穴の底には何がある?
山は気持ちがいい!特にここのような異世界の汚染されていない青空と手付かずで瑞々しい緑を見ていると心が洗われるようだ!
今日はこの携帯の電波も通じないヒト里離れた所で一人ゆっくりと世俗の垢を落としてリフレッシュしよう。
……
「クソッ!道に迷った!携帯も繋がらないなんてどんな糞田舎なんだ異世界の山は!!」
声を荒らげて周りの草を蹴り飛ばす。
いや待て待て…私はここにリフレッシュに来たんだ。
地球人は慌てない!…まず、メシでも食って落ち着こう。
そう言いながらリュックから妻に作らせたおむすび(シャケ、たらこ、コンブ)の三種を取り出す。(風情を出すためにちゃんと笹でくるませている)
私が片手でくるんだ笹を開きながら片手で水筒を用意していると…コロン
シャケのおむすびが逃げ出した!!
「おい!待てコラおむすび野郎!!こんな時になんだ!?アレか?俺が出世できないっていうイギリス風のジョークか!?……もういい!死ね!!!」
私は裏切って逃亡したおむすびを踏んづけて亡き者にしようと転がるおむすびを追いかける。
しかし相手もなかなかのもので、私の追跡を掻い潜りどんどんと逃げていく…
「ゼヒューゼヒュー…ま、まて、待ってくれ!まずは話しあおうじゃないか…俺とお前の仲だろ?」
私は頭脳派だ。脳筋野郎のように体力に自身があるわけではない。
だから奴の注意を引くために作戦を交渉に切り替えた。
思った通り、私の話し合いという言葉に騙されたおむすびは逃亡を止め、私の交渉術の手に堕ちている。
「君が私に食べられるのが嫌というのは十分わかった。だから君のためにこれからの事を
十分に話しあおうじゃないか…」
交渉を続けながら私はジリジリと近づいていく…もう少し…後ちょっと……今だ!!
「かかったな!アホが!!!」
私は十分近づくと私に逆らった下等なおむすびを踏み潰さんと跳びかかる。
おむすびがそれに気づき、私の裁きのお御足を回避しようとするがもう遅い!!
…コロリン ボソッ!!!
いきなりおむすびのいた地面がなくなって黒々とした穴があく。
「しまった!?罠か!!!!!」
私はおむすびと一緒にいきなり開いたその穴へと落ちていった…
「「「Riceball rolling suttonton♪Riceball rolling suttonton♪」」」
奇妙に甲高い歌声で私は目を覚ました。
「ど、どこだ?ここは」
辺りは薄暗く……はなくむしろそこら中が輝かんばかりだ。
どうやら地下らしく天井があるがありえないくらい高い位置にある上に周りも非常に広大な空間である。
そして、目の前にはどこかで見たような西洋風の馬鹿でかい原色バリバリのお城や建築物が立ち並んでいる。
「…ち、千葉の夢の国が地盤沈下したのか?」
私はショックで朦朧とした頭をふりながらその歌声の方へと近づいていった。
少し歩くと歌がどこから聞こえてくるかはすぐに分かった。あの馬鹿でかい悪趣味な城の前だ。
私は恐る恐る建物の影を利用しながらその城の前に近づく…とそこには
「HYAHHAAAAA!Make Rice cake!」
「Hooooooow!In Salmon」
「HAHAHAHA!We make The Salmon rice cake!!!」
うぉるとさんに怒られそうなデザインのねずみによく似た何百匹もの小人達が餅つき機で餅をついていた…
私はあまりの光景に声を失い(断じてビビってはいない)よろよろと後ろに下がった。
ジャリッ…
小石を踏んだ音でねずみ達が一斉にこちらに振り向く。先ほどの陽気な様子とは一変して皆一様に無表情で無言だ。…沈黙で耳が痛い。
突然ショボショボとどこかで水音がして少し安心する(断じてチビってはいない断じて…)。
「…OJIISAN?」
「Ah,OJIISAN?」
何かと勘違いしているのか顔を見合わせて話し合っている。
「い、イエス!まいなーむいずojiisan!」
話を合わせた方がいいと思った私は、何とか自分がojiisanなるものである事を分からせるため必死にアピールする。
すると一匹が走り寄って来て私の手の甲を舐めてきた。
「…?」
「……Huuum…」
そいつはちょっと唸って考えるとこう一言呟いた。
「…No. This is Fresh meat. …Do it!」
私は背後の奴らが歓声を上げて飛び掛ってくる前に一目散に逃げ出した!
