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リンカン
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『リンカン -奴隷解放の先駆者- 』 石井 満 著
彼はヨーロッパからアメリカに移住してきた家系に生まれ、小さい頃から貧しい生活を送ってきた。もちろん学校などにも通うことはできなかった。しかし、彼は貧しいながらも試行錯誤の結果手に入れた書物や、社会大学とでも言うべきだろうか、身のまわりの生活から様々なことを独学で学び取っていった。そして彼は持ち前の正直さと雄弁を武器に多くの人々を惹き付け、大統領になるまでに至った。そう、彼の名はアブラハム・リンカーンである。
リンカーンと言えば奴隷解放や「人民の、人民による、人民のための…」のフレーズを知っている程度で、アメリカの大統領になるくらいだからきっと良い家の生まれであまり苦労していない人物なのだろうと思っていた。(そろそろこのような安易な考えは止めようと思う。)ところが冒頭にも書いたように全く逆であった。
本書を読んで彼の人生から学ぶことは多い。正直であることの重要さ、書物の読み方、失敗を成功に生かそうとする姿勢、民主主義における一人の正義の強さなどひとつひとつ挙げればきりがない。中でも「正直」という言葉はリンカーンを語る上で外すことが出来ない。正直、自らが考え抜いて出した答えに嘘や不正を許さないその姿勢。言い換えれば、何事にも妥協を許さないその姿勢にひどく感動した。その姿勢、見習いたいと思う。
最後に、彼の生涯が暗殺で幕を閉じたことが残念で仕方が無い。