続き物ですが暫定です
これはこれで・・・・・・とも思ったのでボツネタ晒し的な部分のある投稿になります
後々別ルート(別視点?)のようなものに書き換えるつもりです
「ほらハルコ。二人待たせてるんだから早く行くわよ」
「あぁん待ってよぉよーこちゃん」
肩に肩ひもをかけた鞄を両手で抱えて友人のハルコが駆け足に後を追ってくる。
腰辺りまで伸びたハルコの黒髪は時々清楚さすら感じるほどにサラサラだけれど今は大きくなびき慌ただしさを強調させている。
パタパタと駆けてくる様子は低い身長も相まってコミカルな可愛らしさを感じる。でもその身長に似合わずに揺れる胸は癪に障る。
「らにも坂本も待たせてるんだから急ぎなさいよ」
思いがけず冷たい声が出たりやや歩くのが速くなったりしたけれどこれは別に妬みとかではない。
私だってそこそこあるもん。
だからこのむかつきは妬みとかではないのだ。
そういうことのしておいてハルコの泣き言を無視して黙々と足を進めると正面からハルコに負けず劣らずちっこい人影が走ってくるのが見えた。
「あっいたっ!ハルコちゃーん!葉子ちゃーん!」
走ってきたのは最近やってきた怪しい転校生である温泉橋らに。
身長はハルコ並みであるがその髪は栗色のショートで胸は・・・・・・フッ
背の低さ以外にもなんとこの二人は意中の相手まで同じらしく、二人とその意中の相手が織りなすドタバタはいつも私を楽しませてくれる。
しかしハルコはともかく、らにの方は「一目惚れ」という話で私は実の所少し疑っている。
女の勘でしかないけれど私はどうも彼女にキャラを作っているような雰囲気を感じてしまうのだ。
2人の意中の相手であるところの坂本は私にしても、まぁ友人・・・・・・って言ってもいいよね?うんそのはず。そうする。
そうでなくてもハルコは間違いなく友人だし遊び半分で邪魔するようなのはやめてほしいのだ。
でもまぁ、ここ何日か見ている感じではらには坂本を誘惑するような言動はあるけれどあけすけすぎて逆に乗りづらいようなものが多いし、
恋敵であるところのハルコに対しても逆に焚き付けるような言動も見受けられる。
だからまぁ特に私から窘めるようなことはなかったのだけど、
「ヒロ君が惚れ薬飲んじゃった!」
これはさすがに見過ごせないのでは?
「まぁアイツが自分から飲んだっていうんならいいけど・・・・・・本当なんでしょうね?」
「ホントだよ。グイッて飲んじゃったんだよ」
「じゃっじゃあヒロちゃんってば目覚めて最初に見た人を好きになっちゃうの?!」
テンション高めに満面の笑顔で話し出すらに曰く二人の意中の相手となっている坂本八尋は自分からその薬を飲んでそのまま眠り保健室に担ぎ込まれたのだそうだ。
何を思ってそんな薬を渡したのか知らないが、この問題児(らに)は坂本を誘惑こそするがここまで強引な手は初めてであるので、「自分で飲んだ」というのも信用できなくもない。
というか計画的な犯行ならばわざわざ私たちに報告する必要もないわけだし、少なくとも予想外の事態であることは確かだろう。
「うん。2時間くらいしか効かないんだけどさ。その分強力なんだよ」
「強力ってどのくらいよ?」
「起こしたとたんにベッドに引きずり込まれて効果切れるまでヌップヌップするくらい」
「・・・・・・それは惚れ薬といっていいの?」
「手っ取り早いお薬って言った方がいい?」
どう考えても惚れ薬なんて生易しいものではないじゃない。
私は絶対起こさないわよ。
というかハルコに起こさせるのもどうかと思うんだけど。
いや、そもそも学校でそういうのは・・・・・・
「あぁ、そんな薬だから私たちに助けを求めに来たわけね」
常日頃から頭のネジが抜けたような直接的な誘惑を繰り返すコイツもさすがに実際する気はなかったわけだ。
まぁ当然と言えば当然なのだけどね。
出会ってからそれほど経ってもいない相手とそういう・・・・・・ンンッ!をしかも学校では・・・・・・
いやっ赤くなってない。赤くなってないから。
「いや、ヤるの自体はウェルカムなんだけどさ。今日あたりならまだ出されてもへいk「黙れ!!!!」」
なに言ってんの!?いや、そういうものなの!?私が初心なの!?
