「んじゃね~、かがみん。」
「おう。」
「おう。」
教室の前で、私はこなた達と別れる。
クラスの違いにも、もう慣れてしまった。
別に、違うクラスにだって友達はいる。
私は、少なくともどっかのアホ毛さんよりは、社交的な性格をしている自信がある。
クラスの違いにも、もう慣れてしまった。
別に、違うクラスにだって友達はいる。
私は、少なくともどっかのアホ毛さんよりは、社交的な性格をしている自信がある。
「おはよう、柊ちゃん。」
「おはよ、峰岸。」
「おはよ、峰岸。」
ガラリと教室のドアを開けると、座っていた峰岸が挨拶をしてくれる。
私も席に着き、本日の教科の確認。今日は金曜だから、政経があったわね、などと考える。
―――いつも通りの教室の風景。
私も席に着き、本日の教科の確認。今日は金曜だから、政経があったわね、などと考える。
―――いつも通りの教室の風景。
- のような気がした、が。
何かおかしい。何というか、そう、何かが足りない。
些細なものだけど、でも無ければものすごく寂しいような、そんな何か。
例えるならば、フォークの横にナイフが置かれていない。ご飯の横に味噌汁が置かれていない。そんな感覚。
些細なものだけど、でも無ければものすごく寂しいような、そんな何か。
例えるならば、フォークの横にナイフが置かれていない。ご飯の横に味噌汁が置かれていない。そんな感覚。
「みさちゃん、今日お休みだって。」
それだ、そういえばなぜか今日は日下部がいない。味噌汁は日下部か。
「なんだ、そうなの。で、何で休みなの?まさか、アイツに限って病気とか?」
「・・・うん。なんか、風邪引いちゃったらしいの。」
「な!?」
「・・・うん。なんか、風邪引いちゃったらしいの。」
「な!?」
正直かなり驚いた。あの日下部が、風邪。
5年間付き合ってきて、アイツが風邪になったことなど果たしてあっただろうか。
・・・あっただろうな。
5年間付き合ってきて、アイツが風邪になったことなど果たしてあっただろうか。
・・・あっただろうな。
「そうなの・・・日下部も大変ね。」
「それでね、柊ちゃん・・・。」
「それでね、柊ちゃん・・・。」
峰岸は本気で心配そうだ。
「ん?何?」
「明日、一緒に看病に行ってくれないかな・・・?」
「ええっ!?あたし?なんでまた!?あたしが行ったって別にどうなるわけでも・・・」
「え、えっと、その、実は・・・」
「明日、一緒に看病に行ってくれないかな・・・?」
「ええっ!?あたし?なんでまた!?あたしが行ったって別にどうなるわけでも・・・」
「え、えっと、その、実は・・・」
峰岸が困ったように笑う。
「実は、お兄さんも、一緒に風邪引いちゃったみたいなの・・・。」
―――翌日、土曜。
なんだかんだで結局来てしまった。今朝の峰岸からのメールによると、全く回復はしてないらしい。
『ひーらぎって世話好きでホントいい奴だよなぁ!』などと本日の病人にもよく言われるが、
やっぱりこれは損な性格だな、と痛感する。
なんだかんだで結局来てしまった。今朝の峰岸からのメールによると、全く回復はしてないらしい。
『ひーらぎって世話好きでホントいい奴だよなぁ!』などと本日の病人にもよく言われるが、
やっぱりこれは損な性格だな、と痛感する。
「どうしたの、柊ちゃん?」
「・・・ん、んーん、なんでもない。」
「・・・ん、んーん、なんでもない。」
余計なことを考えているうちに、すでに日下部宅まで来てしまっていた。
「ねぇ峰岸。やっぱりあたしがいても別に意味無いんじゃ・・・。」
「そんなことないわよ。今日はお父さんもお母さんもいなくて、家に二人だけらしいの。
