【汗衫公主 四】

 セイランは三つの名前を持っている。普段使いの呼び名と、自分そのものを表す真名、そして吉風公主という称号である。最後の吉風公主という名は、セイランが皇帝の娘の一人であることを表している。自身でも時々忘れるほどだが、セイランは皇帝の娘なのである。
 忘れる事があるのは、皇帝の娘という名はそんなに使いでのあるものではないからである。
 皇帝に子が生まれると、後宮に隣接する精霊宮は騒ぎになる。国中の力ある精霊たちを集めてもてなす精霊宮からは、皇帝の血を受け継ぐ赤ん坊を愛で、後見人を買って出ようとする精霊達が次々と後宮を訪れてくる。セイランはテンコウに選ばれ、また例外的に仙人である十面大師をも後見人として定められた。国を代表する大精霊の加護を受けて育つのは大延国の皇子に認められた特権であり、皇子は誰もが強力な精霊使いとして成長するのが普通だが、セイランとしてはテンコウにお世話になるより、お世話をした事の方が多いと感じている程なので実感は薄い。
 そして、皇子の特権はこの程度に留まる。強力な加護ではあるが、絶対の成功を約束するようなものではないのだ。何より、他国ならば認められるはずの皇位継承権は、こと大延国の皇子には認められるとは限らない。大延国皇帝の地位を引き継ぐにあたり、必要なのは血筋ではなく、精霊の支持である。精霊宮に集う精霊達に選ばれ、皇帝として全土を掌握することを承認されなくてはならないのだ。
 皇帝を認めるにあたり、精霊達はまず六大元素を代表する精霊使いを一人ずつ選び出す。すなわち、朱王、白王、蒼王、玄王、麒王、渾王の六大霊王である。この中から合議でもって皇位継承者が定まり、かくして大延国の皇帝が誕生する運びとなる。代表者たる皇帝が退けば他の霊王も合わせて廃され、新たな六大霊王たちが選び出される。皇帝の在位中に霊王の一角が位を退けば、新たな霊王が選び出されて後を引き継ぐ。霊王たちは人間側の代表者として、国土の安定や天然自然の制御、各地を代表する精霊との対話などといった職務を果たす。皇帝は精霊を祀り自然を安んじる最高責任者であり、それゆえに人界の最高権力者をも兼ねるのである。
 セイランの父、クウリは朱王、すなわち炎に選ばれし者である。折々に行われる国家行事への参加を通じて、他の五王ともまた、セイランはよく親しんでいる。わけても白王は、セイランにとって最も気の置けない友人である。



 セイランの見当は当たっていた。通関司のボロ屋の前には近所の人々が群がり、何かを指差して囁き交わしたり拝んだりしている。空に目を転じれば、にじみ出るように姿を現した風精が飛び回っては、再び宙に解けるということを繰り返している。白王は風に選ばれし者であって、風精をひきつけずにはいられないのだ。
 セイランの姿を認めると、人垣はさっと道を開けた。視線はどれも興味津々といったところだが、聞くことは憚られるのか、誰一人として事情を問おうとする者はいない。通関司は城内の外れにあり、周りに住んでいるのは日雇いや駕籠かき、おんぼろ屋台の主などの物に動じない人々ばかりである。この地に越してくるにあたり、近所に挨拶して回ったときにセイランが自己紹介をして「皇帝の娘です」と述べたところで、相手の動かした顔の部品といったらせいぜい眉毛を延べ三本ぐらいのものである。そんな風に公主の地位の何たるかをセイランに教えた人々が、今は心底恐れ入った様子でセイランを見つめている。白王の威光はそれほどまでに行き届いているのである。
 通してもらうと、そこには異装の将軍がたたずんでいる。
 磨き上げられて白銀に輝く鎧には、全体に小さな金属板がくくりつけられている。篭手や脚甲も例外ではない。身じろぎ一つしていないにも関わらず、鉄板は揺れ動いてさらさらと音を立てている。肩に羽織った純白の外套はこれまた純白の房飾りでもって彩られ、風もないのにゆっくりとはためく。腰の両側に佩いた剣と刀とはいずれも抜き身であり、矢筒を背負っていながらも弓は持っている様子がない。兜の代わりとして頭に巻き付けている真っ白な布は眼前にも垂れ下がり、顔を完全に覆い隠している。両手をだらりと下げ、顎をわずかにあげる。まるで白亜の彫像のように堂々とした存在感が、将軍の全身から放射されていた。
「こんにちわ、稀鴉将軍さま」
 セイランが拱手すると、稀鴉将軍の首がわずかに傾いた。将軍の動きに応じて、全身の金属板が擦れて鈴のような音を立てた。
「白王様はこちらですか?」
 稀鴉将軍は答えない。セイランとて答えを期待したわけではない。稀鴉将軍は人型を取る風精でありながら、人のように言葉を発する事はない。護衛として白王の行くところどこにでも付き従い、いかなる危難をも退けるとされている。その稀鴉将軍がここにいるのだから、白王さまもまたここにいるに決まっている。言葉を掛けたのは、そうしないとすわりが悪いからである。
 セイランは先を急いだ。