五分後
「ヒィッヒィッ…」
忘れていた…私は頭脳派だったのだ。
体力であの化け物共に勝てるはずがない。
あの小さな化け物どもは私の後ろにぴったりと付き、あと数十メートルで私のお尻にカブリつける所まで来ていた。
「HYAAAAAAA!Fresh meat!!!!」
「Hey!Wait meat ball!!」
「HAHA!Wait boy !I like man. In a food meaning.HAAAAAAAO!!!」
何を言っているのか分からないが捕まったら死ぬよりひどい事になるのは確実だ。
何とかこの状況を打開しなければいけない。
考えて考えて考えた末に私は手近な建物の影に隠れた。
追ってきていた化け物どもが私が隠れた建物に近づく…
「HEYHEY!Where you are?」
「Come out meat!」
「Found……There」
ジリジリと獲物を追い詰めるために詰め寄ってくる。
…一発勝負だ。私は奴らが十分に近づき緊張が高まった所で携帯のボタンを押しムービーを再生する。
『にゃーーお♪みゃおみゃおみゃおん♪…』
可愛らしい猫の甘えた声が周囲に響き渡る。
……………
「…CAT?」
「CAT…」
一瞬の沈黙の後
「GYAAAAAAAAAAAA!!!Devil came out!!!!」
「Let’s Get out here!!!!!」
「NO!NO! Please eat me!!」
「This is hopeless!!」
「HELP ME!!My Goddess YOMOTUOKAMI!!!」
その場は混乱に包まれた。
ザマーミロ!!私の妻より可愛がってるミケちゃんはお前達には恐ろしかろう!!
私は勝ち誇り何度もミケちゃんの動画を再生する。
その度にネズ公共は混乱し、我先にとどこかへ逃げさって行った。
「ククク…人間様の知恵に勝てると思ったのが貴様ら下等生物の敗因よ!」
私は勝ち誇り、そう一人呟いた。
勝ち誇りたくもなる。私は一瞬でこの地下の広大な国をまるまる手に入れることができたのだから!
「さてこの国をどうするか…テーマパークにして一稼ぎするか、それとも地球の政府や研究機関に高値で売るか…」
私がこの後のバラ色の人生を思い浮かべた。目尻が自然に下がってくる。
と、突然!
バチンッ
ブレーカーが落ちたかのような音がしていきなり辺りが真っ暗になった。
「な、なんだ!?いきなりどうした?電気代の支払いが滞ったのか?」
私は手探りで照明の設備がありそうな城へと進もうとするが、すぐそこらにぶち当たり1mすら進まない…
そ、そうだ私が落ちてきた穴から光がこぼれているはず!そう考え天井を見る…
ここが深すぎるから全く光は見えない。
私は頭をかきむしった。そして自分の手に何かがあるのを思い出した。
「ははは…携帯があるじゃないか!これを照明がわり使えば」
私は携帯を開いて前へ向ける。
「Chuu?」
そこには逃げ遅れたらしい何かがいた。
そしてそいつは眩しそうに小首を傾げると私に質問した…
「…You are OJIISAN? ………or Fresh meat?」
「……あ、あ、ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!」
THE END
蛇足
ネの国が書きたくなって書きました。千葉県と夢の国と英語圏の国に恨みはありません。ネタにしてごめんなさい。
あと神様の名前はいつかスレで決まることがあったら書き直したいと思ってます。
- 考えてみれば地下に住んでいる種族もいて当然ですよね異世界。過去に夢の国大好きな人が地下に転移してネズミな方々をプロデュースして一大地下帝国を…と考えると何か楽しくなってきました -- (名無しさん) 2013-10-21 03:14:54
最終更新:2013年10月21日 03:14