私一人じゃとっても二人共の看病なんてできないもの・・・。」
「そんなことないわよ。今日はお父さんもお母さんもいなくて、家に二人だけらしいの。
私一人じゃとっても二人共の看病なんてできないもの・・・。」
ぼやきながら呼び鈴を鳴らす峰岸。
しばらくするとドアが開き、日下部のお兄さんらしき人が出てきた。マスクをつけて。
しばらくするとドアが開き、日下部のお兄さんらしき人が出てきた。マスクをつけて。
「あぁ、あやのと、みさおの友達か、いらっしゃい・・・。じゃ、とりあえず中に・・・。」
「・・・どうも、お邪魔します。」
「どうしてこんな季節に風邪なんて・・・もう。大丈夫なの?」
「・・・どうも、お邪魔します。」
「どうしてこんな季節に風邪なんて・・・もう。大丈夫なの?」
親しげに会話をする、峰岸と日下部兄。そういえば、もうすぐ結婚、だっけ・・・。私にはまだまだ先のことだけどさ。
「私はお兄さんを看てるから、みさちゃんの方、お願いしてもいいかな?」
「ん、おっけー。わかった。」
「ん、おっけー。わかった。」
こっちとしても二人の邪魔なんて野暮な真似はしたくない。
日下部も心配だけど、まぁアイツのことだし、きっとぐーすか寝てる。
楽観的に思って襖を開けた、が。
日下部も心配だけど、まぁアイツのことだし、きっとぐーすか寝てる。
楽観的に思って襖を開けた、が。
「入るわよ・・・て、ちょっと!日下部!大丈夫!?」
「・・・ひーらぎぃ・・・。」
「・・・ひーらぎぃ・・・。」
ベッドに横になる日下部を見て、思わず叫ばずにはいられなかった。
病人とそこまで縁の無い私でも、明らかに大変な状態だった。
目は虚ろ、はぁはぁとかなり息も荒いし、顔もだいぶ赤く、完全に衰弱しきっている。
病人とそこまで縁の無い私でも、明らかに大変な状態だった。
目は虚ろ、はぁはぁとかなり息も荒いし、顔もだいぶ赤く、完全に衰弱しきっている。
「あんた、ご飯は!?薬は!?ちゃんと水分摂ってる!?」
「ごはんは・・・食欲なくて、昨日からたべてない・・・。くすりと、お水は、昨日のよるに・・・のんだ。」
「ごはんは・・・食欲なくて、昨日からたべてない・・・。くすりと、お水は、昨日のよるに・・・のんだ。」
つまりコイツは、昨日から何も口にせず、水分も昨日の晩から摂ってないってことになる。
病人にとってそれは非常に深刻な事態。迷わず私は部屋を飛び出した。
病人にとってそれは非常に深刻な事態。迷わず私は部屋を飛び出した。
「峰岸!!大変、大変だって!日下部が!日下部がっ!」
「どうしたの、柊ちゃん。みさちゃんに何かあったの?」
「とりあえず、お水!水分!あと、何か食べるもの、お粥とか!」
「う、うん。ちょっと待っててね。」
「どうしたの、柊ちゃん。みさちゃんに何かあったの?」
「とりあえず、お水!水分!あと、何か食べるもの、お粥とか!」
「う、うん。ちょっと待っててね。」
冷蔵庫からスポーツドリンクを取り出し、私に受け渡す。
「お粥できたらすぐ持っていくから。」
言い終わる前に、私は日下部の所へ走って行った。
「ほら、とりあえずこれ飲んで!」
「んぅ・・・。」
「んぅ・・・。」
寝ている日下部の背中に手を回して、ゆっくりと起こし上げる。直に触ってみると、やっぱり体が熱い。
「ほら、ゆっくり、ちょっとずつでいいから・・・ね。」
両手でボトルを支え、くぴくぴと飲んでいく。いつもの覇気のなさが目に見えてわかった。
「も少ししたらご飯来るから、それまでちょっと待っててね。」
「・・・」
「・・・」
喋るのも辛そうだった。こんなに弱々しい日下部を見るのは初めてかもしれない。
「・・・ひーらぎぃ。」
衰弱した小動物は、きゅーんって、いつもより高い声を出すもので。
