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37th lucky! 1話

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だれでも歓迎! 編集
突然だが俺――白石みのるはただいまちょっとしたピンチに陥っている。
その原因はこの前のとある出来事にあった。

「はあ……」

ため息をつく。
今朝からずっとこのテンションを維持している。それは放課後となった今も変わらない。
すると前から声をかけられた。

「まったく、そんなにため息つかれるとこっちまで気が滅入るわよ」

この声は……

「かがみか……」
「そうよ。で、そんなにため息ついてどうしたの?」
「……俺、そんなにため息ついてたか?」
「昼休みの間だけで40回以上。十分多いわよ」

俺はそんなにため息ついてたのか。
今度は心の中でため息をつく。
というか……

「よくそんなにため息ついてたって分かるな。……お前数えてたのか?」
「え?いや、それは、えーっと……そ、そんなことどうでもいいじゃない!」

なるほど。つまりはなんだかんだで気にかけてくれてたわけか。

「で、話す気になった?」
「……いいのか?」
「こっちから聞いちゃったからね。責任ぐらいは持つわよ」

かがみの優しさに涙が滲む。
これが友情ってやつか……。

「ありがとう。それじゃあ話すな」

そうして俺は自身がこういう状態に陥った経緯を話し始めた。



――――



きっかけはこの前のラジオ収録後、あきら様から直接教えられたある出来事。

「僕が……ラジオのメインパーソナリティを!?」
「そうよ。次回は私がCDの宣伝の為にゲストとして出るからそのかわりに、ね。分かってるだろうけど……失敗したらただじゃおかないわよ?」
「は、はいっ!誠心誠意頑張らせて頂きますっ!」

あきら様の脅し文句に怯えつつも、内心浮かれ気味だった。
こんなこと、一生に一度あるか無いかなのだから。
だがそんな幸せ気分を、あきら様は

「あ、そうそう。プロデューサーからの伝言だけど、今回のアシスタントは自分で探してくれだって」

すぐにたった一言でぶち壊してくれやがった。

「……は?」
「『は?』じゃないわよ。今回私はあくまでゲストとして登場するんだから、番組進行にアシスタントが必要なのは当然でしょ?言っとくけど、いつもみたいに絡まないからね」

顔から血の気が引いて行くのがわかった。
しかも、だ。あきら様と違ってあまり広く活動してない俺に呼べるような芸能界の知り合いなど居ない。




「で、でも……」
「つべこべ言わない!どこかそこら辺の奴でもいいから連れてこい!分かったか白石みのるっ!!」
「は、はいぃぃぃ!」



――――



「というわけだ」
「なるほどね。時間も無いし、そりゃため息もつきたくなるわけだ」

俺に同情するかがみ。
あと今かがみが言ったように本当に時間がない。一週間でアシスタントを、それも一般人から探せだなんて無謀極まりない。

「なあ、アシスタントに向いてる奴いないか?別にかがみでもいいんだけど」
「いいのかよ。うーん、例えばどういうタイプの人があんたのアシスタントに向いてるの?」
「そうだな……。いや、時間が無いし贅沢も言えないからな。とりあえず緊張しなさそうな奴で。別にかがみでもいいんだけど」
「いい加減な基準ね……。そうね、こなたは小神あきらのファンらしいからあんたそっちのけで質問攻めするだろうし、つかさやみゆきは逆に緊張しすぎてあんまし喋らなさそうだし……」

