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【元原と滑川】

ここは日本の交流特区ポートアイランドにある大型スーパーマックスGARYU。
様々な種族を受け入れる店内構造は異種族の住民全てを満足させていると言っても過言ではない。
そんな大型店の中、食料品フロアにある広場はやはり様々な種族の往来で賑わっていた。

「全くおぞましい光景だ」
上下を貫く大きな吹き抜けに面した休憩コーナーより階下を行き交う人波を見下ろしながら十津那学園の制服を完璧に着た男子生徒が呟く。
眼鏡で隠れた双眸は伺えないが、歪む眉から機嫌が悪いのを察する。
 どんっ
生徒の足に何かがぶつかる。
が、そちらを一瞥も微動だにもせずにいる生徒に対してぶつかった狸人の子供が立ち上がり恐る恐る見上げる。
「ごめんやねん。あんねお父はんとお母はんとはぐれてあわててたらすべってもうてん、ごめんやねん」
反応のない相手に再三謝る子供だったが、やっと返ってきた反応はとんでもないものだった。
顔の筋肉は一切動かない。ただ体が子供の方へ向くと同時に片足がゆっくりと弓を引くように少し上がったかと思うと
それは何の躊躇いもなく振り抜かれる。

「おおっと全身が滑ったぁー」
 どんっ
子供と生徒の間に割って入り、どう見ても肩からのタックルを生徒に見舞ったのは
同じ学園制服を崩し着た髪を後ろに流したガラの悪そうな男子生徒だった。
「よくあやまれたな~かしこいぞ~。迷子か?ほらあっち見てみろ、あそこにダークエルフの婦警さんがいるだろ?あの人に言えば親父もお袋も探してもらえるぞ。
こっちのお兄ちゃんには俺が謝る番だからな、さぁ行った行った」
背中を押された子供は無言で服を払っている眼鏡の生徒に向けてもう一度謝ってから走っていった。
「どう見てもわざとだったが。異種族など庇ってどうする」
「異種族?なンか関係あるのかよ。 お前、何しようとしてたか分かってンのか?ガキを蹴ろうとしてたんだぞ?ア゛?」
「汚らしい異種族に接触したのだ。当然の躾だろう」
「さっきから異種族異種族って何なんだよお前本当に。差別もそこまでいくとキチガイだろうが」
ほぼ同じ背丈の生徒同士。ガラの悪い生徒が眉間にしわを寄せ眼力を放ちながら顔と顔を直前まで詰める。
「差別?人間と異種族を区別したまでだが」
「はぁ~?駄目だこりゃ。 とりあえず、だ良い子の味方のヤンキーズとしてはガキへの暴力は見逃せんってワケよ。
ダセぇ真似してんじゃねぇぞ」
凄む語気だが眼鏡の生徒は全く動じず、むしろ視線の温度は更に冷めていく。
一触即発。 

「あ、あそこにいた」
「おーい何やってんだ」
「丈児、ケーキ屋の試食が始まるよ。早く行こう」
オーガ、竜人、ノームの三人が駆けて来ると、それまでの空気は一変しガラの悪い生徒が目を丸くして振り返り走る。
「うぉっと忘れてた!今日のGARYU試食食べ歩きのデザートを逃すところだったぜ!あばよ!」
場から去っていく四人を眼鏡の奥から凍る視線で捕らえながら襟を正す。
「な、滑川さん、ど、どうしたんだな」
のっしのっしと床を揺らして鈍重に走ってくる豚人が汗を撒き散らす。
「それ以上近寄るな汚物。学園に戻るぞ」
「か、観察はもういいんだな?も、もどってどうするんだな」
「そうだ衆人観察は終わりだ。 学園の生徒を調べる。他も招集をかけておけ」
踵を返す生徒は、それまでぴくりとも動かさなかった表情を、口端を少し吊り上げる。
「ヤンキーズ、丈児と言ってたな。 ずっと目を見られてする会話など何時ぶりか…
叩き潰してやるぞ」


元原と滑川のファーストコンタクトを想像して一本

  • 種族蔑視や差別意識みたいなのはまだまだあると思うよイレゲ各国 -- (名無しさん) 2015-09-20 20:55:45
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最終更新:2015年09月19日 19:26