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ひぐらしの無くなる頃に【後編】



【天使の溜まり場】
色々とあったが、今の雛見沢は平穏そのものだ
生贄とか色々と時代錯誤でも今が楽しければそれでいい
放課後、ゆき兄に誘われて怪しい店へ連れてこられた

俺「どうかな、たまゆら君」
た「どうって…お洒落な店だな」
俺「それだけかい」
た「…何に対して突っ込んでほしいんだ?」
俺「店員、の制服」

けっこう露出度の高い制服を着た
なかなか可愛い女の子たちがアクセクと働いてる

た「…」
俺「こういうの嫌い?」
た「そんなわけないじゃん!」
俺「ないじゃん!ないじゃん!スゲーじゃん!」
た「んじゃあケーキ食べるか!」
俺「チョコパフェくださーい!」
た「あの角度ヤバクね?」
俺「ちっちっち…いいか、よく見てろよ」

ゆき兄は店員が横を通るのを見計らってわざとらしくスプーンを落とした
俺「あ、すいません」
店「あ、いいですよー」
店員がしゃがみこんで…!あ、見えない!この位置からじゃ見えない!
ふと見るとゆき兄がテーブルの下を見ろと目で合図してる。
テーブルの下をチラと見るとゆき兄の手に鏡が…!!
やべぇ、ゆき兄すげぇ、何という変態奥義!ちょっと手馴れてるとこがまた恐い。

10分後。
ゆき兄は店外に叩き出されていた。



【桃が腐っちゃう】
桃「…おはよう…みんな…」
なんだか今日は桃花に元気が無い
いつものテンションはどこに行ったんだろう
夜「たまちゃん…ちょっといい?」
夜叉丸に呼ばれて校舎裏に行った
告白?
そう思ったが、眼鏡にきのこさんにゆきちゃんもいた。

た「叔父が…?」
夜「…うん、桃花は叔父の世話をさせられてる」
め「暴力を振るわれてる可能性もあると思うんだ」
き「でも、いつも元気な桃花があんな状況になってるんだから…心に相当酷いダメージを受けてるはず…」
た「くそ!どうすりゃいいんだよ!」
ゆ「警察は?」
夜「駄目なんだよ…他から見て叔父は別に犯罪を犯してるわけでもないし
  現行犯で捕まえなければ…それに、桃花にその気が無いと私たちには何もできないんだよ」
き「桃花は兄がいなくなったのは自分のせいだと思ってるから耐えてるの」
た「そんな…じゃあ俺たちは桃花がボロボロになっていくのを指をくわえて見てろって言うのかよ!」
全員「…」

重い空気に全員が口ごもっていると
突然、テンションの高い声が聞こえた

俺「話は聞かせてもらった!」
た「どっから沸いたぁぁぁ!」
俺「んじゃ、ちょっと行ってくる」

ゆき兄はスタスタとどこかに歩き出した
た「ど、どこに?」
ゆ「追いかけろ!あいつ何するかわかんねぇぞ!!」



【バースト!】
た「桃花!ゆき兄を知らないか!?」
桃「ゆき兄…いえ、今日は姿を見てませんが」
た「…一体どこに」
き「…叔父に…」
夜「まさか!」
ゆ「いやありうる!あいつ、キレたら何するかわかんねぇ!!」
桃「何が起こってるんですか?」
た「早く桃花の家に行かないと!」

─桃花家─
叔父(雷雲)「アナタハダレデスカ?」
俺「正義のヒ~ロ~」
雷「ナニヲイッテルノデスカ」
俺「変身するぜぇ!!」

日本酒竜馬を一気飲み
血液が全身を駆け巡る

雷「オイシソウデスネ。ワタシニモワケテクダサイ。」
俺「だらぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

鉄パイプが雷雲の頬を掠める
雷「………今、本気で殺そうとしやがったな!上等だクソガキ!!」
俺「あぁ!?普通に喋れるんじゃねーかよ!!」
雷雲の爪がジャキン!と伸びた
命を穿つ、死神の爪
俺「てめぇ何者だよ!!!!」
雷「桃花の叔父に決まってるじゃねぇか!!」
俺「認めねぇよクソボケがッ!!!」
雷「ぶっ殺すぞクソガキがッ!!!」
俺「やれるものならやってみやがれ!!!
  俺の幸せ計画コンプリートにお前は邪魔者なんだよッ!!!」



