0230:大賢者ウソップ?  ◆f9snfTF/yQ





【熊本県南部/日中(放送直後)】

ウソップの提案により、建築物や林、川などを調べながら熊本県まで到達したポップ・ウソップコンビ。
この2人に2度目の放送が流れる。

「・・・また14人も・・・」
「チッ・・・それにフレイザードも生きてやがる・・・」
仲間達の生存にほんの少し安心するも、フレイザードが殺戮を続けているかと思うと、ポップは気が気でない。
憤りに民家の壁を叩く。
(アイツは、アイツだけは、この手で何とかしないと・・・)

そんなポップの様子を見て、声をかけるウソップ。
「・・・おい、ポップ。一旦この『カゴシマ』まで戻らないか?」

「・・・ああ?どういうことだよ!こうしてる間にもフレイザードが・・・」
「今行けば救えるのか?それにフレイザードを倒せば終わりなのか?
 ポップ、オレ達の本当の敵は誰だ?」

ウソップの言葉にポップはハッとする。真の敵はバーン。
そして恐らくバーンと同等の力を持つ、フリーザとハーデスという名の男たち。

『魔法使いってのはな、誰よりも先を見てなけりゃいけねえ。』
師、マトリフの言葉を思い出す。

「そうだよな・・・こんな時だからこそ、冷静にならないとな・・・
 でもどうして『カゴシマ』なんだ・・・?
 第一、次の禁止区域が『クマモト』になった場合には、
 2時間で『カゴシマ』から『フクオカ』まで移動しなけりゃならないんだぞ。」
「フッフッフッ・・・甘いなポップ君。一つ一つ説明してあげよう。」
「いいから早く説明しろよ・・・」
「ウォッホン。まず、次に『クマモト』が禁止区域になることはありえなぁい!」
オーバーアクションで断言するウソップ。
「なんでだよ?」
「バーン達は、なんでこんなまどろっこしいことをしたんだ?
 オレ達に殺し合いをさせるためだろ?
 ただ殺したいだけなら、この首輪を着けただけで目的を達成できるはずだ。
 例えば、全域を禁止エリアにすれば、全員があっという間に片付けられる。
 禁止エリアに入っての死亡、というのは、バーン達にとっても不本意のはずだ。
 だから、なるべくならそんな殺し方はしたくない。」
「・・・なるほど。袋小路を作る禁止エリアっていうのはやらないはずだ、ってことだな?
 それは分かった。でもなぜ『カゴシマ』に戻るんだ?」
「・・・脱出口のヒントが、『カゴシマ』にあるかもしれない・・・」
「なんだって?」
「あくまで可能性の話だけどな・・・
 主催者はどこかで監視している。
 ということは、不測の事態が起きた時には、どこかから介入する準備もあるってことだ。
 この世界に介入するとしたら、どこから来るか?
 上か、北か、南か・・・このエリアの範囲外から来るんだろう。
 この地図を見ろよ。最北が『ホッカイドー』、最南が『カゴシマ』だ。
 しかし『ホッカイドー』は禁止エリアになっちまった。
 だから調べるとしたら、まず『カゴシマ』だ。」

そう説明するウソップの目は輝いていた。
(ウソップ・・・こいつ、俺達の世界に生まれていれば、大賢者になっていたかもな。)

「・・・ようし、ウソップ!『カゴシマ』に行こうぜ。バーンを倒す糸口を必ず見つけてやる!」
意気揚々と今まで来た道を引き返すポップ。

(・・・フゥ~、ようやく納得してくれたか。
 せっかく誰も来ないエリアにいるのに、みすみす殺し合いをしてるような場所に行けるかよ!
 ここで何とか時間稼ぎしないとな・・・ポップはちょっと頼りねえし・・・ルフィ~!ロビン~!早く助けに来てくれ~!)

