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ローマ人の物語2

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『ローマは一日にして成らず(下)』  塩野 七生 著


 前巻に続く本巻ではローマの共和政の流れが書かれている。貴族派と民衆派に二分されたローマを襲うケルト族との戦いに始まり、復興を目指しゆっくりではあるが着実に力を付けてゆく姿、さらにローマ連合を作り南イタリアを統一するまでの苦難の道を描いている。

 読み終えて感じることは著者と同じものであった。本書のテーマでもあるのだが、「なぜローマだけが、大を成すことができたのか」であった。あれだけ力を持っていたギリシアでさえ衰退してしまったのに、ローマだけが興隆していく様は不思議以外の何者でもなかった。

 読み進めるとそれとなくその原因ではないかと思われるところもある。前巻でも挙げたものもあるが、ローマ人の宗教に対する寛容性や敗者をローマに内包してしまうシステム、独特の三権分立の政治システムもその一つとして考えられる。いずれにしても確信を持ってこれだと言えるものではない。

 しかしながら私はこの先を読むことで抽出できる何かがあると考えている。今眼前にあるものはローマ人が興隆した原因の一部であることは間違いない。これらから、さらには読み進めて得る新たな事象から、一般化できるローマ人の興隆の秘密を探っていきたいと思う。

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