独り言のように呟きながらザクザク選択肢を削ってゆくかがみ。
というか自分という選択肢は最初から入ってないのか。
とにかくこのペースだと該当者は居なさそうだ。




「はあ……」

机にうつ伏せてため息をつく。
するとかがみが突然

「あ」

と声を出した。

「どうした?」
「一人そういう奴いたわ……」
「本当か!?」

ガタッ、と勢いよく立ち上がりガクガクかがみの肩を揺さぶる。

「それで誰だ、誰なんだ!早く教えてくれ!俺には時間が無いんだっ!」
「あうあうあう……。お、落ち着きなさいよ……」
「あ。……すまん、ついついやっちまった」

肩を掴んでいた手を離す。

「まったく……。まあいいわ。とりあえずついてきて」
「あ、ちょっと待って」

言うが早いかさっさと教室を出るかがみ。
机の横に引っかけた鞄を手に、俺はその後について行く。

「で、どこに行くんだ?」
「図書館よ」
「図書館?」
「そう、図書館。ちょうどさっき、日下部に一緒に宿題やろうって言われてるからさ」
「ああ、なるほど」

その一緒に宿題やろうと言った人――日下部っていう子が俺の探し人というわけか。
そして俺たちはそのまま図書館へ到着する。
中に入り、かがみは机に教科書やノートを広げている2人の女の子に声をかけた。




「お待たせ~」
「遅いぞ柊ー」
「ごめんごめん。ちょっと友達と話しこんじゃって。……さ、白石も座って」
「お、おう」

勧められるがままにかがみの隣に座る。
すると当然のごとく向かい側に座っている2人が目を点にしていた。

「柊ちゃん。そちらの人ってどなた?」

かがみの前に座っている子が声をかける。

「何?もしかして柊のアレ?」

それに続けて俺の前にいる子がニヤニヤしながら声をかけた。
しかも小指なんか立ててやがる。

「違うわよ。こんなサッパリしない奴、彼氏なんかにしないわ」
「うぐっ」

かがみの容赦無い一言が胸に突き刺さる。
こいつ、言葉で人を殺せるんじゃないだろうか……?

「うわ、相変わらずひでー奴だな柊は。……んで、そいつ誰?」
「あ、そうだった。ほら白石、自己紹介自己紹介」

さっきの一撃に対する謝罪はないのかコノヤロウ。
……とにかくかがみに促されて座ったまま自己紹介を始めた。




「えー、はじめまして。俺の名前は白石みのる。クラスは3年B組だ。よろしく」
「3年C組の日下部みさおだ。よろしくな~」
「同じく3年C組の峰岸あやのです。よろしくね、白石君」

軽い自己紹介が済んだところで日下部がかがみに質問する。

「で、柊。なんでここに白石を連れてきたんだ?」
「それは俺が説明するよ」

そして俺は先ほど教室でかがみに話したことをそのまま2人にも説明する。

「――というわけなんだ」
「はー、なるほど。芸能界って大変なんだなー」
「みさちゃんの言う通りね……」

話が一通り終わった後に感心する日下部。
峰岸も同じような反応をしている。
そしてかがみがいよいよ話の本題を切り出した。

「それで、よ。ちょっと日下部に頼みがあるんだけど」
「頼み?どんなの?」
「そのアシスタント役、あんたにやってもらいたいんだけど……」
「ん、オッケーだぜ~」
「「早っ!!」」

思いがけずかがみと声が重なる。
「み、みさちゃん……。本当に大丈夫?」

峰岸が心配そうに声をかけた。

「だいじょーぶだって。ちょっと喋るぐらいなら私にも出来るし」
「本当にいいのか……?」
「だからだいじょーぶだって。お前ら心配しすぎだぜ?」

いや、お前が心配しなさすぎなんだ日下部。
でも……これで大きな心配事が無くなった。彼女に感謝しなくてはいけない。

「本当にありがとう、日下部」
「いいってことよ。んじゃ改めて……」

そう言うと日下部はにっこりと笑って、

「よろしくな、白石!」

俺の無茶な頼みを了承してくれた。













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  • おー、GJー -- 名無しさん (2010-06-11 01:32:32)
  • みのるって敬語のイメージが強かったけど、結構砕けてるんですね。意外^^ -- 名無しさん (2008-04-12 21:48:31)
  • こんな作品を待ってました! -- 名無しさん (2007-10-15 01:43:12)

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