「『出会いは引力だ』というヤツがいるようだが、俺が君を見つけることができたのは、鼻が利くからであって、引力ってわけじゃあないだろうな。
 貧しい育ちだったからか、卑しくもやたらと鼻が利くんだよ。

 ああ、スタンドをこっちに戻そうとは思わないことだ。俺が君を切り裂くほうが早い。
 それにもとから俺はどっちでもいいと思ってるんでな」

 攻撃をするでも助けようとするでもなく彼は、腰をおろした男の背後にただ立っていた。
 敵愾心を微塵も感じさせない、気さくといってもいいような声色だった。
 腰をおろした男は振り向かず、唇を震わせ言葉を紡ぐ。

「あなたに…………」



 * * *



「ヤツは完全に撒いたようだな」

 チーズのように穴だらけになった住宅群を後目に、青年ディエゴ・ブランドーが息を吐く。
 その横には同じように背後を気にするギアッチョの姿があった。
 家屋をも『飲み込む』スタンドに遭遇した地点から数100mは移動をしてきただろうか。
 静かに星条旗がはためく夜の街並みの中、時計を中央に据えたひときわ巨大な建造物の入り口に二人は立っていた。

「独立宣言庁舎、か……」

 苦々しげな響きを残し、ディエゴの呟きは闇に消える。
 ファニー・ヴァレンタイン大統領と直接対峙をした初戦の舞台。
 能力の一端をつかんだとはいえ、ウェカピポがいなければ自分が死んでいた。
 そしてなによりの痛手は、あのとき遺体の眼球を奪われたこと。
 遺体が揃いさえしなければ、列車での戦いの結末はおそらく…………。

 顔をしかめたディエゴをギアッチョが怪訝な表情で見返していた。
 それに気付いたディエゴはことさら大仰な手振りで答えてみせる。

「過去に訪れたことがあるのさ。あまりいい思い出とはいえないが。
 もしや、独立宣言庁舎を知らないのか?」
「アメリカ合衆国のだろ。それくらいわかる。このあたりの旗を見れば尚更そう思える。
 だが、いいか、俺にとっての問題はここがアメリカらしいってことだ」
「なにを言いたい?」

 ディエゴとてギアッチョを頭から見下しているわけではない。
 本気で当惑した彼の表情に嫌な予感のようなものをディエゴは感じた。

「…………馬鹿げてると思うが、ここに連れてこられる直前、俺はヴェネツィアに向かっている途中だった」
「なに……!?
 ギアッチョ、すまないがもう少し詳しい話を聞かせてくれないか。
 さっき互いに話したのは人間関係のみについてだっただろう。
 ああ、とりあえず中に入るとしよう。
 周りが壁に囲まれていた方が例のスタンドの接近を察知しやすいだろうしな」


 薄暗いホールの中央で、デイパックの中身を確認しながらの会話が進む。
 ディエゴはアメリカから、ギアッチョは『イタリア』から、それぞれがどこから連れてこられたかに始まり、話してみれば、年代の違い、歴史の違いが際立っていった。
 その中で『平行世界』の概念とファニー・ヴァレンタイン大統領について、ディエゴは説明せざるを得なくなる。
 そうでなければギアッチョが沸騰しそうな状態だったからだ。
 結果としては、説明を受けてなおギアッチョはキレ続けていたのだが。

「こうなってみると、ファニー・ヴァレンタインがなんらかの形で関わっていると見た方が自然だろうな……」

 勝利を目前にして取り逃した悔しさに、ディエゴは悪態をつく。

「悪趣味なゲームに巻き込まれたもんだ。お前の『世界』のクソ大統領のせいでよ」

 そこそこ上等な床面を舌打ちと同時に蹴りながらギアッチョが応じた。
 彼の足下では『紙』から出てきたカエルが踏みつけられまいと必死にもがいている。
 その様子を横目で見ながら一方で、ディエゴは心に重くのしかかるものを感じていた。

(あのカエル、本当に生きたカエルらしいな。
 それだけでも、何者かの能力らしいということ以外、俺には想像がつかない。
 大体あんなメチャクチャな地図が、たとえ別の世界だろうと現実に存在するか?
 聖人の遺体がダイヤモンドに変わる……そんなレベルの差異じゃない。
 この独立宣言庁舎としか思えない建物が『複製品』だとしても、疑問は残る。
 俺は大統領が移動する隣の世界について、少しずつ異なるが同じ時間軸の世界なのだと理解していた。
 しかしギアッチョは2001年から来たと言った。これをどう説明する。
 スティーブン・スティールか大統領の部下の能力が、時間の操作、あるいは記憶の操作なのか?
 ……ほとんど法則も制限もないような混沌とした世界。
 あの聖人の遺体を集め終えたために招かれた事態だとしたら、とんだ笑い話だ。
 殺し合いを引き起こす聖人……なるほど皮肉がきいているじゃあないか)

