Macopine
社会調査のウソ
最終更新:
匿名ユーザー
-
view
『社会調査のウソ』 谷岡一郎 著
「社会調査を鵜呑みにしてはならない。」これが本書から学んだことだ。恥ずかしながら私は本書を読むまで新聞・テレビなどで目にする社会調査をほとんど鵜呑みにしていた。もちろんマスコミから供給される全ての情報が正しいとは考えていなかったが、調査を実施した機関が政府などの場合、調査結果そのものを疑うことをしていなかった。なぜ疑わなかったかと言えば、第一には調査方法論を知らなかったことが挙げられる。しかしそれ以上に無意識的に権威のある機関を疑わなかった自分がいたことが原因であると思う。
『世の中の社会調査の過半数が「ゴミ」である』と筆者は文中で述べているが、正直冒頭のこの一文に驚かされた。私たちが普段触れている社会調査の半数以上が「ゴミ」ということである。いくらなんでも大袈裟だと思い高をくくっていたが読み進めるうちに次第に危機感を覚えるようになっていった。と言うのも、歴代大統領の人気投票やサッカーくじの賛否など本書で紹介されている「ゴミ」を日常生活の新聞やテレビで見ていたら確実に鵜呑みにしていたと思うからである。私がどれだけ「ゴミ」に惑わされていたのかを実感した瞬間だった。著者が言うように、このような事態に陥らないためには、大量に垂れ流される情報の中から「ゴミ」を切り捨て、有用な情報を得るリサーチ・リテラシーが必要であると感じた。
また、社会調査がいかに偏りだらけかを知ったことは私にとって一番の収穫であった。今まで疑うことをしてこなかった政府などの機関の調査にも当然のように偏りが存在し、疑ってかかるべきということだ。このことは今後新聞などで調査機関に関係なく社会調査の記事を疑って読む良いきっかけになったと思う。これからは文章と共にデータの本質も見極められるリサーチ・リテラシーを備えた人間になれるよう日々精進である。