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徳川慶喜

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『最後の将軍 -徳川慶喜- 』  司馬 遼太郎 著


 慶喜、彼は幼少の頃より父斉昭の教育方針に従い厳しい環境の下で育てられ、それと同時に多大なる期待の背に受け成長していった。そのため、時に世間から過大な評価を受けることもしばしばあり、また慶喜の思想とは真逆の慶喜が噂を通し世の中に作り上げられることもあった。彼の人生の大半はこのような人の噂によって振り回されている。彼の周りにまとわりつく環境は不運であったとしか言いようが無い。

 しかしながら、彼自身はその不運に立ち向かえるほどの器量を持つ英才であった。時代の流れを冷静に見つめ、どの方角に事が動いてゆくかを分析し行動をとる様には感服である。彼のこの分析力の根底には歴史というものが大きな意味を持っているように感じた。水戸の出身であるが故、歴史に対する気の掛けようは凄まじかったのだろう。特に大政奉還前後からは、常に歴史に名を残すのに恥じない行動をとることを心がけている。この姿勢は彼が歴史に対してどれだけ重きを置いているかを窺えるものである。

 私は慶喜からも歴史観を持つことの重要性を再認識させられた。今現在の状況が歴史上のどの状態に近いのか、またそれはどの方角に進んで行くのかを予測するために歴史を知ることは大切であると感じた。

 余談ではあるが、福澤諭吉と同じ時代に生き、将軍と一般人という正反対の位置にいる二人を比べることは非常におもしろい。それとともに、新撰組、坂本竜馬?など異なる人物の視点から同時代を眺めることで新たな発見が出来るような気がしてならない。他の人物の本を読むのが今から楽しみである。


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