 食事部屋には既に一同が勢ぞろいしていた。白王は大師に対面して卓につき、つまりはセイランに背中を向けていた。それでセイランは油断して、身構えることを忘れて膝をつこうとした。白王が振り向いた時にセイランは本当はどうするべきだったかを思い出したが、その時は既に、セイランの体は突風に押されてほとんど横倒しになっていた。
「公主、お久しぶりです!」
 気がついたときには、セイランは白王に抱きすくめられている。白王の羽衣をくまなく覆う紗の帯や花飾りがセイランをふわりと包み込み、セイランの鼻腔を白檀の香りが満たす。セイランが顔を上げれば、そこにあるのは白銀の冠や宝石を圧して輝く、白王の人懐っこい微笑みだ。南方の生まれだという薄く整った毛並みを見るたびに、セイランはいつも見ほれてしまう。そんなセイランをゆっくりとおろすと、白王は羽衣を震わせて上品に礼をした。
「こんにちわ、吉風公主様」
「こんにちわ、白王様、おめもじかないまして光栄です」
「おやめください、公主様。こちらへは私用で来たのですから。堅苦しい挨拶は抜きにしてくださいな」
 ――とっくに抜きになってます
 そう言い掛けて、セイランは言葉を飲み込んだ。
 六大霊王に相対するときの礼儀作法は『典儀大鑑』に詳しく定められている。それによれば、霊王に謁見するときの挨拶は四拝二叩頭、すなわち二回拝んだ後に一回叩頭することを二回繰り返さなくてはならない決まりである。皇帝に対する礼であるところの五拝三叩頭から一つずつ譲っただけのこの礼法は途方もなく厳粛なものであり、厳粛すぎてセイランですら知っているほどの代物だが、セイランは今の白王に対して最後までやりおおせたことは一度しかない。たった一度の成功例は、風邪で寝込み、寝台から一歩も出る事が出来なかった白王を見舞ったときの出来事である。そんな時か、もしくは大勢が参加する公式行事の席でもなければ、およそ誰も白王に対して叩頭することなど出来はしないのだ。叩頭しようとして膝を曲げるが早いか、飛んできた白王が助け起こしてしまうのである。
 何事にもとらわれぬ人である。そうセイランは思う。
 狐人ではあるが、貴族階級の生まれではない。セイランよりは年上であるが、セイランの甥っ子の中には白王より先に生まれたものが何人もいる。全身をくまなく飾り立てる羽衣は空飛ぶ花束のように美しいが、その美を鼻にかけることはない。笑みを絶やさず、難をいとわず、風に乗って大延国をあちこち飛び回っては、各地の風精たちと人との間で橋渡しをしてさまざまな問題を解決し、そのまた一方では、大都の一角に設けられた庭園でお茶を飲んではくつろぐ。風に選ばれし白王は、その心映えもまた、一陣の風のように爽やかなのである。


 白王に手を取られ、セイランは上座に導かれた。なんとなく座ったところで、ここには本来白王様が座るべきなのではないかと気付くも、注意すべき大師は特にとがめない。恐る恐る背筋を伸ばし、微笑みながらお茶をすすっている白王にぎこちなく笑みを返す。今のセイランはこの場の主人であって、白王をもてなすべき立場なのである。
「白王様、ようこそいらっしゃいました」とセイランは視線を落とし「お出迎えしなくてごめんなさい。おいでになるなんて知らなかったんです」と付け加えた。
「全くです」
 大師が重々しくうなずく。虎人のような大師の瞳がすっと細められ、兎の耳がわずかに逆立った。厳粛そのものの面持ちながら、その声音は柔らかい。と、巌のような表情は不意に苦笑へと崩れた。
「確かに言伝をお願いはしましたが、わざわざ結果をお知らせに来てくださるとは思いもよりませんでした」
「他でもない、大師のお願いですから」
「確か、今は南都の方によく行かれるのでしょう? 帝国を横断する旅をさせてしまうというのはいささか恐縮です」
「いいんです。それぐらい、ちょっとした寄り道ですもの」
 白王は涼しい顔である。巻き起こった微風が羽衣を控えめに揺らし、セイランの鼻先に柔らかな香りを届けた。
 セイランの知るところ、南都といったら国の反対側であって、つまりそれは途方もなく遠い地の果てということになる。大都からこの地に至るまでの旅路ですら、後宮育ちで大都から出た事もなかったセイランにとっては大旅行である。まして盤陽道や盤陰道を下り、いくつもの州や県をまたいで塞王に至るとなれば、これはもはやセイランの想像を超えた途方もない長旅というほかない。
 それを、白王様は寄り道と言い切ってのける。その顔に気負いは見られない。白王は風を駆り、天を翔けて帝国を一日に何度も横断するものなのだ。だからセイランたちのところにふらっと立ち寄ったところでちっとも不思議ではないというのが、白王様の言い分である。
 だが、事実はどうもそうではないらしい。セイランは大師に視線を向けた。大師の顎の下にある鱗がわずかに逆立っている。めったにみられない、驚いているときのしるしである。
「白王様、あの、失礼かもしれませんけど、一つ聞いてもいいですか」
