橘英智ことエイジが三国亜久斗とこの森をさまよい歩いてもう2時間になる。無駄話もなく、不気味な赤い霧の中、森林の颯爽とした空気も味わえるはずもなく、ただ無味無臭の存在感のない気体を吸って吐いてただ歩く。
最低限の自己紹介でわかったのは、亜久斗が2つ下だということと、どちらもあの殺し合いの参加者であろうことと、同じ内容のメモがポケットに入っていたことだけだ。
最低限の自己紹介でわかったのは、亜久斗が2つ下だということと、どちらもあの殺し合いの参加者であろうことと、同じ内容のメモがポケットに入っていたことだけだ。
『装備:命の百合 場所:一本杉の根本 説明:どんな傷も癒やす蜜を出す百合。器一杯飲めば永遠の命が得られる。』
命の百合、とは効能と合わせて話がデカすぎる。なんでこんなゲームのアイテムみたいなもののヒントのメモが入ってたんだと思ったが、あの広場での変なウサギのノリを思い出して、ゲームのようにしているのだろうと思い直す。なによりエイジ自身ついこの間命がけのゲームに巻き込まれた身だ。
クイズアプリ『Qube』。上位ランカー達が遊園地に集められて行われたのは、命がけのクイズだった。その時のゲームマスターであるリドルズとあのウサギは同じものを感じる。あの時とはだいぶ様子が変わったが、1月も経たない間に2度もデスゲームに巻き込まれたともなれば、必然思い出すものだ。
クイズアプリ『Qube』。上位ランカー達が遊園地に集められて行われたのは、命がけのクイズだった。その時のゲームマスターであるリドルズとあのウサギは同じものを感じる。あの時とはだいぶ様子が変わったが、1月も経たない間に2度もデスゲームに巻き込まれたともなれば、必然思い出すものだ。
「うわっ!?」
「ッ!」
「■■■■■! ■■■■■?」
「ッ!」
「■■■■■! ■■■■■?」
あの時の仲間も巻き込まれているのでは、代わり映えのしない景色に考え事に夢中になっていたエイジは、いきなり目の前に現れた金髪の青年に驚き尻餅をついた。いや、これでは語弊がある。単にエイジが前をよく見ていなかったからその日本人離れした顔立ちの男に気づかなかったわけではない。前を歩くエイジを含め油断無く周囲を警戒していた亜久斗もまた、エイジと同様にその存在にまるで気づかなかったのだから。
文字通り、突然そこに現れたのだ。瞬間移動と言われても信じるほどに。腰に剣を提げたその美男子は、2人が聞いたことのない言葉で話しかけ、通じないと見ると、剣を地面に置いてみせた。戦う気はない、ということだろう。エイジも手を大きく広げジェスチャーをするとなんとか意味が通じたらしい。少しホッとした顔になると、その大きな目の目尻を下げ、剣を腰に戻すと、どこからか紙片を取り出して見せてきた。
文字通り、突然そこに現れたのだ。瞬間移動と言われても信じるほどに。腰に剣を提げたその美男子は、2人が聞いたことのない言葉で話しかけ、通じないと見ると、剣を地面に置いてみせた。戦う気はない、ということだろう。エイジも手を大きく広げジェスチャーをするとなんとか意味が通じたらしい。少しホッとした顔になると、その大きな目の目尻を下げ、剣を腰に戻すと、どこからか紙片を取り出して見せてきた。
「何語だろう、文法は英語とかに近そうだけど。」
「それよりも見せたほうがいい。」
「それよりも見せたほうがいい。」
つい未知の言語への考察をしてしまうエイジににべもなく言うと、亜久斗は命の百合について書かれたメモを取り出して見せた。ようは、これを目当てに動いていると言いたいのだろうと察しをつける。それが正しいことは、青年がお手上げするようなジェスチャーをしたことからわかる。探しても見つからなかったということだろう。同じように亜久斗がジェスチャーを返すと、何事か言って頷きながら、顎に手を当て考えるような素振りを見せた。
