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【とあるごっずの御供のとある日】

 余人の立ち入ることなど不可能な神域、奈落界。
 遥か地の底のそのまた先に存在するとされるこの地に住まう神が居る。

 そこは、住居というよりも、異界の言葉で言えば工廠、工場、否、コンビナートという言葉が最も相応しいだろう。
 その絶大なまでの広さと広大な建造物を内包するその施設に、小さな客が訪れた。
「失礼いたします。 先ほど我が主が御前に御所望された物が仕上がったとの御連絡を頂きました故、主に代わり受け取りに参上仕りました」
「遠路遥々ご苦労。 さぁ持って行け」
「御面倒をお掛け致しました。 では、御縁がありましたら」
 自身の5倍はあろう袋包みを両手で下げ、小さき客は空へと飛び立った。

「父よ、先にお作りになった物を渡しておきました」
 父と呼ばれた存在は、それに応える事無く、只管に卓に向かって塊から異界ビトの姿を削り出し続ける。
「『門』により異界と繋がってより、父は常々異界ヒトの造形に執着しているな」
「年に数度、お作りになられたモノをご持参の上、異界に向かわれているし・・・」
「一体、異界には何があるというのだろうか」
「次回御出立の折には、私共にもご同行させて頂けるようお願いしてみよう」
 父を慕う3人の子供たちは頷き合う。


 所は変わり、地上で最も高いと知られる世界樹の頂よりもさらに上、雲居のさらに上にある天星界。
 神でなければ立ち入ることなど出来ないこの領域に住まう神が居る。

 そこは、異界の遊具や模型で溢れかえる片隅に、書類の山と、印鑑が置かれた小さな業務卓が置かれた空間。
「主、只今戻りまして御座いますれば」
「ふむ」
「頂いてきました荷物は如何致しましょう」
「持って参れ」
「御意のままに」
 帰宅した小さな客人は、主の許へ、運んできた荷物を運び出す。
「ふむ」
 手元に携えた黒光りして絵が動く箱を置いて、主は荷物へ手を伸ばすと、やおら開封し始める。
「流石の腕だな。 注文通りだ」
「して、コレは何なので御座いましょうか」
「この3つはLVX エリュシオン・パーシアス・メルンヴァで、こちらが神巨人型NNS ズルフィカールだ」
「異界の遊具に御座いますか」
「元はな。 だが、動くぞ」
 主の手により箱から出された4機の遊具が動き出す。
「成程。 あのお方がお作りになった物ですから、この位は当然、と言ったところでしょうか。 しかし、このような遊具を何故に」
「試練だ」
「試練であれば仕方ありますまい」
 小さき者は業務卓に座り、職務であり日課である捺印作業を再開した。

  • 他者と交じり合わず己だけの世界に生きる神とそれを父と慕う造物とでは永遠に相容れないのかもしれませんね -- (名無しさん) 2015-04-12 18:43:57
  • 超絶(自律)可動ワンダホー!いつどこで地球と接点もってるのか謎な神いいよね -- (名無しさん) 2017-01-14 18:52:06
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最終更新:2012年11月17日 22:08