「なんですか」
「今日はどうしてこちらにお越しになったんですか?」
「ごめんなさいね、突然お邪魔してしまって。驚かせてしまったかしら」
「ちょっとびっくりしました」
「ではテンコウ様にご挨拶しに伺ったと言ったら、もっとびっくりさせてしまいますか?」
「え? テンコウにですか?」
「ええ。ここのところご無沙汰しておりますから、消息をお知らせしたいなと思ったのです」
 白王がいたずらっぽく微笑む。冗談めかしているような、それでいて本気であるような、なんともいえない目つきである。
 大延国広しといえど、テンコウに様をつける人間は限られている。その数少ない一人である白王と、テンコウとの間に取り結ばれている関係といえば、セイランから見ても奇妙なものである。一方的に白王がテンコウの事を構い、他方テンコウは白王のことを避けようと必死なのだ。
 そもそも白王の地位というものは、風の精霊に選ばれし者という意味である。いかなる風の精にも気に入られ、その要請に喜んで従ってもらえる人物が白王となる。白王が空に手を伸べれば、指先には風精が群れ集まって体をこすり付ける。白王が口を開けば、発された言葉はたちまち真似され、繰り返され、木霊となってどこまでも流れていく。およそ白王と風の関係といったら、万事がこのような調子である。
 だというのに、テンコウだけは違った反応を見せる。
 およそ大延国に吹き渡る風の中で、白王から逃げる風といったらテンコウぐらいのものに違いない。白王が大師の元を訪ねてくれば逃げ、セイランが白王のもとに連れて行こうとすれば抵抗し、引きずっていけば全身を硬直させて泡を吹く。白目をむくテンコウを眺める時、いくら自分が勉強を命じられたときでもここまで抵抗はしなかったとセイランは思い、一方ではテンコウにいう事を聞かせるための最終手段として、白王の名前を引き合いに出すこともちゃっかりと覚えている。時々しつけが必要になったとセイランが判断したとき、あるいは単に白王の庭園に遊びに行きたくなったとき、セイランはテンコウを引きずっていき、白王のもとに差し出すのである。地面に転がって泡を吹くテンコウを抱き上げ、頬をこすりつけて屈託なく笑う白王を眺める時、セイランはよく「人それぞれ」という言葉の意味するところについて、なにやら学んだつもりになったものである。
 今回もその「人それぞれ」だったのだろうか。それならそれはそういうものなのである――とまで考えて、セイランは顔を曇らせた。どういう理由で白王がテンコウに会いにきているにせよ、テンコウに会うことは叶わない。何しろテンコウは逃げてしまっているのである。わざわざ会いに来た相手が逃げてしまっているとなれば、これは無念に違いない。
「ごめんなさい、白王様。テンコウは今ちょっと留守にしてて」
「ええ、存じています」
「え?」
「テンコウ様は、私を避けておられます。ですから、お会いできなくても仕方ないと思っておりました」
 あまりにもあっけらかんと白王は言う。かえって慌てたのはセイランのほうである。
「あの、勝手に飛んで行っちゃったんです。別に白王様に会いたくないとかじゃなくて、単なる気まぐれ……」
「ええ、テンコウ様はそういうお方です。公主様ほどではございませんけど、私もあのお方の事は存じているつもりですから」
 そういわれると、セイランとしては恐縮するほかはない。こうなると分かっていれば、意地でもテンコウを捕まえておいたのにとセイランは内心歯噛みする。白目を向くほどいやだろうがなんだろうが、訪ねてきてくれた白王様に応える義務がテンコウにはある。ちょっと寂しげなこの笑顔を置き去りにして、どこかに行ってしまう権利もないとセイランは思う。朝方の逃走劇と、そのおかげで台無しになった書き物を思うほどに、セイランの腹の中でテンコウへの怒りが立ち上がり、だんだんと足を踏み鳴らし始めた。
 と、白王が不意にぷ、と噴出した。セイランの腹の中で、怒りが足を止め、辺りを見回すと腰を下ろした。
「申し訳ありません、公主様。お気を使わせてしまって。本当は、もっと別の理由があってきたのです」
「そうなんですか」
「ええ。手紙を持ってきたのです。ね、大師?」
「わざわざ白王様おん自らがお持ちくださる必要など全くなかったことを考えると、あながち先の言い分も間違ったものとは言えないでしょうが」
 苦笑しながら、大師はふところから書簡を取り出すとセイランに示した。
「白王様は、これを届けてくださったのです」
「お手紙ですか? なんですか、それ」
「全土の簡林院と蛇言宮に対して要請した調査の、結果報告書です」
 留めてあった紐をほどき、茶碗をどけて場所を作ると、大師は書簡を広げた。簡字で書かれた文章の後ろに、無数の躍字が場所を取り合ってひしめいている。『全』『円』『完』と言った文字が、思い思いの書体でセイランの意識に迫り、その内包するところを伝えてくる。流れ込んでくる意味の奔流を掻き分けて何とか顔を出し、セイランは読み取ったものをそのまま口に出した。
