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ローマ人の物語3

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『ハンニバル戦記(上)』  塩野 七生 著


 本巻から三巻に渡りカルタゴとのポエニ戦役の様子を、その中でも本巻では第一次ポエニ戦役とその後の休戦期間である二十三年間を描いている。紀元前二百六十五年、気付けばローマは南イタリアを統一していた。しかしながらローマ人たちはそれ以上の拡張を目下望んでいなかった。メッシーナからの援軍要請を受けたのはそんな時であった。ローマ人たちはそれを受諾した。ここで直面するのがシチリア西部を支配していたカルタゴとの衝突であった。これがポエニ戦役のすべての始まりである。

 ローマは第一次ポエニ戦役で勝利を収める。私は、その勝利に貢献する戦術眼にも驚かされたが、それ以上に休戦中に見せるローマ人の特性に目を見張った。「ローマは一日にして成らず」でも見てきたことだが、ローマ人の自分で何でもしようとしない姿勢がここまでローマを大きくさせているのではないかと思ってしまった。エトルリア人には土木事業を任せ、ギリシア人には通商を任せる。ローマ人自らがナンバー・ワンになるのではなく、スペシャリストの能力を理解しその仕事は彼らに任せる。この姿勢がローマにおいて上手く機能しているように感じた。このようにこの時代、彼らの開放的な性質がローマの拡大に比例しているように見えるため、今後とも注目していきたいと思う。

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