空、陸、海
空の子はいつも何かを見ていた
だから地上で起こることは何でも知っていた
自分に知らないことは無いと思っていた
だけどある日深海から海面に上がってきた鯨を見た
驚いた空の子は空から落ちてしまった
地上に叩きつけられ自分が今までいた空を見上げた時、空の子は知った
自分は自らが立っていた場所のことすら何も知らなかったことに
空から落ちた空の子はまだ空を見上げ続けている。
海の子はいつもうずくまっていた
ただいつも静かにそこにいた
大海に抱かれ続ける海の子の心には常に平穏
揺さぶられることは無く
深い海の底のように静寂を保ち続ける
でもただそれだけ
もう海の子は自分が生きているのか死んでいるのかもわからない
それでも海の子はただずっとそこにいる
森の子はいつも歌っていた
新緑に囲まれた切り株の上に腰を下ろし陽気な歌を歌い続ける
誰もが励まされ森の子の歌に聞き入った
だから森の子は歌うのをやめることは出来ない
いつしか疲れ果て声が枯れてしまうかもしれない
だけど森の子は歌うのをやめることは出来ないのだ
だから森の子は今日も歌い続けている
新たなる光生まれる時に子らの瞳は還るだろう
ただその証だけを残していく
残される物は何なのか、いつしか誰もが滅ぶなら
証など必要であるのだろうか
それでも子らはいつしか還る時までただそこに…
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最終更新:2009年11月01日 01:19