(言葉が通じないし、文字も見たことない。困ったな、殺し合う気はないみたいだけど。)
さて、この気品ある若者の名前はリーフという。デルトラという王国を影の大王の支配から解き放つべく7つの宝石を探す旅を始めた勇者だ。とはいえ、その旅路は始まったばかり、ついこの間命の百合を守る万人を打ち倒し、1つ目の宝石であるトパーズを手に入れたばかりだ。
そう、命の百合とは彼がこの間見つけたものなのだ。なのでメモの内容が真実だともわかる。なにせ仲間であるバルダが瀕死の傷を癒やしたのは命の百合の蜜なのだ。
問題はなぜそれを殺し合いの主催者が知っているか、そして本当に命の百合が咲いているかだ。リーフの目の前で枯れたはずのそれが、果たしてここにあるのか。もしあるとすれば、それは主催者が途方もない力を有することを意味する。あの花は何百年も咲かずようやく咲いても蜜をとってしまえばすぐに枯れてしまうのだ。そんな貴重なものをわざわざ殺し合いのフィールドに置くなど一体何が狙いなのか。
そう、命の百合とは彼がこの間見つけたものなのだ。なのでメモの内容が真実だともわかる。なにせ仲間であるバルダが瀕死の傷を癒やしたのは命の百合の蜜なのだ。
問題はなぜそれを殺し合いの主催者が知っているか、そして本当に命の百合が咲いているかだ。リーフの目の前で枯れたはずのそれが、果たしてここにあるのか。もしあるとすれば、それは主催者が途方もない力を有することを意味する。あの花は何百年も咲かずようやく咲いても蜜をとってしまえばすぐに枯れてしまうのだ。そんな貴重なものをわざわざ殺し合いのフィールドに置くなど一体何が狙いなのか。
(こいつ異様に夜目がきくな。)
胡乱な視線を向ける亜久斗に気づくこともなく考えてしまう。亜久斗の疑念の通り、リーフにはこの夜道をエイジ達のようにスマホの明かりを頼りにせずに歩ける秘密がある。その秘密というのが彼が持つトパーズの力、心の目を開くその石には闇の中を進ませる力もある。このようにデルトラのベルトに嵌められるべき7つの宝石には神秘的な力があるのだが、このバトル・ロワイアル、それが通じない存在もデルトラ王国同様に跳梁跋扈している。
「■■■■■! ■■■■■、■■■■■!」
「これが、命の百合?」
「■■? ■■■!」
「なんだ、敵か?」
「これが、命の百合?」
「■■? ■■■!」
「なんだ、敵か?」
それは森をさまよい歩くのが2人から3人になって1時間ほどした頃だった。ついに見つけたらしい命の百合にリーフが小走りで近づいた、と思ったら突然剣を抜くと口の前で人差し指を立てたのだ。明らかに何かを警戒する様子にエイジ達も押し黙る。そうして1分が経ち、2分が経ち、3分が経ちそうになっていい加減しびれが切れそうになったときに、2人の耳にも異音が聞こえてきた。
音を知覚してようやく体に微かに振動が伝わってきていたことに気づく。日常生活では無視しているであろうそれも一度気づくとしっかりと感じられるようになるのは、それだけ殺し合いという場面に緊張を覚えているからだらう。段々と大きくなっていく音と振動に、固唾を飲む3人の前に現れたのは、重機関銃を積んだトラクターだった。
音を知覚してようやく体に微かに振動が伝わってきていたことに気づく。日常生活では無視しているであろうそれも一度気づくとしっかりと感じられるようになるのは、それだけ殺し合いという場面に緊張を覚えているからだらう。段々と大きくなっていく音と振動に、固唾を飲む3人の前に現れたのは、重機関銃を積んだトラクターだった。
(なんだあれは!)
(なにっ、リーフがいない!)
(せ、戦車?)
(なにっ、リーフがいない!)
(せ、戦車?)