【バースト!バースト!】
た「急げ!」
夜「ゆき兄…本当に殺そうとなんかしてないよね」
ゆ「…」
た「…殺しても何も解決しないんだ!人を殺して得る幸せなんか間違ってる!!」
き「早く止めないとゆき兄が殺人犯になっちゃうよ!今まで何度もあったけど今回ほど急に行動を起こすのは…」
桃「…何を言ってるの…?今まで何度もって…」
た「今は早くゆき兄を止めないと!」

  • 桃花家-
俺「どーした、どーしたぁ!!もっと楽しませろよ!!」
雷「クソガキがッ!あまり調子に乗るんじゃねーぞ!」
鉄パイプは舞い続ける
それを避け続ける雷雲

鉄パイプが障子を突き破りヘシ折れた木材部分に絡め取られた
俺「チッ!」
雷「ざまぁねぇな!!」
俺「クソッ!」

鉄パイプを手放し爪の攻撃を避ける
形成は逆転。

雷「ほらほらほらほら!さっきまでの威勢はどこに行ったぁ!!」
俺「ちッ…あいつは身体自体が武器になってる分こっちのほうが不利か…
  それなら!!」

階段を駆け上がる
俺「地の利を利用してやる!」
雷「逃がすかッ!」
俺「…この部屋はッ!?」

ほぼ全ての部屋が乱雑な状態になっているにも関わらず
たった1部屋だけ綺麗な状態に保たれた部屋があった。

追いかけて飛び込んで来た雷雲が何かにつまずいて転倒する
ガランガランガランガラン!!!
大量のタライが落ちてくる。
俺「うわぁお!!」
雷「くそ!あの小娘!!」
俺「武器は!?武器!」

目についた、金属バット
俺「ちょっと借りる!!」
雷「クソガキがいつまでも調子乗ってるんじゃねぇぞ!」
俺「そりゃてめぇだろ、いつまで俺の幸せを邪魔しやがんだよ」



【バースト!バースト!バーストォォォォ!】
俺「ハハハハハハハハハハハ!!!」
雷「ごぁッ!がぁッ!」
俺「死ね!汚い脳漿をブチまけろ!!」
雷「ぐえっ!がはッ!」
俺「罪の十字架を背負うのは俺だけで十分だ!誰にもできない事ならあえて俺がやってやる!!
  お前は消えろ!2度と俺たちの前に姿を見せるな!」
雷「ごあぁ…」
俺「トドメだ!」

た「やめろぉぉぉぉぉぉぉ!」
俺「たまゆらッ!?うあっ!」

俺は勢いよくゆき兄に体当たりした
予想外の攻撃にゆき兄は容易に転倒した
そのままゆき兄に上乗りになった

俺「邪魔するなッ!そいつは殺す!殺さないといけない!!」
た「殺しで桃花を救えるかッ!俺たちが救えるかっ!」
俺「他に方法が無ければ、消し去ればいい!消去だ!!」
た「もう少し考えやがれ!!絶対に他に方法があるはずなんだよ!!」

言い争いの中、絶叫
事態はどんどん急転する

桃「いやぁぁぁぁぁぁぁあぁああぁ!!にーにーの!にーにーの部屋が!!」
俺「!?」
た「!?」
雷「…」
桃「いや!いや!いやぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

錯乱している
くそ!一体何なんだよ!

た「落ち着け桃花!」
桃「いや…いや…いや…!出て行け!出て行け…!」
た「桃花…!?」

桃花の手には包丁が握られていた
切っ先は俺達に向けられていた

た「な、何の冗談だよ!」
桃「ここから、出ていけぇぇぇぇ!!」



【Kill me again】
た「落ちつけ!」
俺「雷雲…殺さなきゃ…殺さなきゃ…」
雷「ぐ…そがきがぁ…」
桃「出ていけ…出ていけ…」
た「あああああ!どいつもこいつもぉぉぉぉぉ!!」

金属バットで阿修羅のゆき兄
包丁持って正気じゃない桃花
爪が伸びてフレディみたいになってる叔父の雷雲
まずい、逃げ出したいが逃げたらどうなるかわからない

夜「助けに来たよ!」
ゆ「うちの馬鹿はまかせろ」
め「桃花ちゃん落ち着いて!」
夜「えーっと、雷雲は私が抑えておくね!」

よし!これで落ち着くかな!
俺「離せ!離せ!離せ!離ごっ…ふぅ…」
ゆ「寝とけ」

雷「やめれ!靴下なんか口に突っ込むががが…」
夜「自分のだから別にいいじゃんか…」

よし、これで取り合えず2人は落ちついた!
後は…桃花か…!

