…殺人鬼『
吉良吉影』……新たな力act3…殺された僕………
……荒木飛呂彦…首が爆発した女性………殺し合いのゲーム……
駄目だ、頭が混乱していている。
一刻も早く現状を把握しないといけないのに…
とりあえずどこかに隠れよう、暫らく一人で考えられる場所へ……
こうして僕は近くの森へと向かった。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
多少森の奥深くへ行き過ぎた気がするけど仕方がない。
兎に角今は安全第一だ。
まさか森の中を隅々まで探すような執念深いやつなど流石にいないだろう。
僕はディバッグを開けて中身を確認する。
まず出てきたのは紙が3枚。
とりあえず1枚目を開けてみる・・・
どうやら名簿の様だがこれは後回しにしよう。
次に2枚目の紙を開ける―――
(な、何だこの機械?背負うような形をしてるけど何に使うんだ?)
カバンの様なへん機械が紙から出てきた。
紙から質量を無視して物が出てきたのには正直驚いたが、
荒木かヤツの協力者のスタンド能力だろうと考える。
殺された僕を復活させたスタンドもいるのだからヤツの周りには数人の協力者がいるらしい。
しかし今はそれよりもこの機械の使い方を知るのが先決だ。
(下手に弄るのは流石に不味いよなぁ……)
機械を見ながら使い方を推測していると、機械の傍に落ちている一枚の紙に気が付いた。
―――紫外線照射装置―――
どうやらこの機械は吸血鬼相手に非常に有効な武器のようだ。
吸血鬼に関しては承太郎さんから多少話を聞いている。
そのような凶悪な存在がこの場にいたら…
いや、この場にいるからこそこのような支給品が存在するのだろう。
兎に角、敵に成り得る存在に対しては対抗する手段が多ければ多いほどいい。
(だけど、この重さがネックなんだよな~)
この機械は小柄な僕には重すぎる。
でも、いざという時に使えなかったら困るから背負っていく事にした。
(それに、頑丈そうだから奇襲で背後を取られても多分大丈夫だろうしね)
気を取り直して開けた最後の一枚は地図であった。
ここは恐らく果樹園なので自分の現在位置は[I-7]の南側らしい。
(それにしても奇妙な場所だな~
杜王町がベースっぽいんだけど、コロッセオとかがドンと置いてあるってどういうこと?
やっぱりこれも荒木たちのスタンドなのかなぁ?
まぁ、所々が変わってるみたいだけど僕達に地の利があるのは間違いないよな~)
後は僕のバッグには水と食料しか入ってなかった。
身の回りの確認はできたので名簿を開けて――
ショックを受けた。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
僕は一回死んで頭がパーになっちまったのか?
これくらいの事、いつもなら予測できたはずだ!
何で、何でこの事態を想定できなかったのだろう!!
名簿に載っていたのは親友の仗助君、億泰君。
露伴先生や承太郎さん、ジョースターさんまでいる!
殺人鬼吉良吉影、こいつはさっきまで僕と戦ってたのだからいない方が逆に不自然だ。
僕より先に死んでしまった重ちー君もいる。
やはり、彼も『本物』の重ちー君なのだろうか?
どうやら、僕と重ちー君は他の参加者より少し多く主催者側のスタンドの鍵を握っている気がする。
早く仲間達と合流して自分の存在をはっきりとさせておきたい。
……そして見落としが無いか再び名簿をチェックしたとき、彼女の名前を見つけた。
山岸由花子、僕の彼女でありスタンド使いでもある。
彼女の事は心配だが彼女のスタンド『ラブ・デラックス』は十分強い。
並大抵の敵に負けることは無いだろう。
だが、僕の心配は別の所にあった。
僕が現在最も恐れている事、それは―――
彼女が僕を優勝させるため、参加者を殺害してしまう事だ。
彼女は比喩などではなく、本当に狂信的な愛を僕に注いでくる。
更に厄介な事に彼女はそのために手段を選ぼうとはしない。
実際、僕も一度彼女に拉致監禁された経験がある。
早く彼女を探さねば!!
この結論へ行き着いたとき、先ほどから沸々と湧き上がってきてる感情が爆発した。
そう、この狂ったゲームを開催した荒木への怒りだ。
仗助君…誰よりも優しいスタンドを持ち、悪を許さない正義を持つ僕の親友
億泰君…外見はいかついけど、実は気さくで友達思いの彼
承太郎さん…寡黙な人だけど、吉良との戦いで僕に大切な事を教えてくれた。
露伴先生…強引なところはあったが、彼といて悪い気はしなかった
ジョースターさん…仗助君の父親で、人生の先輩としても尊敬していた
由花子さん…付き合ってからは短いけど、魅力的な人だと思った
そして、トニオさんと重ちー君。
彼らに関しては直接会ったことは無いが、二人ともいい人だったらしい。
更に、僕の知らない数多くの善人がこの会場にいるのだろう。
それに、母親を殺されたあの女の人。
彼らや彼女らには何の罪も無い。
なのに荒木はこんな腐ったゲームへと皆を招待した!!
僕は!僕はアイツを許さない!!
