――私たちは今、ゆたかちゃんの部屋で缶詰になっている。
すぐ向かいには、愛しいこなたの部屋。
すぐにでも飛んでいって、その髪を撫でたい。唇に触れたい。肌の感触を楽しみたい。ぶっちゃけヤりた……いや、自重。
すぐにでも飛んでいって、その髪を撫でたい。唇に触れたい。肌の感触を楽しみたい。ぶっちゃけヤりた……いや、自重。
でも……今、こなたの部屋に行くわけにはいかない。
風邪のスケールアップ版であるところのインフルエンザに罹り、高熱に喘いでいるこなたは、さっきようやく寝付いたところ。
え、インフルエンザは風邪とは別物? こなたが言ってるんだからそれでいいの。
風邪のスケールアップ版であるところのインフルエンザに罹り、高熱に喘いでいるこなたは、さっきようやく寝付いたところ。
え、インフルエンザは風邪とは別物? こなたが言ってるんだからそれでいいの。
神聖なるこなたの睡眠は、何人たりとも冒すことあたわず。
たとえ、それがゴッドかなたおばさんであっても。
……だから私たちは、ここでこうして、修行僧のような顔をして詰めているわけで……
たとえ、それがゴッドかなたおばさんであっても。
……だから私たちは、ここでこうして、修行僧のような顔をして詰めているわけで……
――――――――――
『こな☆断ち』
――――――――――
『こな☆断ち』
――――――――――
「泉さん……大丈夫でしょうか?」
みゆきはさっきから、きっかり三十一コンマ四三秒の間をおいて、同じ台詞を繰り返している。
そしてその合間には、ぶつぶつと呟きながら、視線を宙に泳がせている。
鼻血が顎を伝い、手元のコップに高良印のトマトジュースが溜まっていく。
目がうつろだ。焦点が合ってない。マジ怖い。
みゆきはさっきから、きっかり三十一コンマ四三秒の間をおいて、同じ台詞を繰り返している。
そしてその合間には、ぶつぶつと呟きながら、視線を宙に泳がせている。
鼻血が顎を伝い、手元のコップに高良印のトマトジュースが溜まっていく。
目がうつろだ。焦点が合ってない。マジ怖い。
「こなちゃん……大丈夫かな?」
つかさもさっきから、同じ台詞を繰り返している。
こちらも時々、何かをぶつぶつ呟いたかと思うと「はぅっ」と呻いて気を失い、「……ばるさみこす~」と呟いて復帰する。
タチの悪いコンピューターウイルスにかかったWindowsマシンみたいだ。
つかさもさっきから、同じ台詞を繰り返している。
こちらも時々、何かをぶつぶつ呟いたかと思うと「はぅっ」と呻いて気を失い、「……ばるさみこす~」と呟いて復帰する。
タチの悪いコンピューターウイルスにかかったWindowsマシンみたいだ。
「お姉ちゃん……」
エプロンを握り締め、ゆたかちゃんが呟く。
もちろん、着ているエプロンではない。まだ着替えさせるつもりか。
もう片方の手で、しっかりと岩崎さんのセーターの裾を掴んでいる。
エプロンを握り締め、ゆたかちゃんが呟く。
もちろん、着ているエプロンではない。まだ着替えさせるつもりか。
もう片方の手で、しっかりと岩崎さんのセーターの裾を掴んでいる。
「…………」
黙々と、プレッシャーウォーク(その場歩き)を続ける岩崎さん。
壁にぶち当たった電動歩行ロボットのように、岩崎さんの足が地面を滑っている。
その目はドアの一点を見つめたまま、瞬きすらしていない。
拉致る気だ。きっとそうだ。
黙々と、プレッシャーウォーク(その場歩き)を続ける岩崎さん。
壁にぶち当たった電動歩行ロボットのように、岩崎さんの足が地面を滑っている。
その目はドアの一点を見つめたまま、瞬きすらしていない。
拉致る気だ。きっとそうだ。
日下部は落ち着かないのか、その場でお百度を踏んでいる。
お百度のはずが、いつしか反復横跳びになっているのは気にしないことにした。
足元のカーペットは、摩擦ですっかり毛が抜けてしまっている。
そろそろ、消火器の準備をしよう。部屋の中が煙くさくってさー。
お百度のはずが、いつしか反復横跳びになっているのは気にしないことにした。