 そのとき、人の声ともとれるような音がホールの外から聞こえてきた。
 ディエゴはギアッチョが緊張した顔つきで空を見つめていることに気付く。
 うるさく床を蹴っていた時とは正反対の、暗殺者らしい顔つきだった。
 ピンと耳を立て、周囲を伺う猫を想起させるような。

「リーダー……リゾットの声だ……」



 * * *



 ギャング集団『パッショーネ』に属する暗殺チーム。
 そのチームリーダーの名をリゾット・ネエロといった。
 彼が路地裏で目を覚まし、周囲の探索を始めたのはわずか20分ほど前のこと。

 最初に発見したのは空中に浮いているだけの奇妙な物体だった。
 熱帯地方の花をモチーフに飛行物体を作成したような形状。
 プロペラのような機関はなく、羽ばたいているようにも見えないが、音もなくそれは宙に浮いていた。
 スタンドだとリゾットは直感する。

 反撃を受けてもすぐさま避けられる位置取りを意識し、手元に小石をたぐり寄せた。
 少ない外灯が寂しげに照らす路地はかえって闇が濃く、黒のロングコートを羽織った格好が遠目に判別しやすいとは思わない。
 それでも念のためいつでも姿を隠せるように準備をしておく。

 小石が放物線を描き、浮遊物体に迫る。
 浮遊物体はヒラリと避けた。
 再度放り投げ、避けられる。
 投擲の間をあけてもこちらの居場所を関知した様子はなく、ただふわりふわりと浮いている。
 目に見える反応や自動操縦による反撃はない。

 本当に浮いているだけのスタンドだとリゾットは当然思わなかった。
 周囲に視線を走らせ、物音に耳を澄ます。
 郡体型スタンドが体内でざわつくのを感じた。
 一歩、そしてまた一歩と進み……。


くるり


 宙に浮いていたスタンドが、初めて敏速な動きを見せた。
 リゾットが反射的に斜め後ろに飛び退く。
 壁の間近に高い風切り音を聞き、見やれば銃弾がかすったような跡が残っていた。
 退いていなければ、心臓を正確に撃ち抜かれていただろう。

(いきなり、このスタンドからかッ……!?)

 発射音は聞こえなかった。
 10mほどの距離からの銃撃を避けることができたのは、幸運に近い。
 距離をとるため、今まで歩いてきた道を逆走する。
 振り返れば、銃弾を発射したスタンドはリゾットの後をゆっくりと追うように漂っていた。
 その様子にリゾットは違和感を覚える。
 目標に接近するためというより、埃が舞うような動きだったためだ。

(……あのスタンド、どこかおかしい……!!)

 空中に漂い銃弾を発射することができる能力ならば、絶対的な射程距離の不利がある。
 しかし、今、スタンドの弱点のようなものを掴みかけているのも事実。
 退くべきか、徹底的に叩くべきか。
 リゾットが瞬時に下した決断は…………。


ここで叩くッ!!


 銀鼠の煌めきを残しメスが飛ぶ。
 その数、3本。
 周囲の鉄分を集めて作った即席の凶器だが、鋭く空気を裂く様は本物のメスと寸分違わなかった。
 1本目は真正面、2本目はその真後ろ死角となる位置、3本目は両方を避けた場合の逃げ場を塞ぐ形での投擲。


1本目、なんなく避けられる。

2本目、ギリギリかわされる。

3本目、刺さる直前、弾かれたようにスタンドが上空へと跳ね上がる!!


「なるほど……、見てから避けているわけではなく……
 『風』か……?」

 それならば、と体勢を変えたリゾットの足下に蠢くものがあった。
 粘度の高いゼリー状の物体。
 音もなく姿を変じ、それは人間の手の形状を成す。
 見ようによっては、突然地面からゴム手袋が生えたようにも見えるだろう。
 それはさらに殺傷能力を有す爪へと形状を変えた。

「ぐっ……おおお……」

 リゾットの左足くるぶしのあたりから血が吹き出す。
 とっさの判断で身体をひねったため、骨まで切断されることはなかったが、逃亡用の足を潰すという目的が十分に察せられる攻撃だった。
 魚のヒレのように足の皮が飛び出し、それもすぐさま赤黒く染まる。
 身体の内側でスタンドがロォォォオオオオドと蠢き切断面を繋ぐ。
 気力で動かせないことはないが、放っておけば致命傷となることがあきらかだった。

(他の好戦的な人間を呼び込まなければいいが……)

 初動に失敗した自分を呪いつつ、リゾットは予期しなかったもう一体のスタンドの姿を探す。
 血だまりそのもののような真っ黒い影が地面に落ちていた。
 それは見る間にタイルの隙間へ染み込んで消えてしまう。

「敵は、最初から二人いた……。
 あの浮遊しているスタンドの方が囮で、今のやつが本命か……!!」

 地面に溶けた影のように神出鬼没なスタンド。
 頭上には相変わらずふわふわと浮遊するもう一体のスタンド。
 そのコントラストが逆に恐ろしくさえあった。
 リゾットの頭髪の先が微かに震える。殺気を直に感じたときの、ひりついた感覚だった。

