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へりくつ -電車の中にて-

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匿名ユーザー

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++ はじめに


当コーナー「こばのへりくつ」では日々の生活で気づいたことについて考えたことを書いていきたいと考えております。初回である今回はテーマを「電車の中にて」としまして、通勤電車に揺られながら考えたことと、高校生の話を盗み聞きして考えたことを書きました。どうぞご覧下さい。

++ 前編 午前8時の東西線 -社会の奴隷たち-



先日、学校に向かう時の話。わたくしは通学のために東京メトロ東西線を利用しています。千葉県民と東京都東部の準千葉県民を乗せて走り、通勤ラッシュ時の混雑具合は総武線に引けをとらないことで知られる路線であります。以上の形容だけでは、東西線の混雑感が伝わらないと思います故、もう少し具体的に説明致します。最も混雑を極める平日午前8時の東西線東陽町-茅場町の状況を説明したいと思います。以下の点が東西線で起こる現象です。

① 初めてこの時間帯に乗車を試みる方は乗車できないと思われます。
② かばんを肩にかけたまま乗車した際、中に入っているおにぎり等は確実に潰れます。
③ 扉側に乗り込んだ方は体の一部又は手持ちの物が扉に挟まれます。
④ 乗り込めた方の中で体重の軽い方は気付いた時には足が宙に浮いています。
⑤ 電車のブレーキ時には確実に人間の雪崩を体感できます。
⑥ 時には座席に座っている人の上に座っていることもあります。

これは東西線現象のごく一部、わたくしが体験したものに過ぎません。しかしながら、東西線の恐ろしさは伝わったのではないかと思います。伝わったと仮定しまして次に進ませていただきます。

こんなに恐ろしい東西線に何気なく乗車しているわたくしですが、ふと客観的に東西線を眺めてみると不思議な世界が目の前に広がっていることに気が付きました。東西線に乗車している人々は毎日定刻にスーツという名の作業着で身を固め、すし詰め状態の電車に乗る、そして、会社という工場でサービス残業を含む12時間以上の労働をする。なぜでしょうか。なぜここまでしてこの時間の東西線に乗るのでしょうか。このような現状を眺めていると、ひまらや氏がネクタイを「社会の奴隷の証」と形容したように、人々が社会の奴隷に見えてしまいます。いや、奴隷に見えるのではなく奴隷なのでしょう。奴隷だからこそ東西線に乗るのです。何せ奴隷でいれば衣食住は事足りるのですから。

一段上の視点から書いてみたものの、私も東西線に乗っているわけです。偉そうなことは言えません。後編ではその東西線の中で気になった事について書いていきたいと思います。

++ 後編 高校生が語る取り付け騒ぎ



まず、車内で近くに立っていた高校生の会話を盗み聞きして考えた話です。どうやら政治経済か歴史の授業で習った取り付け騒ぎについて話しているようです。会話の中身を彼らの言葉を使って手短に言いますと、「銀行の取り付け騒ぎがおこる原因は銀行が破綻するかもしれないという噂が広まって、その噂を聞いた人たちが一斉に預金を引き出しに行くから」らしいです。日本語として変なところもありますが、つまり、取り付け騒ぎという現象は破綻するかもしれないという不確実な噂が引き起こすようです。

本当にそうなのでしょうか。間違ってはいないとは思います。ただ、近頃、合理的個人というものを少しだけでも学んだ人間の目を通すと異なった世界が見えてきます。

まず、A銀行が破綻するかもしれないという噂を聞いたときA銀行に口座を持っているあなたはどのような行動をとるでしょうか。高校生が言っていたように一目散に預金を引き出しに行きますか?行くと答えたあなたはなぜそれを選んだか考えてみてください。おそらく無意識のうちに合理的に判断しているのではないでしょうか。不等式で表すと以下のようになります。

【噂が本当か確かめるコスト】>【預金を引き出しに行くコスト】

つまり、取り付け騒ぎは噂が噂を呼び起こる現象ではなく、噂が本当か確かめるくらいなら預金を引き出したほうが楽だから起こる現象なのです。

そして高校生はこのように続けていました。「だから、噂が広まったらどうしようもないらしいよ」と。わたくしの考え方が正しいとすれば、噂が本当か確かめるコストが低ければ取り付け騒ぎは起きないはずです。従って銀行には企業情報を大公開していただきたいものです。そうすれば、噂を確かめるコストはかなり削減され、取り付け騒ぎは起きないのではないでしょうか。自らの首を絞めないためにも企業情報公開をお勧めいたします。

++おわりに


わたくしはゼミで勉強して得た考え方をこのように使っております。まだまだ身近なことにしか応用できていませんが、今後は公の問題に、そして世界に羽ばたいていくことを目論んでいる次第であります。今後ともわたくしのコーナー「こばのへりくつ」をどうぞよろしくお願いいたします。

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