「………………」

リンゴォ・ロードアゲインはひとり道の真ん中に立ち尽くしていた。
先程説教を行った少年―――東方仗助の姿は既にない。
彼は言いたいだけいうと、本当に北へと向けて歩き出して行った。
その姿が見えなくなる寸前に一度だけ振り返ってこちらを見ていたのは彼なりの『心配』、あるいは『期待』だったのかもしれない。

「『成長』すればいい……か…………」

元々リンゴォはそのつもりであった。
人として未熟な自分自身を人間的に生長させるために、彼は公正なる『果し合い』に挑んできたのだから。
しかし、自分は敗れた―――命を奪われることも無く『生かされて』。
その時点で、自分は既に『死んでいる』―――それに等しいことだと考えていた。

―――だからこそ、彼のスタンド『マンダム』は精神が落ち着いた今も発動しない。
生命エネルギーの像であるスタンドが、自分は死んでいると思っている人間に現れるはずがなかった。

人は成長を続ける生物だが、死んでしまえばそこで成長は止まる。
スタンドが無くなる……すなわち、魂が死んでしまった状態に等しい自分がこれ以上成長できるはずがない。
先程の仗助の言い分を聞いても、自分の歩んできた道を、信念を曲げることはどうしても出来ず、彼の後を追う気にはなれなかった。
かといって、仗助の言葉が全くの無意味というわけでもなかった。

「……オレが『未熟者』、そんなことは元より理解している……だが『甘ったれ』だというならば、今のオレがオレ自身を殺すわけにはいかない」

リンゴォは彼の言葉を聞き、ひとまず自決を思いとどまっていたのである。
思い返すのは、この『殺し合い』が始まってから耳にした言葉。


『―――このゲームにおけるルールは唯一にして絶対無二、『生き残れ』、ただそれだけッ!―――』

―――そう、ここは殺し合いの場……相手を『負かす』には『命を奪う』しかない。


『―――返してほしければ、力づくで奪うがいいさッ UHAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!!』

―――だが、あの男は逃げていった……自分の『命を奪わず』に。


『―――だったら成長すりゃあ良い。でもそれがない。自分の限界決めつけてるから―――』

―――成長、限界……それ以前の問題として、スタンドは変わらず使えない……では、どうするか。


リンゴォは顔を上げ、首を横に向ける。
見つめる先は東―――巨漢が去っていった方角。


(……ヤツにはオレを殺す、その義務がある……そんな気すらないというのならば……)


―――彼の心は、決まった。


「殺し合いの場にもかかわらず、おまえはオレを生かしたまま去っていった」

言葉の内容は巨漢に向けられているもののようであったが、リンゴォはほとんど自分に言い聞かせるかのようにつぶやく。
まずは辺りに落ちていたデイパックとナイフを――折れてしまった二本を含めて――拾い上げた。

「しかし、この場からはオレを含む『参加者』を殺さなくては出て行けない…………ならば」

『果し合い』の決着は、まだついていない―――自分の考えにも完全な納得は出来ない。
だが、『果し合いの最中』ならばどんなに絶望的な状況になろうとも自暴自棄になり、自らの命を捨てることは『男の世界』に背くことになる。

(そうでなければオレはあの夜、軍服の男から銃を奪い取ることなく、なすがままにされ殺されていただろう……
 あがいたからこそ、オレは『光』を見つけることができた……進むべき『光り輝く道』を……
 あの時のように、あがいてみるのが『アマったれるな』ということだと、オレは受け取った)

自分の歩を進める―――先程までの自分が出来なかった『限界』を超えるためにリンゴォは『前を向いた』。
言葉の意味はリンゴォ自身の勝手な解釈。
もしかしたら、仗助は彼に『他の道を見つけろ』と言いたかったのかもしれない。
しかし……

「……おまえはオレに成長すればいいと言った……だが、オレは他に生長の方法を知らない。
 そして、この道が間違っているとは欠片も思っていない……これ以外には生きられぬ『道』」

ちらりと北―――仗助の歩いていった方角を見て、リンゴォは口を開く。
その言葉は仗助に聞こえるはずも無く、どちらかといえばリンゴォ自身の『けじめ』というべきものであった。
言い終えると彼は再び前を向き、歩き出す。
公正なる『果し合い』の続き―――決着を『つけさせる』ために。

「ヤツがどんなつもりか……どちらにせよ、オレの命を奪わないというのならば、奪ったものは返してもらう―――『スタンド』も、『誇り』も」


リンゴォはどこまでも歩き続ける―――自分の定めた一本道を。


#


―――時間的にはリンゴォの出発から大分経過した頃。
果し合いの相手であったエシディシ―――今はレオーネ・アバッキオである―――は呆然としていた。

ムーディー・ブルースによる『再生』は既に終わっていた。
それにより、アバッキオは全てを知ってしまった―――巨漢と東洋人が何をしたかということ。
そして、自分が命の恩人であるその東洋人の命を図らずも奪ってしまったことも。