三者三様の反応をする3人のうち、マントで透明になったリーフを除く2人は慌てて森の中に隠れる。この命の百合がある場所に続く小道を押し通っていくそれに、亜久斗は知った顔を見つけた。滝沢未奈。絶体絶命ゲームで一億円を奪い合ったプレイヤーだ。そしてそれに驚く間もなく、リーフが現れる。瞬間移動のようにトラクターの前に出現したかと思うと、両手を拡げ、メモをかざしていた。一方の未奈たちはというと、備え付けられた機関銃の前に立ちながらなぜかライフルを構え、同じようにライフルを構える横の長身の少女とチラチラ目配せしあっている。あの大げさな武器は飾りかそれとも人殺しの引鉄を引くのを消極的に押し付け合っているのか。意図はわからないがとにかくすぐ撃つ雰囲気ではない。であれば。
「やあ、滝沢さん。」
「どっ、どうして私を……あなたは!」
「どっ、どうして私を……あなたは!」
亜久斗も前に出る。このままリーフに任せておけば少なくとも自分が死ぬことは無いが、それではつまらない。命を張ってリターンを得る、そこにゲームの妙味がある。三国亜久斗とはそういう男である。
小学6年生にしてその思考回路はギャンブラーのものである。でなければ負ければ死のギャンブルに身を投じたりはしない。
小学6年生にしてその思考回路はギャンブラーのものである。でなければ負ければ死のギャンブルに身を投じたりはしない。
「あの〜、武器持ってないです。」
そして余計なことを言いながらエイジも出てくる。エイジとしては亜久斗と違い協力型のデスゲームに参加したため、まずは信頼を作るのが大切だという判断だ。それに彼も一度は死線を潜った身、この土壇場でも動くべきだと見れば動けるだけの経験をした。
道の真ん中で止まったトラクターの前をリーフが、後ろを亜久斗が塞ぐ形で声をかける。そこにエイジが横から現れると、未奈たちは誰を狙えばいいのか露骨に迷っていた。現代日本に生きる2人はもちろんだが、リーフも少女たちがこちらに向けて構えているのが何らかの遠距離武器だということは火ぶくれ弾という兵器から察しがついている。2人では3人を狙えない。そうなると数の少ない側は戸惑うものだ。
結局少女たちはそれから少しして警戒を緩めて情報交換に応じたわけだが、それは亜久斗たちを困惑させるものだとその時の彼らは気づいていなかった。
道の真ん中で止まったトラクターの前をリーフが、後ろを亜久斗が塞ぐ形で声をかける。そこにエイジが横から現れると、未奈たちは誰を狙えばいいのか露骨に迷っていた。現代日本に生きる2人はもちろんだが、リーフも少女たちがこちらに向けて構えているのが何らかの遠距離武器だということは火ぶくれ弾という兵器から察しがついている。2人では3人を狙えない。そうなると数の少ない側は戸惑うものだ。
結局少女たちはそれから少しして警戒を緩めて情報交換に応じたわけだが、それは亜久斗たちを困惑させるものだとその時の彼らは気づいていなかった。
「どうして? 2人しかいない……」
命の百合は、未奈側から提供された容器に各人1滴ずつ蜜を入れると枯れてしまった。改めて見ても驚く光景なのでリーフ以外の子供たちも各々反応していたが、それは今ほどの驚きではなかった。
未奈たちに案内された場所にあったのは、血の気の無い2人の少女の死体と大量の血が染み込んだ地面だった。年齢はエイジたちと同じぐらいだろう。それぞれ服を血で染めているのでなんらかの外傷で死んだと素人でもわかる。
問題は聞いていた死体の数が1つ足りないということだ。
未奈たちに案内された場所にあったのは、血の気の無い2人の少女の死体と大量の血が染み込んだ地面だった。年齢はエイジたちと同じぐらいだろう。それぞれ服を血で染めているのでなんらかの外傷で死んだと素人でもわかる。
問題は聞いていた死体の数が1つ足りないということだ。
「男の子は生きてたんなら、自分でどこかに行ったんじゃない?」
「心臓に刃物が突き刺さったまま?」