いやいやそんなことは!と隣を歩いていたハルコを見てみれば隅っこでうずくまって悶えていた。
「えっとーそれでさ。ハルコちゃんが学校でなんてヤダーって言うならわたしは楽しんでくるけどどうする?」
「えっ!?えぇと、うんと・・・・・・その・・・」
「いいんだよ?行っちゃう?行ってイってイッちゃう?」
ニヤニヤとしながらハルコの耳元に何やら吹き込むらに。
しばらく二人でじゃれ合っていたかと思えば唐突にハルコが飛び出してかけていった。
あぁハルコ。大人の階段を上るのね・・・・・・
「「あとで感想聞かせてねー!!」」
「あーーーーーーーー!!!」
で、だ
駆けて行ったハルコはまぁ後で話を聞けばいいとして気になるのはこっちである。
「それで、結局あんた何がしたかったの?」
「何がって?」
「坂本のことよ。あんた本気ではなかったんでしょ?」
「んーえっちしてもいいなーってくらいには好きだよ」
「またそんな・・・・・・」
「いやいや、わたしにしては結構本気だったよ?」
そう言って、らにはいつものように人懐っこい笑顔を見せる。
癖のかかったショートカットも相まっていつもは子供っぽく見えるその笑顔だが、
今はなぜだかいつもより大人びて見える。
まるで長い経験を積んでいるかのような、高校生らしくない表情。
子供っぽさと女らしさが混ざり合った年齢がわからなくなってくる顔のままらには続ける。
「多分さ、私が本気で落とそうと思えばヒロ君は落とせると思うよ?
でもさ、ほら私も死にたくないからさ。だからまぁ本妻はハルコちゃんで私はたまにおこぼれが貰えればいいかなって」
「死にたくないって・・・・・・どういうことよ?」
「そのまんまだよ?葉子ちゃんも気を付けた方がいいよ。本気でヒロ君落とそうとしたら」
「ハルコちゃんに殺されちゃうよ?」
数日後のことだ
ハルコの話では結局あの時坂本には薬は効かなかったらしい。
らには「きっと最初から惚れてたんだね!」なんて言っていたけれど、
はたして惚れ薬というより超協力な媚薬と言った方がいいような薬にそんなロマンチックな理屈が通用するのかは疑問だ。
でも、まぁ私もそんなロマンチックな結末であってほしいとは思うのだ。
だってあの二人は私の数少ない友達なんだから。
それはそれとして。
私はらにの言葉がずっと引っかかっていて、二人っきりになった際にハルコに直接聞いてみることにした。
「ねぇハルコ」
「なぁに?ようこちゃん」
「あの惚れ薬事件の時さー。らにが私たちに知らせずに本当に効き目のある薬で坂本を惚れさせてたらどうしてた?」
「効かないよ」
「いや、だからもしも聞いたらって・・・・・・」
その時、私はちらりとハルコの顔を覗ったのだけど、それは本当にファインプレーであった。
だってその時のハルコの目が、
「効かないんだよ」
まるで覗いてはいけない深い穴のように真っ黒で
「ヒロちゃんはね。身長低くておっぱいおっきくて髪が長くてヒロちゃんのことが大好きで、でもちょっと恥ずかしがっちゃう子が好きなんだよ?」
「あたしはヒロちゃんが好きな子になるんだよ?」
「ヒロちゃんが背の高い子が好きになればそうなるしおっぱい小さい子が好きになれば小さくなるんだよ?」
「ヒロちゃんの好きな子はあたしなんだから他の子を好きになることなんてないんだよ?」
「神様が教えてくれたから間違いないんだよ?」
あぁ、触ってはいけないところなんだなぁと、心から思ったのでした。
「ところで神様って?」
「かみさまはかみさmaDあyオ」
そう言ってハルコが紙に猛烈な勢いで描きだした絵はただの目玉にしか見えなかった。
- 絶妙な対峙バランスの三者三様がなんとも面白い。三人ともガチと思惑に色があるが的になってる当人の想いは如何に。最後の「目玉」に試行錯誤の過程でボツになったのかなと感じた -- (名無しさん) 2018-01-30 00:17:19
最終更新:2018年01月30日 00:13