「こんな……こんなことが……」

目の前で見た『過去』に、別のものになってしまった自分の体……事実は全てそこにある。
しかし、あらゆる意味で脳がそれに追いつかなかった。

「……オレの……からだ……は」

頭の中は真っ白になっていたが、それでもふらふらと歩き、すぐ側で潰れているコンテナに手をかける。
アバッキオ本来の力ではビクともしない重量のコンテナも、『柱の男』のパワーならば話は別であった。
金属がきしむ音を立てながらコンテナが浮き、横へとどかされる。
その下にあったのは、コンテナに潰されて無残な姿になった東洋人―――岸辺露伴の死体と、自分自身―――レオーネ・アバッキオのぬけがら。

「―――ッ!!」

無残な死体を見たのは初めてというわけではなく、コンテナの下に死体があることも分かっていた。
しかし、スタンド使いであっても想像できないものである―――自分の死体を見る、ということは。

アバッキオは気分が悪くなり、頭を抱える。
脳は吐き気をもよおしていたが、喉の奥から何かがせり上がってくるという様子は無く、代わりに目元から涙がこぼれそうになっていた。
……まるで、体の元の持ち主が大声で泣き叫びたいとでも言わんばかりに。

(だが、今はまだ目を背けるには早すぎるだろーが……ッ!)

歯を食いしばって堪え、続いてもう一人の死体に目を向ける。
この体の本来の持ち主であった巨漢を倒し、自分をこのような状態にした張本人。

「助けてもらって……アンタに感謝するべきだとは思ってる……だが……オレは……すまない…………」

命の恩人かと聞かれれば間違いなくそうであると言える……が、素直に感謝できるかと聞かれれば即答は出来なかった。
されど、自分のせいで彼が死ぬことになったのもまた、まぎれも無い事実。
アバッキオは複雑な感情を抱いたまま、届くはずもない謝罪をするほかなかった。

「悪いが、ちょっとだけ試させてもらう……死体に鞭打つってワケじゃあねえが……」

アバッキオは『再生』で見たことを実際に確かめるため、露伴の死体に軽く手を触れる。
すぐに手は死体に……いや、死体のほうが手にめり込んで、自分の体に『吸収』されていく。
意図して『吸収』をやめようと考えても、何をどうすれば加減できるのかがさっぱり分からなかった。

「やっぱり、この体は……明らかに人間のモノじゃねえ……」

明らかに特異な全身だけでなく、体の中に流れる血液や、血管にまで妙な何かを感じる。
『化け物』は文字通り『化け物』だったということであり、それは現在の自分が『化け物』であるということを示す。
そして、元に戻すことが可能といえそうな人物は既にいない。

果たして、自分は本当に『救われた』のだろうか。
アバッキオはその答えについて、いくらもしないうちに知ることとなる。

「お、おい…………」

呆然としていたうえにその『音』が比較的なじみのあるものだったため、用心深い筈のアバッキオが『エアロスミス』の発する音に気付いたときには既に遅かった。
彼が振り向くと、そこには信じられないような目でアバッキオと……彼のぬけがらを見る同じチームの仲間―――ナランチャ・ギルガの姿があった。

(―――ナランチャ……!? どうする……? 事情を話すべきか…………本当に、それでいいのか……? オレが、化け物になっちまったと伝えて……
 それともこの場は一旦離れて『放送』でオレの名前が呼ばれないことを確認してから―――いや、そもそも主催者の野郎はこの状況をどう判断する……?
 この化け物じゃなく、オレの名前の方が呼ばれてもなんらおかしくはねえ……それほどの異常事態だ……)

―――混乱に疑問、そして躊躇。
自分でも受け入れ難い事実を伝えてしまって本当に良いのか、そもそもナランチャが理解できるような説明を行えるのか。
それよりもここは一度離れ、『放送』を確認してから説明するべきではないのか。

アバッキオにはこの時、向かうべき二つの道があった。
―――そう、この時は。


#


「どおゆうことだよォオオオオオオ!! なんでアバッキオが死んでるんだよォオオオオ!!」

ナランチャは人目も気にせず力の限り叫んでいた。
皮肉にも、サルディニア島でナランチャが見たのとほぼ同じ―――腹に大穴が開いているアバッキオの死体にすがりつき、泣き叫んでいた。
せっかく生きていたと思っていたのに、また会えると思っていたのに―――彼の悲しみは、計り知れない。
希望が絶望に変わるというのは、何より深い悲しみを生むことになるのだから。

そんなナランチャのすぐ近くには巨漢が立ち尽くしており、ナランチャに何をするでもなくただ見つめている。
その姿はまるで、ナランチャに対してどうしていいかわからないように見えた。
だが、彼が迷っているうちにナランチャは巨漢の方へと向き直る。