この行き場の無い怒りは体中を駆け巡り、口から外へと漏れ出す。
「荒木ッ!僕を蘇らせてくれた事には感謝するッッ!
でも、僕はお前を許さないッッ!!
仗助君!億泰君!承太郎さん!露伴先生!ジョースターさん!由花子さん!トニオさん!重ちー君!
そしてッ!このゲームで見つけた仲間と共にこのゲームをぶち壊してやるッッッ!!!」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
途切れ途切れになりつつも最後まで言い切った言葉。
それは明確な主催者へのアンチテーゼ。
荒木に首輪を爆破されてもおかしくない。
それでも少年-
広瀬康一-は荒木への反逆を誓った。
そして、この黄金の意思に引き寄せられるかのように一人の男が康一へと接近してくる。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
一人森を歩いていた
ウィル・A・ツェペリ。
右手で掴んだペットボトルを胸の前に出して歩く姿は少々奇妙であったがそれには理由がある。
波紋使いは液体に波紋を流す事によって生物の存在を感知する事ができる。
そう、ツェペリは対人レーダーとして飲料水を使用していた。
そんなツェペリであったが先ほどから早歩きで移動している。
普段は冷静である彼を何が焦らせているのだろうか?
☆ ★ ☆
シーザーに関しては偶然でも片付けることができる。
しかし、何なのだろう。
自分の心臓にある-魂-がそれを否定し続ける。
とりあえず彼に間しては出会うまで保留しておこう。
問題はジョースター卿だ!!
ジョジョの話によれば彼はディオの手にかかって死んだはず。
あそこでジョジョが嘘を付く意味はないし、
万が一生きていたとしても屋敷が全焼する火事の中で生き延びれるはずがない。
と、いうことは彼は確実に一度死んだのだろう。
そして、私が知る限りは死者を蘇らせる方法は一つ!
そう、ヤツは、荒木飛呂彦は吸血鬼なのだ!!
さて、まずはヤツを倒す前に仲間を探して首輪を解除しないとな…
そうして波紋が示す方向へと歩いていると――
☆ ★ ☆
「荒木ッ!僕を蘇らせてくれた事には感謝するッッ!
声が聞こえた、声の質からしてまだ少年らしい。
いや、それよりもこの少年
『蘇った』と言っていたぞ!?
つまり彼も荒木の被害者の1人なのだろう。
屍生人となった人間を救う手段はただ一つ、殺してやるしかないのだ。
たとえ屍生人とはいえ少年を殺すのには抵抗がある。
しかし、わしが殺らないと確実に被害者がでるッ!!
一瞬でそう考えて彼の元へ向かおうとした瞬間―――
でも、僕はお前を許さないッッ!!
何?今この少年は何と言った?
仗助君!億泰君!承太郎さん!露伴先生!ジョースターさん!由花子さん!トニオさん!重ちー君!
そして、このゲームで見つけた仲間と共にこのゲームをぶち壊してやるッッッ!!!」
おかしい、屍生人は吸血鬼には絶対服従のはず!
なのに彼はこのゲームに反逆してみせると言ってのけた!!
屍生人になっても理性、そして正義を失わない少年。
彼に興味がある。
波紋によると、どうやらあの木の陰にいるようだな……
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
一人の高校生と男爵。
100年のときを経て彼らは不思議な『引力』によって出会った。
男爵は少年に話しかける。
「君の話は聞かせてもらった、そのゲームからの脱出とやらに
わしも乗らせてくれないか?」
少年は驚いた様な顔をしたものの、すぐに微笑んで答えた。
「ええ、もちろんですっ!
あなたのお名前は?僕は広瀬康一といいます。」
「わしはウィル・A・ツェペリ。
康一君、これからよろしく頼むよ。」
そう言って右手を出す男爵。
少年はガッチリとその右手を握り返した。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
【I-7 南部/1日目 深夜】
【チーム・ザ・ウェーブ】
【広瀬康一】
[時間軸]:吉良に腹をぶち抜かれた直後
[状態]:健康、興奮気味
[装備]:紫外線照射装置
[道具]:支給品一式
[思考・状況]
1.仲間を集めてゲームから脱出する
2.とりあえずツェペリさんと情報を交換する
3.由花子さんを探さなくちゃ!
※広瀬康一は自分が一度死んで荒木のスタンドで復活したと思っています。
※康一の叫び声がどこまで届いたかは後の作者様にお任せします
【ウィル・A・ツェペリ】
[時間軸]:ブラフォード戦直前
[状態]:健康
[装備]:飲料水
[道具]:支給品一式、不明支給品1~3
[思考・状況]
1.仲間を集めてゲームから脱出する
2.とりあえず康一君と情報を交換する
3.屍生人なのに正気を失ってない康一君に興味有り
4.ディオとその手下に警戒
※広瀬康一は屍生人であり荒木は吸血鬼だと思い込んでいます
※参加時期上、当然ブラフォードも敵として認識しています
※ジョージも康一のように正気を保ったまま屍生人化したのではと疑っています
投下順で読む
時系列順で読む
キャラを追って読む
最終更新:2008年08月13日 13:22