今の日下部はまさにそんな感じだった。
今の日下部はまさにそんな感じだった。
「喋んなくていいから、寝てなさいって。」
「ごめんね・・・。」
「どうして謝るの。別に、あんたは悪いことしてないでしょ。」
「いっつもめーわくかけて、今日も、わざわざきてもらって、ごめんね・・・」
「ごめんね・・・。」
「どうして謝るの。別に、あんたは悪いことしてないでしょ。」
「いっつもめーわくかけて、今日も、わざわざきてもらって、ごめんね・・・」
何かが胸にこみ上げてきた。
「謝らなくていいの!ただ私はあんたに早く治って欲しいだけなんだから!」
「うん・・・ありがと、ひーらぎ・・・。」
「ん・・・そ、それじゃご飯持ってくるから・・・」
「うん・・・ありがと、ひーらぎ・・・。」
「ん・・・そ、それじゃご飯持ってくるから・・・」
こういう空気は、やっぱりどうも苦手だ。
そそくさと退出しようとすると、きゅっと、なぜか服の袖を掴まれた。当然ベッドに寝ている日下部に。
そそくさと退出しようとすると、きゅっと、なぜか服の袖を掴まれた。当然ベッドに寝ている日下部に。
「いかないで・・・。」
そういえば、昔つかさの看病をしているときも、一緒に居てくれるようにせがまれたような気がする。
病気の時ってやけに心細くなるって聞くけど、やっぱり万人共通なのね。
微妙に涙目で懇願してくる日下部を見ながら、そんなことを考えていた。
病気の時ってやけに心細くなるって聞くけど、やっぱり万人共通なのね。
微妙に涙目で懇願してくる日下部を見ながら、そんなことを考えていた。
「わかったわよ、もう・・・。」
すとんと腰を落とす。
「私がずっと、そばにいてあげるから・・・。」
「ありがと・・・ひーらぎ・・・。」
「ありがと・・・ひーらぎ・・・。」
話しかけてきたら、ちゃんと相手したげるから。
ひっついてきても、すぐ振り払ったりしないから。
髪を引っ張っても、怒鳴らないから。―――だから、
ひっついてきても、すぐ振り払ったりしないから。
髪を引っ張っても、怒鳴らないから。―――だから、
「早く元気になってよ、みさお・・・。」
そのまま両手で、ぎゅっと日下部の手を握ると、弱々しく握り返された。
「・・・柊ちゃん?」
「のうわあああっ!峰岸、いいいいいつからそこに!?」
「け、結構前から・・・。」
「のうわあああっ!峰岸、いいいいいつからそこに!?」
「け、結構前から・・・。」
お盆を持った峰岸が、襖の前に立っていた。うぅ・・・恥ずかしいところを見られてしまった。
「お兄さんの方はどう?もう大丈夫?」
「うん、だいぶ良くなったみたい。ご飯も一人で食べられるって。」
「そ、じゃあ私はもう帰るわね。うつされたりしたら大変だし。」
「うん、わかった。今日はごめんね。」
「いやいや、いいっていいって。日下部のこと、よろしくお願いね。」
「うん、だいぶ良くなったみたい。ご飯も一人で食べられるって。」
「そ、じゃあ私はもう帰るわね。うつされたりしたら大変だし。」
「うん、わかった。今日はごめんね。」
「いやいや、いいっていいって。日下部のこと、よろしくお願いね。」
邪魔になるのもアレだし、早めに部屋を出ようとすると、
「ひーらぎ。」
か細い声が私を呼び止めた。
「今日はほんとに・・・ありがと・・・。」
「おう、また学校でね。」
「おう、また学校でね。」
―――翌々日、月曜。
高らかな鐘の音と共に、四時限目が終わる。やっと、午前が終わり昼休み。今日は朝から異様に疲れている。
高らかな鐘の音と共に、四時限目が終わる。やっと、午前が終わり昼休み。今日は朝から異様に疲れている。