「リーダー!! リーダーか!?」

 そのとき、路地の向こうから走り寄る影が二つ。
 適度に筋肉のついた男二人組のようだが、その片割れにリゾットは見覚えがあった。
 声も、それは、聞き慣れた、もう二度と聞くことはないと思っていた声だった。

「ギアッチョ……か……?」



 * * *



「仲間か……」

 独立宣言庁舎の一室、ひとりの男が座していた。
 たっぷりとしたローブを身にまとい、双眸を閉ざした彼の身なりは、人によっては古の賢者のように見えたかもしれない。

「DIO様……」

 男の名はンドゥール
 映像としての情報を得たことがない彼にとって、主の『姿』は甘美な響きの形をしていた。
 光がなにかを知らずとも、彼は光を知っていた。
 救世主がしばしば光そのものにたとえられるように、彼にとってもまた、その名は『光』そのもの。
 DIOの存在は彼の行く道を照らす、やはり『光』に等しいものだった。

「ライフルには撃てる数に限りがある……が……
 ここで彼に会えたことだけでも感謝するべきか。
 DIO様を慕う彼に」

 ジョースター一族が二人とも死んだ。
 なんの情報も与えることのできない瞳にかわり、彼に物事の運びを告げる『音』が伝えたのだ。
 無数の悲鳴を、驚嘆の声を、失望の沈黙を。
 あらゆる疑問を二の次にしてしまえるほどの衝撃と遅れてやってきた喜び。

 砂の上ではなく、固い地面の上で最初に出会った人物はその喜びを分かち合うことのできる人間だった。
 ジョンガリ・A。同じ光に魅せられた人間のひとり。

 彼のことは12、3歳の少年だと思っていた。
 それが成人男性の声で喋り、足音も成人らしいがっしりとした体格を伝えるものだったので最初は戸惑った。
 それは彼も同じだったようだ。
 彼の知識の中では、私はすでに死んでいるらしいのだから。
 自分が死んでいる。という彼の言に衝撃を受けることはなかった。
 あの状況でDIO様に不利な情報をもらさず死ぬことができたのならば本望だ。

 私がなぜ生きているのかという疑問について、彼はひとつの可能性を提示した。
 『時間を操作する能力』
 だが正直、時間の操作でも、どんな能力でも構わなかった。殺されたのがジョースターの二人であるならば。
 それがどんな意味を持つと思う。DIO様を慕う者がやつらを殺した、ということにほかならない。
 『殺し合い』はおそらく見せかけのゲーム。
 過去の世界で、DIO様を慕っていながら、成果を出すことのできなかった我々に機会が与えられているのだ。

 防御に特化しないスタンドを持つ盲目の二人が一所に固まっているメリットはない。
 そう判断しジョンガリ・Aとは異なる場所に待機することにした。
 デイパックの中にあった紙は地図の可能性があったが、我々にそれを把握することはできない。
 『禁止エリア』と言われた場所に踏み込む危険性を考えてもあまり動き回ることは得策ではない。
 巨大な建造物で出会えたことを幸いに、建造物の内部及び周辺の敵を『ゲブ神』が襲い、ジョンガリ・Aには正門から飛び出してきた敵の始末と『ゲブ神』の補佐を任せることにした。
 状況によってはこの限りではなく、まさにこの瞬間も計画とずれてきてはいたのだが。

「DIO様、すべてはあなたのために……」

 彼の補佐となる杖はその手にない。
 しかし、彼はたしかに、光の射す方を向いていた。

「その邪魔者を殺して見せましょう」



 * * *



「あんたも参加させられていたのか」

 リゾットにとってギアッチョがすでに故人であることを本人は知らない。
 傍らの男について説明するギアッチョをリゾットはなんともいえない表情で見つめていた。

「…………俺から聞きたいことはたくさんあるが、今は敵の攻撃に備えろ。
 ここには少なくとも二人のスタンド使いがいる。正確にはそのスタンドが。
 あの浮かんでいる方は一度銃弾を発射したきり、積極的には攻撃してこない。
 確実に仕留めるという瞬間にしか攻撃をしかけないのかもしれない。
 注意すべきは……、ッ……こいつだッ!!」

 ギアッチョの足元がにわかに黒光りしたかと思うと、一瞬でそれは人の手に形を変える。
 攻撃をしかけようとしたそれに、リゾットの投じたメスが突き刺さり、通り抜けた。
 苦しんでいる様子はない。地面に溶け、再びその姿は立ち消えてしまう。

