ミューミューは恐怖していたので家の中を動き回っていた。
窓から外を覗いたかと思いきや、今度は床に耳をあてて音を聞いていた。
ビビりまくるミューミューに
ホル・ホースはちょっとカワイイと思った。
「お前のスタンドは、家の壁にしかけたんだろ? 」
「ちゃんとチェックしないと、立場をわきまえない愚図だと言われて殺される」
ホル・ホースはリゾットからミューミューの情報を聞いていた。
彼女はナチス研究所にずっと閉じこもっていたので、状況を正確に理解していないらしい。
「気持ちはわかる。でも、ちょっとやりすぎだぜ。きれいな顔が台無しだ」
皇帝をミューミューに向けながら、ホル・ホースはため息をついた。
ミューミューは彼の態度を気にせず、彼をにらんだ。
「――で、そのBMWという男は! いつになったら来るんだ」
「違う違う、SPW(スピードワゴン)な」
ホル・ホースたちがE-4の民家に到着しても、当の待ち人はちっとも姿を現さなかった。
あまりにも暇になったので、2人はぐうたらと寛いでいた。
ソファーに寝転びながら、指で装飾品を手のひらで遊ぶホル・ホース。
ミューミューはハードワックスで固めたロングが崩れていないか毛繕いをしていた。
「いいじゃねえか。SPWがくるまで身の安全は俺が保証してやってるんだぜ? 」
「大した口ぶりだな。人に拳銃を向けながら言う言葉じゃあない……私は信じないぞ」
ホル・ホースはミューミューの揚げ足取りにギョッとして、ソファーから飛び上がった。
「勘弁してくれ。俺は女は守る主義だぜ? どんなババアだろうとブスだろうと関係ねー!」
「どうせ私はブスでババアだよ」
「ちっがーう! 今のは言葉のアヤって奴だ」
両手をグッと握りながら、ホルホースは叫んだ。
その拍子にポケットに入れていた装飾品が金属音を立てる。
「それは……なんだ、指輪か」
「死の結婚指輪っていってな。ペアリングだぜ!? 値打ちものだ」
ふぅん、とそっぽを向くミューミュー。特に興味はないらしい。
ホル・ホースは彼女の態度に諦めたのか、次の話題に移ろうと考えた。
「わかったわかった……少しはまともな話をしようじゃねぇか。
SPWが帰ってこなかったケースの話をしてやる」
バサッと地図を広げて、ホル・ホースはペンで直にメモを走らせていく。
ミューミューもチラリと地図を見ている。
「俺たちがいる民家がここ。リゾットの旦那がいるのが、ここだ。そんで……」
ホル・ホースは地図に長い線を引く。
E-7ネアポリス駅、G-6食屍鬼街、H-5ポンペイ遺跡、H-3サンタ・ルチア駅、F-2ナチス研究所、E-3コロッセオ。
「地下鉄のルートだ……ここまではいいよな? 厄介なのは、こっから先だ」
コロッセオから伸びた線は2本に分かれ、片方は『E-5 繁華街』、もう片方は『C-4 DIOの館』へと繋がった。
「SPWが死んだのなら、敵が近くにいるってことだ。地下鉄を使って逃げるのはアリだぜ。
コロッセオで地下鉄は分岐している A、コロッセオから繁華街へ進む。B、コロッセオからDIOの館へ進む。
つまり地下鉄車両は『1つ』じゃなかったッ! こいつらは別々のルートを進む。こいつは使えるぜ」
「随分と唐突じゃないか。一台の電車が交互の2つのルートを通るかもしれないんだぞ。
もしくはこちらが任意にルートを切り替えることが出来るとか……で、電車が複数あるなんてわからないだろう」
首を傾げるミューミューにホル・ホースは、ニカァとある物を出した。
「旦那に会えたおかげで、地下鉄の存在を知った。しっかりメモったぜ、地下鉄の時刻表はな」
ナチス研究所で地下鉄の存在を初めて知ったホル・ホース。
彼の左手には、びっしりと網羅された時刻の表。
「一台はもうすぐコロッセオに着く。もう一台は多分サンタ・ルチア駅あたりに到着するみたいだ。
そうじゃねえと時刻表の辻褄が合わない。もっとも、二台が別々のルートを通るのかは、お前の言うとおりわからねーがな」
少しづつ明らかになる世界の全貌。
「地下鉄のルートがそうなってるのは知らなかった。だが、その後の話はホイホイと信じるわけにはいかないな」
「だから仮定の話だぜ。もしもの時には、そんなこと言ってる場合じゃあないと思うがね」
「そうはいくか。ナチス研究所に戻る魂胆だろう。黒ずくめの男たちと会うのは、もうこりごりなんだよ」
「バーロー。あのな、お前さんに優しくしたのは女だからだ。仲間だからじゃねーぞ」
「……ほ、本音が出たな!? 誰が貴様なんぞを仲間と思うか! こっちから願い下げだ」
「ケッ」
「フン」
ホル・ホースたちは、その足取りをつかみ始めただけに過ぎない……!