「『全部ある、一つも欠けていない』……?」
「そうです。それが、私の知りたかった結果です」
「え、でも、何で足りないものがないかどうか聞いたんですか? 何がですか?」
「帝国全土で保管されている、登録済みの躍書や妖書です」


 躍書を作り上げる事の出来る人間は限られる。故に、躍書全体の供給量もまた限られている。高価なぜいたく品として課税を受け、また扱いを誤れば面倒ごとを引き起こす故に、躍書はその所在を厳密に管理されている。大都にある簡林院本部が整備している大躍字『乾』の一部には、全ての躍書の集合である『書』、およびその目次だけを表す『索』が含まれ、潜書官や司書たちが日々探索を続けているという。
 躍書の所在はこのように大躍字を頼るほかにも、書そのものをしまいこんで隠すという方法によっても管理されている。躍書の中には歴史的な価値を持つものや、扱うに当たって特に繊細な注意を要するものも散見され、そうした書は役所である簡林院ではなくて、民間の宗教組織である蛇言宮が保持していることもある。そしていずれの場所に置かれているにせよ、金庫よりも開かれた場所が選ばれることはまずありえない。躍書というものは、厳重に見張られてしかるべき代物なのである。


「公主様、私が、この街にはびこる躍書はどこから来ているのかを調べていることは、先にご報告申し上げましたね?」
 セイランは力強くうなずいた。事のついでに、本来ならそれは自分だって調べたいのだという意志をこめたつもりだったが、大師はどこ吹く風である。
「書は簡単に作る事が出来るものではありません。よからぬ目論見で職人に声を掛ければ、それだけでもう目立ってしまいますし、何より悪い事に使うとなれば職人は嫌がります。普通に作らせるより余計に金を積んで、初めて首を縦に振ってもらえるのです。しかし、それでは少しつじつまが合わないことがあるのです。なんだと思われますか?」
「ええと……」
「はい、先生!」
 白王が勢いよく手を挙げた。驚きに目を丸めたセイランに微笑み掛けると、白王は苦笑する大師に目を向けた。
「私が貴方の先生を務められた試しなど一度としてありませんが、それではお答えいただきましょうか、白王様」
「はい。作るのにお金がかかるなら、売るときもそれなりの値段をつけるべきだと思います。異界からの旅人が主な客だそうですけど、それって元が取れるのでしょうか? さっきの異人さんはあまりお金持ちには見えませんでしたけど?」
「正解です。もちろん地球の人々が我々よりは平均的に見て豊かなことは否定できませんが、それを考慮に入れたとしても、この街では潜書はあまりに安い値段で供されています。元を取るにはどれほどかかるか知れたものではありません。商売としては下の下だとは思いませんか」
「高値をつけるのも売れないけれど、安売りしすぎもよくないということですね」
「その通りです。補足していただいてありがとうございます、白王様」
「どういたしまして」
「そういう次第ですので、どこかおかしいと思ったのです。ここまでよろしいですか、公主様?」
「よく分かりました。白王様もありがとうございます」
「いいえ、本当は公主様がお答えするべきところで、余計な差し出口をしてしまいました。ごめんなさい」
「そんな事ないです。嬉しかったです。それに、手を挙げる白王様なんて珍しいところを見ちゃいました」
「実はそんな事ないんですよ。大師と話していると、ついつい塾にいた時のことを思い出してしまうんです。書き取りを誤魔化して居残りさせられた時のことなんかも」
「えー、そんなことしてたんですか」
「退屈でしたもの。しょっちゅう逃げ出して、先生に怒られてたんですよ?」
「そのお気持、とてもよくわかります」
 いたずらっぽく微笑む白王に、セイランはもっともらしい頷きで応える。二人でちらちらと大師に視線をやり、呆れた様子の大師が茶をすすってみせると、セイランと白王の間で笑いが爆発した。ことさらゆっくりと大師が茶碗を置くと、その音にセイランも白王も口をつぐんだ。
「それでは話を戻しますが、よろしいですかな、お二人とも」
「はい、大師」
「お願いしまーす」
「――さて、商売としてはあまりに安すぎるというところまでお話しました。つまり、相手の目的としては二つの可能性が残されている事になります。ひとつは、商売ではないということです。何らかの意図を持って、損に甘んじているということですね。そしてもう一つは、それでも儲けが出ているという可能性です」
「はい先生! 高値で作ったものを安値で売って、それでどうして儲けが出るんですか?」
「それは、高値で作ったわけではないからです。それと、質問には手は挙げずとも結構です」
「はーい、先生」
 満面のにやにや笑いを浮かべる白王に、もはや大師はとりあわない。ことさらにいかめしい声音をつくり、長短両方の眉を逆立ててセイランたちに視線を落とす。と言っても、虎の目はあくまで丸い。大師もまた、このやり取りを楽しんでいるのだ。