「水の特性を持つスタンドか……厄介だな……」

 ディエゴが呟く。喜んでいるかのような声色を含んでいた。
 リゾットがディエゴに向けた視線は剣呑としている。

「ディエゴといったか、一応お前を信用して聞こう。
 お前のスタンドはこいつを叩くのに有効な能力か?」
「いいや、俺の能力は『接近戦に特化した』物理攻撃オンリーってヤツでね。
 水は切っても切れないだろうし、銃弾を放つ攻撃に対するアドバンテージもない」

 大仰に手を振ってみせるディエゴの様子は、自分の真意を悟らせない道化師の姿をリゾットに想起させた。
 地面から離れる術はなく、どこから襲撃されるかわからないというのに。
 無表情であろうとするリゾットとは対照的だった。

「そんな怖い顔をしないでくれよ。リーダーさん。
 ギアッチョの説明だけで信用が得られるなんて、俺は思っていない。
 暗殺を生業としてきたんだろう? 信用できない相手に能力を明かせないというのは、当然の判断さ。
 俺は本体を探すためにこの場から離れる。近くにいるはずだ。
 あんたが俺を信用するかしないかは、こいつらを片づけてから判断すればいい」

 構わないだろう?とギアッチョに視線をくれるディエゴは相変わらず余裕たっぷりで、リゾットには不信感が募っていく。
 しかし、ディエゴが言ったことはほとんどが核心を突いていた。
 『メタリカ』の能力を見た標的は必ず死ぬ。ずっとそうしてきたのだ。
 標的でも仲間でもない人間には、できるだけ能力を見せたくなかった。

「頭はきれるようだな……
 あまりアテにする気はないが、本体を探してくれ。スタンドの方は俺とギアッチョで対処する」

 走り去る直前も、ディエゴは不敵な笑みを崩さなかった。
 ああいうタイプは一番信用が置けない。
 あいつがいる時、なぜ攻撃が止んでいた?
 ギアッチョはここに来て以来、あいつと行動を共にしていると言っていたが。
 人好きとはいえないギアッチョと初対面で打ち解け、行動を共にするなど、さらに怪しい……。
 リゾットの心に芽生えた不信感は強く根を張ろうとしていた。

 独立宣言庁舎の門をくぐりディエゴの影が消える。

 すぐさま、攻撃が始まった。

 執拗に手足や瞳を狙い、液体状のスタンドが爪を振るう。
 そして忘れた頃に浮遊しているスタンドから銃弾がおみまいされるのだ。

「リーダー退いてくれ、こいつは俺が……」
「黙れ。『お前の能力ではこいつに対処できない』」

 焦れるギアッチョが目を見張る。
 対するリゾットは『まだ能力を明かすな』と視線で意志を伝えていた。

(ギアッチョの物体を凍らせる能力ならば、『水』のスタンドには対処できよう。
 完全に自分が優位だと思っている今まさにこいつを叩くべきだということは変わっていない。
 しかし攻撃されていることを相手に悟らせず凍らせるにはどうすればいい?
 無差別に地面を凍らせていると知れば、当然やつは逃げるだろう。
 用心深くなり、いつの間にか飲料水にもぐりこまれていたり、川で待ち受けられれば、それこそ厄介だ)

 傷ははっきりいって深い。しかし彼には経験と判断力があった。
 ギアッチョの能力は強いが永久に発動し続けることができるわけではない。
 それだけにこの機を逃すことは避けたかった。
 殺し合いを強要されている現状、手負いを逃すほど敵も甘くはないとリゾットは理解している。
 幸いと言うべきか、いまだ能力を見せず、怪我のないギアッチョへは牽制程度に、敵スタンドからの攻撃はリゾットへと集中していた。

 リゾットが跳ぶ。足元をスタンドが薙ぐ。
 着地と同時に体勢を崩し、目前に迫ったそれを横回転で回避する。
 水のスタンドの攻撃は的確で鋭い。
 動き回るたびに怪我を負った箇所から血が飛んだ。

(そもそも、やつの本体はどこから俺たちを見ている。
 人の部位を狙えるほどの的確な攻撃を双眼鏡で行えるとは思えない。
 すでに手近な窓をすべてチェックし終えたが……、近くからこちらを見下ろしているはずなんだ……ッ!!)

 宙に浮くスタンドから銃弾が発射され、空を裂く。
 リゾットが退くと、銃弾は地面で跳ね、ほど近い人家の窓硝子に突っ込んでいった。
 耳障りな音をたて、窓硝子が粉々に砕け落ちる。

 予期した水のスタンドの追撃は、『行われなかった』。

(今……なぜやつは攻撃をしかけてこなかった…!?
 緩急をつけるためか? このタイミングで。
 窓硝子が割れた…………。
 窓硝子が割れ、砕け落ちた。音をたてて…………)

