それは、今ではない、いつかの物語。
二つの世界が11の門で繋がってから、どれだけの年月が流れただろう。
片方の世界からは優れた科学技術がもう一方の世界へ流れ、逆の方向に神話伝承や実在する神秘が流れゆく。
無論各々の世界に住まう人ビトの交流も、現状では考えられない位に効率的かつ流動的になっていた。
そんないつかの時代、二界の住人より無作為に選ばれた人々に、天からの託宣が降ったという。
二界の数多の民より選ばれし者達に告ぐ
己が内に秘めた願望を叶えたくば、戦え
願いに見合う勲功を為した暁には、
いかな願いに対しても奇跡を見せよう
当然の如くに「馬鹿らしい」と一笑に付されもしたが、その認識は一瞬にして覆された。
何故ならば、託宣通りに願いを叶えるべく、文字通りに生命を賭した戦いが勃発したからである。
その戦いは極秘裏に進められるものであったが、人の口に戸は立てられぬとは良く言ったもので、都市伝説や創作の素材といった形で拡散していった。
戦いに関わったものの生き残った者達が集まり、託宣の戦いに関して研究を行っているとも言われている。
託宣の戦いが陰ながら始められるようになって数年、新たに託宣を得た者達の戦いが、今、始まる。
「・・・えっと、そこのいきなり現れた猫さん、貴方が私のパートナーなの?」
「多分そうなんじゃね? よくわかんねぇけど」
人界は日本国の少女、暁 向日葵《あかつき ひまわり》は、突如下された託宣と共に自室内に眼前に展開された複雑怪奇な紋様から出てきた、猫人の少年に声をかける。
声を掛けられた猫人は、向日葵の問いに飄々とした態度で応じる。
ふぁぁと欠伸を漏らしつつ香座を作る猫人の少年を横目に見やり、向日葵は端末で託宣について調べを進めていく。
「あの、ちょっと聞きたいんだけどさ、いいかしら?」
「おう、答えられる範囲内なら何でもいいぜ」
「託宣についてまとめてあるサイトをいくつか見てみたんだけどね、託宣を直接受けた『選抜者』には、二つの世界に過去存在した英雄や豪傑、名将といったパートナーが無作為選別で選ばれる、って書いてあってね」
「ふむふむ」
「選抜者にはパートナーの身体能力や技能が目に見えるように分かる、って書いてあるのね」
「ほうほう、それで?」
「でもね、私が貴方の事どう見てもね、名前も能力評価も技能もよく見えないんだけど」
「そりゃそうだろうな。 だって隠してるから」
「えっと・・・何で?」
「自助努力しろってこった。 俺の本名が分かったら見えるようになんだろ」
猫人のあまりに投げやりで協力意識ゼロの解答に、向日葵はこりゃダメだ感全開の表情で応じる他なかった。
「う゛ぇぇ・・・このヒト、協調性皆無なんですけど・・・で、貴方は強いの?」
「さぁてね。 ま、死なない程度に頑張るさ。 というわけで、だ、お嬢ちゃん」
「ん、何よ?」
「そこの窓開けてくれ」
「ハァ!?・・・まさか夜の散歩にでも行くつもり?」
「わかった、んじゃ割るわ。 どうせ割れるし」
猫人のその言葉に聞き返す余地も与えられぬまま、向日葵は猫人に担ぎ上げられ、自分たちの身体で割られる窓ガラスと何らかの遠距離攻撃で割られた窓ガラスを背に屋外へ飛び出す羽目になる。
「ちょ!? ここ35階なんですけどぉ!?」
寝間着姿のまま宵闇の空へ担ぎ上げられ絶叫する向日葵を小脇に抱えつつ、猫人は高層階からの紐無しバンジージャンプを敢行する。
「はぁ・・・死ぬかと思った・・・」
「ま、お楽しみはこれからなんだけどな」
懐かしの地面との対面に一息ついた直後の向日葵に、猫人の容赦のない言葉が降りかかる。
猫人の言葉の通り、二人の前には、新たに人影と人とは思えぬ形状の影が立ちはだかる。
向日葵たちとは別の選別者とパートナーであることは明白だ。
「というわけで、おまいさんの託宣の戦いが今晩から始まるわけだが」
向日葵を背に立つ猫人は、冗談としか思えないほどに巨大な得物をどこからともなく取出し、
「荒事はとりあえず何とかしてやっから、それ以外の事は自分で何とかしてくれ」
やる気があるのか投げやりなのか判別しかねる言葉を残し、猫人は敵目がけて疾駆する――――――――
「という話を4月バカ向けに考えたんですが、どうですかね助手」
「とりあえず言っとくと、4月バカは4/1午前中のみ適用だぞ先生。 流石に4/1でも夜10時過ぎ投下じゃNGだ。 あとさ・・・どう見ても某ヴィジュアルノベルの丸パクリじゃねーか!!」
「だって4月バカ向けなんだもん。 ローコストで済ませたいじゃない?」
「何が『だもん』『じゃない?』だコノヤロウ」
「まぁいいじゃないですか。 これ以上のことはまだ考えてませんから」
「そういう問題じぇねぇっての・・・まぁいいや。 どうせこのpnktじゃ続きなんて出ないだろうから安心か」
「ん? 今だれか先生の事かしこいかわいいって言いました?」
「言ってねぇし・・・」
- 異種族だってラノベ出したい!という気持ちは分かるけど影響を受けてそう思っちゃう異種族の作品はやはりどっかで読んだような作品になるのかなぁ -- (名無しさん) 2015-04-01 22:45:49
- イレゲキャラが書いた作品とか読みたくなった。無差別選抜でも戦える人物が選ばれるんじゃないかいな? -- (名無しさん) 2015-04-02 23:38:55
最終更新:2015年04月01日 22:13