数時間後
パッドファルトは沈黙に包まれていた。
エンジン棟の応急処置は完了し、実験棟などもすでに利用可能で、もう墜落の心配は完全になくなった。
クリス「正気ですか!?」
シルヴィエ「ええ。あなたを沈黙者の副司令に任命する。
最初はルーディウスも候補に入っていたけれど、あくまで整備員ということで、本人が辞退した。
よって、あなたの対応力、指揮能力、多くの部隊や棟の各員と密接な関係を築くコミュニケーション能力の高さを評価して、副司令に抜擢したまでよ。」
クリス「………ヴァルディクス元最高司令と同じようなことを言いますね。
今のあなたは彼同様、英雄の姿そのものです。」
シルヴィエ「……そうかしら。」
クリス「………もしかして、照れてます?」
シルヴィエは顔を隠しながら後ろを向く。
クリス「あ!本当に照れてますね!」
シルヴィエ「あなた、副司令から降ろされるわよ?」
クリス「うぐっ、やり過ぎましたか……。」
シルヴィエ「何はともあれ、パッドファルト完全修復の目処は三週間後ね。
すでに改造の下準備を完了させていてよかった。物資班の運搬が完了すれば、ルーディウスを中心に整備員が取り付けを開始する手筈よ。
物資班が向かえるのは、あと数日後かしらね。」
クリス「空想世界警察には、どのように報告を?」
シルヴィエ「全て順を追って説明したわ。改造には時間がかかること、新体制によって沈黙者が一新すること、ヴァルディクスが殉職したことも。
デゼール星には、なんと言えばいいのか悩んでいるけれど。
空想世界警察も座標一致に苦戦しているようだわ。ただ、もっと興味深い報告も受けた。
現実支部の調査によって、ウォルシュの派閥の本拠地が見つかったそうよ。
場所は新宿。地下に「ディスコ・ウォルシュ」を構えていたそうよ。」
クリス「あちらにも動きがあるようですね。とはいえ、「蛇の首」に行くまでは、まだ少し辛抱が必要なようです。」
シルヴィエ「これを機に、金眼と銀鉱を阻止できるよう協力を強化しましょう。
そろそろ、中央管理棟へ向かうべきね。」
クリス「……参りましょう。」
パッドファルトは沈黙に包まれていた。
エンジン棟の応急処置は完了し、実験棟などもすでに利用可能で、もう墜落の心配は完全になくなった。
クリス「正気ですか!?」
シルヴィエ「ええ。あなたを沈黙者の副司令に任命する。
最初はルーディウスも候補に入っていたけれど、あくまで整備員ということで、本人が辞退した。
よって、あなたの対応力、指揮能力、多くの部隊や棟の各員と密接な関係を築くコミュニケーション能力の高さを評価して、副司令に抜擢したまでよ。」
クリス「………ヴァルディクス元最高司令と同じようなことを言いますね。
今のあなたは彼同様、英雄の姿そのものです。」
シルヴィエ「……そうかしら。」
クリス「………もしかして、照れてます?」
シルヴィエは顔を隠しながら後ろを向く。
クリス「あ!本当に照れてますね!」
シルヴィエ「あなた、副司令から降ろされるわよ?」
クリス「うぐっ、やり過ぎましたか……。」
シルヴィエ「何はともあれ、パッドファルト完全修復の目処は三週間後ね。
すでに改造の下準備を完了させていてよかった。物資班の運搬が完了すれば、ルーディウスを中心に整備員が取り付けを開始する手筈よ。
物資班が向かえるのは、あと数日後かしらね。」
クリス「空想世界警察には、どのように報告を?」
シルヴィエ「全て順を追って説明したわ。改造には時間がかかること、新体制によって沈黙者が一新すること、ヴァルディクスが殉職したことも。
デゼール星には、なんと言えばいいのか悩んでいるけれど。
空想世界警察も座標一致に苦戦しているようだわ。ただ、もっと興味深い報告も受けた。
現実支部の調査によって、ウォルシュの派閥の本拠地が見つかったそうよ。
場所は新宿。地下に「ディスコ・ウォルシュ」を構えていたそうよ。」
クリス「あちらにも動きがあるようですね。とはいえ、「蛇の首」に行くまでは、まだ少し辛抱が必要なようです。」
シルヴィエ「これを機に、金眼と銀鉱を阻止できるよう協力を強化しましょう。
そろそろ、中央管理棟へ向かうべきね。」
クリス「……参りましょう。」
オリヴィア「あっ、先輩。
サイレンスロードを通るんですよね。あそこ、今なんか変で。」
オリヴィアと8人の過去人が、シルヴィエと合流した。
全員が不思議に思いながらも、その場から動く。
サイレンスロードを通るんですよね。あそこ、今なんか変で。」
オリヴィアと8人の過去人が、シルヴィエと合流した。
全員が不思議に思いながらも、その場から動く。
シルヴィエたちはやけに静かな通りを抜け、サイレンスロードに来た。
シルヴィエ「……変ね。明かりも音も何もないなんて。」
サイレンスロードからは人気が一切感じられない。
ある程度進んだところで、声がした。
ルーディウス「シルヴィエ最高司令!!」
シルヴィエ「………!」
シルヴィエ「……変ね。明かりも音も何もないなんて。」
サイレンスロードからは人気が一切感じられない。
ある程度進んだところで、声がした。
ルーディウス「シルヴィエ最高司令!!」
シルヴィエ「………!」
サイレンスロードに一気に明かりと人気が戻った。
人々はシルヴィエたちへ向けて、感謝と称賛、そして歓声を上げた。
「シルヴィエ最高司令!ありがとう!
おい、クリス!お前が副司令かよ!やったな!
オリヴィアちゃん、頑張ったな!
過去人のみなさん、よくやってくれました!!」
シルヴィエ「……………」
沈黙者がここまで結束して困難に立ち向かったのは初めてのことだった。
「それでいい。
私には成せない、お前だけの使命がある。
この船を、未来へと運べ。
最高司令として、私の最も自慢の部下として……
この船を愛した者として。」
シルヴィエ「……あなたは最後まで英雄の威厳は失わなかった。」
ヴァルディクスが遺した、沈黙者の絆は現在の最高司令に受け継がれた。
沈黙を貫いていた船を動かし、現実を守る戦いに向けてついに進み始めたのだ。
シルヴィエは上で自身らを称える沈黙者に対して、敬礼を返した。
人々はシルヴィエたちへ向けて、感謝と称賛、そして歓声を上げた。
「シルヴィエ最高司令!ありがとう!
おい、クリス!お前が副司令かよ!やったな!
オリヴィアちゃん、頑張ったな!
過去人のみなさん、よくやってくれました!!」
シルヴィエ「……………」
沈黙者がここまで結束して困難に立ち向かったのは初めてのことだった。
「それでいい。
私には成せない、お前だけの使命がある。
この船を、未来へと運べ。
最高司令として、私の最も自慢の部下として……
この船を愛した者として。」
シルヴィエ「……あなたは最後まで英雄の威厳は失わなかった。」
ヴァルディクスが遺した、沈黙者の絆は現在の最高司令に受け継がれた。
沈黙を貫いていた船を動かし、現実を守る戦いに向けてついに進み始めたのだ。
シルヴィエは上で自身らを称える沈黙者に対して、敬礼を返した。
シルヴィエ「これが、あなたの見ていた光景だったのね。ヴァルディクス。」
第三章「Bateau Universe」完