 ハッとリゾットの瞳が見開かれる。
 ギアッチョの問いかけるような視線に彼は一瞬のジェスチャーで答えた。
 『今しかない』と。



 * * *



「ンドゥール、なぜ攻撃しないッ!?
 まさか手負いの男が窓に飛び込んだと判断したのか!!」

 独立宣言庁舎の正門が『見える』家屋の二階、ジョンガリ・Aが狼狽の声を上げる。
 目の不自由な二人ではあるが、音に頼る者と気流に頼る者、わずかながらに認識が異なっていた。
 足を負傷してなお俊敏な動きを見せる敵ではあったが、あと少しのはず。
 ジョンガリ・Aにとって、ンドゥールの突然の攻撃中止は全く予期せぬ出来事だった。

「あいつらは『ゲブ神』の、いやンドゥールの特徴に気付いたのか……?」

 銃撃するべきか、様子を見るべきか。
 ジョンガリ・Aは躊躇する。
 その間に彼は『マンハッタン・トランスファー』が降下するのを感じた。
 疑問に思い、改めて気流を読むが、二人に動きはなく、もとより強い風は吹いていない。

「動いていないのに、動く……。
 つまり空気そのものが重くなっているッ?!
 まさかあいつら…………!!」

 今度は躊躇わず銃弾を発射した。
 二人は曖昧ながらもンドゥールが音を察知して攻撃することを察したのだろう。
 なぜ空気が重くなっているのか。
 予測が当たっているのならば、二人目の男はンドゥールにとって最悪の相性に近い。

「ンドゥール!! 今の内に攻撃しろーッ!!」

 『マンハッタン・トランスファー』を中継地点とし、銃弾がギアッチョへと迫る。
 当たれば一撃で射殺可能なヘッド・ショット。
 当たらずとも二人が避ければ、その物音はンドゥールに伝わる。
 それだけで十分…………。

「なに……!?
 銃弾がどこにも着弾しない……だと……?」

 空を切る銃弾の流れをジョンガリ・Aは着実に捉えていた。
 『マンハッタン・トランスファー』は確かにギアッチョの頭を目掛けて銃弾を発射したはずだった。
 ジョンガリ・Aが感覚を駆使し、気流を読む。
 銃弾はギアッチョの脳天で分厚い氷に阻まれ静止していた。


 音のない世界で、地面が冷やされていく…………。



────ジェントリー・ウィープス────



 凍りついた世界ではすべての生命が動きを止める。
 這い寄る氷は音もなく『静かな死』をもたらすのみ。

 リゾットから10mほど遠く、地面がピシリとはぜた。
 それは『ゲブ神』であったもの。
 水そのものである『ゲブ神』が、攻撃されていることに気付く間も逃れる術もなく取り込まれ、氷塊となったもの。
 細胞──とでも表現すべきか──という細胞が振動することを禁止され、『ゲブ神』は完全に制止する。

「もとからお前は敵ではなかった……
 共闘する『水』のスタンドをとり逃す可能性さえなければ……」

 降下を続ける『マンハッタン・トランスファー』がブルリと身悶えした。
 そのスタンド使いが安堵しているのか、復讐心に沸き立っているのかはリゾットの知るところではない。

「お前が窓硝子を割った瞬間、俺たちは互いに退けなくなった。
 弱点をつかんだと悟らせないためのスピード勝負…………」

 氷塊に亀裂が入り、見る間に細かなひびが全身に広がる。
 『マンハッタン・トランスファー』が宙にかき消えるのと、氷塊が崩れ落ちるのはほぼ同時だった。

「痛み分け……
 いや、ギアッチョの、俺たちの勝ちだ……」

 リゾットがひざをつく。
 折れた枯れ枝のようにざっくりと、膝下から先が分離していた。


 窓硝子が割れ『ゲブ神』が音に反応していると『気付くチャンス』が生まれた瞬間、戦いを長引かせる時間的な余裕がリゾットから失われた。
 もうひとりのスタンド使いジョンガリ・Aがンドゥールに警告を送る可能性が高かったためだ。
 実際のところンドゥールとジョンガリ・Aは別々の場所でスタンドを操作していた。
 そのためリゾットの挙動に気付いたジョンガリ・Aも銃撃という手段を持ってでしかンドゥールに警告を送れなかったわけだが。
 ンドゥールが音を関知して攻撃しているという事実を『自然』に気付けていたなら、リゾットが囮になりピンポイントで『ゲブ神』のみを凍らせるという対処も可能だったかもしれない。
 しかし、窓硝子が割れ、『ゲブ神』は攻撃を躊躇した。
 その一瞬の間で、『ゲブ神』が退く可能性が生まれ、ギアッチョが攻撃せざるを得ない状況に追い込まれた。
 ここで『ゲブ神』をとり逃せば無傷のギアッチョを温存しておいた苦労がすべて無駄となる。
 機動力を欠いたリゾットをギアッチョが負って、神出鬼没な敵を注意し続けるなど体力の無駄、精神力の無駄以外の何物でもない。
 リゾットはギアッチョに周囲を凍らせろと命じた。
 自分も巻き込まれるであろう無差別の超低温。
 しかしギアッチョは無傷で生き残る。
 銃弾は氷に阻まれ届かない。
 どこかにいるであろう『ゲブ神』は、凍りつき、破壊される……。