め「落ち着いて!桃花ちゃん!」
桃「にーにー!にーにー!にぃーーーーにぃーーー!!」
た「一体、どうしちまったんだ!」
全員で暴れる桃花を抑え込む
た「ぐう…何て力だよ…」
夜「落ち着いてよ!…頼むから」
桃「あああああああああああああああああああ!!!!」
全員が力に耐え切れず吹き飛ばされた
夜「うっ…」
夜叉丸が頭を打った
ゆ「夜叉丸!!」
ゆきちゃんが駆け寄る、眼鏡も
た「2人とも夜叉丸を頼んだ!安全な場所に!!」


【袋小路の友情模型】
やるしか無いのか?
俺がやるしかないのか!?
でも、どうすればいいんだよ!桃花を殺す事はできない…!
何とか落ち着かせないと!どうやって!?
それでも、それでもやるしかない!!
震えるな!震えるな!今、皆を救えるのは俺しかいない!

桃「出ていけぇえええええええええ!!」
包丁がかすめる。身体をひねってなんとか避ける
桃「ああああああああああああ!!」
振り向き際に左手からの裏拳
た「ごあッ!」
吹き飛ばされる、一体どこからこんな力が出てるんだ!?
桃「出ていけ…出ていけ…」
た「落ち着いてくれ!!頼むから!!」
どうして、届かない!
どうして、俺の声が届かない!
どうして、皆の声が届かないんだよ!!

少し手荒に行くしかないのか…?
俺の手にカツンと当たった、金属バット
これを…使うしか…!
バットを握り、立ち上がる、桃花の様子が更におかしくなる
桃「あ、あっ、あ、ああ、ああ、ああああ!!!」
た「な、何だ!?どうしたんだよ!」
桃「にーにーの!にーにーの物に触るなぁぁぁぁぁ!!」

絶叫と共に包丁が振り下ろされる
金属バットでなんとか受け止める!
…今、腹部を蹴れば…だけど…蹴れない…!!
桃「うあああああああああああああああ!!」
た「ちくしょう…攻撃できねぇよ…!どうすりゃいいんだよ!!」
防戦一方で反撃が出来ない…!
桃花はとても女の子とは思えない力で慈悲の欠片も無く攻撃を繰り返してくる
だけど、俺には理性があって…攻撃できない!
このままじゃジリ貧だ…!どうすればいいんだ…!!

た「頼むよ!お願いだよ!元に戻ってくれよ!!!」
桃「ああああああああああああああああああああああ!!!!!」
た「…何で…届かないんだよ…」
体に血が巡る、目の前の脅威を退けろと脳が信号を送る
どうして、届かないんだ、俺の声が
届かないなら、届かないなら

おまえはもう、なかまじゃない


【お前なんか仲間じゃない!!】
た「…これだけ言っても…わかってくれないのかよ…」
桃「…出て…行け…触るな…触るな…!」
た「お前なんか…お前なんか…!!!!!」

─仲間じゃない!!!!!─

俺は金属バットを大きく振り下ろす
桃花は金属バットを避けて俺に包丁を刺そうとしてきた
た「俺とお前じゃリーチが違うんだよ!!!」
蹴り飛ばしてやる
転がりながら壁に激突する桃花
桃「うわぁああああああああああああ!!にーにー!にーにー!!!!」
た「散々騒いで今さら命乞いか!?」
バットを握り締め、1歩、1歩と近づく
桃「助けてよ!!にーにー!にーにー!!!」
あと3歩で、射程範囲内
お前は俺の声が聞こえてない、だったらお前は仲間じゃない
仲間じゃないなら、お前は俺を殺そうとした
だから、これは正当防衛
お前なんか!お前なんか!仲間じゃない!!!!

バットを振り上げる!
振り下ろす!1秒もかからない!!
た「信じてたのに!裏切りやがった!!!!!」
桃「にーにーーーーーーーーー!!!!!」

ゴガッ!!



【赤く、ただ赤く】
無音が、部屋を包む
静寂の中、ひぐらしの鳴き声すらも止まった。
た「ゆき兄…」
俺「違う…殺す相手は…桃花じゃない…」

頭から大量に血を流しながら、そう呟いた
俺の振り下ろしたバットは、飛び込んで来たゆき兄の頭を打ち据えた

桃「うぁぁぁぁぁぁあ!!」
何で、泣いてるんだよ
全部、お前のせいじゃないか
お前が悪いんじゃないか…!
だから、だから…!
本当に?
本当に桃花が悪いのか?
こうなった原因は?
そうだ、桃花がこうなった原因は?