「では答えますが、他人が作ったものを盗めば、安く売って儲けを出すことも可能となります。もちろん盗むことは重罪ですが、不可能ではありません。過去に何度も例がありますし、盗まれる危険があるからこそ、厳重な警備で守られているのだともいえます。簡林院や蛇言宮から流出する可能性とて、ありえないとは言い切れないのです。非常に残念な話ですが」
「だから全土の簡林院や蛇言宮を回って、一つ一つ確認してもらったのです」
 得意げな白王の言葉に、大師が本格的なため息をついた。
「道理で結果が出るのが早いと思えば。わざわざそこまでしてくださったのですか」
「私も気になったものですから。それにいい気晴らしになりましたよ。国中を回って、いろんな人に会って」
「簡林院の役人達には青天の霹靂だったでしょうな。わざわざ白王みずから調べに来るわけですから」
「上古の雷帝よりはびっくりさせなかったと自負してますよ。きちんと先触れだって出しましたし、建物に入るのだって屋根からじゃなくて扉からでしたもの」
「そういう問題ではないと思いますよ」
「そうかしら」
「私は、この要請が官僚機構の網目を伝って、しかるべきところに伝わるまでには半年を要すると思っていたのですよ」
「犯罪の捜査なのでしょう? 早く済んだほうがいいじゃないですか」
「ええ。白王様には感謝のしようもありません。心からお礼申し上げます。
 さて、白王様のおかげで、書の出所はどこなのか、という問題にすこし進展が見られました。全土の簡林院も蛇言宮も、所蔵する一冊の躍書たりとも失ってはいません。ですから、そこらが出所ではないのです。もちろん、存在が公に知られていなかった書が盗み出されたという可能性もありますが、それは考えても仕方がありません。緑林の伝をたどれば、どこからであれ盗まれた躍書の情報も取れるのでしょうが、生憎そちらのほうの返答はまだ来ておりません」
 緑林とは盗賊稼業の事なんですよと、白王がセイランに囁いた。
「実を言えば、私はこの事件で、書が盗まれたものである可能性はあるにしても、金銭目当ての犯行だとはあまり考えておりませんでした。より正確を期すならば、異人たちから金を取る事それ自体は何らかの手段であって、目的そのものではないのだろうと考えていたのです。ですから、この調査そのものは、いわば駄目押しだったのです」
 白王が目を丸くした。大師に目をやったセイランは珍しいものを見た。決まりが悪そうにしている大師の姿である。
「まあ、それでは、そんなに急ぐ必要もなかったのですね」
「ですから、貴方がこうしておいでくださった事に、私は心底驚いたのです。それに、感謝しているのは本当です。非常に価値のある情報ですからね。貴方のお力がなければ、結果を得るまでずいぶんと待つ事になったのは間違いなかったでしょう」
「でも、ずいぶん待たされても、それで間に合ったんですよね?」
「犯罪の捜査ですから、早いに越したことはないのですよ」
「さっきと言ってる事違いませんか、大師?」
「勘弁してください。何度でも申しますが、感謝しているのは本当です」
「そーでーすかー。ならいいのですけど」
 歌うように節をつけながらつんとすました白王の言葉に、大師は堪えかねたように破顔した。セイランもまた、釣りこまれて笑顔になった。
「あの、白王様。私からもお礼申し上げます。大師に協力してくれてありがとうございます」
「いえいえ、どういたしまして」
「では公主様、この場をお借りして、白王様のご協力の下行った調査の結論をご報告申し上げます」
 大師が声を改め、セイランは威儀を正した。大師の顔に、これまでとは違う向きの皺が深く刻まれていることにセイランは気がついた。
「この街の躍書は、金銭的な理由でばら撒かれているわけではありません。何者かが何らかの意図を持ってやっていることです。おそらくは悪意を持って。ですから、そちらの方面での捜査が必要となるでしょう。
 気の重い話ですが、この街には、異人たちを利用したがるものたちが潜んでいるようです。残念なことですがね」


 門前市城は、異界へと通じる門のために作られた街である。門をくぐって異人達が訪れ、この地を起点としてあちらこちらへと旅立っていく。長く逗留するものも、すぐに帰ってしまうものもいる。大延国にすぐに慣れ親しむものもいれば、どうしても折り合うことが出来ずに衝突するものもいる。人の有様と言うものは、門の向こうでもさまざまなものであるらしい。
 だから、けしからぬ意図を持ってこの地を訪れる異人もいれば、異人を食い物にするべく悪巧みをする延人だっている。それが当たり前というものである。セイランとて、それぐらいの事は既に実感として知っている。よからぬ異人の例を今朝方拝まされ、そして今度は異人に悪意を持つ延人の話を聞かされたところで、別に驚くには値しない。