 * * *



「あなたに…………」

 背後に青年が立っていた。

「殺される……のだけは嫌だ…………。
 あなたに…………だけは…………」

 青年が二人と分かれてから、幾ばくの時間も経ってはいない。
 ほぼ一直線に彼はこの独立宣言庁舎の一室へやってきた。
 ンドゥールが逃げるべきかを判断する暇も与えなかった。

「初めて会った人間によくそんなことが言えると思うよ。新手の命乞いか?
 それとも、どこかで君に会ったことがあったかな?」

 鼻歌でも歌い出しそうな雰囲気で、青年は部屋の中を検分している。
 ンドゥールはその耳に届いた声を疑わなかった。
 その声は光そのもの。人を惹きつけてやまない声だった。

「DIO様……」
「もしかして君も、彼のような別の世界の住人ってわけか?
 その世界での知り合いだとしたら申し訳ないな。俺の方はさっぱり覚えてないんだから。
 別の世界の俺がどうして君とオシリアイになったのか、説明して欲しいくらいだ」

 時間を操作する能力──ジョンガリ・Aの言がンドゥールの脳裏によみがえる。
 自分と出会う以前のDIO様。その可能性も?

「正直、君のような優秀なスタンド使いとも手を組めたらと俺は考えている。
 『数の利』というのは馬鹿にできないからなぁ。そうは思わないか?
 俺は君の能力を高く評価しているつもりだ。
 君のお仲間の方はライフルが弾切れを起こしたら戦えないだろう。
 そのためにスタンドを出していながら攻撃は控えめだった。違うかい?
 いつ攻撃されるかわからないってだけでプレッシャーにはなるから、仕事は果たしてると言えるのかもしれないが。
 だから先に君に会いに来た。
 彼らがどの程度やれるのか、俺は知らないしな」

 ンドゥールの動揺を知ってか知らずか、背後の男はひとりでしゃべり続けている。
 彼の口調はンドゥールが抱いている、帝王たるDIOの印象からは少し異なる、野心的で皮肉っぽいユーモアをきかせる、どちらかというと普通の青年のそれだった。
 記憶の中の主からは、心を開かずにおれぬような甘い芳香が漂っていた。
 それでいて、あの方はそばにいるだけで他人を縮みあがらせるようなプレッシャーを放つことができた。
 感覚は背後の人物をDIO様ではないと否定する。
 知識と感情がまたそれを否定した。

「あなたは…………」

 言いながら、舌が麻酔でも打たれたかのように感覚を失っていくのをンドゥールは感じた。
 気が付けば固く縮こまった身体全体が異様な低温になっている。
 二人の男がいる方に向かわせた『ゲブ神』が攻撃を受けているのだろう。

 『音』はなにも伝えない。
 あれほど頼りにしてきた聴覚が、いまや皮下の感覚にも劣るほど無力だった。

 ディエゴは耳を澄ませるように、背筋を伸ばしていた。
 彼はすでに目の前の男の言葉を聞いていない。
 彼には体外に無数の感覚器官がある。スタンド『スケアリー・モンスター』で配下の恐竜へと変えた生物のそれだった。
 ギアッチョらと分かれる最中、支給品のカエルを恐竜に変えギアッチョの荷物へ滑り込ませておいたのだ。
 悠長にンドゥールとの会話に興じていたのも、そのアドバンテージあらばこそ。

 敵も味方も彼にとっては一元的なものではない。
 独立宣言庁舎に踏み込んだ時から、見知らぬ人間の匂いは感じ取っていた。
 それを知っていながら、彼はそのまま放置したのだ。
 ギアッチョとその上司というリゾットを取り込んだ方が得か、彼らを裏切ってでも攻撃をしかけてきたスタンド使いを仲間にした方が得か。
 彼は秤に掛けた。
 運が良ければ、両方を得ることが出来たかもしれないが、そこまでは望んでいなかった。

 戦闘の終結を確認し、ディエゴ・ブランドーゆっくりとンドゥールへと向き直る。
 右手で覆った口元からは笑みが漏れていた。

「勘違いしないでほしいのは、君に落ち度があったわけじゃないってことだ。
 水と一体化して敵を攻撃するスタンドなんて、そうそう勝てるヤツもいないだろう。
 何度も言うのは無駄だと思うが、俺は君を評価している」

 形だけのため息だとンドゥールは感じた。
 心底残念そうな声色ではあるが、それは捨てようと思っていたゴミが腐っていたと知ってしまったような、どうでもいい落胆。

「どちらかというと寒いのは好きじゃないんだ。
 恐竜が絶滅したのは、地球全体が寒くなったせいだっていう、知識があるせいかもしれないな」

 言いながらディエゴが踵を返す。
 パリ、パリという音が部屋の中で響いた。

「それに、良かったじゃないか。
 俺に殺されずにすんで」

 硝子が粉々になるような壮大な音を立てて、氷塊が崩れ落ちる。
 もしもそれを耳のいい人間が聞いていたのなら、あまりの騒々しさに、正気を失っていたかもしれない。
 もしもの話、だが。