「てめえか~~ッ!? てめえがアバッキオをやったのかぁぁぁーーッ!!」

ナランチャの疑いはすぐ近くにいる巨漢に向けられる。
それも当然……彼は直前まで『ムーディー・ブルース』の発する音を聞いていた。
しかし、駆けつけてみればアバッキオは物言わぬ死体となっており、近くには見知らぬ巨漢がいる。
状況的に、誰が見ても犯人はただ一人しか考えられなかった。

「落ち着……」
「下がるんだ、ナランチャ!!」
「!?」

まさに巨漢が口を開いた瞬間、ジョナサン・ジョースターが二人の間に割って入る。

「え、ジョナサン?」
「そいつは人間じゃない! おそらく吸血鬼……化け物だ! とにかく一度離れるんだ!」
「えっ?えっ?」
「―――!!」

その言葉を理解しきれないナランチャ、一方巨漢のほうはジョナサンの言葉にショックを受けたかのように固まってしまった。



―――わずかに時は遡る。
実はジョナサンはその優れた身体能力で先回りをし、ナランチャが巨漢に接近する少し前に現場付近の高所に辿り着き、そこから巨漢の様子を伺っていたのだ。
ナランチャが言っていた『ムーディー・ブルース』の音は既に途絶えていたため、ジョナサンは巨漢の正体と、その近くにある二人の男の死体について判断しかねていた。

(あれが、アバッキオ……? いや、確かに背は高くて体格もいいが、あの巨漢がナランチャと同郷の人間とは思えない……
 それに、あの二人の死体はいったいどういうことだ……? 彼がたまたま通りかかっただけ……ではなさそうだが)

次に彼が見たものは、巨漢が二人の死体のうち片方に手を触れる場面。
そのとき、ジョナサンは巨漢の持つ生命エネルギーがほんのわずかだが増えたことを感じ取った。

(あれは……血を吸っているのか……!? だとすると、ヤツは吸血鬼……! やはりあの二人はヤツに……?
 ……いけない、このままではナランチャが危ない!)

即座に判断し、自分も巨漢の元へと急ぐ。
そして、駆けながらもナランチャの発言から、巨漢ではなく近くに横たわる死体のほうがナランチャの知り合いであるアバッキオだということを確認した。

(ならば、手加減は無用ッ!!)

―――そして、今に至る。



ジョナサンはキッと巨漢を睨むと、決意に満ちた表情で言う。

「おまえがこの殺し合いの場で何を思い、何故彼らを襲ったのかは分からない。
 しかし、彼らにもナランチャのような仲間が、家族がいたはず! それをおまえは奪ったのだ!
 許しておくわけにはいかないっ!! 浄めてやるっ! その穢れた魂ッ!!」

未だに呆然とするナランチャを下がらせると、ジョナサンはその腕を振りかぶり巨漢に迫る。

(狙うのは当然、脳が存在する頭部―――!)

対する巨漢は我に返ると、まるで体に触れられることを恐れるかのように必要以上の動作で後退してジョナサンの攻撃をかわす。
……だが、次の瞬間!

「ズームパンチ!」
「―――がッ!!?」

関節をはずして腕をのばすッ! その激痛は波紋エネルギーでやわらげるッ!
ジョナサンの腕が手元でグーンと伸び、とっさにのけぞった巨漢の喉を捉えた!

波紋の一撃を食らった巨漢は何度か口をパクパクさせていたが、ジョナサンが再び構えるのを見ると……
背中を見せ、恐るべき速さで一目散に逃走を始めた。

「あっ! てめーっ! どこに行きやがる! 逃がさねえぞォオオ!!」
「ナランチャ! 待つんだ!」

ようやく気を取り直したナランチャは即座にそれを追い始める。
アバッキオの死体を野ざらしにしたままとはいえ、殺した相手がすぐ近くにおり、逃げるというのならば追う以外の選択肢は彼には無かった。
ジョナサンも後に続こうとして、ふとアバッキオの死体が妙な様子であることに気がついた。

(頭が開かれて……脳が、無くなっている……?)

違和感を覚えるものの、躊躇は一瞬。
すぐに逃げる巨漢とそれを追うナランチャに続き、ジョナサンは駆け出した。


#


アバッキオは逃げていた。
自らを追ってくる二人だけではなく、現実からも。
自分のぬけがらを見て、悲しみと怒りに震えていたナランチャに、自分のことを『化け物』と呼んだジョナサンという青年。
彼らの目に映っていた自分は『レオーネ・アバッキオ』ではなく、ただの『化け物』である―――その事実が、たまらなく悲しい。
化け物と呼ばれた瞬間、頭の中がごちゃごちゃ……あるいは真っ白になっていたのかは自分でも分からなかった。
さりとて、加減が出来ない今の状態では下手に攻撃を受けるわけにもいかず、逃げるしかない―――かろうじてそう判断し、可能な限りの速度で行く当てもなく地を駆けていた。

(なんなんだ、さっきのパンチは……!? ブチャラティみたいにリーチが伸び……いや、それ以前にッ……喉が……熱いッ!!)