「心臓に刃物が突き刺さったまま?」
エイジの問いかけに答えたのは、未奈の横で銃を構えていた長身の少女、朱堂ジュンだ。彼女も未奈も、そして残る1人の大場カレンも、亜久斗と同じ小学6年生であると聞いたときはゲームの主催者の目的を考えたがそれはさておき。そんな重傷を負った小学校低学年ほどの男児が動けるわけ無いと思い直していると「本当に心臓に刺さっていたのか」と亜久斗がゆさぶる。今度はジュンではなく彼女の知り合いだというカレンが「それは間違いないですよ」とスマホの画面を見せながら答えた。
画面に映る写真の中で倒れているのは3つ。ピンクの髪で赤い服を着た少女と、明るい色の髪でブランドものの服でコーディネートしている少女、そして黒の上下の胸の部分を血に染め、その真ん中に黒い何かが突き刺さっている少年だった。ある意味死体よりもあからさまなそれにエイジは色を失くすが、亜久斗とリーフはしっかりと見分する。たしかにこれなら心臓に刺さっていると言えるほどのものだ。1人で身動きできるとは考えにくい。
なお、この時彼女が藤山タイガと連絡先を交換していないことを指摘できる者はいなかった。命の百合の独占を狙う少女たちには指摘するメリットが無いし少年たちはそもそもこの3人が見つけたと思っていた。
画面に映る写真の中で倒れているのは3つ。ピンクの髪で赤い服を着た少女と、明るい色の髪でブランドものの服でコーディネートしている少女、そして黒の上下の胸の部分を血に染め、その真ん中に黒い何かが突き刺さっている少年だった。ある意味死体よりもあからさまなそれにエイジは色を失くすが、亜久斗とリーフはしっかりと見分する。たしかにこれなら心臓に刺さっていると言えるほどのものだ。1人で身動きできるとは考えにくい。
なお、この時彼女が藤山タイガと連絡先を交換していないことを指摘できる者はいなかった。命の百合の独占を狙う少女たちには指摘するメリットが無いし少年たちはそもそもこの3人が見つけたと思っていた。
「この靴は誰のだ」
唯一、亜久斗は写真に映り込んでいた玉野メイ子の靴からこの場に4人目以降の人間がいたことに気づいた。少女たちの間に僅かな緊張感が走る。「ああ、それは病院を探しに別行動してる人たちのですよ」とカレンがなんでもないことのように付け加え、亜久斗は少女たちを黒だと断定した。
不審に思いながらもカレンの言葉を信じたエイジと違い、亜久斗は最初から少女たちをマーダーだと見ていた。本当にあるかどうかもわからない非現実的なアイテムを手に入れるために農協でトラクターを手に入れ、それに重機関銃を載せ、各々武装している。いくら死体を見つけて怯えていたとしても、いやだからこそ冷静に装備を整えすぎている。まさか3人のうちの誰かがミリタリーマニアだというわけでもないだろう。
彼女たちには命の百合を手に入れる動機があった。そのためには予想される危険に対して準備するだけの落ち着いた思考とリスクへの計算があった。実際にあの武器がどこまで有用であったかはともかくできるだけの用意をしてことにあたっている。なにより、命の百合の効能と未奈の存在が黒だと断定できる強い証拠だ。金目当てで命がけのギャンブルに挑む女が欲しがったのが万病に効く生薬となれば、おおかた重症の誰かを治療したいのだろうと予想するのは亜久斗でなくとも容易い。
しかし、それを指摘することは無かった。亜久斗も同じようなものだ、というよりデスゲームの参加者なのだから黒で当たり前だと思っている。問題はいつどのぐらい黒なのかだ。わざわざ寝た子を起こして白を装っているのを暴く必要は無い。
これ以上の手がかりもなかったので、6人は一度農協へと向かうこととする。既に集まった子供たちの中では思惑が動き出していた。