 * * *



「これでいい……」

 硝子の破片が散乱する家屋の一室、リゾットが壁を背に腰を下ろしていた。
 いや、たとえ立ち上がろうとしても不可能だった。
 両足の膝下が消失しているのだから。

「……………………」
「あのスタンドに一撃くらった時点で……、すでに致命傷だった。
 これ以上、俺のためにお前が能力を使うことは無駄だ……」

 『メタリカ』の能力、『ホワイト・アルバム』の能力で止血に近いことができないわけではない。
 しかしリゾットはそれを拒んだ。
 これ以上、チームに損失を与えるわけにはいかなかった。
 彼らの仲間に、人体のパーツを回復させられるような都合のいいスタンド使いはいない。
 今後、出会う可能性があるとしても、その『もしも』のために払う代償はあまりに大きかった。

「ギアッチョ……、勝機が見えるまでは……耐えろ……
 難しいことかもしれないが……
 お前のスタンドは……最強だ……俺より……よっぽどな……」
「あんたが、人を誉めるなんて、縁起でもねえよ」

 手負いの自分か、無傷のギアッチョか。
 チームのリーダーである自分か、一部下でしかないギアッチョか。
 磁力を操作する能力か、氷を操る能力か。
 目的の見えぬ殺し合いの場で優位につけるのはどちらなのか、リゾットはあらゆることを勘案して結論を出した。
 そこに感情的な考えは含まれていないと、彼自身は考えている。

「今更かと、思うかもしれない……それでも、常に考えていたことだ……
 ボスの娘を……手に入れることが勝利なのか……、麻薬ルートを牛耳ることが、勝利なのか……」

 もとより光彩の少なかったリゾットの瞳がさらに暗くなった気がした。
 喋る内容も譫言のように判然としない。
 そんなはずないと、ギアッチョは思い込もうとしている自分を自覚した。

「なにが……俺たちにとって、勝利なのか……よく……考えろ……」

 ギアッチョは歯噛みする。
 とても、不条理な気分だった。なにかが間違っていると感じる。
 普段なら手近な物に八つ当たりしているに違いない怒りの感情。
 今、その目の前にあるのは、失われていく自らのチームのリーダーの命だった。
 八つ当たりなどせずとも消えてしまう、命の最後の灯火だった。

「……誇りを…………」

 がくりとうなだれたリゾットを信じられない気持ちでギアッチョは見ていた。
 ふらふらと扉をくぐり、水と血で濡れた地面を踏みしめる。

 リゾットが自分を遺していくことをギアッチョは、今まで、考えたことがなかった。
 先に死ぬのは冷静なブレインではなく喧嘩っ早い手足の方だと、チームを自覚してからは自然と考えるようになっていた。
 スタンドの能力、経験、性格、すべてが勘案されてチームは構成されていたのだ。

 自覚がなかったわけではないが、強く意識したことはなかった。
 ボスへあれほどの反発心は抱いたのはなぜか。
 ボスの娘を手に入れるために、チームのメンバーが命を懸けたのはなぜか。
 それを自分も当然のことと思っていたのはなぜか。
 自分は、自分たちはチームに愛着を感じていたのだ。
 世間から憎まれ、組織からも疎まれる暗殺という仕事に、それを遂行するチームのメンバーに俺たちは『誇り』を持っていた。
 そう、『誇り』を…………。


「すまない。俺が見つけた本体は、君たちが対処した方と同じヤツだったようだ。
 ギアッチョ……?」

 独立宣言庁舎より舞い戻り、ディエゴがギアッチョのそばに寄る。
 肩をブルブルと震わせたギアッチョの感情を、ディエゴは気付いていない訳ではない。

「クソックソックソックソックソックソックソックソックソックソッ!!!!」

 感情任せに地面を蹴りつける。
 何度も、何度も、何度も、何度も。
 ディエゴはそんなギアッチョの様子をよそよそしい表情で見つめていた。

「間に合わなかったか、一応これでも必死だったんだが……
 逃げたヤツを追うなら急いだ方がいい」

 ディエゴにとって、疑り深いリゾットは消えてくれてもいい存在だった。
 せっかく味方につけたギアッチョとの『信頼関係』もリゾットのせいで切れていたかもしれない。
 氷を操る強力な能力、手放すには惜しい。

「もうひとりのヤツを追うのは後回しでいい、そのうち殺してやるが……」
「ほう、敵討ちよりも優先すべきことがあると?」
「俺たちをこのゲームに巻き込んだ人物、そいつを殺るのが俺であるなら、他の雑魚はどうでもいい」

(俺にとっては好都合って『世界』だな)