【E-4 民家/1日目 昼】
【
ミュッチャー・ミューラー】
[スタンド]:『ジェイル・ハウス・ロック』
[時間軸]:幽霊の部屋から出た直後
[状態]:全身に軽い打撲。腫れ上がった顔。リゾットに対する恐怖
[装備]:なし
[道具]:基本支給品
[思考・状況] 基本行動方針:ゲームには極力乗らない。身の安全を最優先。
1.ホル・ホースの軽いノリがムカつくけど、暴力は勘弁してほしい。 でも信用できない。
2.他のスタンド使いを仲間にして、アラキを倒したい。
3.もうスカーレットを仲間だと思うようなことはしないよ(鉄塔に行ったのだろう。勝手に行け)。
[備考]
※ジェイル・ハウス・ロックは特定の条件下で自動的に解除されるよう制限されています。
ミューミューが寝ると解除されるのは確定しました。
※荒木のスタンドを「ホワイトスネイク」だと思っています。
※
第一回放送を聞き逃しました。リゾットは教えていません。
※リゾット、
ペッシの名前と能力を知りません。
【ホル・ホース】
[スタンド]:エンペラー(皇帝)
[時間軸]:「皇帝」の銃弾が当たって入院した直後。
[状態]:頬、右上腕に裂傷、左肩に銃弾による貫通傷(すべて『メタリカ』による応急処置済み)貧血気味、
[装備]:腹部にダニー(身体的な異常は0)
[道具]:チューブ入り傷薬、支給品一式、死の結婚指輪の解毒剤リング、不明支給品1。ナチス駅の時刻表。
[思考・状況] 基本行動方針:生き延びるために誰かに取り入り、隙を突いて相手を殺す。
1.SPWの帰りを待つ。帰ってこないようだったら、方針を変える
2.スピードワゴンの作戦に乗ってやるが、今の旦那はリゾットだ!
3.探知能力を持った者、またはレーダーを探す。
4.ミューミューを口説くのは難しそうだ。裏切るようなら始末するがな
5.このネズミをどうにかしたい。
6.女は見殺しにできねー。
※シーザーとの戦闘はみんなに隠すつもり。
※情報交換の際リゾットからブチャラティチームの能力を教わりました。
暗殺チームの名前と能力(ペッシ含む)は教わっていません。ミューミューの能力は教わりました。
※リゾットの考察メモの内容を聞きました。
※ホル・ホース、スピードワゴンの両者は、隕石を見、鉄塔とスペースシャトルの破壊音を聞きました。
※ネズミについて(SPWの不明支給品のひとつでした)
このネズミは【アクセル・ROの作りだした“ダニー”】です。出典SBR15巻。 解除方法は原作同様“水で清める”だけ。
ロワでの制限として“心が折れるまでには約10時間かかる”。シビル・ウォーの“罪をおっ被る”という能力は無し。
ダニー自体を破壊する事は出来ます(コミック内の描写より)が腹と一体化しているのでまず無事では済まないでしょう。
上記が記された【説明書】はスピードワゴンが破り、その一部は屋外へ捨て、残りは食べてしまいました。
【死の結婚指輪の解毒剤リング2つ】
死の結婚指輪の毒を解除できる薬が入ったリング2つ。
死の結婚指輪を埋め込まれたのち解毒剤リングを飲まないと33日目に死んでしまう。
(原作での話であり、ロワの物がそうであるとは限らない)
2つあるのは、
エシディシの指輪と
ワムウの指輪それぞれに対する解毒剤が決まってるから。
説明書に詳しい説明が入っているが、ホル・ホース的には半信半疑。
【地下鉄のルート(確定)】
E-7ネアポリス駅→G-6食屍鬼街→H-5ポンペイ遺跡→H-3サンタ・ルチア駅→F-2ナチス研究所→E-3コロッセオ
E-3コロッセオ→→→E-5繁華街→???
↓
→C-4DIOの館→???
※電車は一台ではない可能性あり。 現在走っている電車の進行ルートは不明。
※ホル・ホースの予想では電車は二両。放送直後にコロッセオとサンタ・ルチア駅にそれぞれ電車が止まる。
あくまで予想なので、この通りとは限らない。
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最終更新:2009年10月23日 23:33