 驚きはしないが、受け入れられるかといえば、それはまた別の事である。
「すごく嫌な話ですね」
「おっしゃるとおりです」
 セイランの気持ちを代弁するように、白王がため息を吐いた。大師もまた和した。
「そもそも、異人は大延国の法に守られているとはいいがたいのです。『異人をもてなすべし』という金羅様の神勅は全国に流布していますが、具体的に何をするのかは現地の者の判断に任されているのが実情です。本来ならば、旅行者と言うものは外国にあっても、事前に取り交わされた条約によって、ある程度の保護を保障されているものなのです。しかし、わが国と、ほとんどの旅行者の故郷である中華人民共和国においてすら、大した協定は結ばれていないのが現実です。ですから、カモにしやすいといえばその通りなのです。たとえ異人が何かを盗まれたとして、わが国の治安組織は犯人を追う義務などないのですからね」
「え、そうなんですか」
 セイランは思わず声を上げた。
「そんなの、おかしいと思います。だって金羅様が」
「ですから、現地のものの判断に任されているのです。幸いこの地の衛視は、異人も延人も分け隔てすることなく扱っています。ですが、法的な根拠はきわめて薄い。盗難以外にも、あらゆる犯罪の被害者や面倒ごとの原因となる可能性があります。しかし」
 勢い込んだセイランを制するように、大師が語気を強めた。
「だからこそ我々がいるのですよ、公主様。われわれ通関司が、彼らの国に代わって、彼らの身分を守らねばならないのです。そのために、我々は皇帝陛下から命を受けてこの地に至ったのです。この問題は早急に解決される必要があります。何者かが異人に害を為すのを、黙ってみているわけには行かないのです」
「もちろんです。大師、すぐに調べましょう! その悪い人たちをすぐ捕まえるんです」
「ええ。ですがそのためには、また情報を収集しなくてはなりません」
「私なんでもやります!」
「大変頼もしい限りです。ところで、その手がかりを見つけるために、公主様にお願いしていた仕事がございましたのですが」
「は?」
 はやる気持ちの足元を思わぬ方面から払われて、セイランの心は宙に浮かんだ。重苦しげに眉をひそめる大師と、何事か察したように口元を覆う白王の顔を見比べながら、セイランは飛び散った思考の破片を必至にかき集めた。そうして頭の中からかき集めた記憶を並べ終わったとき、そこには一つの文字があった。
 『簿』。

『実は、かねてから確認しておきたかった事柄があるのです。今回の妖書の件を解決するに当たり、非常に重要な手がかりとなるであろう事柄なのですが』

「あれが一体なんだって言うんですか?」
 大師の言葉がよみがえり、セイランは素っ頓狂な声を上げた。沈痛そのものという表情の大師が、苦しげに首を振った。
「公主様、すでにお気づきかと思いますが、あれは門を通過した物品の記録です。界門をつかさどる門神から直接戴いてきました。あれを読み下すことが、今回どうしても必要だったのです」
「あの絵とか織物とか服とかがいつ通ったのなんのってあれがですか? あれが一体なんだって言うんですか!」
「それはもちろん、異界に躍書が持ち出されたことがあるかどうかを知りたかったのです」
 十もの言葉を並べようとして、しかしセイランは黙った。事の次第が、なんとなく飲み込めてきたからである。大師もまた、察したように言葉を続けた。
「公主様、盗んだにせよ作ったにせよ、躍書を売るなら、この地よりもっとよい場所がいくらでもあります。たとえば大都や南都などの大都会です。しかし、敵はわざわざこの地で、それも大変に安く売っています。なぜでしょうね?」
「――異人に売りたいからです。だって、異人さんはここなら一杯います」
「では何故安く売るのでしょうね?」
「宣伝です。噂を広めるんです」
「ご明察です」
「きっと、すんごいものがあるって言う噂を、地球のほうでも広めさせたいんだとおもいます。そうしたら、ものすごい値段がつきます。それに――」

『これこそは、異界においても類を見ない珍品です。大変珍しいものなので、わざわざ衛視が取り締まるのです』

「――わざわざいい加減に売って、衛視に見つけさせたりして、取り締まらせたりするのかもしれません。そしたら、もっと値が上がるかも。何もかも、異界に高値で売りつけるための計算ずくなんです」
 大師の顎下の鱗が、見間違いようもなく逆立った。
「これはこれは。お見事なです、公主様」
「えへへ。私だって、やればできるんです」
「そうですね」
「ちゃんと役に立ちますよね。だから」
「分かりました。ではお願いした書き取りが進んでいないことについては、しばらく考慮の外に置くとしましょうか」
「はい! ……は?」
「ですから、お願いした名簿の書き下しが全く進んでいないまま投げ出されているようですが、そのことは今しばらく置いておくと申し上げたのです」