足元のカーペットは、摩擦ですっかり毛が抜けてしまっている。
そろそろ、消火器の準備をしよう。部屋の中が煙くさくってさー。
峰岸は卵の白身を泡立てながら、一人黙々と「ヴぁ」の発声練習を続けている。
いや、峰岸というより、かつては峰岸だったメレンゲの塊、といった方が正しいかも。
いや、峰岸というより、かつては峰岸だったメレンゲの塊、といった方が正しいかも。
「熱が出てる時は、布団をかぶせて暖かくさせてあげないとダメなんだよっ!」
「ノンノン! ハイヒートの時は冷やすのがイチバン!お布団なんてポイでス!」
真っ向から対立したまま熱く議論を戦わせる、田村さんとパトリシアさん。
日米の家庭療法の違いの勉強にはなるが、もう一時間以上、同じ台詞の応酬を続けるばかりで先に進まない。
頼む、田原総一朗。そろそろCMに入ってくれ。
「ノンノン! ハイヒートの時は冷やすのがイチバン!お布団なんてポイでス!」
真っ向から対立したまま熱く議論を戦わせる、田村さんとパトリシアさん。
日米の家庭療法の違いの勉強にはなるが、もう一時間以上、同じ台詞の応酬を続けるばかりで先に進まない。
頼む、田原総一朗。そろそろCMに入ってくれ。
「おふとん……こなちゃんとおふとん……はうっ」
「泉さんのお布団……お布団の中に……ごふっ」
二人の議論を聞いていたつかさとみゆきが、仲良く手をつないで三途の川へとスキップしていった。
幸せそうでなにより。
「泉さんのお布団……お布団の中に……ごふっ」
二人の議論を聞いていたつかさとみゆきが、仲良く手をつないで三途の川へとスキップしていった。
幸せそうでなにより。
――時計の針がじりじりと這い上がっていくのを見つめながら、私は時が過ぎるのを待っている。
私たちは依然として、ゆたかちゃんの部屋で缶詰になっている。
私たちは依然として、ゆたかちゃんの部屋で缶詰になっている。
今にも破裂しそうな、シュールストレミングの缶詰だけど。
こなたが元気になったら、思いっきりお祝いしてやろう。
つかさと峰岸にお菓子を作らせて、パトリシアさんには新作のチアダンスを考えさせて踊るんだ。
田村さんには、全快記念に手描きアニメで一時間の大作を作ってもらおう。
つかさと峰岸にお菓子を作らせて、パトリシアさんには新作のチアダンスを考えさせて踊るんだ。
田村さんには、全快記念に手描きアニメで一時間の大作を作ってもらおう。
それから、みんなを帰して、こなたとゆっくり二人の時間を楽しむんだ。
まずは優しい言葉をかけてやって、それからこなたとベッドの脇に腰掛けて。
こなたの髪を撫でてやって、こなたの目を見つめて、こなたの手をこなたの胸をこなたのこなたこなたこなたこなたこなた……
まずは優しい言葉をかけてやって、それからこなたとベッドの脇に腰掛けて。
こなたの髪を撫でてやって、こなたの目を見つめて、こなたの手をこなたの胸をこなたのこなたこなたこなたこなたこなた……
……ああ、ダメだ。禁断症状が進んでる。
気が付くとこなたの事で頭が一杯になってて、こなたのこなたがこなたこなたこなた……
気が付くとこなたの事で頭が一杯になってて、こなたのこなたがこなたこなたこなた……
「ど……どんだけ~」
「け……け……遣唐使」
「し……シベリア超特急」
禁断症状に苦しんでるのは、私だけじゃないらしい。みんなは輪になって、しりとりを始めてる。
確かに、そうやってればこなたのことは考えなくて済むわね、こなたの、こなたこなたこなたこなた。
「け……け……遣唐使」
「し……シベリア超特急」
禁断症状に苦しんでるのは、私だけじゃないらしい。みんなは輪になって、しりとりを始めてる。
確かに、そうやってればこなたのことは考えなくて済むわね、こなたの、こなたこなたこなたこなた。
「れ……冷蔵庫」
「こ、こ、……こなちゃん」
「こ、こ、……こなちゃん」
……あ。
日下部がベッドへダイビングし、ベッドと壁の隙間に綺麗に挟まった。あんたはどこかのお笑い黒人か。