不審に思いながらもカレンの言葉を信じたエイジと違い、亜久斗は最初から少女たちをマーダーだと見ていた。本当にあるかどうかもわからない非現実的なアイテムを手に入れるために農協でトラクターを手に入れ、それに重機関銃を載せ、各々武装している。いくら死体を見つけて怯えていたとしても、いやだからこそ冷静に装備を整えすぎている。まさか3人のうちの誰かがミリタリーマニアだというわけでもないだろう。
彼女たちには命の百合を手に入れる動機があった。そのためには予想される危険に対して準備するだけの落ち着いた思考とリスクへの計算があった。実際にあの武器がどこまで有用であったかはともかくできるだけの用意をしてことにあたっている。なにより、命の百合の効能と未奈の存在が黒だと断定できる強い証拠だ。金目当てで命がけのギャンブルに挑む女が欲しがったのが万病に効く生薬となれば、おおかた重症の誰かを治療したいのだろうと予想するのは亜久斗でなくとも容易い。
しかし、それを指摘することは無かった。亜久斗も同じようなものだ、というよりデスゲームの参加者なのだから黒で当たり前だと思っている。問題はいつどのぐらい黒なのかだ。わざわざ寝た子を起こして白を装っているのを暴く必要は無い。
これ以上の手がかりもなかったので、6人は一度農協へと向かうこととする。既に集まった子供たちの中では思惑が動き出していた。
(危なかった……ギリギリだったが……なんとかなったな。)
そして6人を木陰から見送る小さな影が1つ。タイは依然として心臓にクナイが刺さったまま、そして口には血が嫌というほどこびりついていた。
心臓からクナイを慎重に抜き続けていた彼だが、失血だけは彼の高い生命力を持ってしてもいかんともしがたいものだった。流れた血が数分で回復するはずもなく、そもそも血の材料となるだけの鉄分はじめ各種栄養素が足りていない。だいたいの傷は寝れば治るとはいえ、それは充分な食事が前提であった。
だからタイは、春野サクラと夢見キララの血を飲んだ。
血はビタミン、ミネラル、タンパク質 そして塩分が含まれている完全食である。その8割近くは水分で極端にタンパク質と鉄分が高い。これをタイの強靭な消化器で体に取り込めば、タイの体に不足していた血液を補うことができる。そうして2人から吸い上げた血液は合計4ℓ。これで彼が失っていた血液をあらかた補給できた。
ただし誤算もあった。胸から流れた血が体の中にたまり肺を圧迫し始めたのだ。あと少しで抜けるといったところで息苦しさが無視できなくなり、このままでは先に窒息すると思い、割腹して瀉血したのだが、そのせいで余計な傷と流血を負ってしまう。そしてもう1つの誤算はカレンたちが戻ってきたことだ。彼女たちの乗るトラクターのエンジンの振動を感じて一か八かで逃げ出したが、更に血を失ってしまった。
心臓からクナイを慎重に抜き続けていた彼だが、失血だけは彼の高い生命力を持ってしてもいかんともしがたいものだった。流れた血が数分で回復するはずもなく、そもそも血の材料となるだけの鉄分はじめ各種栄養素が足りていない。だいたいの傷は寝れば治るとはいえ、それは充分な食事が前提であった。
だからタイは、春野サクラと夢見キララの血を飲んだ。
血はビタミン、ミネラル、タンパク質 そして塩分が含まれている完全食である。その8割近くは水分で極端にタンパク質と鉄分が高い。これをタイの強靭な消化器で体に取り込めば、タイの体に不足していた血液を補うことができる。そうして2人から吸い上げた血液は合計4ℓ。これで彼が失っていた血液をあらかた補給できた。
ただし誤算もあった。胸から流れた血が体の中にたまり肺を圧迫し始めたのだ。あと少しで抜けるといったところで息苦しさが無視できなくなり、このままでは先に窒息すると思い、割腹して瀉血したのだが、そのせいで余計な傷と流血を負ってしまう。そしてもう1つの誤算はカレンたちが戻ってきたことだ。彼女たちの乗るトラクターのエンジンの振動を感じて一か八かで逃げ出したが、更に血を失ってしまった。
「クッ……あと少しなのに……」