 こらえきれなかったように、白王が笑い出した。得意げに伸ばした鼻を壁にぶつけられて、セイランの心はまたしても真っ白になった。どうにか己の心を取り戻したセイランが始めにしたことは、大師に食って掛かることであった。
「ちょっと、ちょっと待ってください! 確かに私はまだ書き取り終わってませんけど、あれは別にだらけてるとかそういうわけじゃ!」
「部屋の有様は見ましたし、大いに同情の余地があることも認めます。しかし、途中で投げ出されているというのは事実ですね?」
「そ、それは、今からやるつもりで」
「責任を持つという言葉の意味を改めてお教えしなくてはなりませんか? その必要はないのだと思っておりましたが」
「だ、だってテンコウが」
「これまで書き上げたものが全てダメになったのは大変だったと思いますし、その原因も想像がついておりました」
「だったら」
「問題はそこではありません。私は公主を信頼してお仕事をお任せしたのです。たとえいかなる事情があろうと、私の信頼に応えていただけるものと期待しておりますし、それがもし叶わなさそうならば、せめてその旨ご報告いただきたかったものです。疲れ果てて外に出かけてしまわれるのではなくて」
「仕方なかったんです! 出先で面倒ごとがあって、そっちに引っ張られて」
「それは責任を投げ出してよい理由にはなりません」
「そんな」
「そもそも、私は書き取りが終わっていないからこのような嫌味を申し上げているわけではありません。このお仕事は、公主様自らがお望みになって引き受けられたことなのです。ご自分も何か役に立ちたい、公主様はそうおっしゃいましたね? ですから、私も公主様を信頼して、お任せする事にしたのです」
「それは、そうですけど」
「それを、やっていないことについてなんだかんだと言い訳するというのは、信頼を損なうということになります。私が傷つくのではなく、公主様ご自身を害しているのだとご理解ください。やるといったことをやらずに打ち捨てるというのは、何より自分を崩し、粗末にすることです。出来る限りの事をやる、出来ないならその旨をあらかじめ伝える。公主様のような道理を心得た方にとっては、難しい事ではないと思っております。そうですね、公主様?」
 こと逃げ足にかけては、セイランは大延国一とはいわずとも、それなりの腕前があると自負している。一方で退路をふさがれることこそは、セイランの最も苦手とし、また嫌うところでもある。大師の正論は塗り壁のような厚みでセイランを追い込み、閉じ込めてしまっている。たった一つの出口の先には大師本人が立ちふさがり、どこへも行かさないといわんばかりににらみを利かせているのだ。周囲からじりじりと迫ってくる正論の圧力に気おされ、かといって抗することも叶わず、セイランはぎりぎりと歯噛みした。大師を睨み付ければ状況が好転しはしないかと無駄な努力をした末、セイランは遂に、兜を脱がざるを得なくなった。なけなしの威厳をかき集めて、セイランははっきりと言葉を口にした。
「ごめんなさい、大師。頼まれた分はだめになっちゃいました。ちゃんと報告すべきでした」
「いいえ。私も言いすぎました。お許しください」
「そうですよ。今の大師は言いすぎでした」
 横合いから投げかけられた言葉に、空気がさっとほぐれた。ころころと笑う白王はさっと立ち上がると、目を丸くしたセイランに指を振ってみせながら卓の周りを歩き回った。白檀の香が、セイランの鼻をくすぐった。
「確かに、大師の言い分にも一理あります。でも、その言い方はあんまりです。公主様だって、怠けようとして怠けたわけではないんですから。そのことは大師だってお分かりですよね?」
「それはそうですが、しかし」
「『しかし』はなしです。公主様、ご存知ですか? 私と大師があの部屋の有様を発見したとき、大師はこういったんですよ。『ああ、これはなんともひどい』って。『こんなにがんばられたのに、無駄になってしまうとは』とも言いました。言いましたよね、大師? なんでしたら、もう一度言葉を呼び起こして差し上げますけど」
 大師は目をそらしてため息をついた。白王はあっけに取られるセイランの腕を取って立ち上がらせると、大師のそばに導いた。居心地悪げな大師の虎目がゆるゆるとすべり、セイランを捉えると瞳が細くなった。
「大師だって、公主様がきちんと責任を果たそうとされた事ぐらい承知しています。ただ、少しだけ不安になっただけなんです。ダメになったのを隠して、余計ダメなところに転がり落ちていくことになってしまうのを見過ごせなかったんです。大師としては、ダメになったらなったで、公主様には怖がらずにそういって欲しかったんですよ。そうですよね、大師?」
「そうなんですか、大師」
「――ええ、その通りです」
「ほら。だから、ちゃんと白状できた公主様は、もう何も気にする必要はないんですよ。確かにまだ書き取りも残ってますけど、それはこれからちゃんとやるでしょう?」
「はい。やります」
「はい。じゃあ、仲直りです。いいですね、大師?」
