さて。ちょっとだけ雑談。
ここ十津那学園周辺には様々な飲食店が集結しています。
ラーメン屋、カレー屋、蕎麦屋にうどん屋、ファミレスにチェーン店。
十一門世界からの出店もあるのだとか。
今回はその中でも、学園生に人気の高い5店をランキング形式で紹介します。
【第5位】
カレー専門店「みぎに」
神戸開港の頃から営業していると豪語する(もちろん冗談です)老舗のカレー店。
激辛ブームにもスープカレーブームにも一切乗らなかった頑固一徹の店主
明石剛人さんのモットーは「俺がカレーだ」
とある有名な食通が店を訪れて「この店は本物のカレーを出すと聞いたが、カレーとは何かね?」
と聞いて来た時に、思わず大声で叫んだのがこの一言だったのだとか。
味の秘訣は、店主自ら探し当てたスパイスを独自調合するスタイル。
どんなグルメな人でも、その全てを言い当てるのは困難なのだとか。
「何年か前に、毎日のように通いつめて食い続けて、とうとう全部当てたヤツがいたなぁ」
と、懐かしそうに語る店主の姿が印象的でした。
一番人気は「チキンカレー」王道です。
【第4位】
お好み焼き屋「秋月」
何故か大延都市部からの留学生に人気の高いこの店。
理由を尋ねると、大延国首都である大都で「大都焼き」というそっくりな料理があるのだとか。
世界を越えてお好み焼きが存在するなんて、ちょっと興味深いものがあります。
現在の店主は店を継いで3年目の女性店主リツ子さん。眼鏡が知的な方です。
「老若男女に大人気!お好み焼きは青春の味よー!」との事。
学生のアルバイト先としても人気があるようで、その中でも思い出深いエピソードとして
先代の頃にこの店の味に惚れ込み修行と称して入り浸って、味を完璧にコピーした学生もいたのだとか。
一番人気のメニューを聞くと、「何といってもシーフードハイパーミックス」だそうです。
美味しくて栄養満点。値段も手頃で学生人気も頷けるものがありました。
自分で焼けるのも、ちょっとした調理気分で楽しいかもしれませんね。
【第3位】
中華料理店「張郷金ラーメン」
神戸中華街の老舗と、大延国からの移民が出会って生まれた驚異の店。それが張郷金ラーメンです。
学生からすると若干敷居が高い印象を受ける店構えなのですが、それでも3位にランクイン。
それだけ魅力的な味という事なのですね。
店内では地球人と大延からの移民の狸人が忙しそうに調理する姿が見えます。
メニューを見ると、中華料理なのか大延料理なのか素人にはわからないくらい、
色とりどりで美味しそうな食べ物が写真入りで紹介されて掲載されています。
ちょっとお値段がお高いのが、学生の財布には厳しいところです。
さて、一番人気のメニューはというと「大中麺」だそうです。
大延国の最高峰のスープに、中華料理の技法を活かした餡が絶妙です。
【第2位】
十津那学食「すたーしーかー」
なんと2位に我が校の学食がランクイン。しかしこれには納得する人も多いのでは?
ボリューム満点、値段も格安、メニューもそこらのファミレス以上。
時々季節のメニューで無茶するのもご愛嬌。
カツヲのたたきが1kgも丼に入った海鮮丼が、破格の500円なんてメニューもあったのだとか。
そんな学食を支えるのは、12人の調理員の皆さん。
外部委託するのが一般的ながらも、当学園は学園長自らがスカウトして回ったのだとか。
調理長のフェイ・リーリンさん(25歳女性。狸人)に一番人気を聞いてみると、
「その日に一番売れるのは日替わりA定食なんですけどね。
男子学生さんに一番人気があるのはギガ盛り牛丼おしんこ味噌汁付き。
特に運動部の男子に大人気です。
女子学生さんに一番人気は、神戸タワーバナナチョコパフェって事になってます。
本当はダイエット定食なんですよ。これ隠しメニューです」
だそうです。筆者のオススメはホットサンド紅茶付きです。
【第1位】
そして栄光の1番人気はと言えば・・・
なんと駄菓子屋「白い巨糖」
意外?順当?人によって随分と印象の分かれそうなこの結果。
その票の大半が駄菓子、水飴狂信者と化した蟲人票と、
幼少期より足繁く通っていたという生徒の思い出票、
さらに「ここで引いたら超レア出まくる」というデマと都市伝説に魅了された
戦札廃課金主義者(ゲームモンガー)によって、見事1位を獲得。
それではここの名物料理を紹介。
1番の売れ筋は言うまでもなく水飴。1kgの単位で購入する学生もいるとか。
蟲人以外には店独自で作っているポン菓子が売れ筋なのだとか。
さあ、記事も完成した事だし、サックリと帰るとしますかね。
時刻を見ればもう20時をまわっている。
PCの電源を落として部室を施錠し、高等部玄関から大学部正門を抜けて帰宅の途につく。
小腹も空いたし、せっかく取材したんだから、どっかの店で何か食べていきますか。
一番近くにあるのは「白い巨糖」だけど、駄菓子屋じゃ腹の足しにならないし。
店主のアンリさんにつかまってコイバナを延々と聞かされるってのもアレだし。
むしろ聞かれても自分には何のネタも無いし。
コンビニがポツリポツリと明かりをつけて並ぶ中、「白い巨糖」を見つける。
店内を横目で見ると、上下共に真っ黒な学生服を来た男の人影が水飴を食いあさっている姿があった。
うわ・・・絶対あれシャーロックだ。アイツの擬態、ほんと見た目だけだな。
見なかった事にしよう。
- ただの解説だけに終わっていないのが面白い。こんな感じで色んな場所や国の施設の紹介とかでできないものだろうか -- (とっしー) 2012-09-18 22:17:47
- 食い物屋はドラマの塊なんじゃないかと思うぞ -- (tosy) 2012-09-21 22:16:15
- 学園食い処マップ欲しい。それにしても見なかったことにされたシャーロックの姿とはどんな有様だったのだろか -- (名無しさん) 2012-10-30 11:08:17
- 読んでてお腹が鳴るSSはよいSS -- (名無しさん) 2013-02-08 00:42:37
- 地球にあって異世界が混ざり合う場所の説明を、ただ珍しい素材だけで作らずに想像しやすい店の様相でまとめたのは面白いと思いました。 方々から話の種を集めているのも読んでいてニヤリとしました。 ただ感じたのが、語り口調で統一している中でそれぞれの店の説明内容と順序立ての統一感の薄いところと段落が次へ行く際の基準が読み取れないというのがありました -- (名無しさん) 2013-09-13 00:02:06
- イレヴンズゲートらしい地球にあるお店としての説得力ある解説でした。五つの中で秋月でお腹いっぱいになってみたいとよだれが出ました -- (名無しさん) 2015-02-01 17:37:27
最終更新:2014年08月31日 01:51