叔父だ。

叔父を殺さないと、ゆき兄がやろうとしたように
雷雲を殺さないと!原因を取り除かないと!
俺たちの幸せに歪に入り込んできやがったこのクソ野郎を殺さないと!!



─外─
き「L5が…連鎖反応を起こすようにどんどん発症してる…」
神「こんな事は今までなかったけど…」
え「今回の世界は本当に何が起こるかわからないね」




【止まらない、衝動。狂いだす、理性。】
雷「ふごもがががが!」(何でこっちに来るんだよ!俺は動けないし、もう瀕死なんだぞ!!)
た「まだ…まだ生きてる…ゴキブリ野郎…!」
バットを強く握り締める
強く握り締めすぎて、手から血が流れ出る
た「ゆき兄、そうだね。[ピーーー]相手はこいつだ…!殺さないと!
  俺達の幸せのために[ピーーー]んだ!!!!
  これは善行だ!誰も俺達を裁けない!!!」
め「駄目ぇぇぇえええーーーー!!!」
不意の叫び声
来たのか、あまり、見せたくなかったんだけどな
た「目をつぶってろぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!」
脳が飛び散る光景を見せるのは多少、気が引ける
でも!今!こいつを!殺さないと!!!
夜「やめてぇええええええええええええええええ!!!」
バットが止められる
た「何で皆邪魔するんだよ!!俺は皆のために!!」
め「違うよ!こんなの誰も望んでない!!」
た「今は間違いと思うかもしれない!!
  だけどいつかきっとこれが正しいと!最良の選択肢だったと思えるから!!
  だから、止めるな!!!」
夜「違う!!こんなの、絶対に違う!!
  力で抑えつけて力で解決はできない!
  こんなのこの叔父と一緒じゃない!!」
た「違う…!俺はこいつなんかと一緒じゃない!!
  俺は皆のためにこいつを殺すんだっ!!!」
め「…桃花ちゃんを見て、まだそんな事が言えるのッ!?」

桃花は泣き止んでいた。
俺を、見ていた。怯えていた、恐怖に塗りつぶされた目をしていた。
何で、そんな目で俺を見るんだ?
俺は、お前を助けよう…としてたのに…
どうして…そんな目で、俺を…?

バットがカランカランと落ちる
た「やめっ!て…!あがぁぁ!…そんな目で!そんな目で見ないでくれ!!
  俺はッ…!お前をまたあの楽しい世界に…!!!
  そのために…!俺は自分の手を!!!血で染めてッ…!!」


【読めない未来】
ドアが開いた
き「みんな、そのまま!」
め「きのこさん!」
た「あッ!…あッ!…違う!…俺は…!ただ…幸せを…!!」
き「そうだね、それは皆わかってるから!
  腕を出して!」

プスッ

た「うっ…」
き「桃花も!」
桃「…」

プスッ

き「一応ゆうくんも」

プスッ

め「それ…何?」
き「んーと…えーと…鎮静剤
  わざわざ、小川診療所まで行って取ってきたんだよ」

─数十分後─
腹「こりゃまた派手に壊れてますねー、立派な家が台無しですよ」
夜「桃花が殴られてるのを見て逆上したゆき兄とたまちゃんが叔父に襲い掛かったんです
  叔父も抵抗して、3人とも…」
腹「なるほどなるほど、とりあえず怪我人は全員診療所に運び込みます
  怪我が治り次第事情聴取ですねぇ」
夜「…皆を困らせるような状況にするなら
  夜叉丸家は全力でかかりますよ」
腹「んっふっふ…恐いですねぇ、よーく肝に命じておきますよ」




【役に立つような役に立たない事実】
小川診療所のある一室で会議が行われていた
小「えーと…じゃあ…トンカツさん…彼らの状態を」
ト「桃花ちゃんは薬をしばらく打ってなかった事と極度の精神的ショックからL5を発症したようね
  今は落ち着いてるわ」
小「たまゆら君は…」
ト「本来ここまで短期間で一気に発症するのは考えられないわね、新説よ
  例え、雛見沢から出てなくても極度の精神的ショック…感情の高ぶり
  言い換えれば絶望や怒りでL5は発症してしまうのね」
小「そうですか…」
ト「ああ、あともう1人、ゆき兄君だっけ?」
小「彼がどうかしましたか?」
ト「検査ミスだとは思うんだけど…
  なんか血液データを見る限り…」
小「限り?」
ト「24時間365日ずーっとL5を発症してるようなんだけど…まさかね…」
小「…検査ミスだと思います」
ト「そうよね…3回ぐらい検査したけど…さすがにこれはおかしいわよね…」



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最終更新:2009年11月01日 00:48