手を触れてみて驚く。
自分の喉が、シューシューと音を立てながら溶けていた。
にもかかわらず、血は一滴も出ていない。

(クソッ、この体……マジに化け物だ……! だが、それでも弱点はあるってことかよ……)

改めて自分の体の特異さに呆れるも、喉がないという事は声が出せない、すなわち状況の説明も出来ないということである。
追ってくる者の順序はいつの間にか入れ替わり、逃げるアバッキオのやや後方で、ジョナサンが後ろを走るナランチャを気にしつつ追ってくる状態になっていた。

(このスピードなら、どうにか撒けるかもしれねえッ)

化け物の体はその体格の割に、信じられないスピードを持っていた。
さすがに走るという行為は人間も柱の男も共通の動作であるため、アバッキオもエシディシ本来とまではいかなくとも、それに近い速度を発揮することが出来ている。
追うジョナサンのほうも純粋な速度だけならば決して負けてはいなかった。
しかし『エアロスミス』のレーダーではぐれる心配は少ないとはいえ、ナランチャをひとりにするわけにはいかない以上どうしてもアバッキオに差をつけられてしまう。

(オレは……なにを馬鹿なことをやってんだ! あの場でナランチャに『ムーディー・ブルース』を見せりゃ何も問題はなかっただろうが!)

アバッキオは逃げながらも状況を打破するための方法を考え……すぐに最も簡単で効果的な方法を思い出し、自分のマヌケさ加減に呆れる。
だが現在、スタンドは出せても説明するのにそれだけではまだ不足……声が出せない以上、何か別の方法で伝達をしなくてはならない。
そうこう考えているうちに……

(―――!? 喉が、治りかけてやがる? これもこの体のせいかッ!?)

アバッキオはなにげなく喉に手をやり、先程の傷がふさがりはじめていることに気付く。
おそらく、もういくらもしないうちに再び声が出せるようになる―――わずかな希望を見つけながらも、今は駆け続ける。
やがて、アバッキオの目の前にはT字路が見えてきた。

(この道……左に行けばコロッセオがあるな……時間を稼ぐにはそっちに行ったほうが有効だ!)

周りの建造物から判断し、即座に左折を決定。
だが、いざT字路に進入し、左方向を向いたところでアバッキオは止まった―――止まらざるを得なかった。



―――目の前に、またもや知り合いの姿があったのだから。


#


パンナコッタ・フーゴはコロッセオからE-7北西を目指して北へと向かっていた。
またしても入れ違いになった、という事態は避けたいため、先程までと比べてやや足早に進んでいく。

(それにしても、ぼくは運がいいのか悪いのか……
 スタートしてからもう四時間以上経過しているのに、最初のムーロロも含め、人間らしき姿を一度も見ていない……)

いまさら孤独が怖いというわけではない。
だが、この異常な状況の中でいつまでもひとりきりというのは否応なしに不安感を掻き立てる。
しばらくして、フーゴがT字路の手前に差し掛かったときだった。

(足音……誰かが走ってきている……?)

前方右の角の先から物音……何者かが来る――それもかなり急いでいる――音を感じ取ったフーゴは一旦足を止める。
あいにく、近くに身を隠せるような場所はなかったため、角から距離をとると懐に手を入れ、上着で隠しているナイフに手をかける。

(どんなヤツが出てくるかはわからないが、むやみに刃物を見せると疑われるだけだ)

それ故に、まだナイフを構えることはしない。
一応、後方には何の危険もないことを再確認してから、フーゴはその時を待った。

―――そして、一分も経たないうちに『それ』は現れた。
横道から出てきたのは、古代人のような格好をした筋骨隆々の巨漢。

巨漢にとってフーゴの存在は完全に予想外だったのか、驚いた顔のまま静止していた。
一方、フーゴのほうも人間離れしたその男の正体をつかみかね、一瞬だけだが固まってしまう。
硬直を解くことになったのは、自分の懐からの声。

『ああァ、フーゴォ。気を付けろォ、そいつが例の『化け物』だァ』
『ヤバイヤバイ、近すぎで激ヤバだァ。急いで下がるんだァ』

ハートのAと2が、この状況でも歌うように言葉を発する。
『化け物』―――そう聞いたフーゴは即座にベルトからナイフを引き抜き、いまだ静止したままの巨漢から後ずさりして距離をとる。

(こいつが、化け物……? なるほど、確かに人間離れした体格だ……だけど、ムーロロが言っていたことを考えると、おそらくそれだけじゃないはずッ……!)