「あなたには敵いませんね、白王様」
 笑み崩れた大師が、椅子から立ち上がってセイランに手を差し伸べた。セイランもまた、その手を握った。その上に白王が掌を乗せると、暖かく柔らかい気が周囲を包み込んだ。白檀の香気を一杯に吸い込むと、セイランの心によどむ感情はいともあっさりと消えうせた。
 これこそは、白王の白王たるゆえんなのだ。セイランはそう理解した。いかなるしがらみにも捕らわれぬ心で、垂れ込める暗雲を吹き払ってくれる。いかなる風も、白王の後ろに回ってその背を押し、白王もまた応えてみせる。私だって押しますと、セイランは白王への思いをより強くした。
「白王様、ありがとうございます」
「いいえ、元はといえば、私が原因のようなものですからね」
「そんな事ないと思いますけど」
「でも、私が突然訪れたりしなければ、テンコウ様があんなふうに書き物をだめにしてしまう事もなかったでしょう? 責任を感じてしまいます」
「そんな責任ないです。結局テンコウが悪いんですから」
「お優しいお言葉、ありがとうございますね、公主様。どうですか、大師大師もちょっとは、公主様から寛容さと言うものについて学ぶところがあるんじゃないですか?」
「そうですね。あるいは、白王様のおっしゃる通りかもしれませんね」
「じゃあその時は、私の事先生と呼んでもらいます。手も挙げてもらいます」
 幾度目かの笑いが場にはじけた。と、白王がふと視線を上げた。耳を澄まし、眉をひそめ、驚いたように口元を覆う。目顔で問いかけるセイランと大師に応えるように、白王はふと部屋の出口を指した。
 その指す先に走り出てきた影がある。いかにも困り果てたようすのレイレイである。白王に目を留め、すぐさま叩頭しようとしたところを飛び込んできた白王に抱きとめられる。目を白黒させながら床に降ろされると、レイレイは白王の腕の中で、いかにも言いづらそうに口を開いた。
「あの、ご歓談中のところまことに申し訳ありません、大師、ちょっとした問題が」
「逃げられましたか」
「もうすぐと言ったところです。すぐ部屋にお越しください。私ではもう対処不能です」
 怖気を振るうように身を震わせたレイレイが、セイランに目を留めた。
「あら、公主様、このたびは災難でございましたね。あんなに墨を撒き散らされて、全くテンコウ……テンコウ様ときたらもう」
「ごめんなさいレイレイ、後で掃除します」
「あら、そんなの結構ですよ、公主様。もう掃除はやらせていますから」
 誰が? と言いかけて、そういえば、とセイランは思った。大師たちは、セイランの書き物部屋を訪問したようなことを言っていた。そして今は、そこに誰かがいるものらしい。誰かがいて、あの惨状を片付けさせられていて、なにやら逃げ出そうと必死なのだ。
 一体何が起きているのだろう?
「ああ、カンペイ殿と、異人が一人おります。そういえば、公主様にはお話しておりませんでしたね」
 大師は事も無げに言う。驚いたセイランが精一杯のしかめっ面をつくり、自分の部屋にカンペイがいることに対する不快感を表明すると、大師は曰くありげな笑顔を作った。まるで悪巧みの仲間に向けるような、およそ大師に似つかわしくない顔である。
「実は、カンペイ殿はある異人を奴隷として売り飛ばそうとしたところを白王様に逮捕されたのです。今は、こちらで拘留しております。よければ、公主様も尋問に立ち会われますか?」
 いともさりげなく投げ出された言葉の意味を、セイランが解するまでには数瞬を要した。およそセイランにとり、今日は心の足元が試される日のようである。

続く

 但し書き
 文中における誤り等は全て筆者に責任があります。

  • セイラン公主が好きで好きでたまりません -- (名無しさん) 2013-05-13 23:42:34
  • 人(?)脈がもうトップ級なんじゃないかセイランちゃん。それにしてもクセ強い方々 -- (名無しさん) 2013-05-14 23:43:25
  • セイラン中学生 白王高校生って感じかいなぁ? -- (名無しさん) 2013-05-15 10:53:29
  • セイラン>中学生あがりたて 白王>大人げない社会人 と想像した -- (とっしー) 2013-05-15 12:51:45
  • 意外と失念しやすいですよねセイランが皇帝の娘だということ。精霊と王の関係など簡潔に説明されているので一読して欲しい作品の一つです。白王の人柄も面白いですがそれに付随するあれこれの設定もよくできていると思います。問答と一緒に盛り込まれてくる大延国ならではの要素の混ざり方は絶妙の一言。緊張感が増してくる後半の流れそのままに次回へ引くのもいいですね -- (名無しさん) 2016-08-28 17:34:59
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最終更新:2013年05月13日 00:47