絶え間ない痛みと失血で汗が止まらない。そのせいで更に脱水が進んでしまう。このままではいずれ死は避けられない。覚悟を決めてまたクナイを抜くが、それは激痛と更なる失血を呼ぶ。
死ぬのが先か心臓から引き抜くのが先か。瀬戸際に追い込まれながらもタイは生きることを諦めない。
死ぬのが先か心臓から引き抜くのが先か。瀬戸際に追い込まれながらもタイは生きることを諦めない。
【0445 森付近】
【橘英智@天才謎解きバトラーズQ vs.大脱出! 超巨大遊園地(天才謎解きバトラーズQシリーズ)@角川つばさ文庫】
【目標】
●大目標
この殺し合いがリドルズによるものの可能性を考えて脱出の方法を探す。
●中目標
協力できそうな参加者を探す。
●小目標
このチームでまずは話し合う。
【目標】
●大目標
この殺し合いがリドルズによるものの可能性を考えて脱出の方法を探す。
●中目標
協力できそうな参加者を探す。
●小目標
このチームでまずは話し合う。
【三国亜久斗@絶体絶命ゲーム 1億円争奪サバイバル(絶体絶命シリーズ)@角川つばさ文庫】
【目標】
●大目標
このゲームで生き残り勝利する。
●中目標
このグループを利用する。
●小目標
状況に違和感。
【目標】
●大目標
このゲームで生き残り勝利する。
●中目標
このグループを利用する。
●小目標
状況に違和感。
【リーフ@デルトラクエスト(1) 沈黙の森(デルトラ・クエストシリーズ)@フォア文庫】
【目標】
●大目標
このゲームを生き残る。
●中目標
バルダやジャスミンを探したい……けれど、まずは言葉がわかる人を探したい。
●小目標
あの死体、なにかおかしかったな……
【目標】
●大目標
このゲームを生き残る。
●中目標
バルダやジャスミンを探したい……けれど、まずは言葉がわかる人を探したい。
●小目標
あの死体、なにかおかしかったな……
【滝沢未奈@絶体絶命ゲーム 1億円争奪サバイバル(絶体絶命シリーズ)@角川つばさ文庫】
【目標】
●大目標
由佳(妹)を助けるために1億円とせっかくなら命の百合を持ち帰る。
●中目標
このグループを利用する。
●小目標
うまくごまかしてマーダーだとバレないようにステルスする。
【目標】
●大目標
由佳(妹)を助けるために1億円とせっかくなら命の百合を持ち帰る。
●中目標
このグループを利用する。
●小目標
うまくごまかしてマーダーだとバレないようにステルスする。
【朱堂ジュン@生き残りゲーム ラストサバイバル 最後まで歩けるのは誰だ!?(ラストサバイバルシリーズ)@集英社みらい文庫】
【目標】
●大目標
お母さんを助けるために命の百合を手に入れて優勝する。
●中目標
このグループを利用する。
●小目標
うまくごまかしてマーダーだとバレないようにステルスする。
【目標】
●大目標
お母さんを助けるために命の百合を手に入れて優勝する。
●中目標
このグループを利用する。
●小目標
うまくごまかしてマーダーだとバレないようにステルスする。
【大場カレン@生き残りゲーム ラストサバイバル つかまってはいけないサバイバル鬼ごっこ(ラストサバイバルシリーズ)@集英社みらい文庫】
【目標】
●大目標
バトル・ロワイアルを優勝する。
●中目標
このグループを利用する。
●小目標
うまくごまかしてマーダーだとバレないようにステルスする。
【目標】
●大目標
バトル・ロワイアルを優勝する。
●中目標
このグループを利用する。
●小目標
うまくごまかしてマーダーだとバレないようにステルスする。
【タイ@妖界ナビ・ルナ(5) 光と影の戦い(妖界ナビ・ルナシリーズ)@講談社青い鳥文庫】
【目標】
●大目標
殺し合いに乗る。
●中目標
衰弱する前に心臓からクナイを引き抜く。
●小目標
血が……足りない……
【目標】
●大目標
殺し合いに乗る。
●中目標
衰弱する前に心臓からクナイを引き抜く。
●小目標
血が……足りない……