誰かに出会う可能性は常に考えており、化け物と遭遇するのも覚悟の上―――そう思っていたからこそ、フーゴはE-7を目指していた。
しかし、まさか化け物がこちらに向かっており、こんなに早く遭遇するとは―――迂闊に追いかけるのはお勧めしないというムーロロの言葉を今になって思い出す。

(戦うべきか、逃げるべきか……いや、それ以前にヤツは何を考えているのか……)

場が緊張感に包まれる中、巨漢が口を開き、何かを伝えようとする。



「……フ……ー……「おまえの相手はこのぼくだッ! そこの君、下がるんだッ!」」



だが、その言葉は横からの声によって途中でさえぎられる。
先程巨漢が出てきたのと同じ道から、一人の青年が駆けてきたのだ。
青年もまた、化け物ほどではないが背が高く、がっしりとした体格を備えている。
フーゴは青年の姿を見て、何か覚えがあるような―――言葉に出来ない不思議な感覚を覚えていた。

「あなたは……?」
「ジョナサン・ジョースター」

厳かに、しかしよく通る声でジョナサンは答える。
巨漢から注意を逸らすことはせず、しかしフーゴの方にも気を配っているのがよく分かった。

(この場において、初対面の相手にあっさり本名を教えるような行為は避けるべき……
 なのに何故だろう……彼に対してはきちんと名乗り返すべきだ―――そう思えてならない)

相手は一見信用できそうであり、名乗られたら自分も名乗るのが礼儀―――だが、素性や能力が不明である以上、そう簡単に口を開くわけにはいかない。
するとフーゴに対し、ジョナサンの方から思いもよらない言葉が投げかけられた。

「間違っていたらすまない……君はパンナコッタ・フーゴだね?」
「……!! 何故、それを!?」
「やはり、君がフーゴ……か」
「……どういうことです? まるで、ぼくのことを知っていたかのような口振りですね」

名前を正確に言い当てられ、フーゴは思わず反応してしまう。
その直後、自分の迂闊さに反省して相手に疑念と警戒を向ける。

(先程カードの発した声が聞こえていたにしても、フルネームまで分かるわけはない! まさか、この男……!)

だが、ジョナサンがその問いに答えるよりも早く、その疑念は氷解した。
ジョナサンの後ろから、ナランチャ・ギルガが遅れてその姿をあらわしたのだ。

「ハァ、ハァ、やっと……追いつい……た……って……? あれっ!? フーゴ? フーゴか!?」
「………………ナランチャ!!」

ナランチャはフーゴの姿を認めると、不思議そうに、しかし嬉しそうに声を上げる。
フーゴもまた、その姿としぐさをしっかりとその目で見ていた―――何度も、確認するように。
忘れるはずもない、その姿……サン・ジョルジョ・マジョーレで別れてから、フーゴにとっては実に半年振りの再会。
―――本来ならば、決して叶うことなど無いはずだった再会。

(本当に……本当にナランチャなのか……!? 今すぐ近くで確かめたい……ナランチャが、ぼくの幻覚などでなく確かに生きていることを!!)

ムーロロの情報と、ジョナサンが自分の名前を知っていた理由が一つの線となって繋がる。
よそ見をしていられる状況ではないはずなのに、フーゴは今、ほんの一時とはいえ全てを忘れていた……
二度と戻らないはずの、大切な思い出…………その断片が、目の前にあったのだから。
さりとて、巨漢の目の前を横切るなどという無謀な行為をしないのは、彼に理性が残っていた証拠であろう。

そんな中、ジョナサンは巨漢に挑むべく波紋を練り始めていた。
巨漢は彼らの会話中にも攻撃を仕掛けてくること無く、しきりに自分の喉元を確かめているだけだったが、その裏で何を企んでいるのかわかったものではなかった。
先程与えた傷が既に直っているのを見て、その回復力の高さから一気に勝負をつけるべきだと判断する。
腰を深く落とし、相手の懐へと飛び込もうとしたところで―――



                   「待てッ!! これを見ろッ!!」



……巨漢が突如、大声を張り上げる。

フーゴとナランチャはお互いの顔から巨漢の方へと視線を移し―――目を丸くする。
巨漢のすぐ側には、見間違えるはずもない仲間のスタンド―――『ムーディー・ブルース』の姿があった。

「それは……何だ? おまえの能力か……? だがッ……!」
「「ま、待ってくれ!!」」
「……?」

ジョナサンにとっては見覚えのない怪しい人型であり、かまわず攻撃しようとするがフーゴとナランチャに静止され……警戒しながらも交互に二人の顔を見て、行動をやめた。
そして、フーゴとナランチャはそれぞれが巨漢へと問いかける。

「お、おい……なんでてめえが……『ムーディー・ブルース』を……?」
「ああ、そうだ。何故、そこにアバッキオのスタンドがいる……!?」

二人の問いに、巨漢は不思議と安心したような表情を浮かべた。
そして、おもむろに口を開き―――




                   「それは……オレが「見つけたぞ」」




―――巨漢の言葉は、またしても途中でさえぎられる。
全員の視線がそちらに向く中で、T字路における誰もいなかった最後の道から、新たな闖入者である男が一人姿をあらわしたのだった。
男はわき目も振らずに、巨漢へと近づいていく。

