中原を越え、星王の大道と呼ばれる大街道を西へ西へと向かった終着点、内海とみまごうばかりの巨大湖レーネ、かつて地上の争いを憂いて星神の流した涙によって生まれたという巨大湖の畔に威容を示すのが西の王都アクティパルである。
西の大穀倉地帯を懐に抱く王都アクティパルを一言で言い表すなら、それは巨大都市である。
とにかくその都市面積は巨大という一言、おそらく単純な都市面積だけなら異世界最大ではないだろうか。
見渡す限りに広がる街並みでまず印象的なのはその見通しの良さだろう、街路が広すぎるとさえ思えるほどに広く設けられ、中でも都市全体を循環するように巡らされた大通りはまるで競馬場のダートのように緩やかな楕円を描いているのが印象的だ。
街路に沿って並び立つ家屋は平屋の物や二階建てが大多数を占め、多階層の建築物は王城や天導院などの特別な施設を除けば極めて少ない。
これら独特の景観を作り出しているのはこの都市の主人が
ケンタウロスだということに他ならない、彼ら四脚の民の歩みは二脚の民の全力疾走と相応であり、我々が思い浮かべる都市の密度は彼らにとっては拷問に等しい狭さと言えるのだ。
広々としているように見えるアクティパルも実際にこの場所で暮らす者には手狭に思えているらしく、裕福な者は郊外に広々とした土地と屋敷を構えている。
西部においては多階層の家屋は低所得者の象徴であり、広い庭と平屋の屋敷こそが富と地位を示す物なのである。
この巨大都市のシンボルとなっているのは都市の中心、ダートのような楕円街路の内側の広大な敷地にある二つの象徴的な建築物、美麗な白亜のラナパル城と壮麗なクラタナル大天導院だろう。
西の盟主であり、二つに分かたれた星王の血筋を受け継ぐ者の権威を象徴するラナパル城は、その全体を白輝石によって白く美しく彩られ、陽光を浴びて白く輝くその美しさは筆舌に尽くし難い。
そして、
イストモスの歴史の中で様々な発見と貢献によって強い存在感を示す神星教会、その最大の施設であるクラナタル大天導院は一つの大ドームと六つの小ドーム、そして六つの天体観測塔を持つイストモス建築の粋を集めて建設されたイストモスでもっとも高い建築物であり、黒蹄石と白輝石を巧みに使ったイストモスの文化と技術の象徴的な建物と言って良い。
多くのものがケンタウロスの基準で造られた都市ではあるが、都市全体に漂う空気は実にゆったりとしたものであり心地良い、イストモスを旅するのであれば一度はこの地を訪れ、そのスケールの大きさに酔いしれてみるのも悪くはないだろう。
- とにかく広いってのが伝わった。きれい美しいってよりもスポーティーな王都だな -- (名無しさん) 2014-08-29 22:29:29
最終更新:2014年09月06日 22:58