「ひぃぃぃぃぃらぎぃぃぃぃ!!!」
咆哮と同時にひっついてきた、コイツのせいで。
「あー、なーによ、もう。」
「お昼!お昼一緒に食べよ!な!今日は柊のために、おっきいハンバーグ作ってきたんだぜ!」
「お昼!お昼一緒に食べよ!な!今日は柊のために、おっきいハンバーグ作ってきたんだぜ!」
くいくいと私の髪を引っ張ってせがむ。
横でニコニコ峰岸が笑っている。笑っているのはいつものことだが今日はやけに嬉しそうに笑っている。
横でニコニコ峰岸が笑っている。笑っているのはいつものことだが今日はやけに嬉しそうに笑っている。
「わーかったわよ。じゃ、こなた達にこっちで食べるって伝えてくるから、待ってなさい。」
「おう!早くな!急いでな!」
「おう!早くな!急いでな!」
別に私は逃げないっての。
そう思って扉を教室の扉を開けるとそこには・・・ある種の妖怪のような者が存在していた。
そう思って扉を教室の扉を開けるとそこには・・・ある種の妖怪のような者が存在していた。
「ねぇ、かがみ・・・?」
「うおっ、こなた!?何やって・・・あ、それより今日あたしお昼こっちで・・・」
「そうじゃなくてさ・・・」
「な、何よ?なんかあったの?」
「みさきちがさ、あんなにぺったぺたしてきてもさ、全然怒らないよね・・・?
私がひっついたら『やめろっ』って、すぐ怒るのにさ・・・。」
「あ、いや、あれは別に・・・ね。」
「ふーんだ。かがみんはみさきちだけとぺったぺたしてればいいんでしょ。」
「ちょ、もうこなた、何怒って・・・ぐおっ!」
「うおっ、こなた!?何やって・・・あ、それより今日あたしお昼こっちで・・・」
「そうじゃなくてさ・・・」
「な、何よ?なんかあったの?」
「みさきちがさ、あんなにぺったぺたしてきてもさ、全然怒らないよね・・・?
私がひっついたら『やめろっ』って、すぐ怒るのにさ・・・。」
「あ、いや、あれは別に・・・ね。」
「ふーんだ。かがみんはみさきちだけとぺったぺたしてればいいんでしょ。」
「ちょ、もうこなた、何怒って・・・ぐおっ!」
制服の後ろを突然引っ張られた。
「さぁ、ご飯だぞ!柊!早く、いっしょに食べよ!ほら!」
なすがままに引っ張られていく自分と、今後の方針を考えつつ、
風邪でも引いてしばらく休みたいなぁと思わずには、どうしてもいられなかった。
風邪でも引いてしばらく休みたいなぁと思わずには、どうしてもいられなかった。
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- かがみにべったりなみさきち、可愛いなw -- 名無しさん (2009-04-05 03:44:03)
- 三角!三角!三角関係キター! -- 名無しさん (2009-02-16 16:11:13)
- 謝るみさおのところで泣ける -- 名無しさん (2008-08-05 20:08:33)
- かがみの位置が素晴らしいな -- 名無し (2008-04-22 16:20:57)
- 弱ってる日下部は可愛いな~。 -- 有拳 (2008-04-09 04:09:06)
- こなたの嫉妬可愛い
-- 九重龍太 (2008-03-26 18:50:57) - こなた嫉妬吹いたww
-- 名無しさん (2007-12-25 12:52:40) - こなた嫉妬ktkr
弱ってるみさきちモエスなんだぜw -- 名無しさん (2007-12-25 07:12:30) - 何か…
何か良いぞ… -- 名無しさん (2007-12-19 19:35:04) - ぬおぉぉぉ…弱ってるみさおに萌えた… -- 名無しさん (2007-11-09 04:18:43)