「あなたは……?」
「会話をするのは………ひとりずつにしたい」

先程ジョナサンに尋ねたのと全く同じフーゴの問いかけに一応の返事はしたが、その内容はほぼ無視を決め込むもの。
だが、何かを思い直したのか男はフーゴに向けて再び口を開いた。

「名は……リンゴォ・ロードアゲイン」
「……うかつに近づいちゃ危ない! そいつは……」
「………………」

ジョナサンとは違い、まるで興味がなさそうに名前を告げられる。
フーゴは彼に警告を促すも、その歩みが止まる様子は全くない。
リンゴォは巨漢のすぐ近くまで進むと、何の偶然かフーゴが持つものと全く同じナイフを突きつけ、言った。




                 「オレのスタンドを、返してもらいにきた」




―――空気が、変わった。


#


その発言はリンゴォからすればただ目的を告げたまでのこと。
しかし、その場にいた他の人間にとっては、全く別の意味合いを持つ言葉。
特に、巨漢―――アバッキオにとっては最悪のタイミングでの発言であった。

「どういう……ことだ……? オレはお前のスタンドなんて―――」
「確かに、この右腕と時計は今、ここにある……おせっかいな男の仕業でな……
 だが、スタンドは戻って来なかった……取り戻す方法があるとするならただひとつ……おまえを、殺すことのみ」

アバッキオの言葉を聞くのもそこそこに、淡々とリンゴォは述べていく。
一方フーゴは判断を放棄して沈黙を保つムーロロの代わりに、ひとまず自分よりは事情を知っていそうなナランチャに質問を投げかけていた。

「ナランチャ、一体これはどういうことなんだッ!?」

それに対し、ナランチャは答える―――自分の考えを、言ってしまう。




「どうもこうもねえ……そこのデッカイ奴が、アバッキオを殺してスタンドを……『ムーディー・ブルース』を奪いやがったんだ!!」




―――殺し合いが開始してすぐか、あるいはさらに過去において、この巨漢はリンゴォと名乗る男のスタンドを奪った。
そして、この殺し合いの場において、レオーネ・アバッキオのスタンドを奪い、彼を殺害した―――これがナランチャの出した結論。

その考えは、誤解の末に生まれた、誤った認識。
だが、不幸なことにそれが誤りであることを『納得』させられる人物はこの場にいない。


「違うッ!! オレは―――」
「何いってやがる! どこが違うっていうんだッ!!」


全てを知るアバッキオの言葉はもはや相手に届かない。
立場上は加害者に位置する者が自分を擁護する発言をしたところで、誰がそれを信じるというのか。
さらに、誤解を招く発言をしたリンゴォは周りの人物のことなど眼中に入っておらず、発言について詳しく説明するつもりもなかった。

それにより、ジョナサン、ナランチャ、フーゴの三人はこの結論を信じきってしまう。
この出来事はアバッキオにとっては気の毒だが、無理もないことであった。
人知を超えたスタンド能力が存在するとはいえ、脳を移植して別人になったと考えるよりは、相手のスタンドを奪ったと考えるほうがまだ理解が及ぶ話なのだから。
そして、スタンドをよく知らず、紳士であるジョナサンもアバッキオを吸血鬼と認識している以上、彼の言い分を詳しく聞く理由はなかった。
三人がそれぞれアバッキオへと向け、動き出す―――明確な、敵意を持って。


「罪なき者の命を奪い、さらに死者さえも弄ぶその所業、断じて許すまじッ!
 この波紋戦士、ジョナサン・ジョースターが必ずおまえを打ち砕くッ!!」

ジョナサンは前に進み出ると、改めて構える。
その姿はまるで、全身が光り輝いているかのように見えるほどであった。


「てめえが誰かなんて知ったこっちゃねえ……覚悟しろよ、ブッ殺してやるッ!!」

ナランチャはジョナサンのやや後ろに付き『エアロスミス』を発現する。
その目に、迷いは欠片も見られなかった。


「わからないことはまだある……だが、今重要なのは、おまえがぼくの『仲間』の命を奪った、ということだ」

フーゴも自らの分身である『パープル・ヘイズ』を発現する。
その意味は、彼が完全に相手と闘う覚悟を決めたということであった。


「おい、てめーなんてことを―――」

アバッキオはリンゴォに食って掛かろうとするが、相手の不審な動作に動きを止める。
リンゴォはナイフを左手に持ち、自分の右腕に当てていた。
何をする気かと思っていた瞬間…………リンゴォはナイフを右腕に差し、一気に切り裂いた!

