Vオーダーなら2mAという感じ。ほんまに適当だが、これは勘と度胸で決めてあとは実際に試す。初段はマイクの信号を扱うので0.5mA、終段はラインレベルまで増幅するから2mAとした。この値はいろんなことに関連するが最初に気合で決めなければ先へ進まない。どうしても行き詰まったら検討しなおせばよい。
次に電源電圧Vcc。
これは、最終段から取り出したい信号のピーク・トゥー・ピーク値(P-P値)+0.6V以上ということになる。迷うことなどない。
この2つが決まれば使うトランジスタの種類でhfeが決まっているからベース抵抗Rbと負荷抵抗RLが単純な計算式で求められる。
最終的にその回路で何倍に増幅したいかということによってReを決める。
これだけの話だ。
実際に作ったアンプ&ミキサーの回路定数は図の右のようにして決めた。
これは、実際に作って何度も抵抗を取り替えては測定したり音を聞いたりしてこんなもんだろうということで導いた経験則だ。ともかくこうすれば問題ないと思う。
今後、こういうちっぽけなアンプを作る機会があったなら、迷わずこの考え方で作ろうと思う。安くて速くてうまくいくんだから何の文句もない。


2.簡易マイクアンプ&ミキサーの回路図(クリックでオリジナル表示)

imageプラグインエラー : 画像を取得できませんでした。しばらく時間を置いてから再度お試しください。
段間というか初段の後にVRを入れたほうがノイズの点で有利かと思ったが、初段の出力インピーダンスが低くないうえに終段の入力インピーダンスがそれほど高くないという悪条件のため、出力低下のデメリットの方が目立ったので最初にVRを入れた。別にノイズがどうのこうのということは全く無い。これでいい。段間は6KΩでつないでいる。インピーダンスの兼ね合いで適当にカット&トライ。マイクは2本しか使わないということだったので、初段は2回路しか作らなかった。3つも4つもパラにした場合、どうなるかは不明。3本なら何とかなりそうだが4本は無理そうだな。正攻法なら、エミッタフォロアをかませば全てうまく行くのだろうが、「簡易」を第一に考えたので単に適当な抵抗でつないだだけ。マイク4本以上ならエミッタフォロアをかますべきだろう。そうなれば各段の帰還量ももっと多くできるだろうし初めからやりなおしだな。
単純計算で、格段の増幅度は60倍と15倍なので900倍になるのだが、終段の入力インピーダンスが高くないので全然無理。結局130倍ぐらいにしかならない。再現性の保証はマイク2本限定です。


3.簡易マイクアンプ&ミキサーの実体図(クリックでオリジナル表示)

imageプラグインエラー : 画像を取得できませんでした。しばらく時間を置いてから再度お試しください。
毎度のことだがランド空中配線で作る。
部品の取り替えが簡単にできる。カットアンドトライには絶対これだ。
1台しか作らないのにパターンを起こしたりすることは考えられない。

4.実際に組んでみる
imageプラグインエラー : 画像を取得できませんでした。しばらく時間を置いてから再度お試しください。
左が初段。コンデンサは多少多目。

5.バラック実験
imageプラグインエラー : 画像を取得できませんでした。しばらく時間を置いてから再度お試しください。
初段は両面基板の裏表に組んでいる。適当に並べて動作確認実験。

6.組み立て1
imageプラグインエラー : 画像を取得できませんでした。しばらく時間を置いてから再度お試しください。
組み立て開始。バラック基板がそのまま完成品になっていく。各コネクタやボリュームはちゃんと穴を開けて取り付け。

7.組み立て2
imageプラグインエラー : 画像を取得できませんでした。しばらく時間を置いてから再度お試しください。
アンプ部分の配線終了。

8.組み立て3
imageプラグインエラー : 画像を取得できませんでした。しばらく時間を置いてから再度お試しください。
4mmの真鍮棒をダイスでM3の寸切りネジにして、2階建ての柱にして、上に電池ボックスを載せる。

9.組み立て4
imageプラグインエラー : 画像を取得できませんでした。しばらく時間を置いてから再度お試しください。
単3が4本入る電池ボックス。

10.完成・測定
imageプラグインエラー : 画像を取得できませんでした。しばらく時間を置いてから再度お試しください。
外箱付けて完成。実際、完成品にまで仕上がるのは5%ぐらい。たいていはバラック実験でジャンクとなる。よほどうまく行かないと、箱に入れる気がしない。

測定結果としては、
入出力特性は入力45mV(P-P)の時、出力6V弱(P-P)までリニア。130倍だな。
写真のオシロの波形だが、上が入力で下が出力。出力は6V弱で大体上下対称にクリップしている。この上下対称というのが精神衛生上良い。バイアス電流が適正である証拠だ。非対称ならバイアス電流を検討しなおすべし。
周波数は45Hz~10000Hzまでしか見てないがフラット。
オーディオアンプの測定で本当に必要なのは、この2つでしょ。入出力特性と周波数特性。入出力が希望の範囲でリニアであり、周波数特性が大体可聴域でフラットなら、当然に歪みも無いだろうし後は何を求めるのだ?僕には理解できない。

実際、貸切パーティーでかなり激しいボーカルだったが一応ちゃんと使えたという印象を持っている。しかし、ものすごい近づけてものすごいでかい声出してたな。ブレスノイズもすごかったし。過酷だった。マイクにも耳にも。

電子工作は子供の頃からやっていたが最近は部品の入手がとても便利になっている。昔はトラ技(トランジスタ技術という雑誌)の後ろの方のサトー電気や、秋月電子や、東名電子産業などのダニほどの文字を血まなこで見ながらトランジスタやコンデンサや抵抗などを注文したものだが、最近はもっぱらWEB注文だ。オークションでも安く仕入れられるのでよく利用している。
送料の安いアマチュアのための電子部品
アマチュアは少ロットの注文だから送料が気になる。オークションは送料が安いものも多数出品されているので我々アマチュアとしてはありがたい。秋月にしてもそうだが、少しだけの注文だったら送料のほうが高くついたりしてバカらしくなる。こうした小額で小さなものを少しだけ注文する場合は郵便でも何でもいいから送料が安いほうがうれしい。。
ところで、オークションストアでよく利用するのがNFJストア。
下の出品はNFJストア。D級アンプ、各種基板、便利な部品などがいっぱいある。500点以上という出品数なので、見ているだけで飽きない。
楽しいNFJストアのオークション
その他にもヤフオクには電子部品がいっぱい出品されている。宝庫と言ってもよい。
ヤフオクは電子部品の宝庫
トラ技の広告を見ていた頃のように、眺めているだけで楽しい。これらの部品を見ているだけで、製作の夢が膨らんだりする。「このトランジスタであの回路作ったらどうなるかなあ。」などととりとめもなく考えながら部品を眺める。時々掘り出し物もある。そして、いつしか時間が過ぎてしまう。
最終更新:2015年02月02日 23:13