みゆきの眼鏡がすっ飛び、峰岸の顔にスポッと収まった。あら、案外似合うわね。
つかさがバルサミコ酢の瓶を逆手に持って暴れだしたので、当て身投げを食らわせて眠らせる。
田村さんが、もの凄い勢いで漫画の原稿を描き始めた。
パトリシアさんは、ネギを振り回しながら歌いだす。それは英語じゃなくてフィンランド語だ。
みゆきの眼鏡がすっ飛び、峰岸の顔にスポッと収まった。あら、案外似合うわね。
つかさがバルサミコ酢の瓶を逆手に持って暴れだしたので、当て身投げを食らわせて眠らせる。
田村さんが、もの凄い勢いで漫画の原稿を描き始めた。
パトリシアさんは、ネギを振り回しながら歌いだす。それは英語じゃなくてフィンランド語だ。
再びドアに向かって無言で歩き出した岩崎さんのセーターを、ゆたかちゃんが掴む。
セーターが限界まで伸びきったところで、ゆたかちゃんの握力が負けた。
哀れ岩崎さんは、勢いよくドアにぶち当たって失神した。
セーターが限界まで伸びきったところで、ゆたかちゃんの握力が負けた。
哀れ岩崎さんは、勢いよくドアにぶち当たって失神した。
そして田村さんは、そのわずかな間に三十二ページフルカラーの原稿を描きあげると、「入稿してくるっス!」と叫んで窓から飛び出していった。
一度こなたを意識してしまうと、みんな一気に爆発寸前に陥った。
すぐにでもこなたの部屋へと行きたい気持ちを僅かな理性で押しとどめ、あっちこっちで悶絶している。
みゆき、天井を転がるのはやめてくれ。生物学は無視してもいいから、せめて物理法則だけでも守ってくれ。
峰岸、あんたは部屋をメレンゲで埋め尽くす気か。
日下部とパトリシアさんが、メレンゲに包まれてもがいてる。……なぜか「ゴキパオ」という単語が頭をよぎった。
ゆたかちゃんは、力を使い果たしてぴくぴくと痙攣している。どんだけ弱いのよあんた。
つかさ、メレンゲ食うな。
すぐにでもこなたの部屋へと行きたい気持ちを僅かな理性で押しとどめ、あっちこっちで悶絶している。
みゆき、天井を転がるのはやめてくれ。生物学は無視してもいいから、せめて物理法則だけでも守ってくれ。
峰岸、あんたは部屋をメレンゲで埋め尽くす気か。
日下部とパトリシアさんが、メレンゲに包まれてもがいてる。……なぜか「ゴキパオ」という単語が頭をよぎった。
ゆたかちゃんは、力を使い果たしてぴくぴくと痙攣している。どんだけ弱いのよあんた。
つかさ、メレンゲ食うな。
……その時、ドアが音もなく開いた。
メレンゲの向こうに、見え隠れする長い髪。
私のツインテールレーダーに反応。IFFチェック。反応、ヲタさん。
人影に四角いカーソルが重なり、「TGT」の文字が見えた(気がした)。
私のツインテールレーダーに反応。IFFチェック。反応、ヲタさん。
人影に四角いカーソルが重なり、「TGT」の文字が見えた(気がした)。
泉こなた、ルパンダイヴの射程内。柊かがみエンゲージ!
<<こなたーーーーーーーーーっ!!>>
<<こなたーーーーーーーーーっ!!>>
「……わっ、ちょ、待っ、私は田むr、あひーーーッ」
― CHAOS END ―
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- 「一発までなら誤射」
― 柊 かがみ ― -- 名無しさん (2008-11-25 11:02:16) - カオスwwwwwwwwwwフィンランド語だって初めて知った -- クドリャフカ07th (2008-11-20 22:45:35)
- かがみん自重しろwwww -- まじかる☆あんばー (2008-11-20 11:21:18)
- 意外とレーダーの精度が悪いなw -- 名無しさん (2008-11-20 00:28:51)
- 誤射すんなwwwwwwwwwwww -- 名無しさん (2008-11-19 19:38:01)
- テラカオスwwwwww -- 名無しさん (2007-11-12 20:37:04)