「「「「――――――!?」」」」

鮮血が迸り、リンゴォ以外全員の顔が驚愕に染まる。
ジョナサンは治療をするため彼の元へ駆け寄ろうとするが、リンゴォの『近づくな』といわんばかりの鋭い眼光に射抜かれ、足を止めた。

「筋を切断した……オレの左腕一本では腕そのものを完全に切り落とすことは出来ないが、これで先程と同じように、右腕は『使えない』……
 これで『公正』だ……さあ、今度こそオレを殺していけ……さもなくば、ここからは絶対に出て行けないッ!」

もはやアバッキオの言葉が届いているかどうかすら定かではない様子で、リンゴォは手早く止血を終えると再びナイフを構える。
もう一度彼を見たとき、アバッキオははっきりと理解した。
その目に宿るのが、純粋な黒―――『漆黒の意志』だということに。

彼が悩む間にも、周りの風景は少しずつ本来の色を取り戻していく。
―――太陽が、昇り始めたのだ。


……猶予は、もういくらも残されていない。


#


―――死に至る傷を受けて気を失い、目が覚めたら化け物になっていた。
その現実をすぐに受け止めきれず、ぐずぐずしているうちに事態はどんどん悪い方向へと向かい、アバッキオを追い込む結果となっていた。
もう少し上手く立ち回れていれば、あるいはもう少し早く決断し、正体を明かしていれば……悔やんでも、彼に現実の時間を『巻き戻す』ことは不可能であった。

(クソッ……これは、この状況はマジでやばいぜッ……! なんでこんなことになっちまったんだ……
 オレは、どうすればいい……? オレは………………)

彼の心の問いかけに答えはもちろん返ってこない。
そして、考えている間にも状況は待ってくれず、彼を殺さんと全員が迫ってくる。

三叉路のうち一方には現在の肉体の弱点となる『波紋』を使うジョナサン・ジョースターと『エアロスミス』を構えるナランチャ・ギルガ。
もう一方には、アバッキオもその凶悪さをよく知っている『パープル・ヘイズ』を発現させたパンナコッタ・フーゴ。
さらに別の一方には、その目に汚れなき黒である『漆黒の殺意』を持つリンゴォ・ロードアゲイン。


アバッキオには彼らと戦う理由など何一つない。
彼らが敵として見なしているのは、体の元の持ち主であるエシディシなのだから。
しかし、彼らは怒りに、決意に、殺意に満ちているため下手な言葉は通じそうになく、切り札である『ムーディー・ブルース』も誤解により証拠の意味をなくしてしまった。
アバッキオを本気で殺さんとする彼らに、命尽きる前に真実を理解させることが果たしてできるかどうか。


抵抗は……おそらく可能だろう。
アバッキオ自身も『能力』の全容は把握しきれていないが、人間を遥かに凌駕したパワー、スピード、回復力を持ってすればこの場の全員を『黙らせる』ことは十分出来る。
だが、問題は『加減が出来ない』ことだ。
先程ジョナサンに殴られたときは違ったが、いまの彼は触れるだけで相手に致命的な痛手を負わせることが出来る。
しかし、それは逆に言えば相手を殺したくない場合、下手に触れることすら許されないということでもある。
スタンドで抵抗しようにも、相手は『エアロスミス』と『パープル・ヘイズ』―――『ムーディー・ブルース』でははっきりいって、一対一でも分が悪い勝負だ。


逃走は……仮にこの場は成功したとしても、彼らは全員、この会場の果てまで追ってくるだろう。
大切な仲間、罪なき命、自身の誇り……それらを奪われた(と思っている)者たちが、化け物を見逃すはずがない。
『エアロスミス』のレーダーの存在も加えれば、どこにも逃げ場などない。
体力的な問題などで一時的に撒くことは出来ても、逃げ切るなどというのは不可能に近かった。


まさに四面楚歌というほかにない。
果たして、レオーネ・アバッキオはこの状況で何を思い、どう行動するのか。


そしてもう一つ、アバッキオどころか誰もが知らない、気がかりな点がある。
エア・サプレーナ島でエシディシが腕を失った後、ロギンズの腕を代わりに付けた直後にこんな発言をしているのだ。

―――「フン! ちょいと細めだが そのうち一体化してもとの太さになるだろう」―――と。

岸辺露伴は確かに脳の移植には成功したが、その後どうなるかに関しては触れぬまま、この世を去った。
柱の男の肉体が別物の肉体を侵食し、一体化するというのならば、その肉体をコントロールしきれていないアバッキオの脳は、無事でいられるのだろうか……?
真相は誰にも、わからない。


迷える子羊(abbacchio)に、救いがあるのかどうかも………




【E-7 杜王町住宅街(南西部)/ 1日目 早朝】


【レオーネ・アバッキオinエシディシ】
[スタンド]:『ムーディー・ブルース』
[時間軸]:JC59巻、サルディニア島でボスの過去を再生している途中
[状態]:健康(喉の傷は再生済み)、激しい焦り
[装備]:エシディシの肉体
[道具]:基本支給品一式、ランダム支給品1~2
[思考・状況]
基本行動方針:未確定(それどころではない)
1.現在の状況をどうにかして切り抜ける。できれば戦いたくはないが……

