ふぃー、一仕事おわったー
と一息ついた瞬間、相手をしていた異人さんが軽く倒れかかる。
わたしと異人さんふたり重なって、異人さんは肩で息をしている。すこし頑張りすぎたかもしれない。
異人さんを掛け布団に、そのままぼんやりと天井を眺めていると、隣の部屋から歌が聞こえてきた。
かすかな歌声、はじめて聞く歌だ。
場違いだな、って異人さんが少し笑って言った。
「知ってるの?」
「ん? ああ、故郷の歌だよ。『蛍の光』っていうんだ」
「ね、ね、教えてくれる?」
「あー、それって俺が歌わなきゃダメか?」
「うん、そうじゃないとわかんないよ」
隣も歌ってるしみんなで渡れば怖くないとかなんとか、
異人さんはぶつぶつと呟いて、かぼそい声で歌いはじめた。
よく聞こえなくて、耳を唇に寄せると、
異人さんはほんのり頬を赤らめてわたしを引き離して、
立ち上がってやけっぱちに大声で歌いだした。
なんとなく楽しくなってきたから、
異人さんに飛び付き肩を組んで、わたしも歌いだす。
ららら、ららら、と歌詞はわからないからテキトーに。
気付けば他の部屋のみんなも加わって、娼館ぜんたいが歌っていた。
- 蛍の光が下校や帰りましょうの歌の様に、異世界にもそういったメジャーな歌などがあったりすると面白そう -- (名無しさん) 2013-05-18 19:21:05
- とりあえずリズムさえ合っていればなんだっていいよね。歌は言葉を越えるツール -- (とっしー) 2013-05-19 20:45:24
- 事後のしっとりとした雰囲気と一室の光景が蛍の光と一緒に浮かんできました -- (名無しさん) 2016-10-02 17:20:43
最終更新:2013年05月18日 19:19