死にたくないばかりに大見得を切ったウソップ。
しかしその結論は、奇しくも「人間界最高の頭脳」Lと同じ結論であった。



【福岡県市街地/日中~午後】

すぐ戻る、と言ったまま帰らないヒソカを待つパピヨン。
しかし、あまりに遅い帰りに、福岡まで足を運ぶ。
そこで彼が見たものは・・・上半身だけのヒソカの死体だった。

「・・・ヒソカ・・・?」

蝶野攻爵は孤独だった。が、そのことを苦に思ったことはない。
父も弟も、先祖も手にかけたが、なんとも思わなかった。
ただ一人、自分の名を呼んだ武藤カズキにだけは、自分にも理解できない特別な感情を抱いていたが・・・
蝶野攻爵は、ヒソカにはカズキとはまた別の感情を抱き始めていた。
シンクロ。あこがれ。似ているようで、そんな言葉では説明できない奇妙な感情。
そんな感情の対象も、失われてしまった。

しかし、ヒソカの満足気な死に顔を見て、パピヨンは悟った。
「・・・先に行ってるぞ。」
それがパピヨンの精一杯の弔いだった。
そう言ってヒソカのバッグを持つと、当初の予定通り、南九州へと旅立った。



【鹿児島県南部/午後】

佐多岬にたどり着いたウソップとポップ。
「ウソップ~ア~イ~」
大袈裟に手で双眼鏡の形を作り、海を見つめるウソップ。
狙撃手である彼は、視力もよかった。

「おおっ、たくさんの島が見えるぞ。
 ・・・ん?なんで海は全部禁止エリアにしているのに、あんな島をわざわざ作ったんだろうな?」
「さぁ・・・どこかの群島をそのまま持ってきたんじゃないか?」
そう言いながら、ポップも考える。
(そのまま・・・必要な島だけ模写すればいいのに、なんで・・・余計な魔力まで使って?)
「なあ、この島って、実際にある島なのか?」
「さあ、オレは聞いたことのない地名ばかりだけど・・・」
「ここに集められた参加者って、色んな世界から集められたんだよな?」
「そうだな、オレとお前では世界も違うみたいだし。俺の世界には魔法なんてなかったな。」
「・・・なら、この島がある世界から来てる人間もいるんじゃないか?」
「 そ れ だ ! 」
(・・・よし!いい展開だ!ここで「この島を知る者を待つ」という提案をすれば、また時間稼ぎができるじゃないか!)

2人の思惑は異なるも、同じ結論を導く。
しかし、今南九州に足を進めるのはパピヨン。
日本列島を知る彼だが、このコンビの助けとなるのか・・・?




【福岡県南部/午後】
【パピヨン@武装錬金】
 [状態]:健康
 [装備]:核鉄LXX@武装錬金(ニアデスハピネス少量消費)
 [道具]:荷物一式(食糧二食分消費)×2
 [思考]:1、南九州へ移動し、首輪を調べる。
     2、知り合いとの合流

【鹿児島県南部/午後】

【ウソップ@ONE PIECE】
[状態]:健康
[装備]:賢者のアクアマリン@HUNTER×HUNTER
    いびつなパチンコ(特製チクチク星×5、石数個)、大量の輪ゴム
[道具]:荷物一式(食料・水、残り3/4)、死者への往復葉書@HUNTER×HUNTER
    手作りの作品や集めたガラクタなどの数々
[思考]1:できる限り鹿児島に滞在する。
   2:アイテムを信じて仲間を探す
   3:ルフィ・ロビン・ポップの仲間との合流

【ポップ@ダイの大冒険】
[状態]:健康
[装備]:魔封環@幽遊白書、ウソップ作の仕込み杖(投げナイフを使用)
[道具]:荷物一式(食料・水、残り3/4)
[思考]1:脱出の鍵を探す。
   2:ダイ・マァム・ウソップの仲間との合流
   3:フレイザードを早めに倒す



時系列順で読む


投下順で読む

Back:0229:止まない風  Next:0231:壬生狼の信念

0163:ポップ・ウソップ冒険記 ウソップ 0241:ポップ・ウソップ冒険記~頑張れ愉快な仲間たち~
0163:ポップ・ウソップ冒険記 ポップ 0241:ポップ・ウソップ冒険記~頑張れ愉快な仲間たち~
0211:すっぱい15 パピヨン 0241:ポップ・ウソップ冒険記~頑張れ愉快な仲間たち~

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:
最終更新:2024年03月20日 02:36