※肉体的特性(太陽・波紋に弱い)も残っています。
※吸収などはコツを掴むまで『加減』できない。
※『ムーディー・ブルース』の再生により、第49話 Break My Body/Break Your Soulと第60話 生とは――(Say to her)で自分達に何が起こったのかを知りました。
 細かい部分(エシディシの名前や柱の男の詳細など)についてどこまで知ったのかは次の書き手さんにお任せします。



【ジョナサン・ジョースター】
[能力]:『波紋法』
[時間軸]:怪人ドゥービー撃破後、ダイアーVSディオの直前
[状態]:健康
[装備]:なし
[道具]:基本支給品、不明支給品1~2(確認済、波紋に役立つアイテムなし)
[思考・状況]
基本行動方針:力を持たない人々を守りつつ、主催者を打倒。
1.目の前の吸血鬼?を倒す。これ以上は一人の犠牲も出させはしない。
2.(居るのであれば)仲間の捜索、屍生人、吸血鬼の打倒。
3.ジョルノは……僕に似ている……?

※見せしめで死亡した三人に、『なにか引っかかる』程度ですが感じるものがあるようです。
※ナランチャの知る五部主要メンバーの情報を得ました。ただしナランチャ参戦時点で死んでいる人間については詳しくない。



【ナランチャ・ギルガ】
[スタンド] :『エアロスミス』
[時間軸]:アバッキオ死亡直後
[状態]:健康
[装備]:なし
[道具]:基本支給品、不明支給品1~2(確認済、波紋に役立つアイテムなし)
[思考・状況]
基本行動方針:主催者をブッ飛ばす!
1.アバッキオの仇め、許さねえ! ブッ殺してやるッ!
2.ジョナサンについていく。仲間がいれば探す。
3.もう弱音は吐かない。
4.ジョナサンはジョルノに……なんか……似てる。

※一部主要メンバーの情報を得ました。ただし屍生人などについては詳しくない。



【パンナコッタ・フーゴ】
[スタンド]:『パープル・ヘイズ・ディストーション』
[時間軸]:『恥知らずのパープルヘイズ』終了時点。
[状態]:健康
[装備]: DIOの投げナイフ1本
[道具]:基本支給品一式、DIOの投げナイフ半ダース(デイパック内に5本)、地下地図、『オール・アロング・ウォッチタワー』 の、ハートのAとハートの2
[思考・状況]
基本行動方針:"ジョジョ"の夢と未来を受け継ぐ。
1.利用はお互い様、ムーロロと協力して情報を集める。
2.アバッキオを殺したというこの化け物を倒し、仇をとる。
3.ナランチャが、本当に生きていた!?
4.ジョナサンは誰かに似ている……?



【リンゴォ・ロードアゲイン】
[時間軸]:JC8巻、ジャイロが小屋に乗り込んできて、お互い『後に引けなくなった』直後
[スタンド]:『マンダム』(現在使用不可能)
[状態]:右腕筋肉切断(止血済み)
[装備]:DIOの投げナイフ1本
[道具]:基本支給品、不明支給品1(確認済)、DIOの投げナイフ半ダース(未使用2本、折れたもの2本)
[思考・状況]
基本行動方針:(未確定)
1.決着をつけるため、エシディシ(アバッキオ)と果し合いをする。
2.周りの人間はどうでもいいが、果し合いの邪魔だけはさせない。

※果し合いのことしか考えていないため、相手の様子が以前と違うことに気がついていません。
※ナイフの残り一本は仗助が持っていったままです。



【備考】
  • E-7北西のコンテナが退かされました。下敷きになっていた露伴の遺体、アバッキオの遺体、エシディシの所持品(基本支給品×3(エシディシ・ペッシ・ホルマジオ)、不明支給品1~6(未確認) )はその場に放置されたままです。
  • タンクローリーについては次回以降の書き手さんにお任せします(フーゴやリンゴォ辺りが走る音を聞いたり、目撃しているかもしれません)。

五人は現在T字路にいます。
位置関係は↓のようになっています。

| |
|リ└――
|ア ジナ
| ┌――
|フ|



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前話 登場キャラクター 次話
060:生とは――(Say to her) 前編 ジョナサン・ジョースター 087:怪物は蘇ったのか
060:生とは――(Say to her) 前編 レオーネ・アバッキオ 087:怪物は蘇ったのか
060:生とは――(Say to her) 前編 ナランチャ・ギルガ 087:怪物は蘇ったのか
077:人生を賭けるに値するのは パンナコッタ・フーゴ 087:怪物は蘇ったのか
047:憤怒 リンゴォ・ロードアゲイン 087:怪物は蘇ったのか

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最終更新:2012年07月19日 22:58