 水溜まりに浸かりながら闘志を燃やすギアッチョを前に、ディエゴはひとりほくそ笑む。



 * * *



「ンドゥールは、やられたか……
 あの三人目の青年、DIO様とよく似た空気をまとっていたが……」

 ジョンガリ・Aは壁にすがり息をついた。
 机とベッドのみというシンプルな部屋の中、乱れた呼吸が気持ち悪く響きわたる。

 始めから、敗戦の色が濃くなった瞬間に逃げ出そうとジョンガリ・Aは考えていた。
 主な攻撃は『ゲブ神』にまかせ、ジョンガリ・Aはあくまで補佐。
 スタンド自体に攻撃手段がないジョンガリ・Aにとり、ある種仲間以上に貴重な物がライフルとその銃弾だったのだ。
 実際にはかなりギリギリの逃亡だった。
 『氷』を操るという能力を駆使すれば、銃弾を防ぎ『マンハッタン・トランスファー』を捕らえる牢を作ることが可能だろう。
 『ゲブ神』を捕らえたあのスピード。
 恐ろしい強さを持つスタンドだった。

 ンドゥールはジョセフ・ジョースター空条承太郎の死に浮かれていた。
 彼は自身の目的の大部分を達成したために、この『サバイバル・ゲーム』を軽んじていた。
 敵か味方かの見境もなく、参加者を攻撃するほどに。
 自分は違うとジョンガリ・Aは自負している。
 彼にとってのジョースター家へのは復讐は終わっていなかった。
 空条徐倫──忌々しいジョースターの血統。あの女が死ぬまで、気を抜くことはできない。

「DIO様を慕う者が仕組んだ……か……」

 ジョンガリ・Aはンドゥールが語った考えに対して、半信半疑だった。
 理解しかねる出来事を疑い、戦いに消極的であったからこそジョンガリ・Aは命を繋いでいた。

「勝てる戦いのみを選び、俺の居場所を悟られてはならない」

 知らぬ場所、未知の敵、限られた攻撃手段、目的のわからぬ『サバイバル・ゲーム』。
 ジョンガリ・Aは苦悩する。
 しかしその心に宿る信念は揺るがない。

「DIO様……、あなたのために……」



【ンドゥール 死亡】
【リゾット・ネエロ 死亡】

【残り 112人】



【F-4 独立宣言庁舎前路地 1日目 深夜】

【ギアッチョ】
[スタンド]:『ホワイト・アルバム』
[時間軸]:ヴェネツィアに向かっている途中
[状態]:健康 怒り
[装備]:なし
[道具]:基本支給品一式×2、ランダム支給品1~2(未確認)、ディエゴの恐竜(元カエル)
[思考・状況]
基本的思考:打倒主催者。
1.暗殺チームの『誇り』のため、主催者を殺す。
2.邪魔をするやつは殺す。

【ディエゴ・ブランドー】
[スタンド]:『スケアリー・モンスター』
[時間軸]:大統領を追って線路に落ち真っ二つになった後
[状態]:健康
[装備]:なし
[道具]:基本支給品一式×2、ランダム支給品2~4(内1~2は確認済み)
[思考・状況]
基本的思考:『基本世界』に帰る
1.仲間を増やす
2.あの見えない敵には会いたくないな
3.ギアッチョ……せいぜい利用させてもらう……
4.別の世界の「DIO」……?

[備考]
ギアッチョとディエゴ・ブランドーは『護衛チーム』、『暗殺チーム』、『ボス』、ジョニィ・ジョースタージャイロ・ツェペリホット・パンツについて、知っている情報を共有しました。
フィラデルフィア市街地は所々破壊されています。
ギアッチョの支給品はカエルのみでした。


【F-4 公園周辺の家屋2階 1日目 深夜】

【ジョンガリ・A】
[スタンド]:『マンハッタン・トランスファー』
[時間軸]:SO2巻 1発目の狙撃直後
[状態]:健康
[装備]:ジョンガリ・Aのライフル(残弾数は35発分)
[道具]:基本支給品一式、ランダム支給品0~1(確認済み)
[思考・状況]
基本的思考:DIO様のためになる行動をとる。
1.ジョースターの一族を根絶やしに。
2.DIO様に似たあの青年は一体?
3.この殺し合いはDIO様を慕う者が仕組んだ?
4.ンドゥールは殺された……。



[備考]
ンドゥールの参戦時期はJC20巻 自害する直前でした。
リゾット・ネエロの参戦時期はJC59巻 ドッピオの頭を切り落とす直前でした。





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前話 登場キャラクター 次話
GAME START ンドゥール GAME OVER
025:私のDIO様がこんなに来世なわけがない ギアッチョ 091:暗いところで待ち合わせ
GAME START リゾット・ネエロ GAME OVER
GAME START ジョンガリ・A 096:囚われ人と盲目者
025:私のDIO様がこんなに来世なわけがない ディエゴ・ブランドー 091:暗いところで待ち合わせ

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最終更新:2012年12月29日 18:19